2026年1月18日 (日)

160m,80mアンテナ変更

2025年末に完成したマルチバンドアンテナシステムですが、問題が発生しました。

2026年の1月になり、寒い日が続いていますが、160mスローパーとATUの関係がうまく動作しません。夏場はFT8 100W送信でも問題なかったのに、最近はSWRが安定せず、FT8で100Wの送信でも最初SWR1.1くらいの状態が15秒後にはSWR5を超えます。 この現象は外気温に関係しているみたいで、昼間、外気温が10度くらいなら、15秒後のSWRは3以下ですが、160mのQSOが可能な夜間で気温が3度くらいのとき、SWR5以上となります。 出力を25W位まで落とせば問題なしです。 いくら1/4ラムダサイズのスローパーと言えども、25WではDXは無理です。 一方、3.5MHzは100W送信でも安定しており、ATUの動作も問題ありません。

原因が判りませんが、ATUから外すと問題ない事から、ATUに使用している部材の何かに異常が発生しているのかも知れません。 これを解決するアイデアがありませんので、160mのスローパーはATUを使わずに独立して設けたマッチングBOXで行う事にし、今まで、160m用ワイヤーを80mや40mのロングワイヤーとして高打ち上げ角のアンテナとしてきましたが、これが利用できなくなりますので、新たに,80m用のスローパーを追加して、これに充当する事にします。

以下は、今回変更を加えたマルチバンドアンテナシステムの全景です。

Nb_ant20260118_3

160m用以外はZATUにつながっています。 160mのみは、ベランダに置いたマッチングBOXで整合をとります。

160mslowperbox

160minbox

左上がベランダのZATUの下に置いた160m用スローパーのマッチングBOXです。右上がそのBOX内の様子です。マッチングトランスは10:9の巻き数比でアンテナの推定インピーダンスは約40Ω。ワイヤーの長さが1λ/4以上ありますので、固定コンデンサと高耐圧バリコンで整合させています。

一般的に、スローパーは最高ポイントから給電しますが、私のスローパーは最高の11mポイントから3m下がった位置で給電しています。そして、GNDも約2000PF程度のコンデンサ経由で家の鉄骨につながります。一応鉄骨は16本のパイルで地下最大5mまで埋め込まれていますので、スローパーとして成立しているのではと考えています。以後、交信実績が出たら紹介する事にします。

3.5MHzでは、ニュージーランドとQSOできました。

1.8MHzでは、とりあえず近場のフィリッピンとQSO出来ました。インドネシアが見えていましたが、届きませんでした。 ただし、同じエレメント構造でZATUを使用し、東マレーシアと交信出来ていますので、コンディションの差によるものと思われます。

最高11m、長さ40mのロングワイヤーと隣の調整池を囲む約130mの金網をGNDとしたアンテナでW7(約7900Km)とQSOした実績がありますので、そこまでこのスローパーがいけるかトライします。

 

最新交信記録はこちらにあります。

  

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2025年12月30日 (火)

Z Match ATU +ナロー幅マルチバンドアンテナ 完成

ナロー幅マルチバンドアンテナZ Match ATUの製作を進めてきましたが、このペアがやっと完成しました。

Img_8813

Zmatchatu260102
左が、最新状態のナロー幅マルチバンドアンテナの全景で、ベランダに乱立していた、7MHz用ベントダイポールや1.8MHz用垂直アンテナが無くなり、かなりすっきりしました。 上は、最終状態のZ Match ATUの全景です。アンテナのアニールが進み、天気が変わらない限り、セーブされた前回の整合条件を呼び出し、SWR1.5以内で電波を発射できます。 

タイミングベルトの張力を最適化したところ、1/4マイクロステップでもバリコンが応答するようになり、21MHz以上のバンドでは自動整合時SWRが小さくなったら、モーターを1stepづつ送りSWR1.03以下を得る為の時間を最小化する事が出来ました。 また、電源ON直後のハングアップ対策として、二組のバリコンの回転開始時間差をコントローラーから調整出来るようにし、最適な時間差を指定できるようにした事から、ハングアップの問題を解決できました。

プログラム最終のバージョンに入れ替え後はハングアップは起きていません。

従来のアンテナとATUでは未完成でした、7MHzのDXCC100エンティティがやっと完成しました。

しかし、天候による整合条件の違いは他のATUに比べて大きく、特に雪が降った時は、スカイドアは全バンドとも、再整合を行ってもSWR2以下に整合出来ませんでした。下の写真は雪が止んだ次の日の朝のアンテナとATUの状態です。 雪が解けた午後からは、元の状態にもどりました。

Zatu260103a

Zatu260103b


ATU本体とコントローラーの最終バージョンは以下です。

Z_Match_ATU_main_101.cをダウンロード

Z_Match_ATU_controller_103.cをダウンロード

 

2026年正月休みの運用で問題が発生しました。問題の内容と対策は次の記事へ。

最新交信記録はこちらにあります。

 

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2025年11月 4日 (火)

アンドロメダ銀河 撮影成功

カテゴリ<天体写真 ポータブル赤道儀 自作 ステッピングモーター アンドロメダ銀河>

前回からの続き」アンドロメダ銀河を光害と時々薄雲に隠れる環境の中、PENTAX K20D、30秒のシャッター速度で120枚撮影できました。撮影後確認したところ、7枚は星が流れたり、2重に写っており削除しましたので、実際にスタックしたのは113枚でした。 NRをオフ出来ないことから撮影は2時間かかってしまいました。

この日は、4日後にスーパームーンとなる月明かりもあり、撮影コンディションとしては最悪に近い状態でしたが、以下の画像が得られました。

Nnm31_251125_30sec

PENTAX K20D ISO:1600 Tokina 200mm F4.0 (300mm換算) 露光30秒 113枚

Sequatorでスタックして、RawTherapeeでレタッチしました。レタッチは露光調整、黒レベル、コントラストなどの調整をおこないました。 銀河の中心を取り囲む円盤状の光の取り込み不足で、かなり薄くなっていますが、かろうじて渦巻き状のアンドロメダ銀河を撮る事ができました。 暗雑が他のカメラより多いという口コミ情報もあり、この薄い原因のひとつがカメラそのものではないかと疑っております。 暗雑が多いという事はダイナミックレンジが狭いという事ですからノイズより低レベルの画像はセンサーに残りませんよね。 インターネット上でK20Dによるアンドロメダ銀河の写真は1枚しか見た事がありません。この画像と似たようなものでした。

撮影条件がいまいち悪い為、光害がなく、月明かりもなく、かつ撮影時間中、雲で隠れることのない場所で、より多くの光を取り込む為にシャッター解放時間を90秒くらいまで拡大し、夜中に遠征しないと、これよりはっきり写す事は出来ないでしょうから、次の目標は、星空のきれいな場所に遠征しての撮影しかありませんが、この夜中に遠征という行動がとれるのは1年くらい後かも知れません。

 

それから、2週間経過しました。 

光害や月明かりや雲の影響で、成果が出なかった1回目の撮影の後、せめて、月明かりと雲の無い夜にベランダから90秒のシャッター時間で46枚トライし、再挑戦しました。 撮影時間は2時間50分でした。

Nnm31_251125_90sec

PENTAX K20D ISO:1600 Tokina 200mm F4.0 (300mm換算) 露光90秒 41枚

上の画像が90秒のシャッター時間で41枚をスタックした結果です。 46枚中5枚はNGでした。しかし、30秒の時より渦巻きの部分が薄くなっています。 インターネットで見る総露光時間1時間の画像は、銀河の外周をとりまく渦模様がもっと綺麗に見える画像が多いのですが、私の画像はとてもそのレベルになっていません。 M31の隣にあるM110は、M31の渦巻のすぐそばにある画像が多いのですが、私の2枚の画像ともかなり離れています。 これは、渦巻の薄い光が記録されていない事であり、やはりカメラの暗雑に隠れてしまっているのでしょう。 また、光害の多い所では90秒もシャッターを開放すると、薄い銀河の光より明るい突発的な光害の光を露光してしまう確率が高いから逆効果だという事も判りました。

 

下の画像は30秒x113枚と90秒x41枚 合計露光時間1時間58分分をスタックしたものです。

M31_30_90_mix1203a

少しはましになるかと期待したのですが、1時間露光とほとんど変わりません。例え光害があったとしても外周の薄い雲状の光は再現されるかもとトライしましたが、再現できませんでした。 

長秒時のNRをオフに出来ないというカメラ仕様は最大の困りものです。2時間の露光時間を確保するのに4時間の撮影時間を必要とします。 その間に赤道儀は60度も回転してしまい、時には立木や電柱の一部が写る事もあります。 やはりカメラを買い替えるしかないようです。

また、WEB上の画像と比較して、星の直径が大きく映っています。この原因はピントが合っていなかったのかな?と1等星を撮影し直してみましたが、ピントは問題なしでした。 コントラストを強調したとき、星の直径が変わったみたいです。 これを防ぐ為にマスクを利用して銀河とその周辺の明るさに差を持たせるようなレタッチが行われるみたいですので、RawTherapeeでは無理みたいですね。 

今回のスタックはSequator以外にSirilというアプリでも行ってみました。PEFのRAW画像のままで開始すると、fit画像への変換はOKなのですが、次のシーケンスでエラーになります。PEFを一旦TIFFに変換してからCirilで処理させると、ヒストグラムのピークがある程度揃っていないとエラーになりました。 PEFがエラーになったのは、このヒストグラムのピーク位置(露光レベル)がそろっていないからかも知れません。 以後、ヒストグラムのピークが30%から40%くらいの範囲に調整したTIFF画像を用意する事にします。 また、銀河を浮かび上がらせるとその周辺にある恒星も明るくなり過ぎるのを防ぐ為にマスク機能もありますので、Sequatorは星景写真用に特化し、銀河はCirilに任せる事にします。

 

2025年12月  

11月にアンドロメダ銀河を光害の中で3回撮影しました。 11月1日に120枚、15日に46枚、29日に15枚(実際の撮影は4時間かけて240枚撮影しましたが星が映っていたのは15枚だけでした)。 この中で星が線になったり、線にはなっていませんが星が楕円になったり、2重になった画像を削除し、全110枚、総露光時間1時間3分。これをRawTherapeeで露光量補正のみ行いTIFFに変換した後、CiriL V1.4.0でスタック処理を行い、その他、細かなレタッチを行った画像が以下です。 Cirilの場合、マスク機能が以前のバージョンより有ったのですが、その使い方が良く判らずデフォルト設定でしかレタッチしていなかったのですが、今回はマスクした時のバックグランドが静かになるように設定し、かつノイズリダクションをかける事により、銀河が少しですが浮き出て見やすくなりました。 V.1.2.6からプルダウンの内容も変わり少々手間取りましたが、なんとか操作できました。

M31_122527_ciril14

私にとって、これがこの年の最高の仕上がりになりました。 

 

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2025年10月30日 (木)

