2019年6月24日 (月)

時々2mが送信できない。そろそろ寿命かな?

カテゴリ <TH77

快調に使用出来ていたTH-77ですが、今年の正月ごろから、時々送信できないというトラブルが発生していました。 今年になって何回か使用したのですが、半分くらいの確率で送信不能に陥ります。

インターネットで情報を探すと、ぴったりの症状がヒットしました。 430はOKだが144だけが送信できないという症状です。 原因は電界コンデンサの液漏れの為、付近の部品や銅箔を腐食させ、2mの送信起動回路が正常に働かないらしいのですが、修理は非常に難しいと書かれています。

時々その症状が出るので、完全腐食まではなっていないかも知れないと、インターネットで英文サービスマニュアルを探しだし、早々に分解して中を覗いてみる事にしました。

Th771

Th773上の写真の黄色で囲った当たりが臭いとにらみ、SMTの電解コンデンサを触ってみると、これがグラグラです。横からみても液漏れ臭いので、これを取り外してみたら、銅箔ごと取れてしまい、半田付けの銅箔は無くなってしまいました。 

左がその取り外した電解コンデンサですが、液漏れが始まったばかりの状態でした。 もう一個の電解コンデンサは、まだ大丈夫みたいです。 この電解コンデンサはELNAブランド。KenwoodはELNAがお気に入りみたいで、この時期のモデルは全てELNA製であり、これが決まって液漏れを起こします。 ニチコンやケミコン品は容量ダウンが有っても液漏れまで発展する事は無いのに。

Th772

どこがわるいのか特定はできていませんが、変色したトランジスタのコレクタ端子と270KΩのチップ抵抗の電極は半田付けしなおし、接点復活剤を吹き付けた状態で通電してみました。すると、270KΩの抵抗と電界コンデンサの端子の間にある腐食したようなところから煙がでます。 煙と言っても蒸気みたいな感じで焼けている気配は有りません。 

使用した接点復活剤は、接点の清掃を行うもので、いつも使う「KURE」ブランドです。 スイッチの接点復活以外に、SMT基板の清掃や、GHz帯のコネクター清掃に使っており、例え拭き残りがあっても、電子部品を腐食させたりはしないというものです。 接点復活剤を綿棒できれいにふき取り、送受信テストすると、たちまちは異常が有りません。 取り外した電解コンデンサをリード付コンデンサで代用しようとしましたが、半田付けの銅箔が折れてしまい、もう有りませんので、回路図から、最悪無くてもよいかと、勝手に判断して、電解コンデンサ無しで元の状態に組み立て直しました。

Th774

受信テストをすると、スケルチのスレッシュホールドポイントでポツポツとノイズが連続して入ります。 S9の信号を受信すると、音声が高速に断続して聞こえ、了解度が大幅にダウンします。 やはり47uFの電解コンデンサは必要なようです。 

そこで、手持ちの10V100uFを左の写真のように追加しました。 この対策で、スケルチの効きは正常になり、音声もきれいな元の状態に戻りました。

そして、今までやっていなかった送信テストを行ってみました。 SENDモードになり、そばに置いてあるFT991のSメーターがフルスケールになるのは確認済みでしたが、しゃべってもスピーカーから音声は出ません。 変調がかからないようです。

サービスマニュアルの基板図は解像度が悪く、チップ部品のREF No.はおろか、ストリップラインのつながりも良く判りません。 唯一IC1の場所が判りましたので、オシロを各端子に当てて、マイクに向かって大声で叫ぶと、IC1の3番ピンにはかろうじて信号が見えますが、1番ピンにはなにも見えません。

テスターでDC電圧を当たると、3番ピンが5V、1番ピンも5Vです。 OP-AMPですから3番も1番ピンも2.5Vでないといけないのですが、ここが5Vです。 Th776

R30 27KΩが断線もしくはGNDへ接続されていないのが原因のようです。C45の2.2uFはちゃんとGNDに接続していますので、R30だけが浮いていると思われます。

Th775

そこで、C45に1608のチップ抵抗をパラ付する事にしました。C45のサイズが大きすぎてコンデンサの背中にパラ付できませんので、コンデンサのGND側に27Kの抵抗を立てて半田付けし、反対の端子から0.18mmφの銅線でコンデンサのホット側につないでやりました。 この追加作業で、変調がかかるようになりましたが、本当の原因は不明のままです。

この状態で当分様子を見る事にします。

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2019年6月 1日 (土)

10m E級アンプの実験

カテゴリー<6m AM >

タイトルは10m E級アンプですが、当初、6m E級アンプのつもりで実験を始めましたが、どうにも出力が出ず、やむなく10m E級アンプに修正した経緯があります。

安い半導体で50MHzのPWM変調方式のAMパワーアンプを実現すべく調べていましたら、2018年の春に、TIより60MHzのFETドライバーが発売になっていることを知りました。 この新製品であるドライバーがDigikeyにて500円台で発売されています。 残念ながら私はDigikeyのアカウントを持っていないので、60MHzでなくても30~40MHzくらいのFETドライバーをRSで取り扱っていないか探したところ、TIの製品でUCC27511というドライバーが見つかりました。 FETの入力容量が1800PFの場合、Typ24MHz付近まで動作します。 現在6mのAM送信機に使用しているファイナルはIRFI510で、このCissは180PFです。 入力容量がドライバー指定の1/10ですから、50MHzまで動作してくれないだろうかと、このUCC27511を手配し、実験する事にしました。

28m_pa0

28m_pa1

UCC27511はRSでMOQ=5の条件で、1個 187円弱です。

放熱板や基板を加工し、実験出来るボードを作り、実験を開始しましたが、残念ながら、50MHzの出力は得られませんでした。 FETドライバーの出力がFETゲートをドライブできる波形やレベルになっていません。

28m_pa4

上のjpgによる回路図が良く見えない時は28M_ClassE_AMP0.pdfをダウンロード

そこで、周波数を下げて、どの辺まで出力できるのか調べてみました。

28m_pa5freq

左のグラフはVDD 5V、入力レベル6dBmにて、周波数を可変した時の出力です。32MHzを過ぎると急激に出力が落ちています。 ドライバーとFETの実力による周波数限界が重なった事から、この回路では32MHzが使用限界と考えられます。26MHz以下で出力が下がっているのは、使用しているメガネコアがカーボニルの低μ(ミュー)コアによるもので、フェライトコアを使えば、フラットかあるいは出力が上がる傾向になるものです。

結果的に50MHzでのパワーアンプは不可能と判りました。 そこで、28MHzではどうなのかデータを取る事にしました。

 

28m_pa6 上のグラフは28.5MHz、入力3Vppにて、電源電圧を可変した時の出力データです。青色のカーブはVDD:4Vの時の出力2.5Wを基準にした理想的なデータです。 赤色のカーブが実測値です。 VDD 7Vくらいまでは、なんとか理想に近いカーブをしていますが、それ以上のVDDでは電源電圧と出力の関係は非直線になっており、PWM変調においては、きれいな歪の少ない変調がかけられない事を示しています。

この原因は終段のIRFI510の性能が影響している為であり、60MHzのFETドライバーを用意しても、この問題は解決されないと考えられます。

IRFI510の限界周波数は約21MHzでした。 そこで、限界周波数が約39MHzのFKI10531ではどうだろうかと28MHzでテストしてみました。 残念ながら、Ciss=1500pFが災いし、電流が700mAくらい流れ、30秒くらい通電したら、UCC27511が煙を出して壊れてしまいました。

60MHzでもスイッチングするFETは実在しています。Gan FETと呼ばれていますが、1石9000円くらいですので、このFETを使うくらいなら、50MHzで200W出せるリニアアンプの方が安くできます。 よってこの検討は当分休止です。

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2019年5月 6日 (月)

PIC24FJ64GA004 フラッシュメモリーへの書き込み(EEPROM代用)

<カテゴリー:PICマイコン

16bitのPICマイコンの中で、24FシリーズにはEEPROMを個別に持っているものと、プログラムを格納するフラッシュROMエリアにデータも書きこんで、これを読み出す事により、EEPROMを代用できるものとに分かれます。 今回、PIC24FJ64GA004 において、EEPROM機能を必要としましたので、そのソフトをXC16のプログラムで紹介します。

Microchipやインターネットに情報公開している大先輩方による解説は沢山あるのですが、あまり考えずにコピペして使えるプログラム例がありませんでしたので、コピペだけで、済まそうという方に参考になればと思い公開します。

条件: フラッシュメモリーのアドレス0x9600から600バイトをEEPROM代用に宣言し、その中で64ワード分を読み書きできるようにします。 もし、64ワード以上必要な場合、ご自分で検討して下さい。

このデータメモリーは起動時にフラッシュROMエリアのデータを必要分のみ読み取り、プログラム実行中に変更されるあるいは変更されないデータいずれも、全てまた同じアドレスに書きこむことを基本動作としています。 例では lastmemory[] という変数の中にメモリー必要なデータが保持されるようにしています。 また、書き込み動作は結構時間がかかりますので、64ワード全てが必要でない場合、必要なワードのみを書き込み、影響を最小限にしています。 例では0から6までの引数(7種類)のデータだけを読み書きし、時間短縮を行っています。

コピペする範囲を青色、各自でアレンジする必要あるところを緑で示します。

最初にインクルードファイルです。

#include <libpic30.h>

次にグローバル変数を定義します。

section(".Data_Memory")の記述は、MPLAB Xにてコンパイルした時、メモリーマップが表示されるようにしたもので、リストの中に.Data_memory という情報を見つける事ができます。

//////////////グローバル変数として以下定義

unsigned int lastmemory[64];//EEPROM

const __attribute__((section(".Data_Memory"), space (prog), address (0x9600) )) unsigned int _flash_datas[96*8];

以下、読み書きENDまでが読み込み、書き込み関数です。 ここは何も考えずにコピペすればOKです。

/////////////////////////////////////////////フラッシュメモリー読み書き
void Flash_Read(unsigned char LN) {
 unsigned int i=0;

    unsigned int page = __builtin_tblpage(&_flash_datas);
    unsigned int offset = __builtin_tbloffset(&_flash_datas);
      // フラッシュメモリー読み込み
    TBLPAG = page;
    for (i=0; i<=LN; i++) {
        lastmemory[i] = __builtin_tblrdl(offset + i*2);
    }
}

void Flash_Write(unsigned char LN) {
    unsigned int i=0;
    unsigned int page = __builtin_tblpage(&_flash_datas);
    unsigned int offset = __builtin_tbloffset(&_flash_datas);

    
    // ページ消去
    TBLPAG = page;
    __builtin_tblwtl(offset, 0x0000); // 
    NVMCON = 0x4042;
    asm volatile ("disi #5");
    __builtin_write_NVM();          //erase 8line = 64*8
    while(NVMCONbits.WR);
 
    // ラストメモリー書き込み
    NVMCON = 0x4003;
    TBLPAG = page;
    for (i=0; i<=LN; i++) {
        __builtin_tblwtl(offset + i*2, lastmemory[i]);  // *2 偶数
        __builtin_tblwth(offset + i*2, 0xFF);
   
    asm volatile ("disi #5");
    __builtin_write_NVM();
    while(NVMCONbits.WR);
    }
}
/////////////////////////////////////////////フラッシュメモリー読み書きEND

以下、読み出したデータ lastmemory[] の中を、プログラムで使用している変数に分解します。 フラッシュメモリーはワード単位で読み出されますので、32bitのデータや8bitのデータはそれなりに加工が必要になります。 この例では、lastmemory[0],[1] は合成して32bitのデータに変換しています。 また、例えcharの変数でも16bit全体を使い余計な処理は省いています。

void readlastmemory(){
 unsigned long int bf;
 Flash_Read(6);//引数6は最後の[6]を指定する事
    bf = lastmemory[1];
 bf = bf << 16;
 BASEFREQ = lastmemory[0] | bf;
 V_level = lastmemory[2];
 MODE = lastmemory[3];
 IWB = lastmemory[4];
 RIT = lastmemory[5];
 Ritfreq = lastmemory[6];
}

以下は、プログラムで使用中の変数を lastmemory[] に格納した上フラッシュROMへ書きこみます。

void writelastmemory() {
 lastmemory[0] = BASEFREQ & 0x0000FFFF;//BASEFREQは32bitデータなので、[0],[1]に分割する。
 lastmemory[1] = BASEFREQ >> 16;
 lastmemory[2] = V_level;
 lastmemory[3] = MODE;
 lastmemory[4] = IWB;
 lastmemory[5] = RIT;
 lastmemory[6] = Ritfreq;
 Flash_Write(6);//引数6は最後の[6]を指定する事

