2019年3月23日 (土)

50MHz AMトランシーバー(組み立て)

カテゴリー<6m AM >

一応、各ブロックが完成しましたので、これを、事前に用意したケースに収納する事にします。 ケースはドイツ製のアンテナが収納されていたものですが、そのアンテナが廃棄処分になりましたので、ケースだけもらって来たものです。 外形は大きいのですが、いざAMトランシーバーを収納しようとすると、これがかなり窮屈です。SSB用のリニアアンプ仕様のトランシーバーなら、大きなサイズになるのはファイナルだけですが、AMでPWM変調なら、D級の変調器、この変調器用のトロイダルコアによるLPF、AM変調を受ける終段のゲインが確保できない為、終段と同じくらいのサイズになるドライバーなど、思った以上にサイズが大きくなりました。 ケースサイズが先に決まっていますので、すでに出来上がったユニットをさらに小さくするなど、かなり苦労しました。

6mtrx_cab_jw

いつものようにJW CADにて、組み立てずを作成し、なんとか収納できました。 この図面をベースにシャーシやアングルの加工を行い、仮実装したのが下の写真です。

6mtrx_cab0

とりあえず、各ユニットを指定位置に固定したもので、配線はされておりません。 右半分のAM送信機の部分はカバーがかぶせられていません。 配線完了し、調整や実働テストが終了してから考える事にします。

AM送信機部分の配線図 6mamtrx_txmodunit1.pdfをダウンロード

まずは、受信部から調整です。RF段、IF段の各同調トランスのコアを調整し、50.500MHz±300KHzの範囲で感度差が少なくなるように調整しました。 この場合、調整が少しずれるだけで、発振をおこしますので、T2の出力端に100Ωの負荷抵抗を挿入したQダンプ対策は、継続する事にしました。 これによりAM部分は従来の受信機と同等となっています。

Amtrx_rxunit_top_2

Amtrx_rxunit_back

上の写真は受信ブロックのみを配線完了した状態です。 この状態でSSBの復調問題について、若干の改善を検討しました。 SSB受信時にBFOの信号を一定レベルにしておくと、強入力時、キャリア不足の為、モガモガ音がひどくなる問題の対策として、信号レベルに応じて、BFOの出力レベルを変化させてみました。 

Bfo_agc

DSPの出力として得られるSメーター用のデジタルデータを元に、PICの中でPWMによるD/Aコンバーターを作り、得られたDC出力でBFOのバッファとして追加したデュアルゲートFETのG2を制御し、SSB信号のレベルが大きくなったら、BFOレベルも大きくする回路を追加しました。

SSBの疑似信号で確認すると、ある程度の制御効果が確認できます。 S1のときとS9のときのビート音量はあまり変わりません。 実際のS9くらいのSSB信号を聞いた感じは、音量に不足がありますが、復調はOKでした。 逆に微弱信号の場合、復調しにくいかもしれませんが、まだ確認は出来ていません。 

ただし大きな問題があります。 このBFOレベル制御システムは、正帰還で動作していますので、一度、自分のBFO信号を検知すると、BFO出力を大きくするように働きます。 そして、S9くらいまで大きくなったら、AGCによりそれ以上BFOレベルが大きくならないレベルで安定し、結果的に音量を小さくしてしまいます。

これはDSPを使ったSSB受信機では回避できない問題のようです。 今回はメインがAMであり、もし相手がAMの送信が出来ない場合でも、なんとか交信が成立出来る手段として設けた機能ですので、この程度で良しとします。

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2019年2月24日 (日)

50MHz AMトランシーバー(パワーアンプ)

カテゴリー<6m AM >

DSP受信機とキャリア生成ユニットが出来たので、パワーアンプの再検討です。 目的は、現行よりサイズダウンして移動用のケースに収める事ですが、ついでに前回までの回路が最適状態なのかを確認し、少しでも改善できないかを検討します。

まずは、ファイナルのメガネコアについてです。

Final_original_core

Final_pa_orijinal

上の表は、従来のコア(ESD-R-26S)を使用した現状の終段のみのデータです。 左は、このデータを得た時の終段の状態です。 すでにオリジナルよりバリコンはサイズダウンし、代わりにコイルは線径と巻き数が増えております。

また、13.8Vの電源を設定するのが面倒なので、今回は13.08Vで測定しています。 前回、13.8V、入力10Wにて31Wとなっていましたが、今回は13.08Vで28Wです。これは電源電圧の差によるもので、前回と大差は有りません。

 Final_t6826d_core_2

Final_pa_t6826dl

上の表は、左の写真のようにメガネコアをカーボニルコアT68-26D 6個に変更した時のものです。 電源電圧と入力レベルは同じにしています。 それぞれの条件で前回より出力レベルはアップしています。 特に入力14Wの場合の出力レベルに大きな改善が見られます。 また、効率も若干良くなっています。

コア内部の損失が少なく、DC重畳でも磁気飽和に余裕があるコアですが、HFではそのμが小さい事が原因でメガネコアとしては使用できませんでした。 50MHzくらいになると、必要なインピーダンスを確保でき、かつ周波数に比例しますので、あえてこのコアを手配したものです。 コアはアミドン製では無く、中国製のセカンドソースですが、一応カーボニルコアの特性は出ており、共振回路を作ると、それなりのQを確保できるものです。aitendoにて1個50円で販売していました。

Final_ts930_core

Final_pa_ts930

上の表は、メガネコアをTS-930Sのファイナルに使用していたものに変更した時のものです。 以前、7MHzの50W AM送信機に使用していました。 出力はカーボニルコアより向上しており、効率も良くなっています。 ただし、送信ONした後、2分間くらいは電流と出力の減少がみられ、この表は通電から20秒以内に取ったデータになります。 2分後には出力が約5%、電流は約10%ダウンします。 カーボニルコアの場合、この減少は有りませんでした。

左の写真はAWG22のリード線による2次巻線ですが、データは、幅4mm、厚さ0.3mmの銅板による2次コイルとなっております。 

以上の結果より、この改良アンプの終段メガネコアはTS-930S用で進行する事にします。

次は前回のファイナル、ドライバー一体のパワーアンプユニットの再検討です。 前回は、異常リンギングにより一体化をあきらめた為、パワーアンプユニットのサイズが大きくなったという反省点がありますので、再度、この一体化アンプについて検討してみました。

6mpoweramp1 上が、リンギング対策を考慮したダイレクトドライブのパワーアンプ。 下は、その実際の回路です。 リンギング対策は効果的に作用し、リンギングも発振も有りません。