アンドロメダ銀河 撮影準備

カテゴリ<天体写真 ポータブル赤道儀 自作 ステッピングモーター アンドロメダ銀河>

前回までの記事)自作のポータブル赤道儀による星の撮影が可能になった事から、目標としていたアンドロメダ銀河の撮影にトライします。 と言っても、自宅のベランダから空を見上げてもアンドロメダ銀河はおろか、その周辺の星も見えません。 例え、光害の少ない場所へ夜中に遠征しても、アンドロメダ銀河がどこにあるのかさえ検討がつきません。 よって、まずは、自宅のベランダから、この銀河を探す練習からスタートしなければなりません。 インターネットをぐぐると、アンドロメダ銀河の探し方を解説した記事や動画が沢山見つかります。 それらを何度も学習して、2等星以下の明るさの星は見えないベランダでおおよその位置を探す練習を開始しました。 この練習を200mm望遠レンズで始めたのですが、さっぱり探し当てる事が出来ませんでした。 結局初心に帰り、50mm固定レンズで、おおよその位置を知り、次にレンズの焦点距離を次第に長くしながら探す範囲を狭めていく事にしました。

まず、秋の四辺形の一角にあるアルフェラッツとカシオペアの位置関係から多分この辺だろうと予想する方向に50mmのレンズを向け30秒のシャッタータイムで撮った写真が下の2枚です。

Andromeda1

Andromeda2_2

左は、JPEGで撮った画像で未加工の状態です。 右はRAW画像を見やすいようにコントラストと黒レベルをレタッチしたものですが、実際のアンドロメダ銀河の位置は、右上の片隅に小さく映っていましたので拡大したものです。

ここまでレタッチすれば、この真ん中付近にぼやけて写っているのがアンドロメダ銀河だろうと言えますが、この像はカメラのファインダーや背面LCDモニターの画像では確認できませんでした。  しかし、カメラの中の画像をPCで表示させると、自由に拡大できることから左側の画像はPCの画面で見る事ができます。

200mmの望遠レンズはズームになっており、80mmから200mmまで連続的に可変できます。 次は、80mmの望遠レンズで、まず画面上に銀河をとらえ、それの位置を中央によせながら、次第にレンズの焦点距離を長くし、200mmでも画像の中心に銀河がくるようにセッティングする事にトライする事にします。

 

このトライは以外と早く実現できました。 アンドロメダ銀河を中央とまでは出来ませんでしたが、自宅のベランダからとらえた最初のショットが左側、1時間以上経過した時のショットが右側になります。

Imgp1001

Imgp1078

左側は色がほとんどついていません。その原因は推測ですが薄い雲がかかっていたのではないかと思います。この200mmのショットを30秒のシャッター開放で120枚撮影しました。 かかった時間は20時半から22時半まで。

そして、この画像をRawTherapeeでレタッチし、Sequatorでスタックしようとしたら、エラーです。 RawTherapeeで出力したファイル形式は16bit TIFF。 PCの画面では、TIFFファイルの読み込みエラーとでます。 エラーの理由がフォーマットが違うという意味のコメントが付いていました。 もしかしたら、TIFFのフォーマットを間違って圧縮したのかな? 再度日を改めて16bit 非圧縮 TIFFを確かめてからSequatorに読み込ませても同じエラーがでます。 原因はキューに入れたファイルを一括処理するとき、出力するファイルが圧縮になっていました。今後気を付けよう。 

アンドロメダ銀河 撮影成功 に続く。

 

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2025年10月11日 (土)

ポータブル赤道儀 ドリフト法による極軸合わせ

カテゴリ<天体写真 ポータブル赤道儀 自作 ステッピングモーター>

T60_neandoromeda

多分、50mmくらいのレンズなら赤道儀につけたファインダー越しに北極星を狙って極軸調整しただけで60秒くらいの撮影は可能ではないかと考えますが、さすがに200mm(デジカメなら300mm相当)のレンズの場合、極軸望遠鏡が無ければ無理だろうという感触は前回の実写でなんとなく判りました。 しかし、ここで諦める訳にもいかず、インターネットでドリフト法に関する情報を読みあさった結果、これなら極軸望遠鏡が無くても星を点にとらえる事が出来るかも知れない。

そこで、今回の自作赤道儀のコントロール回路にV字型の線を自動的に取得するためのプログラムを追加する事にしました。 赤道儀の動きとしては、通常の追尾速度で10秒くらい動作させ、次に60秒間だけ通常の回転方向で回転速度を4倍にし、続けて逆方向に60秒間4倍の速度で回転させ、この間、シャッターを開放状態にしておけば、デジタルカメラのなかにVの字の光跡が残るというもの。 撮影後、その場でカメラの中をPCで覗き、Vの字がIの字に変わるまで極軸の調整を行うようにしたい。

赤道儀の駆動はステッピングモーターで行っているので、簡単にプログラムを追加できます。 1日でプログラムの改造を終え、部屋の中で、赤道儀の動きをチェックする為に、回転速度を60倍にして通常の4倍速でチェックすると、通常の回転方向の場合、15秒で15度ほど回転しますが、逆方向の場合、15秒で30度ほど回転してしまいます。 過去、ステッピングモーターの正転、逆転をランダムに繰り返す必要のあるATU(自動アンテナチューナー)を作成し、速度が変わるような問題は一度もなかったのにと焦りました。 モーターの電流が絡んでいるのかと、電流制限を700mAから100mAまで可変しても解決しません。 丸1日考えた末、ATUの場合、なぜ問題が出なかったのかとATUのプログラムの検証をしてみました。 ATUは指定したステップで正確に正転、逆転を繰り返す必要があり、プログラムの中で、そのステップ数をカウントする場合、ドライバーICのSTEP入力に加えるパルスが、HからLに変わった時ワンステップとカウントし、ターゲットのカウント値になったら停止するようプログラムされていました。

今回の赤道儀は、ステップ数を数える必要がないので、現在のステップ信号のパルスがH/L関係なくモーターを停止させていました。もしかしたら、このパルスがHの時モーターを停止させると、次の起動時に停止した時の状態と異なることから、マイクロステップのシーケンスがくるってしまうのでは?と気づき、モーターを停止する場合、必ず、ステップパルスがLになるまで待って停止させるプログラムに変更したら、この異常現象は完全に無くなってしまいました。電流制限100mAから500mAまで変化させ確認しましたが、いずれも異常なしでした。最終的に電流制限は250mAに設定しました。

正転、逆転の基本動作が出来るようになりましたので、Vの字パターンを記録するために、全体のシャッター開放時間をマニュアルで設定する手段、通常スピードの何倍で回転するか指定する手段、描かれたVの字の線の始点のマーキング、線が重なってIの字になっていることを容易に判断するために、正転時の光跡の長さより、逆転時の光跡を長くする手段をプログラムで作成しました。

この正転と逆転時の光跡の長さは正転と逆転の時間が同なら、必ず逆転時の長さが長くなるのですが、あまり長くなると始点と終点の距離が離れてしまい、Vの時の開き角度が小さくなります。すなわち、IなのかVなのか判定がむずかしくなる事を避ける為に逆転時の長さを予め計算された値に調整します。 また、これに使用するカメラであるK20Dはシャッター開放状態の撮影では撮影終了後、撮影時と同じ時間をかけて、ノイズリダクション処理があり、通常のカメラの2倍の時間がかかってしまいます。 そこで、一般的には100秒くらいで光跡を取得していますが、これを30秒くらいから初めて、ほぼIの字になったとき60秒以上で再確認するようにするつもりです。

Drift_lcd_2

改造したプログラムは、TIME SETキーを押しながら電源SWをONするとドリフトモードになるように設定しました。 左の画像はこのドリフトモードで立ち上げた時のLCD画面です。 一番左のB-OPENの下にある数字は、120秒間シャッターを開放する事を示しています。この数値は1秒から255秒まで可変できます。

真ん中のEQ SPEEDの下にある数値は赤道儀の回転速度を通常の何倍の速さに設定するかを示します。この数値は2倍から10倍まで可変できます。実際に使ってみて範囲が狭いようでしたら、拡大するかも知れません。右側のFWD %の下の数値は順方向に回転させる時間の比率を予め計算し、その結果を表示しています。この表示の例では全シャッター開放時間120秒のうちの58%(69秒間)順方向に送り、逆方向には残りの51秒間送ることになります。この比率は順方向の光跡より、逆方向の光跡が約22%くらい長くなるように計算されています。

TIMER STARTキーを押すと、通常の追尾速度で赤道儀が回転し始め、10秒間シャッターを開放します。これは光跡の始点を作る作業です。10秒経過したらシャッターは開放のままB-OPENで指定された期間、プログラムされた動作を行いトータル130秒後にシャッターは閉じます。

ここまで準備して、いざドリフト法にファーストトライです。

今夜は南向きのベランダから星を撮影しますので、まず三脚を水準器で水平にします。次に、先日北極星を狙ったときの高度角に黄色のテープで印をつけていましたので、それにピタリと合わせて高さ方向はきっちり固定しました。

Eqmount1010a

Eqmount1010

次に、赤経の南中付近にカメラを向けますが、目で確認できるめぼしい星が光害の為見えません。やむなく適当に水平方向を決めて、30秒間の光跡を確認し、何回も繰り返しながら60秒間の光跡でほぼ正転と逆転の光跡が重なった角度を決めました。 ただ、この60秒の光跡で、とりあえずこれくらいで良いかと諦めるまで2時間かかっていました。 続いて東側の空に見える星を狙って、60秒の光跡を確認したら、1回目で正転、逆転の光跡は重なっていましたので、出来た!と適当な星を1分と2分と3分で追尾撮影をおこないました。 この終了まで2時間20分かかっています。

左下が南方向に適当にカメラを固定して最初に撮った30秒間の光跡です。あてずっぽにしても、かなり外れた状態から開始する事になりました。真ん中は60秒の光跡です。暗闇の中で光るPCの画面を見て、光跡が一致したと判定した画像ですが、拡大するとまだずれていました。右側が先日の北極星で上下方向の角度を決めた時のままで撮った東の空10度くらいの高さに上った星の光跡です。 カメラの向きがいずれも水平からずれていましたので、光跡の角度もバラバラです。

Drift30_1

Drift60_2

Drift60e_1

この状態でシャッター開放2分(左)と3分(右)で撮影した星が以下の写真です。

120sopen

180sopen

2時間もベランダに立ちっぱなしでトライしたドリフト法でしたが、カメラの近くに置いたノートPCの画面では、正転逆転の光跡は一致していると判定したのですが、機材を撤収して改めて光跡を拡大して確認したら、いまいち追い込み不足があり、結果として2枚の星空の写真は星が点になりませんでした。 また、最初に撮影した1分の画像は3分の画像より星の流れが大きく、この最初の画像だけ、星の流れが大きいのは2回目です。 なにか特別な原因がありそうです。