}

MPLAB XにてコンパイルするときMPLAB Xの設定を少し変更が必要です。

Mplabx190506

Project Propertiesの中のXC16_gccを選び、上のoption categories の中のMemory Modelを開き、添付のようにチェックマークを入れます。(通常はマークなし) ただし、この状態は私の環境によるもので、使用状態では異なる可能性があります。 エラーが出る場合、この辺のチェックを付けたり外したりしてみて下さい。

このプログラムの実施例はこちらに有ります。

PIC24FV32KAシリーズのEEPROMアクセスコード例はこちらにあります。

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2019年4月28日 (日)

50MHz AMトランシーバー(組み立て2)

カテゴリー<6m AM >

送信機各段の発振やPLL VFOへの出力の回り込みなどの問題で、回路ブロックの再構築をやらざるを得ない状態であった、50Mhz PWM方式トランシーバーですが、PLL VFOを隔離状態にシールドし、受信部、電源部をそれぞれ独立させた構造に作り替える事にしました。 これを美しく仕上げる為に、アルミ板の折り曲げ機(ベンダー)を作るところから再スタートです。 アルミベダーは、このトランシーバーを作成始める時点で、製作したのですが、アルミを鋭角に曲げられず、どうしてもRが大きくなってしまい、前回の写真でも判るように、折り曲げ部が凸凹になっていました。 トランシーバーのブロック構造を変更するに際し、このアルミベンダーも再設計し、うまくいきましたので、やっと本来のトランシーバー製作に戻る事ができました。

6mrx0428top_2

6mrx0428back

上の写真は新しく作り直した、PLL VFO、受信機、電源の各ブロックで、特にPLL VFOは完全シールド状態にしてあります。 下の写真は、その裏側です。 完成状態では、この裏側にケースによりフタがかぶせられます。 一応この状態で、受信機は完動状態、送信機はVFO出力 OKのレベルです。 

Bafferout

Tx190430x2buffer_2

 前作の50MHz送信機用に作成したVFOから2逓倍回路を取り出し、これを単体でシールドし、バッファーアンプとしました。その出力端子のスペクトルです。 基本波の25MHzと75MHzがまだ残っていますが、終段までに-60dB以下にできそうです。 

2倍も3倍高調波もバッファアンプ終段のエミフォロの歪が原因ですので、問題は有りません。

ここまでが、受信部ブロックで、このバッファの出力を送信機ブロックに接続すれば、送信部の完成となります。

前回はこの検討の最中に異常発振が起こりましたので、 一応対策済みですが、気にしながら後段の動作確認を行います。

Tx190429bpf200m_2

Tx190429bpf2m_2

 左上が、200MHzまでにスプリアス、右上が、PWMサブキャリアの漏れをみた2MHzスパンのスプリアスです。 いずれも-60dBのスペックをクリアーしています。

Tx190429modsin

最終的な無変調時のキャリア出力は8Wでした。 事前検討のときVCC6.5Vで10W出力としましたが、いざ変調器を接続し、PWM LPFを通過した後の無変調時の終段に加わるVCCが5.7Vしかなく、8Wの出力は、ほぼ計算通りですので、目標の10Wには不足しますが、とりあえずこれで良しとします。 

また、予備検討時はきれいな正弦波による100%近くの変調が出来ていましたが、各段のゲインを発振しない状態に再調整した結果、左のようにかなり歪んだ変調波形となってしまいました。 ファイナルとドライバー段にPWMによる変調を同時に加えた場合、歪の少ない変調をかける事は非常に困難で、結果は出来高勝負という状態です。 ここは、やはりセオリー通り、終段だけに変調をかけ、入力から出力へスルーするキャリアをいかに減らすかかが、正しい、対策でしょうが、とりあえずは変調度は高いけど歪だらけという状態で一旦置く事にします。

理由はEスポのようにQSBが激しい状態では、了解度確保する上で変調度は重要です。 ただし、ローカルラグチューでは、例え変調が浅くても、歪の少ない信号が聞きやすいですから、余裕が出来たら検討する事にします。

Tx190429all

Tx190429lcd

Tx190430_anmeter_4

 

Line_filter_rx

全体を結合し、ケースの中に収めました。 ここで、問題点が発覚。 受信アンテナ端子へ、ファイナルのアンテナ切り替えリレーから、受信機用の同軸ケーブルをつないだ状態で送信テストをすると、LCDがチラチラとノイズ交じりでふらつきます。 終段の高周波がマイコンに混入し、誤動作しているようです。 ためしに、送信部と受信部の電源を分けるとこの現象が出なくなります。 結局、最初のアイデア通り、受信部にも専用の電源ラインフィルターを追加すると共に、受信部と送信部のグランドシャーシを機械的に接続する事で解決しました。 左上の写真がスピーカーのマグネットの裏に追加したLINEフィルターです。

8W出力時の消費電流は約3.2Aで、変調がかかると、プラス方向に振れます。 音楽を変調しながら、ダミー抵抗へ出力する2時間エージングも終了し、後はEスポの発生を待つだけとなりました。

PLL VFOの配線図 6mTRX_DDS_PLL-VFO3.pdfをダウンロード

受信部、BFO配線図 6mAMTRX_BFO3.pdfをダウンロード

送信部、変調部配線図 6mamtrx_txmodunit3.pdfをダウンロード

Eスポが発生しない為、このトランシーバーを持って、野呂山に行ってきました。 FT991によるSSBでのQSOは3局ほど出来ましたが、このAM機ではゼロでした。 山の上は雑音が少なく、FT991ではS1でもQRK5なのですが、このトランシーバーの受信雑音はいつもS7くらいです。 これでは、相手がコールしてきても交信成立しない可能性が大です。 

帰ってから、このノイズ対策です。 ノイズ発生源はマイコンとLCD、DDSやDSPの通信と思われますので、現在、メインループが回るごとに通信を行っている機能を、ひとつづつ止めてみました。 全て止めると、きれいにノイズがなくなり、S1の状態です。 ただし、Sメーターのデータ読み出しと、そのレベル表示は止められないので、この機能のみを動作させると、聴感で少しノイズの増加がありますが、Sメーターが振れるほどにはなりません。  よって最低このSメーター読み出しと、この駆動のみを残し、情報に変化がない場合、LCDを含めDDSともDSPとも通信をしないようにソフトを変更しました。 操作があると、そのたびにノイズが出ますが、操作しなければS1で問題なしとなりました。 このように原因解析できると、音量ボリュームと、そのレベル表示も、ひとつのノイズ源になっていますので、アナログ部分に可変抵抗器を設けてやれば、DSPとマイコンでやる必要は無くなります。 いつか、アナログの音量調整に変更し、DSPは音量固定にする事にしますが、当分はこのままです。 

完全に対策したはずですが、特定の周波数でノイズが大きくなります。 

その原因が判ってきました。 Sメーターが複数ランクアップするような外来ノイズと、受信感度のムラにより感度の高い周波数が一致すると、大きなノイズが発生しますが、ノイズが発生した事によりまた、Sメーターのレベルが上がり、そのノイズでさらに大きなノイズが発生し、これが極限まで行くとAGCの為、一度感度がダウンします。 感度がダウンして静かになると、すぐにゲイン最大に移行しますので、これに伴いSメーターも変化し、同じ事を繰り返すみたいです。 そこで、Sメーターの駆動を少し遅らせてみなした。 すると、この特定の周波数で雑音が増大する頻度が大幅に減少しました。 ただし、Sメーターの反応を遅らせすぎると、信号のピークにダイヤルを同調させにくいという問題がおこりますので、この遅らせる時間はさじ加減で決める事にしました。 完全対策ではありませんが、我慢できる程度までノイズを削減できました。

ノイズ対策をしたソースコード AM_TRX50MHz2.cをダウンロード

5月連休の最中、運よくEスポが発生しましたので、50.53付近でCQを出したところ、7エリアのOMよりコール頂きました。 その時、音質がこもりぎみで了解度がおちているというレポートを頂きました。 変調した波形をオシロで見ていると、音楽の場合、気にならないのですが、マイク音声の場合、中域以上の波形が目立たないので、気にしていたのですが、やはり、了解度を損ねる程の音質になっていたようです。

Modftoku_2

原因は、MICアンプの周波数特性の低域がかなり伸びており、さらに、マイクを接話状態で使った為、接話効果が加わり、低域のレベルが増大した結果、このレベルでアンチサチレーション機能が効いてしまい、中広域が大きく減衰したものでした。 左のグラフの様に、マイクアンプの200Hzの周波数特性を-10dBくらいまで落とす対策(青色)を行い、接話状態でも低域によるアンチサチレーション機能が起こりにくくして対策しました。(赤色がアンチサチレーションが動作するレベル) このアンチサチーレーション機能をOFFにする事も検討しましたが、周波数特性を調整する事で、異常はなくなりましたので、リミッター機能そのものは残しております。 アンチサチレーションON状態でも、音声信号のクリップはゼロではありませんので、変調度監視のレベルメーターの時定数をリアルに調整して、しゃべる時は常にメーターを見ることにします。

100modmtr

Mod100

Mod50

オシロの画面を見ながら、ドライバー段の出力や、アイドル電流を調整した結果、変調度メーターが100%を示したときの630Hz変調波形が真ん中の波形です。右の波形は50%時の波形で、両方とも歪は非常に少なくなっています。 この時の無変調時の出力は8Wです。 出力が8W以上にならないのは、ドライバー段の出力が電源電圧で決まってしまい、ドライバー入力を大きくしても出力は飽和状態になっている事が原因です。 

この状態でローカル局に聞いてもらったところ、こもった音はなく、変調が少し浅いと感じるが歪はあまり気にならないとの事でした。 変調が浅いと感じる理由は、歪を警戒して、変調度計が半分くらいしか振れないようにしたことが主な理由と思われます。 今年のEスポシーズン中にEスポQSOを再度トライする事にします。

見直した変調回路 6mamtrx_txmodunit4.pdfをダウンロード

トランシーバーが実用レベルになると、色々と欲が出てきます。 いままで一番不便だったのが、ラスト周波数メモリー機能が無く、電源をいれる度に周波数が50.500.0に設定される事でした。 このトランシーバーに使用しているPICマイコンはPIC24FJ64GA004という品番で、専用のEEPROMを内蔵しません。 不揮発性のメモリーがほしい場合、プログラムを格納するフラッシュメモリーエリアにデータも書きこむ必要があります。 しかし、その方法は複雑で、いままで避けてきたところですが、3日間くらい苦労した結果、ラスト周波数をメモリーする事が出来るようになりました。 詳細はこちらを参照ください。

ラスト周波数メモリー付ソフト AM_TRX50MHz3.cをダウンロード

Lcdrit98

6mamtrxcomp

50MHzのAMでは、クリスタル発振子によるスポット周波数での運用もあることから、現在設定している±9.9KHzのRIT周波数では不足する可能性があります。そこで、このRIT周波数を±98KHzまで拡大する事にしました。 マイコンのソフトを変更して拡大してみると、2.5KHzスパンのチューニングは粗すぎる事が判りましたので、現在VOL可変に使用していますロータリーエンコーダーを1KHzスパンのチューニングツマミに変更し、RITでも使えるようにしました。 VOLコントロールは可変抵抗を追加してアナログ式に変更しました。 VOL可変時のノイズも無くなり一石二鳥です。

また、過変調でキャリアがゼロになるのを少しでも軽減する為、PWM生成出力をインバーターで反転し、変調のD級アンプをドライブする事にし、今まで無変調時の終段RFアンプのDC電圧が5.7Vであったものを6.0Vに上げました。 この変更により、音声がPWM変調器でクリップするような場合でも、キャリアがゼロになる事は無くなりました。

この状態で、2回目のEスポによるQSOがJR8の局と成功し、6月には、野呂山山頂に移動し、3回目となる、9エリアと2way QSOも成功し、一応トランシーバーの完成を確認できました。 次の目標は、今年の6M&Downコンテストで何局と交信できるかになりました。

そして、6m &Downコンテスト当日、AM局を探しましたが、1局も見つかりません。 仕方なく、SSB局へゼロインしてコールすると、やっと13局とQSO出来ました。 さすがにコンテンスト中という事もあり、こちらがAMであるという事に気付いた局は1局も有りませんでした。 AMキャリア8WのUSBバンドのみをフィルターで選択すると、ピーク2Wになります。 SSBのQRP局5Wより小さくなります。 Eスポも出て北海道や沖縄の局がパイルをさばいているところで、コールしても取ってもらえる確率はほとんどなく、CQを出し始めた局がかろうじてピックアップしてい頂いた結果です。