6mpoweramp2

この回路にFT450から1Wのキャリアを入力しても出力は5Wしか出ません。 FT450の出力を5Wや10Wにしても出力は5Wのみです。  ドライバー無しのとき、FT450から10Wでドライブしたとき13Wも出ていたのに。

その最大の原因はファイナルのゲートドライブ電圧の波形ではなかろうかと思われます。

Pamp1gin

Pamp2gin

左上がドライバーのゲート電圧です。きれいな正弦波ではありませんが、FT450の出力が少し歪んだ状態で印加されており、FETのドライブとしては、ベストではありませんが、一応納得出来る波形をしています。 右上は、ファイナルのゲート電圧波形で、正弦波の先頭はつぶれ、かつレベルもドライバーの60%くらいまで下がっています。 前回のアンプはこの波形を正弦波に近づける為に、ドライバーとファイナルの間に50MHzの直列共振回路が入っており、確かに共振回路が動作していない時は5Wくらいしか出力できず、50MHzの共振させたとき8Wくらいの出力が得られていました。 この時のゲート電圧の波形は正弦波に近いものでした。

50MHz用のリニアアンプの情報は数えられないほどインターネット上に存在しますが、電源電圧が6.5VでRD16HHF1 PPによるリニアの範囲は2~3Wが限界で、10Wを得ようとすると、そこは非リニアな領域で、共振回路はマストであろうと思われます。 

これらの推測から、AM変調が可能な特性を持つスイッチング用MOS-FETの場合、そのゲインが5dBくらいしかなく、かつ、矩形波によるドライブがマストであろうと思われます。 しかし、この周波数で矩形波によるドライブは不可能ですから、波高値の高い正弦波でドライブせざるを得ないのでしょう。

かくして、回路構成は前回と同様、各ステージの出力側に共振回路を設け、次段をドライブする条件で、いかにサイズダウンするか?電気機構屋に頼る事になりました。

40wpa2

40wpa3

6mpwramp2_0302

左上がIRFI510プッシュプルファイナルアンプの内部構造です。 右上はこのアンプをシールドで囲った状態です。 回路構成は左の配線図の如く、単純に一段だけを独立してユニットにしたもので、この単体の性能は下の表のようになりました。

電源電圧6.5Vの時、入力6Wあれば、目標のキャリア出力10Wは確保でき、13Vの時、入力12Wあればピークの40Wを確保できる見込みです。

Irfi510_pp

次は、このファイナルをドライブするドライバー段です。 6.5Vにて6W、13Vにて12W以上の出力を狙いますが、こ時の入力は1W以下を目指します。

Rd16hhf1_pp_driverunit

6mpwramp2_0303

Rd16hhf1_pp

上の写真がサイズダウンして作成したドライバーです。 その回路図を右に示します。 当初、ファイナルの予備検討で使ったカーボニルコア6個によるトランスで実験しましたが、コアの発熱がかなりあり、かつ出力もあまり改善しませんでしたので、前回の送信機に使ったNECトーキンのコアに戻しました。 下の表が、このユニット単体のデータです。残念ながら、6.5Vの電源で6Wを得る為の入力は1.5Wとなりました。 従い、この前段で出力1.5Wを対応する事にします。 13Vの電源の場合、出力が出過ぎのデータとなっていますが、全体を結合したとき、検討する事にします。 0.8W入力時、かえって電流が増えていますが、間違いではありません。 多分、入力のパワーが出力側へスルーして、見かけ上効率が良くなっているので、そのスルーレベルが少ない小入力時は効率が悪くなっていると推測します。

次は、PLL VFOの50MHz出力を1.5Wまで増幅するプリドライバーの検討をします。

6mpwr_predriver

左のユニットがプリドライバーで、RD16HHF1シングルのアンプで構成し、PLL VFOの出力を入力に加えると、2Wを出力します。

アンプそのものは、5Wの出力能力がありますが、PLL VFOのアンプをQダンプしたり、このRD16HHF1に、ドレインからゲートへ負帰還をかけたりして、50.2MHzから50.7MHzまで2Wを出力します。 アイドル電流は現在250mAくらいですが、出力が大きすぎた場合、このアイドル電流を絞って調整する事にします。

6mpwrdriver 上の回路図は、ドライバーにプリドライバを連結した状態で、この回路全体をシールドで囲み、ひとつのユニットにしたのが下の写真です。

6mtx_driver

一応全てのユニットが出そろいましたので、全体の構造検討に移る事にします。

50MHz AMトランシーバー(組み立て)へ続く

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2019年2月10日 (日)

50MHz AMトランシーバー(DSP受信部、MIXer部)

 カテゴリー<6m AM >

DDSリファレンスのPLL VFOが出来ましたので、次は、このVFOを使ったDSP ICによる受信機と50MHzのキャリアを生成するミキサーの製作です。

前回製作した6mクリコンと異なる部分は、アンテナ入力のBPFを、2個の共振回路を持つトランスに変更した事。 2SK241による受信ミキサーは専用のダブルバランスドミキサーNJM2594に変更した事です。 IF周波数は20MHz固定とし、VFOの周波数を30MHzから31MHzまで可変させ、50MHzから51MHzを10Hzスパン及び2.5KHzスパンでカバーします。 一応AM専用の受信機ですが、SSBで呼ばれたときでも、なんとか了解できるように20MHzのBFOを用意し、簡易的にUSB又はLSBを受信できるようにしてあります。 

50mhzrf_coil

50MHzのトランス式コイルはaitendoで扱っているコア入りボビンに0.26UEWを、1次:9ターン、2次:3ターン巻いたもので、コイルがバラケないように瞬間接着剤で固めました。

これを基板に実装しますが、足ピッチが2.25mm間隔で、基板の2.54ピッチと合いません。 しかし、そこは無理やり挿入しました。

20MHzのIFバンド用のトランスもRF部と同じ7mm角コア入りボビンです。 20MHz用のコイルは14:2の巻き数でコンデンサを変えて20MHzに同調させています。

6mtrx_bfo_top

6mtrx_bfo_tip

左上の写真の中で、一番下が、実装完したDSP受信部。 真ん中が20MHz BFO、一番上が30MHzのVFO出力とBFO出力を混合し、50MHzのキャリアを作る回路です。 そして、右上はこの基板の裏側です。 チップで構成された回路は微小面積で出来るのですが、トランス式のコイルやSIP化されたミキサーICが結構大きく、ギリギリ収まりました。 いずれの回路ブロックも単品としては基本動作OKですが、トランシーバーとしての機能はこれからチェックする事になります。