以上の結果から、まずDriftのプログラムの中の、最初の始点を作る時間を10秒から5秒に変更しました。 撮影完了後、再度シャッター開放時間と同じ時間だけ待つ為にカウント機能を入れました。 このカウント値がLCDに表示されますので、前回よりイライラして待つ事がなくなりました。前回、最初の追尾撮影で追尾に失敗して、星が線状になる原因は、赤道儀の回転軸のあそびが原因でした。一旦追尾を止めて、カメラの向きを変え再度追尾を開始しても軸のあそびの分だけ赤道儀は回転せず、あそびが解消されたら追尾を開始しますが、このあそびの範囲を抜け出すのに1分くらいかかっていました。 対策として、再度モーターの位置調整を行いあそびの部分で赤道儀が回転しない時間を30秒くらいまで縮めましたが、これ以上の改善が出来ないので、あそびの回転時間中はシャッターをOPENしない事にしました。

回路図 EQ_Mount_sch_2.pdfをダウンロード

マイコンプログラム PEQ_Mount_201.cをダウンロード

フォントプログラム Font9.hをダウンロード

          Font12.hをダウンロード

 

そして、数日後、まず南中位置付近での水平方向の合わせを行い、次に東方向で垂直方向の合わせを行った結果が以下の画像です。 特に水平方向は光害のため、2等星の星も見えない状況でしたので、目視では見えない暗い星の光跡を見て、判定したのですが、左下の画像のように、改めてPC画面で拡大してみるとまだVの字状態でした。 垂直方向はOKみたいです。撮影時間は左右とも60秒ですが、右側の背景が明るいのはパチンコ屋のネオンの性です。

Drift2h

Drift2v

以上の極軸合わせ結果により撮影した星の画像は左から30秒、60秒、下の段の左から90秒、120秒です。

Idrift2_30s

Idrift2_60s_2

Idrift2_90s

Idrift2_120s

90秒までが限界ですかね。 120秒の星は円弧状に写っていますので、追尾エラーにカメラの回転まで加わった模様です。 雲台の締め付け不足が原因と思われます。

今回使用しているカメラ PENTAX K20Dの場合、星を撮影する場合に致命的な欠陥があります。 シャッター開放時間が0.3秒を超えるとノイズリダクション(NR)機能をOFFできなくなり、例えば10秒間シャッターを開放した後、ほぼ同じ時間をかけてNR処理をする事から、この間、次にシャッターON出来るまで待たねばなりません。 実際NR処理時間にどのくらいかかっているか調べてみました。

K20dbestshater_time

表をクリックすると拡大します。

実際のカメラを使い、3秒から180秒までのNR処理時間の計測結果です。 そして、シャッター開放時間が合計して60分になる時の、NR処理時間とシャッター開放時間の合計を計算したものです。 シャッター開放時間とNR処理時間に比例関係は有りません。 一番効率の良いシャッター開放時間は20,25,30秒でこれ以下も以上もトータル必要時間は多くなります。 特にシャッター開放時間が35秒になると急にNR処理時間が長くなり35秒の時が一番効率が悪くなっています。 30秒と35秒の間にこの効率悪化のしきい値があるので調べてみたら33秒から悪化する事がわかりました。 余裕を見て最長30秒がベターと判断します。 いくら長時間のシャッター開放にトライしても32秒を超えた途端、撮影効率が大幅にダウンする為、レンズの焦点距離に関係なく30秒のシャッター時間で星が点に写れば良いという事になりました。

北極星を見ながら極軸合わせをした場合も、ドリフト法で極軸合わせした場合も30秒のシャッター時間なら、極軸合わせに45分もかける必要はなさそうです。 ドリフト法の場合でも垂直方向は、三脚を水平に合わせ、北極星の高度に合わせた角度に固定して水平方向だけ合わせるという手抜きでも問題なさそうです。 この記事の最初の左側にある星の写真はレッドドットファインダーのみで北極星をターゲットに、StarWatchingToolsで確認した北極星の時角を考慮して極軸合わせを行い、ベランダからほぼ天頂の星を赤道儀で追尾しながら30秒間のシャッター開放で撮影し、その時のRAW画像をRawTherapeeとういうアプリで加工したものです。 200mmのレンズでも星は点に写っていました。

以後20秒から30秒の範囲で連続撮影する事にします。

今回の極軸調整時間は、ベランダに機材をセットアップするのに15分、極軸を水平、垂直両方とも合わせ完了まで45分、最後の星空撮影が12分くらいかかりました。 一番時間を食った作業は、ドリフト撮影時、星が見えない為、カメラに映りそうな星を探す時間でした。 私の住む街は大して大きな街でもないのに、家の近辺に大きなパチンコ屋と戸建ての世帯数を上回る世帯数のアパートがあり、建物の数はアパートの方が少ないにせよ、アパートの共同で使う通路や階段は終夜こうこうと照明を点灯する事を法律で義務付けられている関係から、とにかく星は見えません。

ドリフト法によるVの字のCCW(逆転)方向の光跡の長さをCW方向の122%くらいの長さに設定したつもりでしたが、実際はばらついて逆に短くなっているのが多い状況でした。 原因を調べると計算式の間違いと、赤道儀の軸のあそびの性でした。計算式は次回から修正されますが、軸のあそびはそのままです。なるべく赤道儀の軸が反転する場合、あそびが影響しないようにカメラの重心を設定する事にします。

修正したプログラム   PEQ_Mount_202.cをダウンロード

追加したヘッダーファイル NRtimeK20D.hをダウンロード

 

次はいよいよ光害の無い場所に移動して目標を定めての撮影になりますが、いつできることやら。

 

ラッキー!

昼間、快晴で星の撮影が楽しみな日がありました。 夕方6時半ごろ、レモン彗星が撮れるかも知れないと、北側のベランダから西の空を見ても、彗星どころか恒星も全く見えません。 北極星はかすかに見えていましたので、極軸合わせを行い、恒星追尾を行いながら北西から西の空に80mm望遠レンズを向け、30秒のシャッター時間で位置を変えながら12枚撮影しました。撮影しただけのRAW画像には星は1個も写っていないのですが、RawTherapeeで黒レベルとコントラストを調整して薄暗い星影をあぶりだした結果、1枚だけそれらしき影が映っていました。 最初はゴミかと思ったのですが、翌日、インターネットに紹介された10月24日撮影のレモン彗星の尾の傾きとぴったり合致していましたので、レモン彗星に間違いないと自己満足です。

Cometremon20251024_2

この撮影の後、北東の空から雲が広がり、8時ごろには空一面曇り空となってしまいました。 天気予報では次に晴れる日は3日後だそうです。

 

アンドロメダ銀河 撮影準備へ続く。





 

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2025年10月 5日 (日)

ポータブル赤道儀 初めての実写テスト

カテゴリ<天体写真 ポータブル赤道儀 自作 ステッピングモーター>

前回までの記事」10月5日、昨日までの連日の雨が止み、夕方北極星が見れるかも知れない。 そこで、今晩こそ、製作したポータブル赤道儀の実力試験を行おうと準備をしました。 結果は失敗でした。 まあ、最初からうまくいくのがおかしいという試験ですので、初めて行った失敗の記録と今後の課題を紹介し、これから何回もトライして、なんとか見れる天体写真撮影に挑戦していきます。

Peqtest20251005

隣の空き地に3脚を建て、レッドドットファインダーの真ん中付近に北極星が来るように狙いを定めた後、天頂からやや西に傾いた1等星をめがけてカメラの位置を固定し、赤道儀は定速で追尾しながら60秒、90秒、120秒、150秒とシャッター開放時間を変更しながら撮影しました。 撮影しましたと言っても、そこまでたどりつくのに45分くらいかかっており、60秒の撮影は赤道儀のモーターがONしておらず星は完全な線になっていました。他の画像は一応追尾はしているのですが、極軸が合っていなく短い線になっていました。

赤道儀の回転テーブルとシャフトはDカットして2本のイモネジをしっかり締めたつもりでしたが、カメラの重みで3度くらいの遊びが生じ、星をカメラのファインダーの中央に持ってきて手を離すとずれてしまいます。

この場で対策が出来ないので、遊びの分だけずらしてセットし、手を離したとき、画面の中央付近にくるようにセッティングできるまで30分くらいかかりました。

その作業をやっている内に多分極軸合わせもずれてしまっていると思われますが、今夜はまず画像を残す事を最優先としました。

カメラがノイズリダクションの処理をしている事を忘れて、タイマーを仕掛けてシャッターONの信号をカメラに送ってもシャッターが開かず、あせりもあって、全ての画像のシャッター開放時間はバラバラです。

この晩は中秋の名月の前日で月がこうこうと輝いており、2等星以下の星は肉眼では見えない状況でしたので、カメラの背面にあるリアルタイムの液晶画面は明るい灰色で星はひとつも見えません。 

Imgp0713

Imgp0716

左上はシャッター90秒開放、右上は150秒開放時の星画像です。 いずれも200mm望遠レンズで撮影しています。 画像を拡大すると判りますが、どちらも星は線状に流れています。

90秒の画像の星の軌跡が円弧状になっています。 これは極軸合わせのエラーに加えカメラが回転したのではないかと思われます。 各部の締め付けが弱かったの原因でしょう。

今回は初めての撮影でしたので、改善テーマが多すぎます。 特にカメラの位置をしっかり固定できるようにしないと、極軸合わせどころではなくなります。 また、レッドドットファインダーの精度はかなりいい加減で、北極星の時角を論議するレベルには到底達していません。 

回転テーブルの遊びの問題は、2個のイモネジのゆるみでした。しっかり締めれば問題ないのを確認できましたが、また緩むようなら、イモネジを普通の長いビスに代えてネジ山の摩擦する面を増やす事にします。

レッドドットファインダーによる極軸合わせは200mmの望遠レンズでは難しいと理解しましたので、ドリフト法による極軸合わせを検討する事にします。

 

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2025年9月23日 (火)

ポータブル赤道儀 ファインダーの取り付け

カテゴリ<天体写真 ポータブル赤道儀 自作 ステッピングモーター>

手配しておりました、ファインダー用の台座が意外と早く納品されましたので、さっそく、自作の赤道儀にタップを切って取り付けました。 (前回までの記事

Finder_03

左が取り付けた台座にファインダーを固定した状態です。 ファインダーは取り付けただけでは使い物になりませんので、極軸と平行になるように調整が必要です。 その為、ウォームホイールの付いたカメラ回転用のシャフトを抜き取り、そこに6φのABSパイプを差し込みました。真鍮の6φ棒はすんなりとベアリングを貫通したのに、ABSパイプの寸法はかなりいい加減で、ベアリングに挿入できません。 仕方なく、パイプをハンドドリルにくわえさせ、高速で回転させながら表面をサンドペーパーで磨く事10分。やっとベアリングを貫通出来るようになりましたので、写真のごとく取り付けました。パイプの長さは12cm、内径は4mmです。 外光によりターゲットが見にくいのでパイプの外側に黒のビニールテープを巻き付けてあります。

 

Finder_02

まず、このABSのパイプの穴を覗き、約1.6Km先のNTTのアンテナの先端が円の中心にくるように赤道儀の向きを調整した後、ファインダーの赤ドットが円の中心にありかつNTTのアンテナ先端に合うように、台座の取り付け位置とファインダーに付属する垂直、水平の微調整ネジを回し、固定しました。 レッドドットファインダーの取り扱いを解説したインターネット情報によると、ファインダーを覗く目の位置がずれてもレッドドットの示すターゲットの位置は変わらないと説明され、その証拠の動画もあるのですが、今回入手したファインダーは目の位置を変えると、ターゲットから外れてしまいます。 という事は、覗く条件で、ターゲットに一致する方向は無数にあるという事になり、使い物になりません。 ほんとに、使い物にならないのか、色々の情報を調べていくと、どうも次の様な使い方のようです。 