これで6m AMはしばらくお休みとします。

最終の配線図

6mTRX_DDS_PLL-VFO4.pdfをダウンロード

6mAMTRX_BFO4.pdfをダウンロード

6mamtrx_txmodunit5.pdfをダウンロード

最終のソフト AM_TRX50MHz4.cをダウンロード

フォントファイル Font7.hをダウンロード  fontF30.hをダウンロード

番外として、28MHz用のE級アンプの検討を行いました。 こちらを参照ください。

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2019年4月20日 (土)

アルミ板ベンダーの自作

無線機を自作進行中ですが、回路が完成すると、それを無線機としてまとめる必要が生じます。 通常は、アルミシャーシの上に配置して、適当なパネルを立て、操作できるようにしたケースなしの物になりますが、 移動運用に使う目的の場合、持ち運びが簡単で、容易に壊れない事が要求されますので、ケース加工がマストになります。 いままで、アルミ板の曲げ加工をバイスと木製の当て木だけで行っていた関係で、美しく仕上げる事が出来ませんでした。 当然、寸法出しも難しく、なるべく曲げ加工が無いように作ってきましたが、50MHz用AMトランシーバーを製作する過程で、アルミ板の曲げ加工の必要が生じ、ベンダーマシンを手配する事にしました。

インターネットで調べると宝山がDIYに使えるベンダーを発売していますが、結構な値段がします。 さらに調べていくと、アルミ板くらいなら、ベンダーを自作されている人が沢山いらっしゃいます。 どうせ年に数回しか使わない工具ですので、先人にアイデアを頂きながら、私も自作する事にしました。

Bender2

インターネットにある自作ベンダーの記事を頼りに、左の蝶番と、20mm幅、厚さ2.5mmの鉄製Lアングルをホームセンターで手配し、半日で作ってみました。

ところが、Lアングルの回転半径が大きく、曲げ代が15mm以下になると、アルミ板を曲げられません。 15mm以上のものは一応曲げる事はできますが、折り曲げのRが大きく、結局、またバイスでつかんでハンマーでたたくという作業が必要になってしまい、アルミ板はボコボコです。

インターネットで紹介されている自作ベンダーのほとんどの記事で、概要はわかりますが、詳細な寸法や調整の仕方など、詳しく紹介している記事を見つける事が出来ませんでした。

Bender

そこで、欲張らずに1mm厚のアルミ板に限定したベンダーを、構造から検討し、寸法精度が出ない分は組み立て時、微調整するという事で、再製作を開始しました。

左の図面は、曲げ加工の原理図です。 黒のハッチが二つのLアングルで、赤色が1mmの板厚のアルミ板の位置を示したものです。 青色のアルミLアングルは折り曲げる板を下から挟む為のものです。

真ん中の円は蝶番の回転中心です。 今回の蝶番は先の失敗した物とは異なり、ビス止めする板の部分がフラットのまま回転軸に回り込む構造の物にしました。 また、この蝶番の板厚は1mmのものとし、この1mmが折り曲げるアルミ板の厚み上限となります。

板厚1mmの蝶番というのは、結構小さい形状で、耐荷重も大きくありません。 従い、寿命も短いとは思いますが、ガタがくるようになったら、蝶番を交換する事にします。

原理図では蝶番の回転軸にそって、右下のLアングルを起こすと、左上のLアングルの角の部分を支点として、直角にアルミが折れ曲がる事を示しています。

Bender1

原理図を元に蝶番の位置を決め3mmのビスナットで組み立てたのが上の写真です。 ビス穴は4.5mmを開けてあり、原理図のように1mmのアルミ板を挟んだ時、ぴったり隙間なしになるよう位置決めしてビスナットを締め付けました。

Bender3

実際に取り付けた蝶番が左の写真です。Lアングルを立てた場合、蝶番を止めるビス頭が一方のLアングルに緩衝しますので、8mmの穴を開け逃げてあります。

8mmの穴の近くにある3個の穴は失敗した蝶番の止め穴で、今回のベンダーには無関係です。

下の写真は曲げ代10mmで試験的に曲げたものです。Lアングルは90度までしか曲がりませんので、アルミ板の曲げ角度は88度くらいまでしか曲げられません。 この構造ではこれ以上は無理ですので、曲げ加工後、あて木で矯正する事にします。

Bender5

このベンダーで実際に板を曲げる場合、このLアングルの下に2mm厚のアルミLアングルを敷き、このアルミLアングルとベンダーのLアングルの間に曲げようとするアルミ板を差し込みます。 当初、この幅20mmのアルミLアングルだけでしたが、本来曲げる位置から約25mmの位置で2度くらいの折れ線が生じます。曲げる時の力が作用して、Lアングルのはしっこでアルミ板に余計な力が加わるようです。

対策としては、2mm厚のアルミ板を幅200mm、奥行き60mmまで両面テープで張り付け、力が集中しないようにしました。 効果は完全ではありませんが、手で矯正すれば治りますので、良しとします。

Bender8

上の写真が、2mm厚のアルミ板を敷いた状態です。 また、ベンダーアングルを固定する為にクランプを使いますが、そのクランプがつかみやすいように木製の台を作りました。 この板の下に下駄の歯のように、30mm角のサンをビス止めしてあります。

Bender6

曲げ幅が100mm以内なら指で押さえるだけでLアングルは90度回転しますが、100mmを超えると難しくなります。 その場合、上の写真のようにクランプで締め上げる事にしました。 最大折り曲げ幅は200mmです。

Bender7

左はこのベンダーで加工した、アルミシャーシで、トランシーバーのPLL VFOのケースです。最大曲げ幅は173mm、最少曲げ代7mm。 前回のボコボコのものよりかなり美しく仕上がりました。 

このケースを使ったトランシーバーはここで見る事が出来ます。 結構きれいに仕上がっています。

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2019年3月23日 (土)

50MHz AMトランシーバー(組み立て)

カテゴリー<6m AM >

一応、各ブロックが完成しましたので、これを、事前に用意したケースに収納する事にします。 ケースはドイツ製のアンテナが収納されていたものですが、そのアンテナが廃棄処分になりましたので、ケースだけもらって来たものです。 外形は大きいのですが、いざAMトランシーバーを収納しようとすると、これがかなり窮屈です。SSB用のリニアアンプ仕様のトランシーバーなら、大きなサイズになるのはファイナルだけですが、AMでPWM変調なら、D級の変調器、この変調器用のトロイダルコアによるLPF、AM変調を受ける終段のゲインが確保できない為、終段と同じくらいのサイズになるドライバーなど、思った以上にサイズが大きくなりました。 ケースサイズが先に決まっていますので、すでに出来上がったユニットをさらに小さくするなど、かなり苦労しました。

6mtrx_cab_jw

いつものようにJW CADにて、組み立て図を作成し、なんとか収納できました。 この図面をベースにシャーシやアングルの加工を行い、仮実装したのが下の写真です。

6mtrx_cab0

とりあえず、各ユニットを指定位置に固定したもので、配線はされておりません。 右半分のAM送信機の部分はカバーがかぶせられていません。 配線完了し、調整や実働テストが終了してから考える事にします。

AM送信機部分の配線図 6mamtrx_txmodunit1.pdfをダウンロード

まずは、受信部から調整です。RF段、IF段の各同調トランスのコアを調整し、50.500MHz±300KHzの範囲で感度差が少なくなるように調整しました。 この場合、調整が少しずれるだけで、発振をおこしますので、T2の出力端に100Ωの負荷抵抗を挿入したQダンプ対策は、継続する事にしました。 これによりAM部分は従来の受信機と同等となっています。

Amtrx_rxunit_top_2

Amtrx_rxunit_back

上の写真は受信ブロックのみを配線完了した状態です。 この状態でSSBの復調問題について、若干の改善を検討しました。 やはり気合いだけでは何も解決しませんでした。 SSB受信時にBFOの信号を一定レベルにしておくと、強入力時、キャリア不足の為、モガモガ音がひどくなる問題の対策として、信号レベルに応じて、BFOの出力レベルを変化させてみました。 

Bfo_agc

DSPの出力として得られるSメーター用のデジタルデータを元に、PICの中でPWMによるD/Aコンバーターを作り、得られたDC出力でBFOのバッファとして追加したデュアルゲートFETのG2を制御し、SSB信号のレベルが大きくなったら、BFOレベルも大きくする回路を追加しました。

SSBの疑似信号で確認すると、ある程度の制御効果が確認できます。 S1のときとS9のときのビート音量はあまり変わりません。 実際のS9くらいのSSB信号を聞いた感じは、音量に不足がありますが、復調はOKでした。 逆に微弱信号の場合、復調しにくいかもしれませんが、まだ確認は出来ていません。 

ただし大きな問題があります。 このBFOレベル制御システムは、正帰還で動作していますので、一度、自分のBFO信号を検知すると、BFO出力を大きくするように働きます。 そして、S9くらいまで大きくなったら、AGCによりそれ以上BFOレベルが大きくならないレベルで安定し、結果的に音量を小さくしてしまいます。

実際にS9程度のSSB信号を受けた後、チューニングダイアルを回し、他の周波数を受信しようとすると、このBFOの信号を受信したままAGCがかかりぱなしになり、弱い信号を受信できなくなります。 やむなく、AGC信号から自動レベル調整を止め、手動でBFOレベルを可変する事にしました。 SSBを受信する場合、音量とこのBFOレベル両方を調整必要ですが、確実に復調出来るようになりました。 通常のSSB受信機と比較すると、かなり見劣りしますが、今回はメインがAMであり、もし相手がAMの送信が出来ない場合でも、なんとか交信が成立出来る手段として設けた機能ですので、この程度で良しとします。

PLL VFO配線図 6mTRX_DDS_PLL-VFO1.pdfをダウンロード

RX BFO配線図 6mAMTRX_BFO1.pdfをダウンロード

TX MOD配線図 6mamtrx_txmodunit1.pdfをダウンロード

6mtrx_comp1

受信部、電源、送信部、変調部の配線結合が終わりました。  このセットのDDSやDSP及び送受信制御のマイコンもほぼ完成しましたので、ソースコードを公開します。

AM_TRX50MHz1.cをダウンロード

DSP受信機のIF周波数は約2KHz高い方へずれていましたので、DSP受信機の周波数は24MHzから2KHz低い周波数を指定しました。 その上で、USBとLSB受信の時だけ、IF周波数を2KHzほど上下にずらし、BFOのキャリアをまともに受けないようにしてあります。

これから、変調回路、送信部の確認に入ります。

2019年4月6日

送信部まで配線完了し、確認した変調波形とスプリアスです。

Mod95_0406_2

Sprias0406_2

左上の波形は1KHz 95%変調時のダミー負荷でのもので、一応まともな波形をしていますが、キャリア出力が7Wしかありません。 RF段の各ステージ単体のデータはゲインが有りあっており、余裕で10Wを出力するはずでしたが、実際は前作の出力にも満たない状態です。 さらに右上のスプリアスに至っては、全く実用不可能な状態である事が判りました。

このスプリアス測定時、6次LPFも装着してあったのですが、150MHzでかなり大きなスプリアスとなっています。 また、基本波である25MHzの漏れも大きく、完全にアウトです。 25MHzの漏れは受信状態でも同じレベルで、VCOの出力がそのままアンテナ端子へ漏れてくるという60年くらい前の5級スーパーと同じくらいのレベルです。 もちろんノイズフロアも大きく上昇して、全ての周波数でNGというありさまです。

パワーアンプ単体の検討時、スペアナを接続してなかった事を悔やみながら、改めて、各ステージのスプリアスを確認する事にしました。 この終段に入力を加えず、DC電源だけ加えたところ、フロアノイズが写真と同じくらいのレベルで現れます。 原因は終段の発振です。 アイドル電流がゼロの場合、問題ありませんが、アイドル電流を流し始めた途端、フロアノイズが増加します。 前回の送信機の状態から、入力トランスの位置をドレイン側に移動し、入出力が結合しやくなったのが災いし、発振にいたる寸前のレベルで正帰還が起こり、結果としてノイズフロアと高調波を増大させている事がわかりました。 対策は、ドレインからゲートにCRの負帰還回路を追加する事で、解決しました。追加したCRは1Kと390PFっです。