バラックのままでは検討がしにくいので、コントロール関連を仮のパネルに固定しました。 そして、以前の50MHzクリコン用ソフトを一部改造してやると、一発でDSPがイニシャライズされ、ボリュームコントロールが出来るところまで出来ました。

6mtrx_temp

6mtrx_i2c

左上が、仮のパネルにロータリーエンコーダーやスィッチを取り付けて検討しやすくしたバラック回路。 右上は、一発でOKとなったi2Cのデータとクロックです。 スピーカーから50MHz帯のAMノイズが大きな音で聞こえますので、最大感度になるようにアンテナコイルや各段のコイルのコアを調整すると、案の定発振してしまいます。 発振しないレベルまで同調をずらすと、SメーターはS9を示します。 デュアルゲートFET2段による増幅は、ちょっとゲインの取り過ぎと思っていましたが的中です。

6mxcondbm

対策はまず、NJM2594のCAIN端子に加わるキャリアレベルが100mVになるよう抵抗を調整。 次に50.7MHzで最大感度になるようにT1を調整。 さらに50.3MHzが最大感度になるようにT2を調整。 50.5MHzで最大感度になるようにT3とT4を調整。 前回のクリコンよりQ6のゲインが余計ですので、このQ6のG2の電圧を調整できるようにVR1を設け、とりあえずはQ6のトータルゲインを0dBくらいに調整しておきます。 この状態で、SメーターはS6くらいを示しますので、アンテナ入力のBPF出力に負荷抵抗を追加します。 R21がその抵抗です。 ここまでの感度ダウン対策でSメーターはS1を指す様になりましたので、いつも聞こえる50.19MHz付近のキャリアを聞いてみました。 ピークでS7まで振ります。 前回製作の50MHzクリコンの場合、ピークS4でしたので、これよりは感度が高くなっています。 実使用状態で感度が高すぎる場合、Q6のG2DC電圧を調整する事にします。

Bfo_b4

Bfo_after

BFOの出力波形をチェックしました。左がオリジナルの回路図通りの構成で動作させたときのBFO出力波形です。 例えクリスタル発振器であろうとも、その出力波形は正弦波とは程遠いものである事は良く知られている通りですが、すこしでも高調波が少なくする為に、回路を検討した結果右上のなんとかみられる波形まで改善することができました。

6mxconbfo

このときのBFO回路図は左の通りです。

この回路を検討する中で判った事は、発振周波数に対して必要以上のftを有するトランジスタを使うと、不必要な高調波が増大するという事でした。 今回は発振周波数が20MHzでしたので、ftが4GHzくらいの2SC3310で構成した結果、高調波だらけの波形となってしまいました。 そこで、ftが最少80MHz、データシートには有りませんが実力150MHzくらいの2SC2712に変更し、かつ出力も発振回路のベースから取り出すという回路構成で、かなり綺麗な波形を取り出す事ができました。

このBFOによりビートを取り、SSBを復調する事にトライしましたが、BFOのキャリアを受けた時のSメーターの指示がUSBとLSBで異なります。 IF周波数が20MHzぴたりになっていないようです。 DSP IC KT0915のクロックである38.000KHzの周波数が38.025KHzくらいになっており、トリーマーを回してもなかなか38.000になりません。 このクロックがずれている為、受信周波数を20MHzと指定しても実際の受信周波数は1KHzから2KHzずれているのが実態のようです。 AMやFMの場合、これくらいのずれは全く影響は有りませんが、SSBの場合、問題になります。 そこで、DSP受信機の実態に合わせ補正する事にしました。 ただし、1KHz以下の微調整は出来ません。

AGCがかかっていない前段でビートを取ると、そのBFOレベルと受信信号とのレベル差がアンマッチとなり、なかなか復調がうまく行きません。 BFOレベルが高すぎて結線しなくても強力なキャリアが混入し、AGCが動作して、受信信号レベルを弱めてしまいます。 ここは、Q6のゲインのさじ加減で、ベターなゲインを実際にSSB信号を聞きながら調整する事にします。

とりあえず以上で、前回のクリコン式AM受信機と同等の受信機は出来ましたが、本日も6mは誰もON AIRしていなく、その実力確認は出来ませんでした。

ここまでの配線図です。 DSP_AM_RX_BFO.pdfをダウンロード

やっと、送信用キャリア生成回路のテストを行うところまで来ました。そして、隣接スプリアスでアウトでした。 IFとPLL VFOの周波数関係が最悪でした。 30MHzの第3高調波と20MHzの第2高調波の差分がちょうど50MHzとなり、これが51MHzまでの全帯域でスプリアスを発生させ、そのレベルは-40dBくらいになります。 送信機としては不適合です。 

6mtrx50out100

6mtrx50out10

左上が100MHzスパンで見たスペクトルです。 50MHzを中心に10MHzスパンでスプリアスがあります。 部品メーカーに相談しながら、最適なコイルを設計すれば、この中から50MHzのみを取り出す事は可能でしょうが、私の手持ちの材料だけで行うには無理があります。 そして最大の致命傷は右側の50MHzに隣接した1MHzスパンのスプリアスです。 このスプリアスは送信周波数を変えるとスパンも変化し、50MHzちょうどのとき無くなります。 計算通りのスプリアスです。 IF周波数を変更しない限り逃げられません。

これらの問題を再検討した結果、受信はクリコン形式にしますが、送信はPLL VFOの発振周波数を2逓倍してミキサーなしでファイナルをドライブする構成に変更する事にしました。 この場合、問題となるのは、送受信時に大きく周波数がずれますので、PLLのロック時間の間、送信開始を遅らせる必要が有る事。 受信時にPLL VFOの第2高調波が、最悪受信周波数の1MHz離れたところに現れる事です。 

新ブロックダイアグラムです。TransciverBlockDia2.pdfをダウンロード

まず、受信機の方から確認しました。 IF周波数を26MHzとしておき、50.000から51.000まで受信して見ましたが、スプリアスではなかろうかと思われる信号は有りませんでした。 ただし、DSPの受信周波数を26MHzにした事により、かなりゲインが下がった上にS/Nも悪化してしまいました。 これはDSPの性能そのものと考えられ、IFを24MHzにすると、若干感度が上昇し、S/Nも良くなります。 ただし、送信受信の周波数差が最大で1.5MHzとなります。