まず両眼をひらいて、ターゲットを注視し、その状態で一方の目はターゲットを直接見て、もう一方の目はファインダーを通して見えるように目の位置を決め、ファインダーの青い円の中心にターゲットが見えるようにファインダーの向きを合わせ、次に円の中央のターゲット上に赤の点が見えるようにファインダーの調整ネジを調整したら良いらしい。 

そこで、この方法でファインダーを調整した後、ファインダーで別のターゲットに狙いを定めますが、ターゲットと赤のドットが青い円のセンターになるように赤道儀の向きを調整した後、ABSのパイプを覗くと、ターゲットはABSの穴のほぼ中央に見えていました。 目の位置がファインダーを調整した時とずれると赤のドットはセンターに来ない為、赤ドットがセンターに見える時のみ照準が合ったと言えるみたいです。 多少の誤差はありますが、この見え方の癖を覚えておき、実際に北極星の位置決めをする場合、スマホで得られたリアルタイムの北極星の時角(リアルタイムの時角を表示するスマホのアプリ名:StarWatchingTools)を見込んで赤道儀を固定する事になります。 どうもこの辺は、慣れと経験で繰り返し極軸設定を行ないながら、精度を上げていく事のようです。 つまり、かなりアナログ的なカットアンドトライで星が線にならない為のシャッター開放時間の改善を行うという事らしい。 それでも200mm望遠レンズクラスなら最長5分くらいとの事。(16分は無理。極軸望遠鏡を用意できない俳は諦めです。)

ファインダーを一度外し、再度取り付けると、ターゲットの位置をセンターに合わせたのに、赤のドットがかなりずれていました。 調べると、ファインダーの赤ドットを移動させる微調用のつまみがちょっと指に当たっただけで回転してしまう程軽いのが原因でした。 

対策は、つまみとボディの間にスポンジのスペーサーを挟み回転時に負荷がかかるようにしました。下の写真が実際に作ったスペーサーとそのスペーサーを実装した状態です。

Spacer1

Spacer2

Spacer3

厚みが1mmくらいあるスポンジ系の両面テープを、ほぼ正方形に2枚切り、接着面どおしをはりつけます。その状態で3mmφの穴をポンチで開けます。 穴を中心に八角形に切り、形を整えたあと、調整用つまみとファインダーのボディに挟み込み、つまみを固定するネジをしめつけました。 この措置は、ファインダーの垂直、水平両方の調整ネジに実施しました。 これで指やその他の物が当たってもつまみが回転する事はなくなりました。

 

2025年10月中旬

ドリフト法により極軸合わせの練習をしていたころ、このレッドドットファインダーを使って土星をターゲットに経緯台の調整をしていた時、土星をファインダーの中央に置き、かつレッドドットと重なるようにファインダーの方向を調整したとき、目の位置をずらしても、レッドドットと土星の輝点は一緒に動く事を確認しました。ファインダーの直径の半分くらいの範囲内なら、赤の輝点と土星の位置は変わりませんでした。 これがこのファインダーの正しい使い方かも知れません。

 

さらに、エージングを続けていると、自由雲台を固定する回転テーブルとシャフトの間でスリップが起こります。イモビスをいくら締めてもスリップは止まらなくなりました。 写真撮影の前にいっぱい問題点が出てきて極軸合わせどころではなくなりました。

Imoneji_3

Handdriru_2

回転テーブルをシャフトに止めてある二つのイモネジの一方を抜き取り、2.1φのドリル刃を付けたリューターでシャフトに深さ0.5mm程度の穴をあけます。 イモネジを差し込みシャフトが動かない事を確認した後、もう一方のイモネジの部分も同じ様に処理します。 一旦回転テーブルを抜き取り、先ほどシャフトの穴を中心に深さ0.3mmくらいのDカットをヤスリで作ります。 回転テーブルを再度取り付け、イモネジを少し締め付けてテーブルがロックする位置を確かめたらイモネジをしっかりと締めておきます。 今回は回転テーブルだけがスリップしましたが、BOX内のウォームホイルも同じ事が起こる可能性がありますので、一度全部ばらして、ストーッパーのネジが当たる部分をヤスリで削り、最大で0.3mmくらいのDカットを施しました。

Finder_03

前述したように、ファインダーの微調整ネジが緩んで再調整しなければならないのですが、その為に、また極軸のシャフトを抜き取りABSパイプを差し込んで再調整するというのは、かなり面倒です。アイデアは良かったのですが、実用にはなりません。 そこで、このシャフトと平行になるような常時取り付けておける覗き穴用パイプを追加する事にしました。 ギアBOXの天板と底板をはずし、このふたつの板の四隅をビスで固定した状態で、ボール盤を使い3mmの穴を貫通させました。BOXを元通りに組み立てた後、その穴にグラスファイバー製釣り竿の先端部分をカットした長さ13cm、先端の内径が2mmくらいのパイプを差し込みこれを基準にレッドドットファインダーの調整を行う事にしました。 調整は昼間、約4.8km先の高圧鉄塔の先端を狙い行いました。 その後、実際に使用していると、赤道儀が回転する特定の角度で、パイプがアリガタプレートに引っかかる事が判明し、長さを10cmまでカットしました。
 

StarWatchingToolsについての補足(多分こうだろう。間違っていたらごめんなさい)

Porertimeangle_1_2

スマホにStarWatchingToolsをインストールして、これをOpenすると左の黒色と赤色で描かれた円弧状のグラフが現れ、白い点が表示されます。左の画像にある黄色で描かれた部分及び「北極星の位置」と「極軸の位置」の文字とそれに付随する白い矢印は表示されません。極軸に対して北極星の位置のズレをYahooで検索すると、0.6度ほどずれていると出てきます。一方満月の視角は約0.5度です。従い北極星は満月の直径の約1.2倍の半径で、極軸を中心に一日かけて一周する事になります。

リアルタイムの時角が必要なのは、極軸設定時の角度を知れば、北極星をどの方向に0.6度ずらせば良いかがすぐに判る為です。

スマホの画面に表示される像は正立と倒立が選べます。レッドドットファインダーは正立像ですので、正立像モードにしてスマホに表示された角度に北極星を配置すれば良いし、レンズ式の通常のファインダーなら倒立像モードにすれば簡単に設定できます。 満月の大きさは、満月の夜、ファインダーで月を覗けば把握できます。 今回使った一倍倍率のレッドドットファインダーで半分欠けの月を覗いてみたところ、意外と月の大きささは大きく見えました。少なくとも、赤ドットの直径の10倍くらいはありました。

極軸と北極星のずれは毎年変化するようです。0.6度は2025年の9月にインターネットから仕入れた情報です。しかし、その他にも沢山の数値が有り、どれが正しいか分かりませんでした。 国立天文台が発表しいるズレは40分(0.666度)と出ていましたが、いつの年かは記載されていませんでした。 

 

実写テストに続く 

 

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2025年9月15日 (月)

ポータブル赤道儀 モータードライバーの製作

カテゴリ<天体写真 ポータブル赤道儀 自作 ステッピングモーター>

ポータブル赤道儀のギアBOXが完成したので、次はステッピングモーターのドライバーと、インターバルタイマーの作成です。 インターバルタイマーは前々回で完成済み。モータードライバーの基本プログラムはZマッチATUの制作で完成ずみで、1/64マイクロステップの動作が成功すれば完成になります。

まず、PICマイコンの選定ですが、32bitタイマーを使いたい為、16bit品の中からPIC24FV32KA302を選びました。 このICなら、まだ部品箱に1石有りましたので、追加で買う必要もありません。 ステッピングモータードライバーはSTSPIN220と言うSTマイクロ製のICを米国メーカーが金属基板の上にモジュールとしてマウント済みのユニットを使います。 秋月電子で扱っています。 モーターはすでに紹介した通り、17HS4023で、中華製です。 また、インターバルタイマーの機能をいれますが、これは、前々回の記事で紹介しましたユニットをそのまま、このモータードライバーに移植します。 プログラムの量のほとんどが、このインターバルタイマーの部分が占有し、モータードライバーのプログラムはほんのちょっとしかありません。

回路図 EQ_Mount_sch_1.pdfをダウンロード

Peqmount_pcb

上は出来上がった回路です。2.54ピッチのユニバーサル基板に組み込みました。 抵抗、コンデンサ(電解コンデンサは除く)は全てチップ部品で基板の裏側に半田付けしてあります。 電源は最大電圧16.4Vのリチウムイオン電池(電動リール用)に12V出力のDC/DCコンバーターを付けた10AHくらいの自作の電池を使います。 このモータードライバーは12Vの電圧供給を受けた後、それぞれの回路に必要な電圧を基板の中で作っています。 基板の中で大きく面積を占有しているのがこのDC/DCコンバーターです。 アマゾンで6台まとめて690円で売り出されていましたので、買ってあったものが役立ちました。 1台はステッピングモーターの電源用で、7Vに設定してあります。 もう一台はステッピングモーターのIC用とカメラの外部電源用の5Vをまかないます。 

カメラの外部電源用として市販されているケーブルはUSB端子付きになっており、5Vの電圧を8.3Vに昇圧してカメラに供給するようになっている為です。 2週間くらい遅れてこのケーブルは入手しました。USBコネクタに5Vの電源を接続しカメラに接続するコネクタの出力電圧を測ると5Vしか有りません。販売資料にはDCDCコンバーターと書いてありましたので、てっきりUSBコネクターから受けた5Vを8.3Vに昇圧してカメラに供給するものだと理解していたのですが、実はそうではないらしい。 テスターでこのケーブル(モデル名 AC-CU905C  D-AC50)の入出力を導通テストすると、+側も、GND側も0.5Ω以下。DCDCコンバーターなど存在せず、単にLEDと若干のLEDドライブ回路が入っているだけでした。 幸い、カメラ用として12Vから電圧を変換するDCDCコンバーターを実装していますので、5Vに設定していたこの電圧を8.3Vに変更しました。 そして、ステッピングモーターICへは5Vのシリーズレギュレーターを追加する事にしました。 一般的にUSB-Aコネクター経由で得られる電圧は5Vと決まっておりますが、USB-Cコネクターの場合、5V以上で使う事も規格化されているので、要注意です。  前記した回路図は修正済み。

PICマイコンやLCDは、この5VからLDOを使い3.3Vに落としています。 PICマイコンが3.3Vでモータードライバーが5Vの電源での動作であると、マイコンの出力電圧とドライバーの入力電圧がミスマッチになりそうですが、そこは、STマイクロが設計対応しており、H入力は1.5V以上あれば良く、マイコンの低電圧化を見越しておりますね