同様にドライバー段をチェックすると、同じように発振寸前の状態でした。 ここには元々500Ω+1000Pの負帰還回路を実装してありましたが、不足のようですから、500Ωを330Ωに変更して、OKとなりました。

プリドライバー部分の異常はありませんでしたが、VCO+2逓倍回路をつなぐと、また。同じようなノイズフロアと高調波になります。

この原因は25MHzを50MHに2逓倍すると同時にプリドライバーをドライブできるだけの出力を得る為にゲイン最大で使った事のようです。 発振しないようにゲインを落とすと、終段の出力は2Wくらいしかなく、7W以上の出力が得られるようにゲインアップすると発振してしまいます。 また、発振しないようにコイルをQダンプすると高調波や低調波が除去できません。

このトランシーバーの最大の問題点はシールドなしの同調トランスを使用した事である事がわかりました。 また、基板に機械的衝撃を加えると、周波数が3MHzくらい飛んでしまい、元に戻らないという問題も発生しました。 結局、受信機のミキサー用のレベルに合わせたPLL-VCOのレベルは送信機をドライブするには低すぎる為、キャリア増幅段でゲインを高く取らざるを得ず、それが発振の原因であった事。 さらに、VCO回路を独立したブロックにした事で、そこまでの配線が長くなり、機械的振動で浮遊容量が変化する事がVCOを不安定にしていました。

対策は、まずVCOをPLL VFO基板の中に取り込み、最短配線処理する事。 送信キャリア増幅段はゲインを欲張らず、この出力とプリドライバーの間に独立したシールドされたアンプを追加する事にします。

Vco2

Rx2

Vco_bfesin

左上の赤枠で囲まれたエリアがVCOを組み込んだ部分。 右上の赤枠の部分が増幅段を1段にした送信用キャリアアンプです。

左のサイン波はこのキャリアアンプの出力波形ですが、高調波の多い歪んだ波形です。 しかし、この高調波は送信機の各ステージで丸められ、最後に終段のLPFで除去されますので、問題にはなりません。 VCOをPLL回路基板に同居させたことで、マイコンや、その他の回路からのノイズ誘導が心配でしたが、下のスペアナ表示の通り、心配は有りませんでした。

Vco_bfe200m

Vco_bfe10m

左上が200MHzスパン、右上が10MHzスパンです。 25MHzや75MHzがかなりのレベルで残っていますが、これは後段のタンク回路で除去できます。 右の50MHz周辺のノイズも-70dBくらいで収まりました。

これまでの検討で、送信出力のVCOへの回り込みが認められましたので、シャーシ構想を変更し、PLL-VCO段は完全シールド形式に作り替えることにします。 同時に受信機ブロックも独立させ、電源ブロックを送信機側に結合できるように変更した後、このブロックにキャリアアンプとプリドライバーの間に追加するバッファーアンプを入れる事にします。

この辺の作業は5月連休にやる事にします。

50MHz AMトランシーバー(組み立て2) へ続く。

 

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2019年2月24日 (日)

50MHz AMトランシーバー(パワーアンプ)

カテゴリー<6m AM >

DSP受信機とキャリア生成ユニットが出来たので、パワーアンプの再検討です。 目的は、現行よりサイズダウンして移動用のケースに収める事ですが、ついでに前回までの回路が最適状態なのかを確認し、少しでも改善できないかを検討します。

まずは、ファイナルのメガネコアについてです。

Final_original_core

Final_pa_orijinal

上の表は、従来のコア(ESD-R-26S)を使用した現状の終段のみのデータです。 左は、このデータを得た時の終段の状態です。 すでにオリジナルよりバリコンはサイズダウンし、代わりにコイルは線径と巻き数が増えております。

また、13.8Vの電源を設定するのが面倒なので、今回は13.08Vで測定しています。 前回、13.8V、入力10Wにて31Wとなっていましたが、今回は13.08Vで28Wです。これは電源電圧の差によるもので、前回と大差は有りません。

 Final_t6826d_core_2

Final_pa_t6826dl

上の表は、左の写真のようにメガネコアをカーボニルコアT68-26D 6個に変更した時のものです。 電源電圧と入力レベルは同じにしています。 それぞれの条件で前回より出力レベルはアップしています。 特に入力14Wの場合の出力レベルに大きな改善が見られます。 また、効率も若干良くなっています。

コア内部の損失が少なく、DC重畳でも磁気飽和に余裕があるコアですが、HFではそのμが小さい事が原因でメガネコアとしては使用できませんでした。 50MHzくらいになると、必要なインピーダンスを確保でき、かつ周波数に比例しますので、あえてこのコアを手配したものです。 コアはアミドン製では無く、中国製のセカンドソースですが、一応カーボニルコアの特性は出ており、共振回路を作ると、それなりのQを確保できるものです。aitendoにて1個50円で販売していました。

Final_ts930_core

Final_pa_ts930

上の表は、メガネコアをTS-930Sのファイナルに使用していたものに変更した時のものです。 以前、7MHzの50W AM送信機に使用していました。 出力はカーボニルコアより向上しており、効率も良くなっています。 ただし、送信ONした後、2分間くらいは電流と出力の減少がみられ、この表は通電から20秒以内に取ったデータになります。 2分後には出力が約5%、電流は約10%ダウンします。 カーボニルコアの場合、この減少は有りませんでした。

左の写真はAWG22のリード線による2次巻線ですが、データは、幅4mm、厚さ0.3mmの銅板による2次コイルとなっております。 

以上の結果より、この改良アンプの終段メガネコアはTS-930S用で進行する事にします。

次は前回のファイナル、ドライバー一体のパワーアンプユニットの再検討です。 前回は、異常リンギングにより一体化をあきらめた為、パワーアンプユニットのサイズが大きくなったという反省点がありますので、再度、この一体化アンプについて検討してみました。

6mpoweramp1 上が、リンギング対策を考慮したダイレクトドライブのパワーアンプ。 下は、その実際の回路です。 リンギング対策は効果的に作用し、リンギングも発振も有りません。

6mpoweramp2

この回路にFT450から1Wのキャリアを入力しても出力は5Wしか出ません。 FT450の出力を5Wや10Wにしても出力は5Wのみです。  ドライバー無しのとき、FT450から10Wでドライブしたとき13Wも出ていたのに。

その最大の原因はファイナルのゲートドライブ電圧の波形ではなかろうかと思われます。

Pamp1gin

Pamp2gin

左上がドライバーのゲート電圧です。きれいな正弦波ではありませんが、FT450の出力が少し歪んだ状態で印加されており、FETのドライブとしては、ベストではありませんが、一応納得出来る波形をしています。 右上は、ファイナルのゲート電圧波形で、正弦波の先頭はつぶれ、かつレベルもドライバーの60%くらいまで下がっています。 前回のアンプはこの波形を正弦波に近づける為に、ドライバーとファイナルの間に50MHzの直列共振回路が入っており、確かに共振回路が動作していない時は5Wくらいしか出力できず、50MHzの共振させたとき8Wくらいの出力が得られていました。 この時のゲート電圧の波形は正弦波に近いものでした。

50MHz用のリニアアンプの情報は数えられないほどインターネット上に存在しますが、電源電圧が6.5VでRD16HHF1 PPによるリニアの範囲は2~3Wが限界で、10Wを得ようとすると、そこは非リニアな領域で、共振回路はマストであろうと思われます。 

これらの推測から、AM変調が可能な特性を持つスイッチング用MOS-FETの場合、そのゲインが5dBくらいしかなく、かつ、矩形波によるドライブがマストであろうと思われます。 しかし、この周波数で矩形波によるドライブは不可能ですから、波高値の高い正弦波でドライブせざるを得ないのでしょう。

かくして、回路構成は前回と同様、各ステージの出力側に共振回路を設け、次段をドライブする条件で、いかにサイズダウンするか?電気機構屋に頼る事になりました。

40wpa2

40wpa3

6mpwramp2_0302

左上がIRFI510プッシュプルファイナルアンプの内部構造です。 右上はこのアンプをシールドで囲った状態です。 回路構成は左の配線図の如く、単純に一段だけを独立してユニットにしたもので、この単体の性能は下の表のようになりました。

電源電圧6.5Vの時、入力6Wあれば、目標のキャリア出力10Wは確保でき、13Vの時、入力12Wあればピークの40Wを確保できる見込みです。

Irfi510_pp

次は、このファイナルをドライブするドライバー段です。 6.5Vにて6W、13Vにて12W以上の出力を狙いますが、こ時の入力は1W以下を目指します。

Rd16hhf1_pp_driverunit

6mpwramp2_0303

Rd16hhf1_pp

上の写真がサイズダウンして作成したドライバーです。 その回路図を右に示します。 (T4の1次:2次の巻き数比が逆です。1次0.5:2次2が正しい) 当初、ファイナルの予備検討で使ったカーボニルコア6個によるトランスで実験しましたが、コアの発熱がかなりあり、かつ出力もあまり改善しませんでしたので、前回の送信機に使ったNECトーキンのコアに戻しました。 下の表が、このユニット単体のデータです。残念ながら、6.5Vの電源で6Wを得る為の入力は1.5Wとなりました。 従い、この前段で出力1.5Wを対応する事にします。 13Vの電源の場合、出力が出過ぎのデータとなっていますが、全体を結合したとき、検討する事にします。 0.8W入力時、かえって電流が増えていますが、間違いではありません。 多分、入力のパワーが出力側へスルーして、見かけ上効率が良くなっているので、そのスルーレベルが少ない小入力時は効率が悪くなっていると推測します。

次は、PLL VFOの50MHz出力を1.5Wまで増幅するプリドライバーの検討をします。

6mpwr_predriver

左のユニットがプリドライバーで、RD16HHF1シングルのアンプで構成し、PLL VFOの出力を入力に加えると、2Wを出力します。

アンプそのものは、5Wの出力能力がありますが、PLL VFOのアンプをQダンプしたり、このRD16HHF1に、ドレインからゲートへ負帰還をかけたりして、50.2MHzから50.7MHzまで2Wを出力します。 アイドル電流は現在250mAくらいですが、出力が大きすぎた場合、このアイドル電流を絞って調整する事にします。

6mpwrdriver 上の回路図は、ドライバーにプリドライバを連結した状態で、この回路全体をシールドで囲み、ひとつのユニットにしたのが下の写真です。

6mtx_driver

一応全てのユニットが出そろいましたので、全体の構造検討に移る事にします。

50MHz AMトランシーバー(組み立て)へ続く

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2019年2月10日 (日)

50MHz AMトランシーバー(DSP受信部、MIXer部)

 カテゴリー<6m AM >

DDSリファレンスのPLL VFOが出来ましたので、次は、このVFOを使ったDSP ICによる受信機と50MHzのキャリアを生成するミキサーの製作です。

前回製作した6mクリコンと異なる部分は、アンテナ入力のBPFを、2個の共振回路を持つトランスに変更した事。 2SK241による受信ミキサーは専用のダブルバランスドミキサーNJM2594に変更した事です。 IF周波数は20MHz固定とし、VFOの周波数を30MHzから31MHzまで可変させ、50MHzから51MHzを10Hzスパン及び2.5KHzスパンでカバーします。 一応AM専用の受信機ですが、SSBで呼ばれたときでも、なんとか了解できるように20MHzのBFOを用意し、簡易的にUSB又はLSBを受信できるようにしてあります。 

50mhzrf_coil

50MHzのトランス式コイルはaitendoで扱っているコア入りボビンに0.26UEWを、1次:9ターン、2次:3ターン巻いたもので、コイルがバラケないように瞬間接着剤で固めました。

これを基板に実装しますが、足ピッチが2.25mm間隔で、基板の2.54ピッチと合いません。 しかし、そこは無理やり挿入しました。

20MHzのIFバンド用のトランスもRF部と同じ7mm角コア入りボビンです。 20MHz用のコイルは14:2の巻き数でコンデンサを変えて20MHzに同調させています。

6mtrx_bfo_top

6mtrx_bfo_tip

左上の写真の中で、一番下が、実装完したDSP受信部。 真ん中が20MHz BFO、一番上が30MHzのVFO出力とBFO出力を混合し、50MHzのキャリアを作る回路です。 そして、右上はこの基板の裏側です。 チップで構成された回路は微小面積で出来るのですが、トランス式のコイルやSIP化されたミキサーICが結構大きく、ギリギリ収まりました。 いずれの回路ブロックも単品としては基本動作OKですが、トランシーバーとしての機能はこれからチェックする事になります。