送信用キャリアのスプリアスはGood!の判定です。

Vfox2out100m

Vfox2out5m

左上が100MHzスパンで、T6の出力を見たもので、真ん中が50MHz、左右がそれぞれ25MHz、75MHzの信号です。 この25と75MHzのスプリアスは後段のバッファで取り除く事ができます。 また右上は50MHzを5MHzスパンで見たものですが、余計なスプリアスは有りません。

次にPLL VFOのロックアップタイムをチェックしました。 

If26txon

If26txoff

If24txon

If24txoff

これが以外と良好でした。 一番左がIF=26MHzで50MHz受信から送信に切り替えたときのVCOバリキャップ電圧の変化です。SEND ONになってから約15m秒で1MHz離れた送信周波数にロックしています。 ロックした後、直線的に下降しているのは、オシロスコープのACカップリングの性で、VCOの周波数には無関係です。 次は送信から受信に切り替えた時のバリキャップ電圧ですが、約80m秒後には受信周波数へ戻っています。

Pllfilter

この80m秒が特に長いとは思えませんが、少しでも短くなればと、C28 474Kを廃止しました。 その状態で、IF周波数を24MHzにし、周波数を51MHzにしておき、送信ON時のバリキャップ電圧を見たのが3番目のデータです。 ここで、1.5MHzの周波数シフトが起こり、バリキャップ電圧のシフト幅もIF=26MHzのときの約2倍になる為、オシロの感度も半分に落としてあります。 (左2枚のデータは0.5V/DEVですが右2枚のデータは1V/DEV) 送信ON時のバリキャップ電圧の変化時間は、約34m秒で安定しています。 送信から受信に切り替えた時のデータが一番右で、約20m秒で受信周波数に戻っています。 送信から受信へ戻したときの遅れは、他局へ迷惑をかける事はありませんので、VCOのロックアップタイムは送信ONのときのみが問題になります。 現在、SEND SWがONになってからファイナルの送信段がONになるまで200m秒の遅延を取っていますので、全く問題ない事が判りました。

24m_bfoout

IF周波数は、24MHzの方が良さそうです。 しかし、2石構成のBFOはレベルが高すぎます。 よって、24MHzのBFOは1石のみとし、共振回路も廃止しました。 その結果、BFOの波形は左のような高調波の多い波形となりましたが、受信状態に異常は見られませんでしたので、このまま進行する事にしました。 

DSPに受信周波数を24.000MHzと指定した時の最大感度が得られる周波数は24.0015MHz付近であるという事がわかりました。 残念ながらこの周波数選定は1KHz単位でしかできませんので、USBの信号がより良好に復調出来るようにDSPの受信周波数をずらし、LSBの復調は成り行きとする事にしました。 もちろん、AMの復調に問題はありません。

50moutput

送信状態でのVFO出力状態を確認しました。 Q7とT7の実装が終わりましたので、そのスペクトルを見てみました。 25MHzは50MHzに対して-50dBくらい、75MHzは-40dBくらい、第2高調波の100MHzは-13dBくらいですが、いずれのスプリアスも、この後の送信機ステージで許容値以下まで下げる事ができそうです。

これまでの検討で、受信部と送信用キャリア生成ブロックはほぼ完成しましたので、この後に前回の送信機ブロックを結合するとAMトランシバーが完成するのですが、前回の送信機は各ブロックのサイズが大きく、予定しているケースに収まりません。 そこで、50MHzのPWM変調に使えるパワーアンプをサイズダウンすべく再検討する事にします。

6mtrxunitcomp

このブロックの基板の最終状態は上のようになりました。

ここまでの回路図とブロック図です。DSP_AM_RX_BFO2.pdfをダウンロード

TransciverBlockDia3.pdfをダウンロード

2019年2月 広島WASコンテストをワッチしてみました。さすがにAM局はいませんでしたがSSB局の復調はS4からS9くらいまでならなんとか復調出来るようです。 FT450で53くらいで復調出来るSSB信号はこの受信機ではR3S9(S9は自分のBFO信号)くらいでした。 またS9を超える信号ではBFOキャリアのレベルが不足しモガモガ音になりますが、そこは気合でR5にする事にします。

50MHz AMトランシーバー(パワーアンプ)に続く。

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2019年1月26日 (土)

50MHz AMトランシーバー(PLL VFO)

 

カテゴリー<6m AM >

6m AM送信機が完成し、900m近い山頂付近まで移動し、交信にトライしましたが、セパレート式のリグでは、その設営に手間取り、1局も交信できませんでした。 しかし、ローカル局の協力をいただきホームから1st QSOが実現できました。 これで自作送信機の完成を確認できましたので、次の段階に移り、これを移動に使えるトランシーバーに改造する事にしました。

トランシーバーの構成をブロックダイアクラムで検討し、すでに完成した回路ブロックがほとんどで、新規に開発が必要な部分はPLL VFO、送信用ミキサーの部分となります。 そこで、このPLL VFOの製作にかかりますが、まずはトランシーバー用として必要なLCDディスプレイを作る事にしました。

ブロックダイアグラム 6mTransciverBlockDia1901.pdfをダウンロード

そして、以前作成したDSPラジオ用と同一型番のLCDを使い、LCD表示の試作をおこないました。

50mrxmode

50mtxmode

左上がSメーター、右上が変調度計をバーグラフで表示させたものです。各インジケーターは実際の動作に合わせ、点いたり消えたりします。 MODEのUSB表示は受信時のみ可能で送信はAMオンリーです。

全体の回路図 30MHz_DDS_PLL-VFO.pdfをダウンロード

私のRF回路ではNXP製のPBR951が多用されていますが、これは、手持ち在庫が沢山ある為、使っているもので、秋月で手にいる2SC3356に置き換え可能です。

下の写真は、一応全ての回路がマウントされた基板完成品の状態です。

Ddspllvfoallpcb

VCOはチップインダクタL4 1.5uHとC34バリキャップSVC203Cの片方のエレメントのみで30MHzに共振させます。この回路定数にて27MHzから34MHzまで発振します。 R28が低すぎるとブロッキング発振をおこしますので、R28を1KΩくらいの抵抗にしておき、R30の最適値を求め、R30を固定抵抗に置き換えます。 次に、R28を可変抵抗に変え、最適値を探します。この回路の場合、最適値は5kΩとなりましたので、一番近い5.1KΩに差し替えました。その後、R30を再度可変抵抗に変え、出力の歪が一番少なくなるような波形が得られる抵抗に置換します。

