デジタルカメラの外部LCDモニター
カテゴリ<天体写真 ポータブル赤道儀 自作 ステッピングモーター アンドロメダ銀河 PENTAX KS1>
2026年の8月に天の川の撮影に成功し、9月はKS1と300mmの望遠レンズでアンドロメダ銀河を再撮影する予定でしたが、9月の月明かりの無い9日間、曇りと雨でせっかくの銀河撮影は出来ませんでした。 夜長の季節になり、暇ですので、銀河の撮影時、カメラの焦点調整や目的の銀河を探すとき、カメラ後面のライブビューを使いたいのですが、その画面を見る為の姿勢を保つ事が出来ない事や、赤道儀や三脚に邪魔されてどんな姿勢でも見る事が出来ない事が起こります。 その為、フォーカスリングや雲台を少しずらして一度撮影した後、PCで確認するという非常に非効率的な方法しか取れない状況を、なんとか改善しようと、PENTAX KS1で使える外部モニターをアマゾンやAliExpressで探していました。
しかし、5インチから7インチのHDMI対応のLCDモニターは中国から直接購入しようとしても6000円を超える状況で、レンズキット込み16000円の一眼レフデジタルカメラの付属品にしては高すぎます。
そこで、K20Dの外部モニター用として購入してあった、コンポジット信号用の4.3インチのモニターに、KS1のHDMIデジタル映像信号をコンポジット信号に変換して入力し、フォーカスや星の位置の確認が出来るかトライしてみる事にします。
このLCDディスプレーは車のリアカメラのモニター用として売っていたもので、2025年の秋に購入したものです。価格は1500円程度で、コンポジット信号しか入力出来ません。 K20Dの場合、これでOKなのですが、KS1の映像出力はHDMIのデジタル信号なので、これをアナログのコンポジット信号に変換する必要が生じます。
HDMIをコンポジットに変換するアダプターは日本製の場合、最寄りの大型量販店で9880円(税抜き)でした。 一方、アマゾンの中国製は送料込みで550円です。両者の機能はほとんど同じで、どうしてこれ程の差がつくのでしょうかね。 左がアマゾンの中華製の変換アダプターです。付属品はUSB-AコネクターからDC5Vを取り出し、アダプター側へ供給する特殊なケーブルのみが付いていましたが、それ以外のケーブルは汎用品ですので、ダイソーで手配できます。
次にKS1のマイクロHDMI端子からの信号をHDMIコンポジット変換アダプターのHDMI-A端子に変換するケーブルをアマゾンで手配しました。690円くらいでした。 ケーブルなしの変換アダプタはこの半額くらいで有るのですが、もし、アダプターを誤ってなにかにぶつけた場合、カメラ側のコネクターを破損する可能性があるので、あえてケーブルタイプにしました。下がその変換ケーブルです。
長さは20cmくらいですので、カメラとの距離を確保する為、1.5mのタイプAのHDMIケーブルをダイソーで買いました。値段は330円でした。
今回使ったコンポジット入力のモニターは12Vの外付け電源が必要です。 また、HDMI→コンポジット変換アダプターも前述のごとく5Vの電源が必要です。USBケーブルが付属していますので、PCのUSB端子から電源を取る事ができますが、モニターを見る為だけに、すぐそばにPCを用意するのは面倒です。 12Vの電源はポータブル赤道儀を駆動する為のバッテリーから取り出す事ができますので、ここから取り出した12VでLCDモニターの電源をまかない、さらに使い道の無かったDCDCコンバーター(AM送信機で使っていましたが、送信機の電源を36Vから64Vに変更する為、新たに手配した72V用DCDCコンバーターに取替、外してジャンク箱行きになっていた物。)で5Vの出力を確保できる電源BOXを作ることにしました。
電源BOXはダイソーで見つけた110円のプラケースに収めました。使っている部品は全てジャンク箱の中に転がっていたものばかりで、新たに購入したものはありません。モニターと変換アダプターが動作中の12Vラインの消費電流は150mA程度なので、銀河撮影時に動作させる赤道儀の電流と合わせて330mA程度になりますが、容量的には全く問題有りません。
左上が実際に撮影された画像で、右上が今回のLCDモニターに映し出された再生画像をデジカメで撮影したものです。LCDモニター側の下の方が白くなっているのは、モニターの偏光の性です。 星がちゃんと見えるんか心配ですね。