バラックのままでは検討がしにくいので、コントロール関連を仮のパネルに固定しました。 そして、以前の50MHzクリコン用ソフトを一部改造してやると、一発でDSPがイニシャライズされ、ボリュームコントロールが出来るところまで出来ました。

6mtrx_temp

6mtrx_i2c

左上が、仮のパネルにロータリーエンコーダーやスィッチを取り付けて検討しやすくしたバラック回路。 右上は、一発でOKとなったi2Cのデータとクロックです。 スピーカーから50MHz帯のAMノイズが大きな音で聞こえますので、最大感度になるようにアンテナコイルや各段のコイルのコアを調整すると、案の定発振してしまいます。 発振しないレベルまで同調をずらすと、SメーターはS9を示します。 デュアルゲートFET2段による増幅は、ちょっとゲインの取り過ぎと思っていましたが的中です。

6mxcondbm

対策はまず、NJM2594のCAIN端子に加わるキャリアレベルが100mVになるよう抵抗を調整。 次に50.7MHzで最大感度になるようにT1を調整。 さらに50.3MHzが最大感度になるようにT2を調整。 50.5MHzで最大感度になるようにT3とT4を調整。 前回のクリコンよりQ6のゲインが余計ですので、このQ6のG2の電圧を調整できるようにVR1を設け、とりあえずはQ6のトータルゲインを0dBくらいに調整しておきます。 この状態で、SメーターはS6くらいを示しますので、アンテナ入力のBPF出力に負荷抵抗を追加します。 R21がその抵抗です。 ここまでの感度ダウン対策でSメーターはS1を指す様になりましたので、いつも聞こえる50.19MHz付近のキャリアを聞いてみました。 ピークでS7まで振ります。 前回製作の50MHzクリコンの場合、ピークS4でしたので、これよりは感度が高くなっています。 実使用状態で感度が高すぎる場合、Q6のG2DC電圧を調整する事にします。

Bfo_b4

Bfo_after

BFOの出力波形をチェックしました。左がオリジナルの回路図通りの構成で動作させたときのBFO出力波形です。 例えクリスタル発振器であろうとも、その出力波形は正弦波とは程遠いものである事は良く知られている通りですが、すこしでも高調波が少なくする為に、回路を検討した結果右上のなんとかみられる波形まで改善することができました。

6mxconbfo

このときのBFO回路図は左の通りです。

この回路を検討する中で判った事は、発振周波数に対して必要以上のftを有するトランジスタを使うと、不必要な高調波が増大するという事でした。 今回は発振周波数が20MHzでしたので、ftが4GHzくらいの2SC3310で構成した結果、高調波だらけの波形となってしまいました。 そこで、ftが最少80MHz、データシートには有りませんが実力150MHzくらいの2SC2712に変更し、かつ出力も発振回路のベースから取り出すという回路構成で、かなり綺麗な波形を取り出す事ができました。

このBFOによりビートを取り、SSBを復調する事にトライしましたが、BFOのキャリアを受けた時のSメーターの指示がUSBとLSBで異なります。 IF周波数が20MHzぴたりになっていないようです。 DSP IC KT0915のクロックである38.000KHzの周波数が38.025KHzくらいになっており、トリーマーを回してもなかなか38.000になりません。 このクロックがずれている為、受信周波数を20MHzと指定しても実際の受信周波数は1KHzから2KHzずれているのが実態のようです。 AMやFMの場合、これくらいのずれは全く影響は有りませんが、SSBの場合、問題になります。 そこで、DSP受信機の実態に合わせ補正する事にしました。 ただし、1KHz以下の微調整は出来ません。

AGCがかかっていない前段でビートを取ると、そのBFOレベルと受信信号とのレベル差がアンマッチとなり、なかなか復調がうまく行きません。 BFOレベルが高すぎて結線しなくても強力なキャリアが混入し、AGCが動作して、受信信号レベルを弱めてしまいます。 ここは、Q6のゲインのさじ加減で、ベターなゲインを実際にSSB信号を聞きながら調整する事にします。

とりあえず以上で、前回のクリコン式AM受信機と同等の受信機は出来ましたが、本日も6mは誰もON AIRしていなく、その実力確認は出来ませんでした。

ここまでの配線図です。 DSP_AM_RX_BFO.pdfをダウンロード

やっと、送信用キャリア生成回路のテストを行うところまで来ました。そして、隣接スプリアスでアウトでした。 IFとPLL VFOの周波数関係が最悪でした。 30MHzの第3高調波と20MHzの第2高調波の差分がちょうど50MHzとなり、これが51MHzまでの全帯域でスプリアスを発生させ、そのレベルは-40dBくらいになります。 送信機としては不適合です。 

6mtrx50out100

6mtrx50out10

左上が100MHzスパンで見たスペクトルです。 50MHzを中心に10MHzスパンでスプリアスがあります。 部品メーカーに相談しながら、最適なコイルを設計すれば、この中から50MHzのみを取り出す事は可能でしょうが、私の手持ちの材料だけで行うには無理があります。 そして最大の致命傷は右側の50MHzに隣接した1MHzスパンのスプリアスです。 このスプリアスは送信周波数を変えるとスパンも変化し、50MHzちょうどのとき無くなります。 計算通りのスプリアスです。 IF周波数を変更しない限り逃げられません。

これらの問題を再検討した結果、受信はクリコン形式にしますが、送信はPLL VFOの発振周波数を2逓倍してミキサーなしでファイナルをドライブする構成に変更する事にしました。 この場合、問題となるのは、送受信時に大きく周波数がずれますので、PLLのロック時間の間、送信開始を遅らせる必要が有る事。 受信時にPLL VFOの第2高調波が、最悪受信周波数の1MHz離れたところに現れる事です。 

新ブロックダイアグラムです。TransciverBlockDia2.pdfをダウンロード

まず、受信機の方から確認しました。 IF周波数を26MHzとしておき、50.000から51.000まで受信して見ましたが、スプリアスではなかろうかと思われる信号は有りませんでした。 ただし、DSPの受信周波数を26MHzにした事により、かなりゲインが下がった上にS/Nも悪化してしまいました。 これはDSPの性能そのものと考えられ、IFを24MHzにすると、若干感度が上昇し、S/Nも良くなります。 ただし、送信受信の周波数差が最大で1.5MHzとなります。

送信用キャリアのスプリアスはGood!の判定です。

Vfox2out100m

Vfox2out5m

左上が100MHzスパンで、T6の出力を見たもので、真ん中が50MHz、左右がそれぞれ25MHz、75MHzの信号です。 この25と75MHzのスプリアスは後段のバッファで取り除く事ができます。 また右上は50MHzを5MHzスパンで見たものですが、余計なスプリアスは有りません。

次にPLL VFOのロックアップタイムをチェックしました。 

If26txon

If26txoff

If24txon

If24txoff

これが以外と良好でした。 一番左がIF=26MHzで50MHz受信から送信に切り替えたときのVCOバリキャップ電圧の変化です。SEND ONになってから約15m秒で1MHz離れた送信周波数にロックしています。 ロックした後、直線的に下降しているのは、オシロスコープのACカップリングの性で、VCOの周波数には無関係です。 次は送信から受信に切り替えた時のバリキャップ電圧ですが、約80m秒後には受信周波数へ戻っています。

Pllfilter

この80m秒が特に長いとは思えませんが、少しでも短くなればと、C28 474Kを廃止しました。 その状態で、IF周波数を24MHzにし、周波数を51MHzにしておき、送信ON時のバリキャップ電圧を見たのが3番目のデータです。 ここで、1.5MHzの周波数シフトが起こり、バリキャップ電圧のシフト幅もIF=26MHzのときの約2倍になる為、オシロの感度も半分に落としてあります。 (左2枚のデータは0.5V/DEVですが右2枚のデータは1V/DEV) 送信ON時のバリキャップ電圧の変化時間は、約34m秒で安定しています。 送信から受信に切り替えた時のデータが一番右で、約20m秒で受信周波数に戻っています。 送信から受信へ戻したときの遅れは、他局へ迷惑をかける事はありませんので、VCOのロックアップタイムは送信ONのときのみが問題になります。 現在、SEND SWがONになってからファイナルの送信段がONになるまで200m秒の遅延を取っていますので、全く問題ない事が判りました。

24m_bfoout

IF周波数は、24MHzの方が良さそうです。 しかし、2石構成のBFOはレベルが高すぎます。 よって、24MHzのBFOは1石のみとし、共振回路も廃止しました。 その結果、BFOの波形は左のような高調波の多い波形となりましたが、受信状態に異常は見られませんでしたので、このまま進行する事にしました。 

DSPに受信周波数を24.000MHzと指定した時の最大感度が得られる周波数は24.0015MHz付近であるという事がわかりました。 残念ながらこの周波数選定は1KHz単位でしかできませんので、USBの信号がより良好に復調出来るようにDSPの受信周波数をずらし、LSBの復調は成り行きとする事にしました。 もちろん、AMの復調に問題はありません。

50moutput

送信状態でのVFO出力状態を確認しました。 Q7とT7の実装が終わりましたので、そのスペクトルを見てみました。 25MHzは50MHzに対して-50dBくらい、75MHzは-40dBくらい、第2高調波の100MHzは-13dBくらいですが、いずれのスプリアスも、この後の送信機ステージで許容値以下まで下げる事ができそうです。

これまでの検討で、受信部と送信用キャリア生成ブロックはほぼ完成しましたので、この後に前回の送信機ブロックを結合するとAMトランシバーが完成するのですが、前回の送信機は各ブロックのサイズが大きく、予定しているケースに収まりません。 そこで、50MHzのPWM変調に使えるパワーアンプをサイズダウンすべく再検討する事にします。

6mtrxunitcomp

このブロックの基板の最終状態は上のようになりました。

ここまでの回路図とブロック図です。DSP_AM_RX_BFO2.pdfをダウンロード

TransciverBlockDia3.pdfをダウンロード

2019年2月 広島WASコンテストをワッチしてみました。さすがにAM局はいませんでしたがSSB局の復調はS4からS9くらいまでならなんとか復調出来るようです。 FT450で53くらいで復調出来るSSB信号はこの受信機ではR3S9(S9は自分のBFO信号)くらいでした。 またS9を超える信号ではBFOキャリアのレベルが不足しモガモガ音になりますが、そこは気合でR5にする事にします。

50MHz AMトランシーバー(パワーアンプ)に続く。

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2019年1月26日 (土)

50MHz AMトランシーバー(PLL VFO)

 

カテゴリー<6m AM >

6m AM送信機が完成し、900m近い山頂付近まで移動し、交信にトライしましたが、セパレート式のリグでは、その設営に手間取り、1局も交信できませんでした。 しかし、ローカル局の協力をいただきホームから1st QSOが実現できました。 これで自作送信機の完成を確認できましたので、次の段階に移り、これを移動に使えるトランシーバーに改造する事にしました。

トランシーバーの構成をブロックダイアクラムで検討し、すでに完成した回路ブロックがほとんどで、新規に開発が必要な部分はPLL VFO、送信用ミキサーの部分となります。 そこで、このPLL VFOの製作にかかりますが、まずはトランシーバー用として必要なLCDディスプレイを作る事にしました。

ブロックダイアグラム 6mTransciverBlockDia1901.pdfをダウンロード

そして、以前作成したDSPラジオ用と同一型番のLCDを使い、LCD表示の試作をおこないました。

50mrxmode

50mtxmode

左上がSメーター、右上が変調度計をバーグラフで表示させたものです。各インジケーターは実際の動作に合わせ、点いたり消えたりします。 MODEのUSB表示は受信時のみ可能で送信はAMオンリーです。

全体の回路図 30MHz_DDS_PLL-VFO.pdfをダウンロード

私のRF回路ではNXP製のPBR951が多用されていますが、これは、手持ち在庫が沢山ある為、使っているもので、秋月で手にいる2SC3356に置き換え可能です。

下の写真は、一応全ての回路がマウントされた基板完成品の状態です。

Ddspllvfoallpcb

VCOはチップインダクタL4 1.5uHとC34バリキャップSVC203Cの片方のエレメントのみで30MHzに共振させます。この回路定数にて27MHzから34MHzまで発振します。 R28が低すぎるとブロッキング発振をおこしますので、R28を1KΩくらいの抵抗にしておき、R30の最適値を求め、R30を固定抵抗に置き換えます。 次に、R28を可変抵抗に変え、最適値を探します。この回路の場合、最適値は5kΩとなりましたので、一番近い5.1KΩに差し替えました。その後、R30を再度可変抵抗に変え、出力の歪が一番少なくなるような波形が得られる抵抗に置換します。