 

30mhzvcoschema

 

VFO出力段のバッファーはaitendoで販売している10mm角のIFTキットをコレクタに接続し、30MHz付近で共振するようにコイルを巻きました。 しかし、このIFTは基本的に455KのMW用で30MHzでは共振ポイントが得られませんでした。 そこで、同じくaitendoで扱っている7mm角のコア入りボビンに交換しています。

このボビンに0.26φのUEWを1次側10ターン、2次側2ターン巻きました。1次側のインダクタンスは約1.2uHで多少は可変できます。 

VCO単体のスペクトルは以下のようになりました。

30mhzvco10mspan_2

30mhzvco2mspan_2

左上が10MHzスパン、右上が2MHzスパンの綺麗なスペクトルをしております。

このVCOを制御するのは、AD9833のDDSと74HC4046のPLL及び1/10分周を行う74HC4017です。VCOは30MHzから31MHzを発振しますが、DDSはその1/10となる3.0MHzから3.1MHzを1Hzステップで発生させます。そして、これらをコントロールするのに、PIC24FJ64GA004を使います。 

Ddspllvfospi

Pll2in

このマイコンはトランシーバーとしてのLCDディスプレイも処理しますので、44pinのQFPタイプです。 このPICによるSPIのマスター動作は初めてで、PIC24FJ用日本語のSPI解説書通りソフトを組んでも、まともに動作せず、左上の波形が得られるように適当に作りましたが、安定に動作しています。

右上の歪んだ正弦波はDDSからの3MHz出力でPLL ICのSIGin端子へ入力されます。 右下の方形波はVCOの30MHzを1/10に分周した信号で、PLL ICのCOMPin端子へ入力されます。

マイコンのソースコードを以下に示しますが、完成しているのは、LCDドライブとDDSのコントロール部分のみで、受信用のDSP(i2C)は未検証です。

AM_TRX50MHz.cをダウンロード

Vfo_micon_side

Vfo_tip_side

Vcotop2_3

30mhzlpfpcb

上の段がマイコンとDDS及びPLL回路が実装された基板。 下の段がVCO回路のみの基板です。 VCO出力段に5次のLPFも実装されております。

Vfoout30mhzsign

30mhzvfooutspa

左上が、VCOタンク回路の出力波形、右上がそのスペクトルです。 最終段のLPFの前から取ったものです。 

30mhzlpfout

30mhzlpfout2

上の波形とスペクトルが最終段のLPFを通った後のものです。

30MHzの隣接周波数に-60dBくらいのスプリアスが見えますが、これは、マイコン部分からVCO基板のハーネスにノイズが誘導しているもので、VCO基板を動かすと、増減します。 最終的には、送信機のファイナルと隔離する為、シールド構造にしますが、VCO基板そのものもシールド構造とすべく、最初から別基板として作ってあります。 下がそのVCOをシールドケースに収納したものです。

6mtrx_vco1

6mtrx_vco2

2019年2月追記

IF周波数20MHzは隣接スプリアスの関係でNGとなりました。 この為、IF周波数を26MHzか24MHzに変更する事にしました。 この対応でVFO周波数を23.5Mhzから30MHzまでの範囲に変更し、かつ回路構成も変更しました。

新しいブロックダイアグラム TransciverBlockDia2.pdfをダウンロード

新しいVFO配線図 25MHz_DDS_PLL-VFO2.pdfをダウンロード

6mのAMトランシーバーの外観ケースの構想が固まったら、このシールド構造の設計を行う事にします。

その外観ケースはこれです。 これをどうやって無線機に仕上げるか!

Amtrxcase1

DSP受信部とキャリア生成回路の製作に続く。

 

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2018年11月23日 (金)

AD9833 スプリアス

<カテゴリー:DDS

前回までの記事で、DDSの基板を変更したら、スプリアスの度合いが変化し、周波数によっては送信機の源発振として、使えるかも知れないという情報がありました。

そこで、この1.8MHzから50MHzまでをカバーするDDSの基板を中国製から秋月の変換基板に改造し、スプリアスが改善するのか確認する事にしました。

26mtxco

この改造を行うついでに25MHzのSPXOをTCXOに変更し、周波数確度と安定度の向上も行います。

TCXOは周波数カウンターにも使用した26MHzのもので、AD9833の仕様からするとオーバークロックになりますが、このくらいのオーバーなら問題なく使えます。 左はこのTCXOをDDSのクロック源とする為に3.3V LDOとポストアンプを組んだ回路です。 基板の裏側に銅箔を張り付け、疑似両面基板として加工してあります。

TCXOは26MHzですから、ソフトのKdは再設定し、かつ10MHzで校正を行い微調整しました。

DDS_TCXO_100k-54M_VFO.cをダウンロード

DDSのICは中国製のオリジナル基板より剥ぎ取り、秋月の変換基板に載せ替え、下の写真のごとく配置配線しました。

Newpcbtxco

この回路の配線図 DDS_VFO_AD9833TCXO26MHz.pdfをダウンロード

そして、このVFOによるスプリアスは以下のようになりました。

2r1mtxco

3r1mtxco

4r1mtxco_2

5r1mtxco

6r1mtxco

7r1mtxco

前回の中国製基板よりは、かなり良くなりましたが、周波数が高くなるにつれ、送信機には不適合のスプリアスとなっています。 AD9834が7MHz当たりで問題なく使えるのは基板の差異もあるでしょうが、基準クロックの周波数が50MHzというのも大いに関係しているようです。

6r25mtxco

ちなみに6.25MHzのスプリアスは左のようになり、送信機としては難しい結果となりました。 基準周波数が25MHzの時は見えなかったスプリアスが26MHzにしたとたん見えるようになりました。

AD9833を送信機用源発振として使えるのは3.5MHzバンドぐらいが上限で、7MHzで使用したい場合、75MHzの基準発振器を使えるAD9834Cまでアップグレードしなければならないようです。

これまでの検討結果から、送信機のVFOとしてDDSを使用したい場合、DDSを基準信号としたPLL回路がベターという結論に至りました。

これは、50MHz AMトランシーバーを作る為に、DDS制御のPLL VFOを作成するというテーマで実現する事になりました。

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2018年10月21日 (日)

50MHz スカイドアアンテナ(移動用)

<カテゴリ:アンテナ>

6mの季節は終わったのですが、せっかく出来たAM送信機を車に積んで、移動運用に出かけようにも、移動で使えるアンテナがありません。 そこで、また、廃材を利用してアンテナを作る事にしました。