PICのシステムクロックとして24.576MHzの水晶を使う事はすでに紹介しましたが、PIC24FV32KA302の場合、OSCI及びOSCOに水晶と負荷コンデンサを付けても発振しませんでした。 20MHzなら発振するのですが、24MHzは発振しません。やむなく、トランジスターでコルピッツ水晶発振回路を作り、この出力をOSCIに加えてやることにしました。発振周波数は、自作のカウンター(誤差±0.032PPM)で測定して24.576016MHz。 設定値に対して+0.65PPMくらいでした。使ったセラミックコンデンサの温度特性は全てCG(温度係数0)。冬場でも周波数の安定が見込まれます。 ちなみに、0.65PPMの誤差とは24時間の計測に対して0.056秒の誤差を意味します。  モータードライバーからモーターまではLANケーブルの中にあった長さ2mのAWG24のワイヤー4本をツイスト状態でつないでいますが、問題なしでした。 ベースギアは1時間に15度回転しますが、それを待っていられないので、MSTARTキーを押しながら電源を入れると、60倍のスピードでモーターが回転します。この状態で1分間に15度回転する事を確認しています。 もちろん、正規のスピードで2時間の運転を行い、30度の回転も確認済みです。 問題の1/64マイクロステップですが、これがいとも簡単にOKとなりました。 当初の心配はなんだったんだと思えるくらいあっさりと解決しました。

マイクロステップ駆動を行う時は、一般的に、コイル抵抗 x 定格電流で現わされる電圧の2倍くらいの電圧をかけ、電流制限を定格値の半分くらいにして使う事が多いので、今回のステッピングモーターの場合、この理屈で行けば、電圧5.6V、電流制限0.35A程度がターゲットになります。しかし、今回のモーター回転ステップは9PPSくらいの超スロー回転で、ローターの慣性は利用できませんので、トルク重視の為、この標準の25%アップくらいの設定でスタートしたところ、一発で脱調もせずにOKとなりました。最終的には、モーターの電圧は7Vにしておき、電流制限を450mAに設定しました。 この時の12V電源の消費電流は180mAくらいです。

ベースギアの回転方向はCWオンリーです。日本国内でしか使いませんのでCCWは不要です。

Peqmount_motor_test

上はモーターの回転テストを行っている状態です。1/64マイクロステップで動作しており、騒音は全くありません。ウォームギアにマジックインクで印をつけると60倍の速度では回転しているのがわかりますが、正規の回転の場合、動いているのか判りません。ウォームギアを指でつかむと、回転しているのはわかります。

とりあえあず、回転数については設計通りに仕上がりましたので、回路をケースに入れる事と、ウォームギアとホイールの遊びについて最適値を選ぶ必要がありますが、天板をかぶせた状態ではモーターの取り付け位置の調整が出来ないため、モーター位置調整の為の治具を作ります。

Peqmount_centerjig

上の写真はシャフトセンターが天板の位置と同じになるように作られたセンター出しの治具を天板の代わりに取り付けた状態です。 遊びが全くないと、シャフトが上下振動を起こし、カタカタと音をだします。しかもホイールが偏芯しているようで、回転方向のガタが大きくなる場合とシャフトが上下に振動する場合がホイール一回転の内に交互に発生します。 この偏芯の最大の原因はホイールをシャフトに固定する時、イモビスで締め付けますが、この時に生じる0.1mm以下の偏芯だとわかりました。 何度もモーター位置とホイールの高さ調整を行いガタが最小でシャフトの上下運動の起こらない位置に固定し、ホイールとウォームにsoft99ブランドのグリス(成分表示が無くモリブデン系とは書いてありませんでしたが、多分モリブデン系)を塗り、60倍速度で2時間エージングを行いました。 上下運動は無くなりましたが、1回転の1/4以下の範囲で0.2度くらいの回転方向のガタが有ります。 もうこれ以上改善できないので、ここで手を打ちました。

 

マイコンプログラム PEQ_Mount_01.cをダウンロード

フォントプログラム Font9.hをダウンロード

          Font12.hをダウンロード

いっしょに作ったインターバルタイマーは前回の仕様からマルチタイムタイマーの機能のみにしました。

回路全体が完成したので、これを外に持って行けるようにケースインします。

Peqmcontroller_1

Peqmcontroller_2

Peqmcontroller_3

前々回のインターバルタイマーは電池を内蔵する事にこだわった為、ケースが大きくなりましたが、今回は外部電源にしないと電池では持たないと考えた結果、130x90x30mmのアルミケースに押し込む事に成功しました。 内部の配線類が天板を押し上げようとしますが、そこは、しっかり上から押さえつけてビス止めしました。

雨か曇りの夜が続いており、なかなか屋外で実験が出来ません。仕方なく、部屋の中で照明を消して、赤道儀のセットアップの練習をしてみると、大きな問題が浮上しました。 赤道儀とコントローラーを結ぶモーター用のワイヤーのコネクタの極性が暗くてなかなか一致しないのです。

Old_4pcone

Peqm_harness1

左上が今回使った4極のコネクターですが、4極の極性を一致させるにはオス、メスそれぞれに付けられたガイドを一致させて差し込み、カバーネジを締めて接続完了するものなのですが、暗闇でLEDランプ片手ではいくら頑張ってもガイドが一致しません。むりやり挿入するとガイドを無視して挿入されてしまい、モーターは回転しません。 良く考えたら当たり前の事で、写真では白っぽく見えていますが、実際は真っ黒です。このコネクターを暗闇で抜き差しするのは無理と諦め、右上の赤い4極プラグに変更しました。 このプラグは回転方向に対して極性は無く、奥までしっかり押し込めばOKというもので、コントローラー側を含めて変更しました。 プラグの形状はヘッドホン用の3極プラグを4極にしたもので、もし、通電中に誤ってプラグを抜き差しすると端子間がショートする可能性があるのですが、そこはモータードライバーのICの中に組み込まれた電流制限機能の為、ICが壊れるという心配はありません。 また、屋外での本番に備えて頭に付けるヘッドライトを調達することにしました。中華製で送料込みで651円でした。
 

Peqmount_testing

自作赤道儀を庭に持ち出し、星が流れずに撮影できるシャッター開放最長時間を確認したいのですが、あいにく数日前から雨と曇りの天気が続いており、天気予報では3週間くらい待たねば撮影はできそうもありません。 ファインダーの台座も9月中に届くかどうか判りませんので、しばらくはエージングだけしか出来ません。

左は、極軸を34度くらいにして、天頂を撮影する角度でエージング中の画像です。 カメラと200mm望遠レンズ及び自由雲台の総重量は1.650Kgでした。 画像は、赤道儀の回転速度を60倍にして、約24分で360度回転する状態で、最大負荷を通り過ぎた状態です。 ステッピングモーターは回転速度が速くなるほどトルクが小さくなりますので、60倍のスピードで回転して問題なければ、正規の回転では余裕でOKとなります。 使っている3脚は耐荷重10kgのビデオカメラ用です。 赤道儀の重さを加えても2.45kgくらいですので、余裕でいけます。 ベースの雲台はハーフボールタイプの大型雲台で水平に保った状態でも雲台を上方向に最大70度くらいまで傾ける事が出来、水平はオイルダンパー式で360度回転可能ですので、北極星をターゲットにした極軸あわせが楽になりそうです。

数日後、ファインダーの台座を入手しました。 

 

 

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2025年9月 7日 (日)

ポータブル赤道儀の製作(機構)

カテゴリ<天体写真 ポータブル赤道儀 自作 ステッピングモーター>

まともに星の写真も撮れない内に(前回記事)、ポータブル赤道儀を自作しようと計画し、手当たり次第に部品及び材料を手配したら、自由雲台や極軸設定用ファインダーを含めて1万5千円ほどかかってしまいました。 新品の既製品が雲台なしで5~6万円であり、中古なら2万円台で手にはいりますので、自作にしては、高いものに付きます。 すでに、順次部品は宅配で届いていますので、今更、中止する訳にもいかず、土日の休日をこの製作にあてます。 すでに9月の第1周を過ぎましたが、暑い日が続いており、濡れ縁の脇に日傘をさして卓上丸鋸とボール盤を使い、とりあえず、ギアボックスの仮組み立てまでこぎつけました。

構造はWEB上に先輩方が沢山の情報を紹介していますので、それらを参考にギアBOXを作ります。ギアBOXと言っても、一段のウォームギアとステッピングモーターが入っているだけの簡単な物です。

ギアの減速比は1/60で、これを1/32のマイクロステップでドライブしようともくろみます。 もし、可能ならば、1/64マイクロステップでドライブしたいのですが、過去、実験した中華製の3Dプリンター用ステッピングモーターは1/32はなんとか実現できましたが、1/64は実現出来ていません。 今回は、最悪1/32マイクロステップとし、1/64マイクロステップは挑戦事項と位置づけて進行します。

Peqmount_draw

上がJW-CADで描いたポータブル赤道儀の組み立て図です。サイズは88x88x56mmのBOXになります。 モーターは17HS4023という17HSシリーズの中では一番小さな物になります。 コイル抵抗4Ω、定格電流0.7A、これをDC7V、0.7Aくらいで使うと1.4Kg/cmくらいのトルクが得られ200mm望遠レンズを付けた一眼レフカメラも回転出来るかも知れない。 まあ、やってダメなら、バランサーを付けたら解決するので、かなり楽天的に製作する事にしました。

Peqmount_temp

上の写真が3mm厚のアルミ板に、JW-CADで作った実寸大の部品図を両面テープで張り付け、加工完了したギアBOXと、この赤道儀用に手配した自由雲台、それに雲台取り付け用のアリガタプレートの台座を取り付ける回転台です。 回転台は以前、製作したATU(自動調整アンテナチューナー)用でしたが、外形が大き過ぎて使う事が出来なかった、タイミングプーリーです。 BOXの穴あけは基準穴以外全て現物合わせで開けましたので、6枚のアルミ板の位置は、全て固定されており、間違いを防ぐ為に内側に印となる記号をマジックで書きこんであります。

Peqmount_inside_temp

左は、ギアBOXの天板をはがした内部状態です。モーターとウォームギヤしか入っていません。 実際の構造は、ベアリングやシャフトカラーなどが付きますので、まだシャフトの長さはトリミングしていません。 モーターのドライバーは前回製作したインターバルタイマーの中に、組み込みますが、実際は、全部作り直しとなります。

この日までにシャフトカラーが納品されていなく、また、極軸設定の為のファインダーも納入されていませんので、それらが手に入り次第、正規組み立てを行う予定です。

Peqm_data_3上の表は1/32マイクロステップ時の設計データです。一応600mm望遠レンズの時でも星は流れない事になっています。 もし、1/64マイクロステップが実現できると、1200mmの望遠レンズでも星は流れないはずです。 ただし、実際に使うのは、フィルムカメラ用の200mm望遠レンズで、これをデジタルカメラに使った場合、視野角の関係から300mm相当の望遠レンズとなりますが。