 

30mhzvcoschema

 

VFO出力段のバッファーはaitendoで販売している10mm角のIFTキットをコレクタに接続し、30MHz付近で共振するようにコイルを巻きました。 しかし、このIFTは基本的に455KのMW用で30MHzでは共振ポイントが得られませんでした。 そこで、同じくaitendoで扱っている7mm角のコア入りボビンに交換しています。

このボビンに0.26φのUEWを1次側10ターン、2次側2ターン巻きました。1次側のインダクタンスは約1.2uHで多少は可変できます。 

VCO単体のスペクトルは以下のようになりました。

30mhzvco10mspan_2

30mhzvco2mspan_2

左上が10MHzスパン、右上が2MHzスパンの綺麗なスペクトルをしております。

このVCOを制御するのは、AD9833のDDSと74HC4046のPLL及び1/10分周を行う74HC4017です。VCOは30MHzから31MHzを発振しますが、DDSはその1/10となる3.0MHzから3.1MHzを1Hzステップで発生させます。そして、これらをコントロールするのに、PIC24FJ64GA004を使います。 

Ddspllvfospi

Pll2in

このマイコンはトランシーバーとしてのLCDディスプレイも処理しますので、44pinのQFPタイプです。 このPICによるSPIのマスター動作は初めてで、PIC24FJ用日本語のSPI解説書通りソフトを組んでも、まともに動作せず、左上の波形が得られるように適当に作りましたが、安定に動作しています。

右上の歪んだ正弦波はDDSからの3MHz出力でPLL ICのSIGin端子へ入力されます。 右下の方形波はVCOの30MHzを1/10に分周した信号で、PLL ICのCOMPin端子へ入力されます。

マイコンのソースコードを以下に示しますが、完成しているのは、LCDドライブとDDSのコントロール部分のみで、受信用のDSP(i2C)は未検証です。

AM_TRX50MHz.cをダウンロード

Vfo_micon_side

Vfo_tip_side

Vcotop2_3

30mhzlpfpcb

上の段がマイコンとDDS及びPLL回路が実装された基板。 下の段がVCO回路のみの基板です。 VCO出力段に5次のLPFも実装されております。

Vfoout30mhzsign

30mhzvfooutspa

左上が、VCOタンク回路の出力波形、右上がそのスペクトルです。 最終段のLPFの前から取ったものです。 

30mhzlpfout

30mhzlpfout2

上の波形とスペクトルが最終段のLPFを通った後のものです。

30MHzの隣接周波数に-60dBくらいのスプリアスが見えますが、これは、マイコン部分からVCO基板のハーネスにノイズが誘導しているもので、VCO基板を動かすと、増減します。 最終的には、送信機のファイナルと隔離する為、シールド構造にしますが、VCO基板そのものもシールド構造とすべく、最初から別基板として作ってあります。 下がそのVCOをシールドケースに収納したものです。

6mtrx_vco1

6mtrx_vco2

2019年2月追記

IF周波数20MHzは隣接スプリアスの関係でNGとなりました。 この為、IF周波数を26MHzか24MHzに変更する事にしました。 この対応でVFO周波数を23.5Mhzから30MHzまでの範囲に変更し、かつ回路構成も変更しました。

新しいブロックダイアグラム TransciverBlockDia2.pdfをダウンロード

新しいVFO配線図 25MHz_DDS_PLL-VFO2.pdfをダウンロード

6mのAMトランシーバーの外観ケースの構想が固まったら、このシールド構造の設計を行う事にします。

その外観ケースはこれです。 これをどうやって無線機に仕上げるか!

Amtrxcase1

DSP受信部とキャリア生成回路の製作に続く。

 

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2018年11月23日 (金)

AD9833 スプリアス

<カテゴリー:DDS

前回までの記事で、DDSの基板を変更したら、スプリアスの度合いが変化し、周波数によっては送信機の源発振として、使えるかも知れないという情報がありました。

そこで、この1.8MHzから50MHzまでをカバーするDDSの基板を中国製から秋月の変換基板に改造し、スプリアスが改善するのか確認する事にしました。

26mtxco

この改造を行うついでに25MHzのSPXOをTCXOに変更し、周波数確度と安定度の向上も行います。

TCXOは周波数カウンターにも使用した26MHzのもので、AD9833の仕様からするとオーバークロックになりますが、このくらいのオーバーなら問題なく使えます。 左はこのTCXOをDDSのクロック源とする為に3.3V LDOとポストアンプを組んだ回路です。 基板の裏側に銅箔を張り付け、疑似両面基板として加工してあります。

TCXOは26MHzですから、ソフトのKdは再設定し、かつ10MHzで校正を行い微調整しました。

校正の仕方はこちらを参照。

DDS_TCXO_100k-54M_VFO.cをダウンロード

DDSのICは中国製のオリジナル基板より剥ぎ取り、秋月の変換基板に載せ替え、下の写真のごとく配置配線しました。

Newpcbtxco

この回路の配線図 DDS_VFO_AD9833TCXO26MHz.pdfをダウンロード

そして、このVFOによるスプリアスは以下のようになりました。

2r1mtxco

3r1mtxco

4r1mtxco_2

5r1mtxco

6r1mtxco

7r1mtxco

前回の中国製基板よりは、かなり良くなりましたが、周波数が高くなるにつれ、送信機には不適合のスプリアスとなっています。 AD9834が7MHz当たりで問題なく使えるのは基板の差異もあるでしょうが、基準クロックの周波数が50MHzというのも大いに関係しているようです。

6r25mtxco

ちなみに6.25MHzのスプリアスは左のようになり、送信機としては難しい結果となりました。 基準周波数が25MHzの時は見えなかったスプリアスが26MHzにしたとたん見えるようになりました。

AD9833を送信機用源発振として使えるのは3.5MHzバンドぐらいが上限で、7MHzで使用したい場合、75MHzの基準発振器を使えるAD9834Cまでアップグレードしなければならないようです。

これまでの検討結果から、送信機のVFOとしてDDSを使用したい場合、DDSを基準信号としたPLL回路がベターという結論に至りました。

これは、50MHz AMトランシーバーを作る為に、DDS制御のPLL VFOを作成するというテーマで実現する事になりました。

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2018年10月21日 (日)

50MHz スカイドアアンテナ(移動用)

<カテゴリ:アンテナ>

6mの季節は終わったのですが、せっかく出来たAM送信機を車に積んで、移動運用に出かけようにも、移動で使えるアンテナがありません。 そこで、また、廃材を利用してアンテナを作る事にしました。

まずはMMANAでシュミレーションです。

Mmana6mskddata 上のシュミレーション結果は、スカイドアの水平、垂直面の指向性データです。 打ち上げ角11.7度で9.63dBiのゲインがあります。 約13dBiの3エレ八木には負けますが、打ち上げ角16.3度、約6.4dBiのダイポールより3.2dBのゲイン(打ち上げ角11.7度では約4dBの差)が有り、簡単軽量、かつ、釣竿アンテナの廃材で出来るという事から、スカイドアアンテナに決めました。

シュミレーションデータでは、インピーダンス整合もアンテナ共振も出来ていませんが、そこは、外付けのマニュアルアンテナチューナーで整合させます。 抵抗成分が50Ωより高く、誘導性リアクタンスなら、アンテナチューナーによるロスはかなり小さくなります。 TLWで計算させると2.2%のロスになりましたので、気にしない事にしました。

6mskdsize

6mskdant

6mskdswr

左上が構造図、右上が仮に上げたスカイドアアンテナです。

私のスカイドアやヘンテナの上部水平部エレメントは水平一直線ではなく、いつも3角屋根のような構造にし、エレメント自体をこの中心部分で吊り下げ、その下にくる水平グラスファイバーには、導線を横に張り出す為だけの力しか加わらない構造にしています。こうする事で、この上部グラスファイバーは、釣竿の先端の一番細い部分を使う事ができます。

Mtu6kai

左上はアンテナチューナーで整合させた時のSWRで、使ったアンテナチューナーは東京ハイパワー製のHFオンリーのMTUです。 そのままでは整合できませんので、右上の写真の様に28MHz用のタップを本来のコイルから外し、新たに50MHz専用コイルを追加しました。

本来はHF(30MHz以下)オンリーのチューナーなので、使用されているバリコンの容量が大きく、SWR1.0にはなかなか整合できませんが、実用上は全く問題なしです。

移動運用する場合、設営の条件が同じという事は有りませんので、アンテナチューナーは、非常に便利です。

Noroskydoor1811

Swrskd1811

左の写真はこのスカイドアアンテナを、呉市の野呂山、ハチマキ展望台に移動して設置した時のものです。 8mのグラスファイバー製釣竿の先端から吊り下げてあります。 そして、右上が、車の屋根に載せた東京ハイパワーのMTUでチューニングしたときのSWR特性です。 50MHzから50.8MHzくらいまで、SWR1.6以内に収まります。

この日は日曜日。 午前中は8エリアからEspo情報も出ていましたが、運用開始したのは午後の2時ごろでした。 約30分間 50.220のSSBでCQを連呼しましたが、かろうじてコールいただいたのは、同じ呉市のOMさん。 レポートは53/51。 OMさん曰く、通常は59/59で出来る場所との事。 8の字の指向性のヌルポイントだったのか、水平方向だけビームが伸びて、下方には届かなかったのか、不本意な結果に終わりました。 同じ場所からバンドを2mに切り替え、ホイップでCQを出すと、対岸の西条市と59/59で交信でき、 リグとロケーションは問題ない事を確認。 (Rigは、帰ってからダミーロードに6mで送信し、異常なしを確認)

アンテナが悪いのか? 方向が悪いのか? 呉のOMさん以外聞いている局はないのか?

いつかリベンジにトライしたいです。 (AMのQSOどころでは無かった)

6mskd190105

2019年1月5日

スカイドアアンテナのリベンジの為、1月3日、5日と2回に渡り野呂山へ移動してきました。 今回の移動先は、前回の愛媛県に面したハチマキ展望台とは異なり、尾道、福山、岡山方面に開けた場所に、前回と同じスカイドアアンテナを設置してトライです。

結果は3日が3局、5日が1局だけでした。

しかし、この数少ないQSO実績から、アンテナやリグには異常はなく、相手局が山影になるか、垂直面の指向性がマイナスになる場合以外、59か59+で届いており、問題無い事を確認しました。

結局、山の上から呼んでも相手がいないという基本的な問題のようです。

今回、交信は出来ませんでしたが、手作りのAM送信機、VFO、受信機を持って行き、移動先で配線結合し、電波を発射できる体制を作りましたが、準備だけで30分以上かかってしまいました。 やはり、ここは、アンテナを設置したら、すぐにでもON AIR出来る体制が構築できないと、QSOどころではないという事が判りました。

また、6mのOMさんの意見として、AMで送信しても、SSBで応答される事が結構あり、AMしか受信できない受信機は無理があるとの指摘もいただきました。

これらの事から、まだ一度も自作AM送信機による交信は出来ておりませんが、実運用する為に、トランシーバー化と最低SSBとAMが復調可能な受信機の必要性を認識し、これらの改善に向けトライする事にします。

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2018年9月15日 (土)

TS930 VFDブラックアウト、メーター逆振れ

<カテゴリ:TS-930>

久しぶりにTS930が故障しました。 1年くらい前から、時々、VFDが消え、メーターが逆に振れる現象があり、これが発生して10数秒経つと、「パカ!」と音がして正常になるというものでした。

Dcdcoff

しばらく通電していなかったのですが、先日電源をONすると、上の写真のようになり、当然音も出ません。 しばらく待っても正常に復帰しません。

この症状はインターネット上に沢山のOMが修理事例を公開しており、DCDCの発振が停止し、マイナス電源が正常に動作していないのが原因のようです。 

Digitalpwbaddwire

左の基板図の赤線で示すようにワイヤーを追加してやると、この現象が出なくなりました。

ケースをかぶせ、2~3日使っていましたところ、同じ問題が再発しました。 基板を取り出し、ドライバーの柄で軽く基板をたたくと、この現象が出たり、正常になったりします。 どこが悪いのかと、部品を一つづつたたいていく内に、DCDC付近から煙が出だし、その内、DCDCのトランジスタが2石とも壊れてしまいました。 ベースエミッタ間オープンです。