モニターの裏にあるスタンドに紙ばさみをビスで固定し、これで3脚の足を掴むことで、モニターの位置は好きな場所に固定できるようにしました。
左は西北西方向で山影に沈みかけているアークトゥルスを300mm望遠レンズで捕え、かつカメラのフォーカスを最良(点の面積が最小)になるように調整した時のLCDモニターの画面をデジカメで撮影したものです。 この星は1等星ですが、55mmまでズームアウトすると、モニターでは確認できませんでした。
ライブビューの場合、1等星くらいの明るさの星をズームアップ状態で無いと良く見えません。 左上の画像を得るのに、カメラの向きを微調整する事約5分。やっととらえる事ができました。 従来は1km以上はなれた人口光で合わせていましたが、人口光の無い場所に出かけてやる作業ですから、実際の星を使って合わすしかありません。 リアルタイムではありませんが、30秒シャッタータイムで撮影し、その撮影画像を再生した場合、4等星くらいまで写り込んでいますので、4~5回目の撮影で最良ポイントを見つける事ができます。
左上が、フォーカス無限大から2回目、右上がフォーカスの3回目の調整で最良状態にした時の画像で、4回目の画像で少しボケましたので、3回目の画像にもどしました。調整時間はトータル4分くらいです。 このサイズのままでは星は一つもみえませんが、クリックして拡大すると見えてきます。まだ極軸の調整が済んでいないので、右の画像は点ではなく線になっています。線の場合でも太さが変わりますので、フォーカスが合っているかどうかの判断は問題なくできます。
さらに、この状態でドリフト法による極軸調整を行っている最中の画像が下です。
これらの作業は従来、PCの画面で確認していましたので、カメラをPCに接続中はカメラの操作が出来ない為、いちいちカメラからUSBケーブルを外す必要があり、実際にPCでカメラの画像を見ようとすると、エクスプローラーでホルダーを探し、さらに、今撮影した画像ファイルを探して表示するという手間がありました。 さらに記録されている画像はJPEGとPEFタイプのRAW画像であり、PCに付属しているフォトビューアーはRAW画像の表示が苦手でJPEG画像を選んで表示する必要が有ります。一方カメラの後面LCDへ最初に表示する画像は最新のRAW画像が表示されますので、PCの時必要な手間を全て省くことが出来、ドリフト調整も格段に時間短縮できます。 慣れてくると、ドリフト法による極軸調整を行いながらフォーカスの調整を行えるので、楽勝です。
そして、10月に入ってから月明かりの無い光害もない場所で実践してみました。 結果は大失敗でした。4.3インチの画面では最適焦点調整と、ドリフト法による星の軌跡とも最適状態になりませんでした。家を出発したのは午後8時、帰宅は午前1時。狙ったターゲットはアンドロメダ銀河。レンズの焦点距離が300mmになった事で極軸設定とターゲットの導入は難攻を極め1時間半以上かかってしまいました。次の日、カメラの画像をPCに移し、拡大してみると、フォーカスはまあ完ぺきではないけど、使える状態。 しかし、星が丸くなっていません。全星とも短い線になっています。さらに120枚の撮影画像の内、撮影開始から15枚目くらいから、星像が線から丸くなり出し、最後の画像では完全にボケていました。 やむなく、ボケの無い14枚のみをSirilに読み込ませたら画像解析が始まった時点でエラー。写っている光の棒は星では無いと判定したみたいです。原因は小さなサイズのディスプレーでは解像度が劣り、ドリフト法で描かれた線がまだVの字なのに、画面上はIの字に見えてしまった事。 撮影途中からのボケは夜露がレンズに付着したもの。
ディスプレーだけの問題なら現在PCで使っている20インチの外部モニターと、車のDC12VをAC100Vに変換するインバーターがあるので、これを使えば問題ないと考えられますが、写された画像を拡大したり、スクロールする時に、カメラのノブを手探りで探しながら画像の確認をする事は無理があります。 次回からは、従来通り、PCでカメラの中を覗き、フォーカスや極軸調整をやる事にします。
夜露の問題は、撮影場所が草むらだった事が一番効いているようです。 コンクリートやアスファルトの上で、なるべく水辺から遠いところで撮影する事が大事とAIが教えてくれます。これも、対策として、レンズヒーターを手にいれましたので、場所選びとこのヒーターで改善を図ります。