表の上から4行目の「ベースギア必要回転角/秒」は星空が1日かけて360度回転する恒星時から1秒間に何度回転するかを計算したものです。 また、下から6行目の「ベースギア回転角/秒」はステッピングモーターのマイクロステップ角度から、1秒間にベースギアが回転する角度を逆算したものです。 両者の数値が一致していますので、計算は正しいと考えています。

PICマイコンでステッピングモーターを制御しますが、この時、PICのクロックは24.576MHzの水晶発振子を使用します。 中途半端な周波数に見えますが、この値は2のN乗の数値で割り算した時、ちょうど割り切れる数値で、市販の水晶発振子の中に存在するものです。

Shaftx

Shafty

左上が、X方向でのシャフトの垂直度を、右上がY方向でのシャフトの垂直度を見たものです。X,Y方向ともほぼ垂直です。 例え、真の垂直でなくても、極軸ファインダーを微調整して合わせることができますので、検査合格とします。

シャフトカラーを入手できました。下の写真はシャフトカラーを装着して、底部分にスラストベアリングを、天板の軸穴には、横揺れ防止を兼ねてベアリングを挿入して、ギアBOXの内部は完成です。 ただし、これから何度も分解する事になりますので、まだ仮止め状態です。

Peqm_giar

Peqm_undai_2

Peqm_mouttest

左上がギアBOXの回転台に雲台を固定する為のアリガタプレート用台座を固定した状態です。 右上はこれらの機材を使って、実際の3脚に赤道儀を乗せ、200mm望遠レンズを装着したカメラを取り付けた状態を確認したものです。 写真では赤道儀の極軸は水平になっていますが、実際は北極星を向く事になります。 まだ、モーターのドライブ回路が出来ていないので、動かす事はできませんが、機械的な強度を確認して見ても、異常は見られませんでしたので、とりあえず安心しました。

ファインダーを赤道儀に固定する台座(サドル)の寸法が判らなかったので、ファインダーの到着を待っていたのですが、到着して実測したら、雲台を固定する台座と同じ寸法でした。雲台用の台座は販売キャンペーンが終了し、現在は1000円を超えていますので、アマゾン経由で600円台がありましたので、それを注文しましたが、納期が9月末との事です。 

下の写真はレッドドットファインダースコープと呼ばれる天体望遠鏡用のファインダーです。 拡大率が1:1なので、北極星だけをターゲットにするなら使いやすいかも知れないと選定したものです。 北極星は2等星なので、肉眼で見えない夜は写真撮影すら出来ないでしょうから、大きな拡大率は不要と思います。

Peqm_finder

そこで、ギアBOXはここまでにしておき、モータードライバーとインターバルタイマーを新規に作る事にします。

 

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2025年8月 9日 (土)

天体写真入門 (星空撮影用多重露出タイマーの作成)

カテゴリ<天体写真 ポータブル赤道儀 自作 ステッピングモーター>

天体写真入門という題名ですが、実際に撮影できるのは何時になることやら。大昔、中学のころ、自作の天体望遠鏡で木星と4つの衛星を見たり、三日月型の金星を見て楽しんでいたのですが、45mm幅のフィルムと蛇腹のカメラを庭の片隅に置き、北極星に向け、絞り開放で約1時間シャターを切って写し込んだ写真が現像から上がった時、小躍りして喜んだものでした。 あれから60年過ぎてしまいました。   昨年の11月に寿祝いの返礼としてギフト券をもらいましたが、これと言った欲しい物がなく、カタログの中で見つけたケンコーの星を自動追尾する反射望遠鏡をゲットする事にしました。 夢は、アンドロメダ銀河の写真を撮る事です。

ただ、写真を撮るにも、持っていいるカメラはスマホか、キャノンとSONYのコンパクトデジカメくらいで、とても星雲の写真を撮れるしろものでは有りません。 そこで、50年くらい前に買ったペンタックスの50mm固定焦点、及び200mm望遠レンズを使える最新のデジタル一眼レフカメラの中古を探す事にしました。 そして見つけたのが、18年くらい前のペンタックス K20D。レッキとした有名カメラ店が12000円で売りに出していたのを見つけ、これをゲット。

レンズに仕掛けが必要なオートフォーカスや自動絞りは使えませんが、絞り優先のシャッター速度自動撮影と全てのマニュアル機能を使えると言う事で、まずは、忘れていたマニュアル操作の勉強を始めました。 そして、デジタルカメラによる星の撮影に関するインターネット情報をかき集めると、赤道儀で星を追いかけながら、長時間(数十秒)露光したRAW画像を何枚も撮影し、これをベースに専用アプリで重ねる事により、良く雑誌やインターネットで見るきれいな星や星雲の写真が出来上がる事を理解しました。

ところで、今回の中古カメラは、RAW撮影機能があり、付属CD-ROMのアプリの中に、長時間露光を何回も繰り返すアプリもある事はわかりましたが、残念ながら、このCD-ROMは付いていませんでした。 また、ホームページからダウンロードできるソフトは更新バージョンのみで、オリジナルアプリが記録されたCD-ROMが無いと使えないという事も判りました。 そこで、このCD-ROMの中古を探そうとしている最中に、待てよ、この程度のソフトならPCのソフトに頼らずとも、PICマイコンで簡単に出来るではないか。

K20Dに付属していたCD-ROMの中にインターバルタイマーのプログラムが含まれているとの情報がありましたが、その取説を入手して調べたところ、とても星の撮影には使えないもので有る事がわかりました。星撮影用のプログラムは別途作るかポータブル赤道儀に付加されているインターバルタイマーを使う事が必要なようです。

思い立ってから1週間で、そのコントローラーを作ってしまいました。

Irelease_top

Irelease_left

Irelease_right

露出時間は1秒単位で最大255秒、インターバル時間も1秒刻みで最大255秒、そして繰り返し回数も1回から最大255回まで設定できます。 1秒のタイムゲートが必要なので、PICの内部クロックも水晶を使う事にし、ジャンク箱に大量に転がっている7.2MHzの水晶を使い、4倍PLLの28.8MHzのFoscを作り、秋月で1石100円で購入したPIC18F24J10にプログラムを書き込もうとするとエラー。WEBで調べてみたところ、拡張命令に対応していないから、#pragma config XINT = OFF とすれば良いとの事で、コンパイラは通過出来たのですが、PICKIT3から書き込もうとすると、IDがNGでまたSTOP。 電圧設定が悪いのかとテストすると、2.75Vの電源電圧ならIDが正常に返ってきますが、今度は、メモリー書き込みエラー。書き込み時の電圧不足でエラーになります。解決策が見つかりません。 やむなく、このPICは諦めて、ジャンク箱をひっくり返し、ピンコンパチのPIC16F1938を見つけましたので、これに変更。 タイマー1を使い、1秒間隔の割り込みを作ろうとしましたが、プリスケーラーの分周比が小さく、実現できないことにやっと気づきました。 仕方がないのでT1OSCを使い32.768KHzの水晶を発振させ、これで、1秒間隔の割り込みは簡単にできます。 この32.768KHzの水晶もジャンク箱の中に5個ほど有りました。 たしか1個15円くらいでしたので、何かのついでに買って有ったものですが、やっと日の目を見る事ができました。

この32.768KHzの水晶を使えば、7.2MHzの水晶は不要で内蔵のCR発振器で8MHzを発振させれば良いのですが、面倒なので、そのままです。

ケースはダイソーから110円で入手した透明なアクリルケース。これに、LCDの窓を切り抜いたインクジェットプリンター用光沢写真用紙に操作ツマミの名称を印刷し、裏から張り付けました。

機能としては、単純なマニュアルモード(レリーズケーブルによるリモート)、Bモードによるワンショットシャッターオープン、シャッターONとOFFの時間を秒単位で設定でき、かつこれを最大255回繰り返す事が出来るマルチタイマーモードを選択できるようにしてあります。 また、マルチモードで、インターバル時間をゼロとすると、最大255x255秒(約18時間)シャッターを開けっぱなしにできますので、カメラを北極星に向けると星が回転している良く見る写真を撮る事が出来ます。 タイマーカウント中に中止したい場合、STARTキーをもう一回押すか、電源をOFFします。電源をOFFしてもセットしたデータは記憶されており、再度電源ONすると、電源をOFFする前の状態に復帰します。

赤道儀を使わずに星が点に見えるシャッター開放時間をNFPルールで計算したところ、K20Dと50mm焦点レンズの場合、2.8秒と出ました。 1秒ステップのタイマーなら2秒が限度なので、タイマーステップを0.1秒に切り替えられる様にしました。 STARTキーを押しながら、POWER ONしてLCDが表示し始めてからキーを離すと0.1秒ステップになります。 

配線図 CAMERA_RELEASE_SYSTEM.pdfをダウンロード

本体マイコンプログラム Camera_release_1.cをダウンロード

ヘッダーファイル Font9.hをダウンロード

         Font12.hをダウンロード

ここに公開したマイコンプログラムにはバグがあります。インターバルタイマーのセットが0の時、設定したシャッター時間 x 設定した回数の時間シャッターをONし続ける仕様でしたが、実際は設定したシャッター時間が過ぎたら一回で終了してしまいます。 このタイマーは9月下旬に分解してポータブル赤道儀のコントローラーの中に組み込みましたので、もう、現物は有りません。バグ無しのプログラムが必要な場合、ポータブル赤道儀のプログラムを参照してください。  下のプログラムは一応バグ修正しましたが、ボードがすでに無いので確認出来ていません。

修正したプログラム:Camera_release_102.cをダウンロード

先に、タイマーが完成したところから紹介しましたが、もし、同じように自作される方の参考になればと、以下紹介する事にします。

Pulg_2r5_stereo_2

左の図はK20Dのレリーズジャックに挿入する2.5mmステレオプラグの接続を調べたものです。 プラグの先端の電極と根本の電極(GND)をスィッチでショートすると、シャッターを切る事ができます。 また、カメラのMODEダイヤルをBにして置き、スィッチを押し続けると、シャッターは開きっぱなしになります。 真ん中の電極とGND間をショートした場合、多分、オートフォーカスが起動するのだと思いますが、確かめていません。 

リモートレリーズ用のケーブルはアマゾンなどでかなり販売されており、各社のカメラで使えるようなコメントが見られますので、2.5mmジャックを採用したカメラなら、どれでも使えるのではと思われます。

このタイマーはシャッター用のスィッチのON/OFFをマイクロコンピューターで制御しますので、機械的なスィッチでは無く。電子スィッチでON/OFFします。 今回は、電子スィッチとしてFETを使いました。 トランジスターでも実現できますが、トランジスターの場合、コレクタがエミッターと同電位の場合、ベース電流がコレクタ側にも流れます。 カメラの電源がOFF状態でトランジスターをONすると、ベース電流がカメラ内に流れ込む事になり、故障の原因になるかも知れません。FETの場合、印加したゲート電圧がドレイン側に漏れる事は有りませんので、安心です。

電源は7Vから16V 150mA以上の外部電源か、内蔵の単3電池 3個ですが、LCDのバックライトを一番明るい状態にして100mAくらい消費します。 内蔵電池のみで、100mA、数時間連続はしんどいですので、バックライトの明るさを調整する可変抵抗を付けてあります。最も暗くすると、12mAくらいの消費電流となりますが、昼間は文字が良く見えません。 しかし、使うのは夜の暗闇の中ですので、文字はちゃんと読む事ができます。 