トランジスタは2SC2274KというSANYO製で、中電力増幅用でしたので、同じくらいのPcのある手持ちのトランジスタに交換しましたが、波形がオリジナルの綺麗な矩形波になりません。 3種類くらいの代替えTRを試しましたが、いずれもNG。 やむなく、部品取り用に確保しておいた、TS930からこのデジタル基板を取り外し、基板ごと交換しました。  しかし、問題は解決しません。

原因は、コネクターのコンタクトにワイヤーをカシメてありますが、これがあっちこっちで抜けており、その数6本。 ひとつのコネクターに集中する事無く、どの断線が、どのような症状を出すのか調べるのも面倒ですので、コネクタのハウジングの上部をニッパでカットし、コンタクトが見える状態にして、これに切れたワイヤーをハンダ付けしました。 もちろん、交換したデジタル基板は、スルーホール対策として、ジャンパー線を追加してあります。

とりあえず、これで正常に動作していますので、様子を見る事にします。

スルーホールは以前から、故障の最大の原因でしたが、ここにきて、コネクターのワイヤー断線が続出する状態になってきました。 もし、デジタル基板が原因と思われる故障に遭遇しましたら、コネクターのワイヤーをピンセットでつかんで軽く引っ張ってみて下さい。以外と簡単に抜けるワイヤーがあり、これが接触不良をおこしている場合があるようです。

2019年6月

ダイヤルを回すとVFDが表示しなくなり、止めると表示が正常になるという症状が発生しました。この現象は、Kenwoodのサービス情報に出ており、原因のスルーホールの位置まで示されており、当然このデジタル基板は、全てのスルホールをジャンパー線で結んであります。 コネクターの接続リード線のカシメ不良によるかもと、全てのコネクターワイヤーを調べてみましたが、該当なし。 そこで、全てのコネクターを引き抜き、接点復活剤「KURE」でオス、メスとも洗浄してやりました。 すると、このVFD異常現象は、ぴたりと止まりました。 そろそろジャンク行きかと思っていたのですが、後数年は使えそうです。

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2018年9月 6日 (木)

DDS VFO AD9833 名誉挽回

<カテゴリー:DDS

今までの記事で、中国製のDDSユニット基板は送信機には使えないという先入観もあり、かなりこき下ろしてきましたが、初心に帰りチェックしていくと、これが、早とちりであったかも知れません。 スプリアスの多い原因は、アナデバのDDSではなく、安物のSPXOではなく、中国製の基板でもなく、 私が作った基板の中に問題があるかも知れません。 では、本当の所はどうなんか?と実験を始めました。

Ddshakei

Oscout

Ddsout_2

-

Q1e

Q1c_2

左上がSPXOの25MHz出力です。 余計なスプリアスは全く見えません。 右上がDDSの7MHz付近の出力です。 +300KHzの周波数にかすかにスペクトルが見えますが、そのレベルはスペアナの暗ノイズで良く判りません。 という事は、DDSが発生源かも知れません。

左下はQ1のエミッターのスペクトルで、この部分に+/-300KHzのスプリアスが現れます。 Q1のベースは右上のスペクトルと同じですので、S/Nが良くなって見えるようになったか、Q1の内部で増強されたと思われます。 右下はQ1のコレクタのスペクトルです。 Q1のエミッターにスプリアスが生じているという事は、当然、そのままコレクタ側にも、同じようなスプリアスが生じます。 50MHz DDS VFOでのスプリアスはPLL逓倍ICによるもので、これとは異なりますが、逓倍回路を通さない状態でも生じていたスプリアスはこのQ1のコレクターに現れるスプリアスそのものです。

DDSのキャリアを中心に+/-300KHzのスプリアスが出る問題ですが、これは、簡単に言えば、キャリアを300KHzの信号でAM変調した状態です。  もしそうなら、電源ラインに300KHzのキャリアが漏れているのかもと、スペアナを駆使して調べましたが、それらしき信号は見つかりませんでした。

一方、WEBにアナデバが公開している技術資料が見つかりました。

ddsan927_jp.pdfをダウンロード

これは、DDSから発生するスプリアスについての技術資料です。 この中で、DDSの出力周波数を変化させた時、スプリアスのオフセット周波数(キャリアとの差の周波数)が変化する場合、そのスプリアスの発生源はDDSの中にあり、周波数を変化させても、スプリアスのオフセット周波数が変化しない時は外部からのAM変調と判断できる事が記述されていました。

386m

419m

左上はDDSから直接3.86MHzを出力したとき、右上は4.19MHzを出力した時のスペクトルです。 左の周波数ではスプリアスが無いように見えますが、実はスプリアスが7.9MHz付近に有ります。 右の周波数では、キャリア対して1MHzの差でスプリアスが見えます。  要するに、DDSの出力周波数により、スプリアスの周波数も変わるという事ですから、これは、DDSの内部で発生しているスプリアスである事になります。 

DDSは基本的にはスプリアス発生器であり、これを送信機の原発振とするには、基準周波数(SPXOの周波数)と出力周波数を適切に選ばないといけないという事のようです。

25MHzのSPXOで3.8MHz付近の出力なら、スプリアスが第2高調波付近の周波数となり、後段のLPFでこれを取り除く事が出来ます。 このような条件が成立する周波数を検討する事にします。

Uc4m

Uc5m

Uc6m

結果は散々たるものでした。左上が約4MHz出力時、上中が約5MHz、右上が約6MHz。 全てUNCAL(アンキャリブレーション)状態で、周波数やレベルの正確さは有りませんが、いずれもスプリアスだらけで、後段のフィルターで取り除く事はほとんど不可能な状態です。 周波数を8MHz以上にすると、本信号とスプリアスの識別が難しくなるようなスプリアスが生じます。10MHzの出力など、もっての他です。 アナデバのAD9833のデータシートに出てくるサンプル周波数におけるスプリアスは3.8MHz付近のデータはぴったし一致しますが、他の周波数では、スプリアスの周波数はともかく、レベルは20~30dB以上の開きがあります。 このレベルの開きは、アナデバの洗練された評価ボードとは違う中国製ですから、ある程度は差が生じる事はしかた有りませんが、少なくとも任意のHF周波数の送信機を作る為の要求には耐えられないというのが実態のようです。

ここで、諦めかけましたが、AD9834は結構良いスプリアス特性を有していますので、それとほとんど同じ構成で、データシート上に出てくるスプリアスデータも大して変わらない理由を確かめる為にも、もう少し実験を継続します。

Ad9833txco

左は、中国製のAD9833ユニットの基板を使わずに、秋月から購入した変換基板にAD9833を実装し、SPXOのみ中国製基板から切り出して構成したDDS回路です。 コントロールマイコンは8bitのPIC16F1983を使用しています。

この基板は、LPFなし、バッファ用に1石のAMPが接続され、そのまま出力しています。 また、SPXOの電源は、DDSの電源とは独立させ、ビート音の濁り対策済みのものです。

この条件で、50MHzの1/8に当たる6.25MHzのスプリアスと、7.1MHzのスプリアスを見たスペアナの画像は以下です。

6r25mbw1m

6r25mbw10m

6r25mbw50m

左上が6.25MHzのキャリアを1MHzスパンでみた状態、真ん中が同じく10MHzスパン、右上が50MHzスパンです。 余計なスプリアスは見えません。50MHzスパン時のスプリアスは全て高調波関係のスプリアスですので、LPFで簡単に除去できます。

7r1mbw1m

7r1mbw10m

左の写真は左側は7.1MHzの1MHzスパン、右側が同じく10MHzスパンのスプリアスを見たもので、1MHzスパンではノイズに隠れて見えません。 10MHzスパンの時、3.8MHz付近に-50dBくらいのスプリアスが見えますが、この程度なら、送信機内部のタンク回路で60dB以上に減衰させる事は可能ですので、送信機の原発振器として使う事ができます。

50MHz用 DDS VFOのスプリアスがNGだったのは、デジタル回路に使われるPLL逓倍ICがNGであった事。 DDSからのダイレクト出力に300KHzくらいのオフセットでスプリアスが発生していたのは、中国製の基板の性だった事が判りました。 ただし、アナデバが公表しているデータ通りのスプリアスレベルよりは、かなり高いレベルになりました。 詳細を調べていくと、周波数が10KHz違っただけで、今まで見えなかった-50dBくらいのスプリアスが急に現れます。 HF送信機の源発振器として安心して使う為には、Qの大きなインダクタとバリキャップを使い、きれいな発振を行うVCOを作成し、この周波数を基準発振器をDDSとしたPLL回路でロックするのが一番無難のようです。 VCOは発振可能な周波数範囲がDDSに比べて狭いですが、高調波以外、余計なスプリアスの無い信号を得る事が容易です。

この実験に使ったDDS VFOの回路図 DDS_VFO1983TXCO25MHz.pdfをダウンロード

50MHz AM送信機に必要なVFOはPLL方式を採用する事にしましたので、このVFOは使い道がなくなりました。 そこで、スプリアスは多いですが、分解能10Hzで100KHzから54MHzまでをカバーする発振器に改造し、検討段階での信号として利用する事にしました。

スプリアスはいい加減ですが、周波数だけは正確にする為、このDDSを校正します。 校正は10.000000MHzで標準電波を出している中国のBPMの電波を使います。

まず、TS930をAMモードにして、BPMを受信します。 今日はS9で入感していました。 これにDDSの周波数を重ね、ゼロビートをとります。 DDSは10Hzスパンで可変していますので、ビート周波数が一番低くなる周波数を調べると、10.000.120Hzのとき、約2Hzくらいのビートとなりました。 この2Hzの音は通常は耳に聞こえません。 ビート周波数が100Hz付近以下になるとスピーカーの性能と耳の限界により聞こえなくなりますが、ビート音にハム音や濁りがあり、この濁りの音が震えて聞こえます。その一周期が0.5秒くらいになったので、2Hzくらいという事が判ります。

ここで、DDSの周波数係数を補正します。

現在の周波数係数 kd は 1.073741824 ですので、これを1.000012倍した数値 1.073754709に変更します。 次に、この周波数係数で実際にDDSを動作させると、10.000.000Hzの表示の時に数ヘルツのビートが聞こえます。 今度は、周波数係数の小数点以下6桁目以降を微調整し、ビート周波数が1Hz以下になるようカット&トライします。 この付近の周波数になると、ビート音に同期してSメーターも振れますので、ゼロビートポイントがすぐに判ります。

このようにして決定した新しい周波数係数 kd は 1.073755709 となりました。 

こうして校正したDDSは周波数カウンターの校正でその存在価値を維持する事になりました。

安物の発振器SPXOの周波数確度は±50ppm程度の物が多いのですが、常温における年間ドリフトは5ppmなどという数値になり±50Hzくらいにおさまりますので、初期値のみきっちり合わせると結構正確な周波数を維持します。 ちなみに、この中国製SPXOの初期の周波数確度は-12ppmくらいですので、結構良い性能を持っていました。

使用しているPICは+5Vラインに誤って12Vが加わり、i/oポートが壊れた物でしたが、調べてみると、壊れたのは出力ポートのみで、入力ポートは生きていました。 この生きていたRA0,RA1ポートを入力ポートにする事で、このDDS回路も構成できました。

改造後の配線図 DDS_multi_VFO180929.pdfをダウンロード

改造後のソースコード DDS_100k-54M_VFO.cをダウンロード

スプリアスを検討してみました。 AD9833 スプリアス へ続く。

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2018年8月13日 (月)

PICkit3 の修理

<カテゴリー:PICマイコン

DDS VFOの検討中に5Vの三端子レギュレーターが壊れてしまい、+5Vラインに+12Vが現れ、接続してあったPICkit3が煙を出して壊れてしまいました。

壊れたのは、バストランシーバーと呼ばれるPICkit3と外部回路のインターフェースに使われるICでした。

これを修理すべく、まずPICkit3の回路図を探すと、結構多くの情報がありました。 インターネットで調べていくと、MicrochipはPICkit3のクローンを容認しているというか、推奨しているようで、Microchip自身が回路図を公開していました。

pickit3sch.pdfをダウンロード  

この配線図そのものはMicrochip 製なのかクローンを作った会社のものか判りませんが、現物照合すると抵抗値が一部異なる所はありますが、IC名や結線は合っていました。

壊れたICはSN74LVC1T45DBVRという品番のバストランシーバーである事が判りました。 このバストランシーバーのパッケージは何種類もありますが、PICkit3に使われているのは、最後の文字がDBVRという一番大きいサイズのものです。