期待した効果はほとんどダメになった外部モニターですが、唯一、これが役に立つ場面がありました。カメラが天頂付近を向いているとき、撮影した画像のヒストグラムの確認がすぐに出来る事です。
M31 PENTAX KS1 F5.8 f300mm ISO3200 30秒x51枚
M31 PENTAX KS1 F5.8 f300mm ISO6400 30秒x60枚
上の2枚のM31の画像はこれらの失敗原因を対策し、家のベランダから試験的に撮影したものです。二つの大きな違いはISO感度です。 ISO感度を上げると、星の直径が大きく写りバックが騒がしくなりますね。 私の機材では3200くらいが一番良さそうです。 月明かりの無い、雲の無い夜に巡り合えたので、前回の撮影場所でリベンジトライしました。ところが、今度は別の原因で失敗しました。
ドリフトの最中、及びターゲットの導入最中に、PCがハングアップしたり、カメラが応答しなくなります。カメラもPCも電源OFF/ONで解決しますが、時間のロスは計り知れません。原因はUSB接続をカメラの電源がONのままでやった事でした。昨年も240枚の撮影で実際に撮影出来たのは15枚だけという事故がありましたが、原因は同じと思われます。 カメラの取説にHDMIやUSBコネクターの抜き差しはは必ずカメラの電源をOFFにしてする事と書いてあります。 USB規格ではコネクターは活線挿抜と規定されており、通電中にコネクターを抜き差ししても、異常が無い事が決められています。 PENTAXのカメラはどうもこの規定を逸脱しているみたいです。このカメラが発売された時期より古いキャノンやソニーのコンパクトデジカメすら活線挿抜対応なのに対応していない事に不満が残ります。最新のカメラは対応されているのでしょうか? と、ここで悔やんでもしようが無いので、撮影準備中のUSB抜き差しは止める事にしました。 そして、フォーカスやドリフト及びターゲット導入の為、1080P対応のPC用ディスプレーを使う事にします。 手持ちの20インチ1080P対応ディスプレーを使うと、後面モニターの2倍以上の解像度が得られる事と1ピクセルのサイズが面積比で25倍に大きくなって暗い星も見えるようになります。 ただし、ライブビューの場合と撮影済み画像の再生の場合で画質が異なり、ライブビューの方が劣ります。フォーカス調整はライブビューでおこないますので、星の直径が最小になるのが見にくい状態です。 ただし、この状態でも撮影して再生した画像では、ちゃんと点になっています。 また、暗闇で手探りで操作しなければならない画面の縦横のスクロールですが、実際にドリフト調整で使ってみると、画面の拡大表示は必要ですが、スクロールはやる必要はありませんでした。 画面の拡大縮小はカメラの上面にあるダイヤルを回転して行いますので、操作は問題なくできました。
リベンジが失敗した最初の原因はカメラやPCのハングアップだったのですが、そのドサクサのなかで120枚の撮影とダーク、バイアスの撮影が、150mmのズーム状態で行われてしまい、出来上がった画像はブログにとてもアップできない仕上がりでした。
そして、10月の月明かりの無い、雲のない星空の時期は過ぎてしまいました。
従来、ターゲット導入時にかなりの時間を要していましたので、上の写真のごとく新兵器を用意しました。赤道儀とカメラ雲台の間に「カメラレベリングベース」と言われる傾きの微調整を行う装置を追加しました。従来は自由雲台だけで行っていましたので、ひどい時はターゲットを画面の中央に収める為に1時間半くらいついやした事も有りましたが、このレベリングベースを使う事により30分以内で導入完了できます。 ズームレンズのズームリングとフォーカスリングは紙テープで動かないように固定してあります。導入の最初は18-55mmのレンズでターゲットを見つけ、画面の中央にくるように雲台だけで調整を行い、次にこの紙テープで固定した300mmのズームレンズに取替、ベースでターゲットが画面のセンターにくるように調整します。このベースは最大±5度傾ける事ができますので、楽勝です。中華製ですが2500円くらいでした。
11月に再度トライしてみます。




















































