 

連日PM2.5の為、星が良く見えなかったのですが、8月の下旬にさしかかったころ、家の3階のベランダから北極星が見える夜がありました。 この晩、今回作成したタイマーを使い、シャッター開放10秒、インターバル5秒で15回繰り返しの撮影をしてみました。 使用するレンズは18mmから55mmのズームの中古でヤフオクでゲットしたもので、18mmの時、最大10秒くらいのシャッター時間はOKのようです。 街の中での撮影なので、肉眼では2等星くらいまでしか見えない状態でした。 撮影が終わり、記録されたRAW画像をRawTherapeeというアプリでオープンしてみると、かすかに星明かりが写っているのですが、表示されたシャッター開放時間が7秒から9.8秒くらいの範囲でバラついており、指定した時間通りのシャッター開放が行われていませんでした。 この時間のバラツキは、レリーズをONしてから、実際にカメラのシャッターが開放されるまでの間のバラツキであることが判りました。 どういう条件でどれくらいバラつくのか調べる事にします。

調査した結果、撮影完了と同時にカメラは何か処理しているみたいで、その処理が完了するまでは、次のシャッターONを受け付けないみたいです。 最初、RAW形式でデータをセーブしますので、そのセーブ時間がシャッター開放時間と関係しているのだろうと予想しましたが、ファイルをJPEGオンリーにしても、同じでした。 シャッター開放5秒の場合、インターバル時間を5秒とると、4.8秒間開放したというデータが、10秒開放ならインターバル時間を10秒とると、シャッター開放時間は9.8秒とRawTherapeeの画面に表示されます。 多分0.2秒の差はミラーのアップ時間ではないかと思います。 この開始時間の遅延のバラツキは、当初高感度時のノイズリダクション処理時間かと疑ったのですが、ノイズリダクションをOFFにしても、変化なしでした。 以後、シャッターON時間とインターバル時間は同数に設定する事にします。 

この条件で、我が家のベランダから、北斗七星と北極星を狙った15枚のショットをSequatorで処理した結果が下の画像です。

250820n7

実際に目に見える以上の星が写っていました。

インターバル時間とシャッター開放時間をほぼ同じ時間にしておかないと、 シャッター開放時間が短くなる問題ですが、カメラのファームウェアを調べてみたらV1.00でした。 このカメラの最終バージョンはV1.04との事で、リコーのホームページからダウンロードし、アップデートしてみましたが、この問題の症状は改善されませんでした。 Cカスタムメニューの 高感度のNR ON/OFFが機能しないのか、長秒時NRをOFF出来ない仕様なのか、ISO感度設定に関係なく常にNRがON状態の様です。 その後、2008年の口コミ情報の中に、長秒時、OFF出来ないと言うのがありました。 諦めます。

例えば、10秒の露光で100回行うと、1000秒(16分40秒)となります。 1回の露光を16分40秒で撮影完了すると、その画像の出来栄えは、絶対に1回16分40秒の方が勝ると言われていますので、16分40秒露光しても星が流れないポータブル赤道儀を作る事にします。(16分も露光して星が流れない赤道儀が出来ても、極軸調整が正確に出来ないから無理!!)

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2025年7月23日 (水)

PWM AM送信機のファイナルドライバーの改善

<カテゴリ AM送信機(PWM方式)

DDSによるVFOが出来ましたので、200W PWM AM送信機のドライバーの改善を行います。 従来のドライバーはFETドライバーTC4426で強制ドライブする出力7W程度のD級アンプ方式でしたが、デジタル方式AM送信機の開発時、そこそこの効率が得られる10W以上のE級アンプのノウハウをつかみましたので、今回は、12Vの電源で10W以上が得られるE級アンプに変更します。

200w_driver

上の回路図が今回製作したドライバー回路です。VFOの出力を2N7000プッシュプルで増幅する為に、CMOSゲートで180度極性の異なる信号を作った後、2N7000のゲートスレッシュホールド電圧のバラツキに合わせこむ為に半固定抵抗でDCバイアスを調整しています。 この2N7000プッシュプル回路はE級アンプとして動作し、約1Wの出力を得て次のMTA100N10プッシュプルE級アンプをドライブし、13Wの出力を得ています。 この回路の効率は79%くらいです。 オリジナルのデジタルAM送信機の時は最高で85%くらいの効率を得ていましたが、そこまでは届きませんでした。 それでも従来のドライバーの2倍近くの出力を得ることができました。 

Vfodriver

以下、2N7000のゲートに加わる信号

次段のMTA100N10のゲートに加わる信号

そして、MTA100N10の出力となる50Ωダミー抵抗の両端の電圧波形です。約76Vppくらいの電圧を発生させています。

Gate_2n7000

Gate_mta100n10

50load_output



これから実際の送信機に組み込み、終段をドライブしてみる事にします。

Finalgatedrive

上が、この新ドライバーで終段をドライブした時のゲート波形です。 終段には+Bはまだ加えていません。 このPWM方式AM送信機を作った2018年ごろは、終段のゲート電圧は10Vppくらいだったのですが、今回改造にかかる前のゲート電圧はピークで7Vくらいでしたので、製作当初のピーク10V以上の電圧値でドライブ出来るようになりました。

このドライブ状態で電源電圧25V(RF終段のドレイン電圧は1/2の12.5v)の時100Wの出力が得られました。これは、36Vくらいの電源電圧で200Wを得られる換算値ですが、出力が100Wを超えた途端、終段に供給されるドレイン電圧が急激にさがります。最近5年くらい使っていなかった事もあり、PWM変調段が故障しているみたいです。 そして、次の改善項目はPWM変調器と決め、以前より実験したかった、ハイサイドFETドライバーによるフローティング不要のPWM変調器の設計に移る事にします。 ただし、過去、実際に製作された文献を見たことがないので、かなり時間がかかりそうです。

そんな訳で、この改造計画は一旦休止します。

 

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PWM AM送信機 VFO改善

<カテゴリ AM送信機(PWM方式)

2018年に製作したPWM方式の200W AM送信機は、時々使っては、あっちこっち壊して出力が200W出なくなり、現在は120Wくらいです。 そこで、再度、200Wの出力が出るように改造する事にします。 当時の設計は、PWM方式のいろはも良く判っていない状態で、とにかく200Wというターゲットに突き進んだ結果、余裕がなく、補修部品が生産中止で手当て出来ず、壊れて修理する度にパワーが落ちるという状況でした。

まずはドリフトのあるVXOを止め、DDSにする事から始めます。

DDSのICは中華製のSI5351Aコピー品。 周波数表示は、これも中華製のTFT LCD

7mhz_vfo

このDDSに使われているICはSi5351Aで、秋月からモジュールとして購入したのですが、誤ってこのICに12Vを加えてしまい、壊れてしまいました。 そこで、ICだけを中国から手配したSi5351Aのコピー品に交換したもので、配線図では8pinのモジュールとして記載されています。

配線図 AMTX_VFO_with_LCD.pdfをダウンロード

このVFOの出力形態を最初正弦波にしていたのですが、例え、8Vppの電圧でも極性反転トランスを経由した場合2N7000のゲートをドライブできず、デジタル方式AM送信機に使ったCMOSゲートによる極性反転方式に戻さねばなりませんでした。

VFOプログラム AMTX_VFO_03A.cをダウンロード

Font7.hをダウンロード

Font9.hをダウンロード

Font22.hをダウンロード

AM送信機のフロントパネルに実装した状態は以下です。

Pwm_am_driver


最近、秋月で購入できるALPS製のロータリーエンコーダーの品質が落ちていますね。 チャタリングがひどく、ソフトやハードで対策しても15年前くらいの品質は確保できていないようで、ロータリーエンコーダーを選別しながら使っている状態でした。 そこで、外見がいかにも高級そうな24クリックの、送料無料、5個で合計350円という中華製のロータリーエンコーダーを入手し、使いだしたところ、これが意外と安定して動作し、フィーリングも問題ありません。 いつの間にか、天下のALPSの品質レベルを超えていました。 ただし、外形がALPS製よりも大きく、上のアルミパネルに取り付けるとき、隣のLCDに当たる為、従来の取り付け穴を楕円形に広げて、ロータリーエンコーダーの中心位置を1.5mmほど移動せねばなりませんでしたが。

 

PWM AM送信機のファイナルドライバーの改善 に続く。

 

 

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2025年7月 6日 (日)

2.25 inch TFT 76*284 LCDをPICで表示

AliExpress経由で76x284ピクセルしかない細長いTFT LCDがかなり安く販売されており、これを、ついでの買い物時買ったのが始まりです。 中国から到着して、予め作成して有った実験用回路に接続したのですが、肝心なバックライトが点灯しません。 販売店には、評価1のレポートを送付しましたが、なんとか動作させられないか、気になればつついていました。

Tft_lcd_225inch

左がそのLCDですが、ST7789を使ったSPIインターフェースとの事で、すでに240x320ピクセル用は実用していましたので、あまり気にする事なく購入したのですが、前述のごとくバックライトLEDが点灯しません。 今までのLCD基板ではBL端子を+3.3Vにつないでいましたので、同じように接続した結果です。

通電状態でBL端子の電圧をアナログテスターで測ると3V以上あり、どうやらVCCに接続したのは間違いだったようです。

そして、このテスターを当てているとき、LCD面がかすかに明るくなります。 テスターの内部抵抗は約200KΩですので、1KΩの抵抗でBL端子をGNDへ接続しましたが、明るさは全く変わりません。100Ωくらいまで小さくしてみたのですが、変化は有りませんでした。

広告の中で使われているプリント基板のバージョンはVER 2.0なのですが送られてきた現物のバージョンはVER:tft 2.25 2.0 と書かれており、写真で見る限り表面上は同じようにみえますが、なにかが違うのでしょう。 3週間くらいいじった後、なんらかの拍子に一瞬バックライトが点灯しました。 どうやら、まだ壊れていないみたいですので、一から再検討する事にしました。

このLCDは色々のショップが販売していますが、使用しているフレキの基板は皆同じで、その品番はFP-225TSP-09A。そこで、このフレキの仕様を調べてみると、8pinのフレキの端子番号に対する信号名とプリント基板に書かれた信号名の並びが合致しません。 基板のなかで、信号の順番を変更してあります。

そこで、ほんとうに、基板の端子に書かれた信号が実際のフレキの端子までつながっているか確認する事にしました。 まず最初にGNDを確認したのですが、導通が有りません。スルーホールが切れているみたいですので、この部分をリード線でショートしてやるとバックライトが点灯しました。 この時のBLとGND間の抵抗は6.8KΩでした。 後で確認しましたが、3.3KΩくらいがベターかも知れません。

さらにVCCの接続を確認すると、これは正常。 その他の端子は、実際にマイコンからLCDドライブ信号を出して、その信号がフレキの端子までつながっているかをオシロを使いながら確認した結果、SCL以外は全て正常につながっていました。 SCLラインだけは、どこかで断線しているみたいです。 そこで、このSCLもリード線で接続してやると、やっとLCD画面に目的の表示が現れました。 この基板のカラー構成はST7789の仕様書通りのRGB構成でした。