東京出張の帰りに、このICを秋葉原で探しましたが、結局見つからず。 帰ってからRSで見つけましたので注文し、現物も入手していましたが、その間にクローンのPICkit3を入手していましたので、修理は手づかずの状態でした。

最近、このバストランシーバーを実験する機会があり、PICkit3の修理の事を思い出しましたので、修理にトライする事にしました。

壊れたICは完全に黒焦げで、下の基板も炭化し、一部銅箔も無くなっていました。 本来6個の半田ランドが必要なICですが、6番ピンのランドとストリップラインは消失し、4番ピンに接続するストリップラインも消失していました。 拡大鏡を駆使してなんとかハンダ付けし、出来上がった基板は以下です。

Picki3up

Pickitopen

左上が黒焦げの基板上に新しいICをマウントし、消失したストリップラインの代わりに0.18mmの銅線で配線した状態です。 この作業の後、テスターを使い導通テストを繰り返し、接続漏れや逆に端子間ショートが無い事を確認した後、通電し、PICのターゲットを接続すると、ターゲットのIDが返ってきて、プログラムも無事書き込む事が出来ました。

これから、電源電圧には最新の注意を払う事にします。

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2018年8月12日 (日)

50MHz AM受信機 (DSPラジオ)

<カテゴリ AM受信機 >

50MHzのAM送信機が出来ましたので、これとペアで使用する50MHz用AM受信機の製作です。

すでに7MHz用として、1KHzステップ可変のDSP受信機がありますので、これを親機とするクリスタルコンバーター(クリコン)をこのDSP受信機の中に内臓させる事にします。 DSP受信機は30MHzまで1KHzスパンで動作しますので、手に入る水晶振動子できりの良い32MHzを選定し、IF周波数が18MHz台となるクリコンにします。

このクリコン部分の配線図です。 50M_clicon.pdfをダウンロード

一般的にはシールドケースのかぶったインダクタンス可変式のトランスを使いますが、最近はほとんど入手不可能です。 生産はされていますがMOQ 10,000個とかの条件がつきますので、販売店もリスクが大きすぎるのでしょう。 そこで、現在量産中のチップインダクタと表面実装用トリーマーでこれを実現する事にしました。 これらの部品はRSとかDigi-keyで少量でも入手できます。

まずは、BPFの計算です。 ここで計算しました。 TKS.

50m_bpf_2

左は、チップインダクタとトリーマーで構成した50MHz用BPFです。 BPFの計算で、低いカットオフ周波数と高いカットオフ周波数を指定しますが、中心周波数がバンドの真ん中にくるように設定すると、インダクタンスの値が量産品のE12シリーズに一致しなく、かつ、全ての値のインダクタを手持ちしている訳では有りませんので、手持ちのインダクタが使えるようにこのカットオフ周波数を調整します。

手持ちのチップインダクタに1uHが有りましたので、これを使い計算した定数でBPFを作りました。

50m_bpfadj_3

アンテナアナライザをSSGの代用として、出力端にオシロをつなぎ調整する事にしました。

ところが、トリーマーを回してもピークポイントが見つかりません。 しかも挿入ロスが20dBくらいあります。 このインダクタの仕様を再確認すると、Q無管理品で、コイルのQが必要な場合、Qを管理したインダクタを使うようにとコメントがあります。

サイズが3216でかなり大きなチップインダクタでしたので、QはOKと考えたのですが、使用しているフェライトコアが50MHzまでは対応していないようです。

この1uHインダクタと同じメーカーでQがmin 30と管理されている太陽誘電製のインダクタLBM2612Tタイプを幸いにも手持ちしておりました。 手持ちしていたのは1.5uHのコイルでしたので、再度計算をやり直し、実装した結果、アンテナアナライザの周波数を可変し、その出力をオシロでみている限り、周波数特性は一応50MHzのBPFとして実用レベルであり、挿入ロスも6dB程度である事を確認できました。

IF周波数が18MHz帯ですので、このバンドのBPFも同じように作成しましたが、入出力インピーダンスの関係で直列共振回路によるBPFはうまく行かず、ミキサーの出力は18MHzのタンク回路と2次コイルによるトランス形式の回路としました。 トランスはカーボニルコアに0.28mmφのUEWを22ターン巻いて約5uHのインダクタンスを確保した後、2次側は5ターンとしてあります。

Cliconspeana

ミキサーは定番のジャンクションFET 2SK241ですが、最初、ソース抵抗の最適値と局発の出力レベルの最適値を探す為、オシロで波形をモニターしていましたが、周波数変換された18MHzのレベルが良く判りませんでした。 そこで、IF出力にスペアナを接続し、18MHzのレベルが最高になるよう定数を選定した結果が左のスペクトルです。

32MHzが局発レベル、50MHzが入力信号、18MHzがIFレベルとなります。 また、14MHzは局発の32MHzとIFの18MHzの差分で生じたイメージです。

18MHz以外の不要信号はDSPラジオの内臓フィルターで除去してもらう事にします。

Cliconpcb

左は、クリコンの全体構造です。 入力は右側の50MHz BPF側から加えられ、左側のトロイダルコアと、20Pのトリーマーで18MHzに共振させた後、18MHzのDSPラジオに繋ぎます。 中央上に32MHzの水晶発振回路、それに7MHzと50MHzを切り替えるPINダイオード回路と、マイコンからのクリコンON/OFFのコントロール信号により、全体をスイッチングする回路も実装しました。 PINダイオードは大量に手持ちしているインフィニオン製を使いましたが、ここはロームの1SSxxxでも使えると思います。

これを7MHz用AM受信機の基板上に実装した上で、PICのソフト変更を行わないと50MHzを受信しているのかも判りません。

DSPラジオの基板にこのクリコンの基板を2重構造で張り付けますが、DSPラジオの基板の裏側もクリコン基板の裏側も銅箔をべったり貼り付けてありますので、両方の銅箔を真鍮のボスとビスで導電的に結合しました。

50mrx_pcb

50mrx_inside

全体の配線図 DSP_50M_RX.pdfをダウンロード

次は、PICマイコンのソフト改造です。

一番の問題は、周波数を表示する文字フォントが大きすぎて、5ケタの数値を並べられないことです。 クリコンのハードをコントロールするソフトは簡単に改造出来るのですが、周波数を表示する為に一回り小さなフォントを作るのが最大の問題でした。

このフォントデータの生成器は以前アンテナアナライザの開発のとき、GIF画像をベースに自動生成するプログラムを作ってあったのですが、取説が有る訳でもなく、このTcl/TKのプログラムの復習からせねばなりませんでした。 操作案内は無く、作るフォントサイズやGIFデータの条件によりいちいちソースを手直ししながら操作する必要があるみたいで、GIF文字データを何度も作り代え、やっとフォントデータはできましたが、DSP受信機のプログラムで動かすと、まともに文字が出ません。 結局判った事は、フォントのX方向のピクセルは、8の倍数か8以下でなければ、うまく表示しないという、LCD表示ソフトのバグでした。

フォントコードジェネレーターにはバグは有りませんので、今回使用したソースを公開しておきます。

フォントコードジェネレーターCcord_Generator5.tclをダウンロード

コードジェネレーターがGIF画像を読み込んだ状態のPC画面を添付して置きます。 0から9まで数字の後にスペースの部分がありますが、サンプルでは見えませんね。(スペースだから見えている?)

Fontgeneratorsmpl

バグの原因が判りましたので、バグを修正し、正しく文字が表示されるようソースコードを修正しました。 文字が表示できるようになると、50MHz受信機はあっと言う間に完成してしまいました。

完成して、その感度をFT450と比較すると20dBくらい感度が悪そうです。 そこで、50MHzのBPFの後に非同調のRFプリアンプを挿入しました。 このデュアルゲートFETのゲインは約20dBくらいです。

50mhzrx1

50mrxlcd

 

左上は動作確認中の50MHz AM受信機です。 右上は、アンテナアナライザからATTを介して信号を加えた時のSメーターの振れです。 同じようにFT450へ信号を加えるとSメーターはS9+30dBくらいまで振ります。 Sメーターの感度は自作が勝りますが、実用感度はFT450の方が良さそうな感じです。

自作の送信機にダミロードをつなぎ、音楽を変調したおこぼれ信号をこの受信機で受信すると、ブツブツと小さなノイズがでます。 信号強度がS5から9くらいの時が一番大きくなります。 原因はマイコンとDSP間の通信によるノイズです。 以前FM受信時でもあったノイズでこの時の原因はSメーターのデータ転送のノイズでしたので、FM受信の時だけはSメーター駆動を止めた経緯があります。 7MHz受信時はほとんど気になりませんでしたが、50MHz帯ではFMのときより大きなノイズとなっています。 原因は、DSP基板から出ているハーネスにノイズが乗っており、これをクリコンが拾うもののようです。 ハーネスを束ねたり、ケースの底に押し込むと少し改善しました。 

スピーカーに接続される線に50MHzか18MHzの成分のノイズが乗っているようで、この線を動かすと、ノイズが増えたり、音量が変化します。 MWや7MHzでは異常は起こらないのですが、50MHzの時だけ起こります。 狭い空間にシールドなしでクリコンが同居していますので、対策としては、スピーカーケーブルを2芯シールドに変更しました。 この対策でスピーカーケーブルを動かしてもノイズや音量に変化はなくなりました。

プリアンプ付の回路図DSP_50M_RX2.pdfをダウンロード

残念ながら、完成したこの日の50MHzは実際のAM局はおろか、SSBの局すら聞こえませんでした。

ちゃんと使えるのか心配ですね。

AM_RX50MHz.cをダウンロード

fontF50.hをダウンロード

Font7.hをダウンロード

50MHzの受信が便利なように、ラスト状態をメモリーし、次に電源ONした場合、バンド、周波数、ボリュームレベル、IFバンド幅が復元するようにソフトを改造しました。  また、激しいQSBやオーバー変調の信号を聞くと、パチパチノイズが連続して、了解度が落ちるのを少しでも改善する為、DSPのAM AGCのパラメーターを少しいじっています。

以下、改善部分の関数です。

void DSPinit() {
    unsigned int Rdata;

 writeDSP(0x04,VOLUME);
 writeDSP(0x05,DSPCFGA);

 writeDSP(0x0F,RXCFG);

    writeDSP (0x2E,SOFTMUTE);
    Rdata=readDSP(0x22);
//    writeDSP(0x22,(Rdata & 0xFCFF) | 0x0200);
    writeDSP(0x22,(Rdata & 0xF0FF) | 0x0200);
    Rdata=readDSP(0x0A);
    writeDSP(0x0A,Rdata & 0x0400);
    Rdata=readDSP(0x22);
//    writeDSP(0x22,Rdata & 0xF3FF);
    writeDSP(0x22,Rdata & 0xF0DF | 0x0240);
//     Rdata=readDSP(0x23);
//    writeDSP(0x23,Rdata & 0xE3FF | 0x1C00);
    Rdata=readDSP(0x3F);
    writeDSP(0x3F,(Rdata & 0xFF88) | 0x0013);
}

全体のソフト AM_RX50MHz_lastmemory.cをダウンロード

2018年11月の日曜日にFT450にて50MHzをワッチしていると、50.53付近でAMの信号が聞こえます。 RS52くらいです。 広島市の局らしい。 これは幸いと、このDSPラジオをONして聞いてみました。 残念ながらRS31です。 ゲインがまだ足りないようですので、ゲインアップの対策を行う事にしました。 50MHzのBPFの後にFETの非同調アンプを設けていますが、これを同調アンプにして10dBくらいのゲインアップになるように改造します。 ところが、ゲインが上がり過ぎ発振してしまいますので、同調回路にQダンプの抵抗を入れ、同調した時の最大感度でも発振しないようにしました。 アンテナアナライザとATTで確認した結果では6dB以上は感度アップしているようです。

当然、この改造が終わったころには、またしてもAMもSSBも聞こえませんので、改善したかどうかは判りません。 次の機会を待つしかないですね。 

改造後の配線図です。 DSP_50M_RX2A.pdfをダウンロード

2019年1月

約10Km離れたローカル局に協力頂き、AM 2way QSOが成功しました。 相手局は40Wキャリアにて59+10dB、私の方は8Wキャリアにて57でした。 受信音は正常で、ゲインも十分という事を確認できました。

この受信機は7MHzも使用できますので、このままにしておき、50MHzトランシーバー用DSP受信機を新たに作る事にしました。 こちらをご覧下さい。

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