まずはMMANAでシュミレーションです。

Mmana6mskddata 上のシュミレーション結果は、スカイドアの水平、垂直面の指向性データです。 打ち上げ角11.7度で9.63dBiのゲインがあります。 約13dBiの3エレ八木には負けますが、打ち上げ角16.3度、約6.4dBiのダイポールより3.2dBdのゲイン(打ち上げ角11.7度では約4dBの差)が有り、簡単軽量、かつ、釣竿アンテナの廃材で出来るという事から、スカイドアアンテナに決めました。

シュミレーションデータでは、インピーダンス整合もアンテナ共振も出来ていませんが、そこは、外付けのマニュアルアンテナチューナーで整合させます。 抵抗成分が50Ωより高く、誘導性リアクタンスなら、アンテナチューナーによるロスはかなり小さくなります。 TLWで計算させると2.2%のロスになりましたので、気にしない事にしました。

6mskdsize

6mskdant

6mskdswr

左上が構造図、右上が仮に上げたスカイドアアンテナです。

私のスカイドアやヘンテナの上部水平部エレメントは水平一直線ではなく、いつも3角屋根のような構造にし、エレメント自体をこの中心部分で吊り下げ、その下にくる水平グラスファイバーには、導線を横に張り出す為だけの力しか加わらない構造にしています。こうする事で、この上部グラスファイバーは、釣竿の先端の一番細い部分を使う事ができます。

Mtu6kai

左上はアンテナチューナーで整合させた時のSWRで、使ったアンテナチューナーは東京ハイパワー製のHFオンリーのMTUです。 そのままでは整合できませんので、右上の写真の様に28MHz用のタップを本来のコイルから外し、新たに50MHz専用コイルを追加しました。

本来はHF(30MHz以下)オンリーのチューナーなので、使用されているバリコンの容量が大きく、SWR1.0にはなかなか整合できませんが、実用上は全く問題なしです。

移動運用する場合、設営の条件が同じという事は有りませんので、アンテナチューナーは、非常に便利です。

Noroskydoor1811

Swrskd1811

左の写真はこのスカイドアアンテナを、呉市の野呂山、ハチマキ展望台に移動して設置した時のものです。 8mのグラスファイバー製釣竿の先端から吊り下げてあります。 そして、右上が、車の屋根に載せた東京ハイパワーのMTUでチューニングしたときのSWR特性です。 50MHzから50.8MHzくらいまで、SWR1.6以内に収まります。

この日は日曜日。 午前中は8エリアからEspo情報も出ていましたが、運用開始したのは午後の2時ごろでした。 約30分間 50.220のSSBでCQを連呼しましたが、かろうじてコールいただいたのは、同じ呉市のOMさん。 レポートは53/51。 OMさん曰く、通常は59/59で出来る場所との事。 8の字の指向性のヌルポイントだったのか、水平方向だけビームが伸びて、下方には届かなかったのか、不本意な結果に終わりました。 同じ場所からバンドを2mに切り替え、ホイップでCQを出すと、対岸の西条市と59/59で交信でき、 リグとロケーションは問題ない事を確認。 (Rigは、帰ってからダミーロードに6mで送信し、異常なしを確認)

アンテナが悪いのか? 方向が悪いのか? 呉のOMさん以外聞いている局はないのか?

いつかリベンジにトライしたいです。 (AMのQSOどころでは無かった)

6mskd190105

2019年1月5日

スカイドアアンテナのリベンジの為、1月3日、5日と2回に渡り野呂山へ移動してきました。 今回の移動先は、前回の愛媛県に面したハチマキ展望台とは異なり、尾道、福山、岡山方面に開けた場所に、前回と同じスカイドアアンテナを設置してトライです。

結果は3日が3局、5日が1局だけでした。

しかし、この数少ないQSO実績から、アンテナやリグには異常はなく、相手局が山影になるか、垂直面の指向性がマイナスになる場合以外、59か59+で届いており、問題無い事を確認しました。

結局、山の上から呼んでも相手がいないという基本的な問題のようです。

今回、交信は出来ませんでしたが、手作りのAM送信機、VFO、受信機を持って行き、移動先で配線結合し、電波を発射できる体制を作りましたが、準備だけで30分以上かかってしまいました。 やはり、ここは、アンテナを設置したら、すぐにでもON AIR出来る体制が構築できないと、QSOどころではないという事が判りました。

また、6mのOMさんの意見として、AMで送信しても、SSBで応答される事が結構あり、AMしか受信できない受信機は無理があるとの指摘もいただきました。

これらの事から、まだ一度も自作AM送信機による交信は出来ておりませんが、実運用する為に、トランシーバー化と最低SSBとAMが復調可能な受信機の必要性を認識し、これらの改善に向けトライする事にします。

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2018年9月15日 (土)

TS930 VFDブラックアウト、メーター逆振れ

<カテゴリ:TS-930>

久しぶりにTS930が故障しました。 1年くらい前から、時々、VFDが消え、メーターが逆に振れる現象があり、これが発生して10数秒経つと、「パカ!」と音がして正常になるというものでした。

Dcdcoff

しばらく通電していなかったのですが、先日電源をONすると、上の写真のようになり、当然音も出ません。 しばらく待っても正常に復帰しません。

この症状はインターネット上に沢山のOMが修理事例を公開しており、DCDCの発振が停止し、マイナス電源が正常に動作していないのが原因のようです。 

Digitalpwbaddwire

左の基板図の赤線で示すようにワイヤーを追加してやると、この現象が出なくなりました。

ケースをかぶせ、2~3日使っていましたところ、同じ問題が再発しました。 基板を取り出し、ドライバーの柄で軽く基板をたたくと、この現象が出たり、正常になったりします。 どこが悪いのかと、部品を一つづつたたいていく内に、DCDC付近から煙が出だし、その内、DCDCのトランジスタが2石とも壊れてしまいました。 ベースエミッタ間オープンです。

トランジスタは2SC2274KというSANYO製で、中電力増幅用でしたので、同じくらいのPcのある手持ちのトランジスタに交換しましたが、波形がオリジナルの綺麗な矩形波になりません。 3種類くらいの代替えTRを試しましたが、いずれもNG。 やむなく、部品取り用に確保しておいた、TS930からこのデジタル基板を取り外し、基板ごと交換しました。  しかし、問題は解決しません。