多分、出荷する時点では正常に動作していたのでしょうが、輸送の振動で、どこかにクラックが生じ、それが原因で断線状態になったのでは推測します。

Tft225lcd01

上が表示成功の状態です。 この表示は200W AM送信機の周波数表示と電源電圧の表示につかいます。下の写真はこのディスプレーが正常に表示出来るように改造した内容です。

Tft225lcd02_2

このLCDの評価を見ていると、全く動かなかったという評価は有りませんので、私に届いた基板だけがNGだったと考えられます。

もし、同じようなトラブルに遭遇した時、参考にして頂けたら幸いです。

配線図 AMTX_VFO_with_LCD.pdfをダウンロード

プログラム AMTX_VFO_02.cをダウンロード

フォント Font7.hをダウンロード

フォント Font9.hをダウンロード

フォント Font22.hをダウンロード

 

なんとか復活させたLCDでしたが、誤ってBLとGNDをショートしてしまい、あっけなく壊れてしまいました。 このLCDを使う前提でAM送信機を製作する工程を中止する訳にはいきませんので、新たに3個注文し、すでに入手し、AM送信機の7MHzのVFOは完成しました。

 

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2025年5月31日 (土)

デジタル検出、アナログSWRメーターの製作

<カテゴリ:SWR計>

再開局以来17年間使ってきたアナログ式のSWRメーターでしたが、性能的には全く不満はないのですが、いざSWRを測ろうとすると、一度進行波電圧でメーターがフルスケールになるよう可変抵抗器で調整した後、反射波電圧をスィッチを切り替えて読むという面倒が有り、Z-ATUが正常に稼働している今、このアナログ式SWRメーターはキャリブレーションがされていなく、特にFT8の時はバンドによって出力レベルが異なるので、目安にしかならない状態になっていました。

ATUを自作する段階で、デジタル方式のSWR計はいくつも作ってきましたが、このデジタル方式のSWR計は出力レベルが変わっても常に正しいSWR値をデジタルで表示します。 しかし、現用中のPOWER計付きリグ切り替えBOXのフロントパネルを新規に作り直すのは、かなり面倒で、今一つ踏ん切りができず、長い間そのままでした。 

そこで、SWRの検出はデジタルで行い、得られたデジタルのSWR値でアナログメーターの針を振らすSWRメーターを作成する事にしました。

デジタル値のSWRをアナログメーター用の電流に変換するのは、変換テーブルを使い、デジタルの電流値にした後、これをPWMにてアナログ電流に変換します。

Swrmeter_test

上の写真はLCDディスプレーを接続してデバッグ中のSWRデジタル検出回路のテストを行っているところです。 このデジタル回路を収納するBOXは600Wピークの送信電力が通過しますので、マイコンが誤動作しないように、回路を金属のケースに入れ、そこから出るワイヤーは全てアクセスパネル経由で接続します。 こうする事により、外部で発生している高周波電流や電圧の影響がマイコン基板に妨害を与えにくくする事ができます。 

Swrmeter_boxin

上の写真は出来上がったマイコン回路を金属ケースに収納した後、SWR計用のケースに組み込んだ状態です。このBOXは複数のリグを1本のアンテナへ接続したり、別系統のアンテナへ切り替えるスィッチBOXのみが機能し、以前有った外部のMTUやATUをコントロールする機能は使用していません。BOXの中の右半分は、MTUやATUのコントロールのとき使っていたLEDとスィッチですが、現在は配線をカットしてあります。

下の写真は出来上がったアナログ表示のSWR計とZ Match ATUのコントローラー(青色のパネル)とペアのショットです。 Z-ATUの内蔵SWR計はSWR1.04と表示していますが、アナログメーターのSWR値は1.07くらいの表示で、これくらいの誤差は許容範囲です。 

Swrmeter_act

AMやCW、FT8では問題ないのですが、SSBのとき、しばしば指針が無限大まで跳ね上がります。 進行波電圧と反射波電圧を時間差をもって取得している為、これは理屈上起こりうる現象で、解決するには、2chのADCが同時にサンプリングする必要があります。 しかしながら、汎用のPICマイコンは、ADCの数は多いですが、各チャンネルをスキャンしながらAD変換を行う関係で、SSBのように音声周波数の周期で振幅が変化する場合、どこかで進行波電圧より反射波電圧が大きくなることが起こり、SWRメーターの針が無限大を指してしまいます。 これを少しでも和らげる為に、連続キャリアの場合、正確なSWRを計算でき、かつSSBの時でも、少なくとも指針が無限大を指示しないようにソフトで対策しました。 SSBの時は、正確なSWRは指示出来ませんが、そこそこ違和感なしで動いています。

SWR計の配線図 Analog_SWR_Meter_250531.pdfをダウンロード

マイコンプログラム Analog_SWR_Meter_2.cをダウンロード

SWRデータ変換テーブル SWR_outdata.hをダウンロード

デバッグ用フォント Font9.hをダウンロード

デバッグ用フォント Font12.hをダウンロード

 

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2025年5月26日 (月)

中華製 SI5351A 実働テスト

<カテゴリー:DDS

私が、インターネットで最初にその存在を知ったのは2017年ごろで、8年前の事でした。 当時デジタルVFOと言えば、アナデバのDDSが一般的で、シリコンラボのこのICに注目する人は少なかったと見え、あのRSでMOQ5で750円(1石150円)で売られていました。当時、秋月では確か150円か200円だったと思いますが、2019年にRSで150円で調達したこのICは、自作の無線機に欠かせない存在になってしまい、2025年5月時点で、秋月でも320円で販売されています。 一方、安売りの中国市場での価格は円安の影響もあり、シリコンラボオリジナル品が1pcs 200円以上しています。

昨年の夏から製作を始めたZ Match ATUの部材を通販で中国から買うとき、買い物合計金額の集計中に後300円以上購入すると、送料無料と表示されます。 一応欲しい物は全部買い物かごにいれ終わり、送料が300円くらい計上されている状態なので、つい、何か300円程度の物はないかと探すと、SI5351Aが5石で350円(現在でも存在しています)というのが目に留まりました。 1石70円換算です。 中華製のブランド名で売られていますが、「オリジナル」と書いてあり、本物とほぼ同じ捺印がされた写真まで付いています。 どうせ、シリコンラボのコピー品の「オリジナル」だろうと思いましたが、送料がタダになるのなら、失敗しても損はないとこれを購入したのが10か月前。

やっと、このICがちゃんと使えるのか検証する事ができましたので、レポートします。

Isi5351a_test_pcb


使ったPICマイコンはPIC24FV32KA302という16bit品で私の部品箱には数石在庫がありましたので、これでSI5351Aをコントロールする事にしました。 いつもの通り、25MHzのクリスタルの半田付けには苦労しましたが、とりあえず動きだしましたので、過去シリコンラボの正規品のデータが残っている17MHzと24MHzのスプリアスのテストをおこないました。

このテスト基板は、SI5351Aのほかに、SPIドライブのLCD表示や、SWR計のテストも出来るようにしてありますので、余計な部品がいっぱいついていますが、実際に動作しているのは添付している配線図の範囲だけです。

Isi5351_freq17mhz

Isi5351a_17mhz_spa

Isi5351a_24mhz_spa

上の周波数表示は17MHzを発生させたときの周波数カウンター表示ですが、目標の17MHzに対して390Hzの誤差ですが、この数値は、簡単に校正できますので、表示がチラつかないという事だけが確認になります。 そして、過去のSDRトランシーバーでも問題となったスプリアスです。

左上が17MHz、右上が24MHzの中華製ICのスペクトルデータで、左下及び右下のデータがシリコンラボ正規品のスプリアスになります。

17MHzの±1MHzくらいにあるスプリアスがシリコンラボ純正より約5dBほど高くなっています。また、CNが6dBほど悪くなっています。 この状態では18Mhz以下の送信機にはギリギリセーフですが21MHz以上の送信機では不適合となってしまいます。  送信機に使いたいときは14MHz及びそれ以下のバンドならOKと思われます。 後日、7MHzのAM送信機に使ってみるつもりです。

17mhzonly

24mhzonly

 

Isi5351a_1724mhz_spa

左は中華製の17MHzと24MHzを同時に発生させた時の、17MHz側のスプリアスを見たものですが、24MHzのスプリアスがそのまま出ている状態で、2波同時発生は不可との結論です。 このレベルはシリコンラボのオリジナル品と同等です。 

これらの結果から、簡易型のSSGくらいにしか使えませんね。SSGのスプリアスレベルは-30dBくらいから製品化されていますので。

この実験に使った配線図 SI5351A_test_CN.sch.pdfをダウンロード

テストに使ったプログラム S15351A_CN_copy.cをダウンロード

このテスト用プログラムの中には、SPIドライブのLCD表示プログラムも含まれておりますが、今回はテストの対象にはしていません。

この確認を終えた後、私の不注意でICを壊してしまい、交換する事になりました。 しかし、残り4個のICのクリスタルが発振しません。 半田付けの異常がないか全部3時間もかけてチェックし異常はありません。 最初の1個だけが正常に発振し、この記事のごとく動作確認もできたのですが、クリスタルが発振しない状態でCLK0にはFM変調のかかった目的周波数の数分の一の矩形波が見えるのが2個、全く反応なしが2個。 結局実用にはなりませんでした。 秋月から購入した基板完成品に取り換える事にします。

秋月から買った組み立て済みの8Pinボードにのったシリコンラボオリジナルの発振回路が時々、発振しません。 発振しない時は、オンボードの水晶も発振していません。 電源Swを切ってすぐにONするとOKなのですが、電源OFF後10秒くらい経ってからONするとNGになります。 どうも電源の立ち上がりに問題がありそうで、電源回路に入っている100uFのコンデンサを2200uFに変更したらOKとなりました。

ここで、問題が浮上してきました。以前水晶が発振しないと、ゴミ箱に捨てた中華製のICはほんとうはIC自体は問題なく電源がNGだったのでは? ゴミ箱から捨てたIC4個を回収しました。 

この回収品のVDDとGND間の抵抗を測ったところ、3個が正常品と同じ約250Ω、1個が120Ωでした。 120ΩのICは多分私が壊した物でしょう。ちょうど、この日、秋月から買った前述のモジュールのICを壊してしまいましたので、これを中華製のICに交換してみました。

ラッキー。ちゃんと中華製のICでも発振し、7195KHzを発振していました。 残り2個はまだチェックしていませんが、多分OK!

 

Si5351a_vdd

このXtalが発信しない原因がわかりました。ICのVDDOとVDDは外部で同電位の電源ラインに接続するのですが、今回前述の配線図通り、一方の端子にのみフェライトビーズを挿入したので、電源の立ち上がりのタイミングが狂ってしまい、発振しなかった事が原因でした。

左の回路図の通り、例えビーズを挿入するにしても二つの電源端子は直結する事で解決しました。

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