原因は、コネクターのコンタクトにワイヤーをカシメてありますが、これがあっちこっちで抜けており、その数6本。 ひとつのコネクターに集中する事無く、どの断線が、どのような症状を出すのか調べるのも面倒ですので、コネクタのハウジングの上部をニッパでカットし、コンタクトが見える状態にして、これに切れたワイヤーをハンダ付けしました。 もちろん、交換したデジタル基板は、スルーホール対策として、ジャンパー線を追加してあります。

とりあえず、これで正常に動作していますので、様子を見る事にします。

スルーホールは以前から、故障の最大の原因でしたが、ここにきて、コネクターのワイヤー断線が続出する状態になってきました。 もし、デジタル基板が原因と思われる故障に遭遇しましたら、コネクターのワイヤーをピンセットでつかんで軽く引っ張ってみて下さい。以外と簡単に抜けるワイヤーがあり、これが接触不良をおこしている場合があるようです。

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2018年9月 6日 (木)

DDS VFO AD9833 名誉挽回

<カテゴリー:DDS

今までの記事で、中国製のDDSユニット基板は送信機には使えないという先入観もあり、かなりこき下ろしてきましたが、初心に帰りチェックしていくと、これが、早とちりであったかも知れません。 スプリアスの多い原因は、アナデバのDDSではなく、安物のSPXOではなく、中国製の基板でもなく、 私が作った基板の中に問題があるかも知れません。 では、本当の所はどうなんか?と実験を始めました。

Ddshakei

Oscout

Ddsout_2

-

Q1e

Q1c_2

左上がSPXOの25MHz出力です。 余計なスプリアスは全く見えません。 右上がDDSの7MHz付近の出力です。 +300KHzの周波数にかすかにスペクトルが見えますが、そのレベルはスペアナの暗ノイズで良く判りません。 という事は、DDSが発生源かも知れません。

左下はQ1のエミッターのスペクトルで、この部分に+/-300KHzのスプリアスが現れます。 Q1のベースは右上のスペクトルと同じですので、S/Nが良くなって見えるようになったか、Q1の内部で増強されたと思われます。 右下はQ1のコレクタのスペクトルです。 Q1のエミッターにスプリアスが生じているという事は、当然、そのままコレクタ側にも、同じようなスプリアスが生じます。 50MHz DDS VFOでのスプリアスはPLL逓倍ICによるもので、これとは異なりますが、逓倍回路を通さない状態でも生じていたスプリアスはこのQ1のコレクターに現れるスプリアスそのものです。

DDSのキャリアを中心に+/-300KHzのスプリアスが出る問題ですが、これは、簡単に言えば、キャリアを300KHzの信号でAM変調した状態です。  もしそうなら、電源ラインに300KHzのキャリアが漏れているのかもと、スペアナを駆使して調べましたが、それらしき信号は見つかりませんでした。

一方、WEBにアナデバが公開している技術資料が見つかりました。

ddsan927_jp.pdfをダウンロード

これは、DDSから発生するスプリアスについての技術資料です。 この中で、DDSの出力周波数を変化させた時、スプリアスのオフセット周波数(キャリアとの差の周波数)が変化する場合、そのスプリアスの発生源はDDSの中にあり、周波数を変化させても、スプリアスのオフセット周波数が変化しない時は外部からのAM変調と判断できる事が記述されていました。

386m

419m

左上はDDSから直接3.86MHzを出力したとき、右上は4.19MHzを出力した時のスペクトルです。 左の周波数ではスプリアスが無いように見えますが、実はスプリアスが7.9MHz付近に有ります。 右の周波数では、キャリア対して1MHzの差でスプリアスが見えます。  要するに、DDSの出力周波数により、スプリアスの周波数も変わるという事ですから、これは、DDSの内部で発生しているスプリアスである事になります。 

DDSは基本的にはスプリアス発生器であり、これを送信機の原発振とするには、基準周波数(SPXOの周波数)と出力周波数を適切に選ばないといけないという事のようです。

25MHzのSPXOで3.8MHz付近の出力なら、スプリアスが第2高調波付近の周波数となり、後段のLPFでこれを取り除く事が出来ます。 このような条件が成立する周波数を検討する事にします。

Uc4m

Uc5m

Uc6m

結果は散々たるものでした。左上が約4MHz出力時、上中が約5MHz、右上が約6MHz。 全てUNCAL(アンキャリブレーション)状態で、周波数やレベルの正確さは有りませんが、いずれもスプリアスだらけで、後段のフィルターで取り除く事はほとんど不可能な状態です。 周波数を8MHz以上にすると、本信号とスプリアスの識別が難しくなるようなスプリアスが生じます。10MHzの出力など、もっての他です。 アナデバのAD9833のデータシートに出てくるサンプル周波数におけるスプリアスは3.8MHz付近のデータはぴったし一致しますが、他の周波数では、スプリアスの周波数はともかく、レベルは20~30dB以上の開きがあります。 このレベルの開きは、アナデバの洗練された評価ボードとは違う中国製ですから、ある程度は差が生じる事はしかた有りませんが、少なくとも任意のHF周波数の送信機を作る為の要求には耐えられないというのが実態のようです。

ここで、諦めかけましたが、AD9834は結構良いスプリアス特性を有していますので、それとほとんど同じ構成で、データシート上に出てくるスプリアスデータも大して変わらない理由を確かめる為にも、もう少し実験を継続します。

Ad9833txco

左は、中国製のAD9833ユニットの基板を使わずに、秋月から購入した変換基板にAD9833を実装し、SPXOのみ中国製基板から切り出して構成したDDS回路です。 コントロールマイコンは8bitのPIC16F1983を使用しています。

この基板は、LPFなし、バッファ用に1石のAMPが接続され、そのまま出力しています。 また、SPXOの電源は、DDSの電源とは独立させ、ビート音の濁り対策済みのものです。

この条件で、50MHzの1/8に当たる6.25MHzのスプリアスと、7.1MHzのスプリアスを見たスペアナの画像は以下です。

6r25mbw1m

6r25mbw10m

6r25mbw50m

左上が6.25MHzのキャリアを1MHzスパンでみた状態、真ん中が同じく10MHzスパン、右上が50MHzスパンです。 余計なスプリアスは見えません。50MHzスパン時のスプリアスは全て高調波関係のスプリアスですので、LPFで簡単に除去できます。

7r1mbw1m

7r1mbw10m

左の写真は左側は7.1MHzの1MHzスパン、右側が同じく10MHzスパンのスプリアスを見たもので、1MHzスパンではノイズに隠れて見えません。 10MHzスパンの時、3.8MHz付近に-50dBくらいのスプリアスが見えますが、この程度なら、送信機内部のタンク回路で60dB以上に減衰させる事は可能ですので、送信機の原発振器として使う事ができます。

50MHz用 DDS VFOのスプリアスがNGだったのは、デジタル回路に使われるPLL逓倍ICがNGであった事。 DDSからのダイレクト出力に300KHzくらいのオフセットでスプリアスが発生していたのは、中国製の基板の性だった事が判りました。 ただし、アナデバが公表しているデータ通りのスプリアスレベルよりは、かなり高いレベルになりました。 詳細を調べていくと、周波数が10KHz違っただけで、今まで見えなかった-50dBくらいのスプリアスが急に現れます。 HF送信機の源発振器として安心して使う為には、Qの大きなインダクタとバリキャップを使い、きれいな発振を行うVCOを作成し、この周波数を基準発振器をDDSとしたPLL回路でロックするのが一番無難のようです。 VCOは発振可能な周波数範囲がDDSに比べて狭いですが、高調波以外、余計なスプリアスの無い信号を得る事が容易です。

この実験に使ったDDS VFOの回路図 DDS_VFO1983TXCO25MHz.pdfをダウンロード

50MHz AM送信機に必要なVFOはPLL方式を採用する事にしましたので、このVFOは使い道がなくなりました。 そこで、スプリアスは多いですが、分解能10Hzで100KHzから54MHzまでをカバーする発振器に改造し、検討段階での信号として利用する事にしました。

スプリアスはいい加減ですが、周波数だけは正確にする為、このDDSを校正します。 校正は10.000000MHzで標準電波を出している中国のBPMの電波を使います。

まず、TS930をAMモードにして、BPMを受信します。 今日はS9で入感していました。 これにDDSの周波数を重ね、ゼロビートをとります。 DDSは10Hzスパンで可変していますので、ビート周波数が一番低くなる周波数を調べると、10.000.120Hzのとき、約2Hzくらいのビートとなりました。 この2Hzの音は通常は耳に聞こえません。 ビート周波数が100Hz付近以下になるとスピーカーの性能と耳の限界により聞こえなくなりますが、ビート音にハム音や濁りがあり、この濁りの音が震えて聞こえます。その一周期が0.5秒くらいになったので、2Hzくらいという事が判ります。

ここで、DDSの周波数係数を補正します。

現在の周波数係数 kd は 1.073741824 ですので、これを1.000012倍した数値 1.073754709に変更します。 次に、この周波数係数で実際にDDSを動作させると、10.000.000Hzの表示の時に数ヘルツのビートが聞こえます。 今度は、周波数係数の小数点以下6桁目以降を微調整し、ビート周波数が1Hz以下になるようカット&トライします。 この付近の周波数になると、ビート音に同期してSメーターも振れますので、ゼロビートポイントがすぐに判ります。

このようにして決定した新しい周波数係数 kd は 1.073755709 となりました。 

こうして校正したDDSは周波数カウンターの校正でその存在価値を維持する事になりました。

安物の発振器SPXOの周波数確度は±50ppm程度の物が多いのですが、常温における年間ドリフトは5ppmなどという数値になり±50Hzくらいにおさまりますので、初期値のみきっちり合わせると結構正確な周波数を維持します。 ちなみに、この中国製SPXOの初期の周波数確度は-12ppmくらいですので、結構良い性能を持っていました。

使用しているPICは+5Vラインに誤って12Vが加わり、i/oポートが壊れた物でしたが、調べてみると、壊れたのは出力ポートのみで、入力ポートは生きていました。 この生きていたRA0,RA1ポートを入力ポートにする事で、このDDS回路も構成できました。

改造後の配線図 DDS_multi_VFO180929.pdfをダウンロード

改造後のソースコード DDS_100k-54M_VFO.cをダウンロード

スプリアスを検討してみました。 AD9833 スプリアス へ続く。

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2018年8月13日 (月)

PICkit3 の修理

<カテゴリー:PICマイコン

DDS VFOの検討中に5Vの三端子レギュレーターが壊れてしまい、+5Vラインに+12Vが現れ、接続してあったPICkit3が煙を出して壊れてしまいました。

壊れたのは、バストランシーバーと呼ばれるPICkit3と外部回路のインターフェースに使われるICでした。

これを修理すべく、まずPICkit3の回路図を探すと、結構多くの情報がありました。 インターネットで調べていくと、MicrochipはPICkit3のクローンを容認しているというか、推奨しているようで、Microchip自身が回路図を公開していました。

pickit3sch.pdfをダウンロード  

この配線図そのものはMicrochip 製なのかクローンを作った会社のものか判りませんが、現物照合すると抵抗値が一部異なる所はありますが、IC名や結線は合っていました。

壊れたICはSN74LVC1T45DBVRという品番のバストランシーバーである事が判りました。 このバストランシーバーのパッケージは何種類もありますが、PICkit3に使われているのは、最後の文字がDBVRという一番大きいサイズのものです。

東京出張の帰りに、このICを秋葉原で探しましたが、結局見つからず。 帰ってからRSで見つけましたので注文し、現物も入手していましたが、その間にクローンのPICkit3を入手していましたので、修理は手づかずの状態でした。

最近、このバストランシーバーを実験する機会があり、PICkit3の修理の事を思い出しましたので、修理にトライする事にしました。

壊れたICは完全に黒焦げで、下の基板も炭化し、一部銅箔も無くなっていました。 本来6個の半田ランドが必要なICですが、6番ピンのランドとストリップラインは消失し、4番ピンに接続するストリップラインも消失していました。 拡大鏡を駆使してなんとかハンダ付けし、出来上がった基板は以下です。

Picki3up

Pickitopen

左上が黒焦げの基板上に新しいICをマウントし、消失したストリップラインの代わりに0.18mmの銅線で配線した状態です。 この作業の後、テスターを使い導通テストを繰り返し、接続漏れや逆に端子間ショートが無い事を確認した後、通電し、PICのターゲットを接続すると、ターゲットのIDが返ってきて、プログラムも無事書き込む事が出来ました。

これから、電源電圧には最新の注意を払う事にします。

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2018年8月12日 (日)

50MHz AM受信機 (DSPラジオ)

<カテゴリ AM受信機 >

50MHzのAM送信機が出来ましたので、これとペアで使用する50MHz用AM受信機の製作です。

すでに7MHz用として、1KHzステップ可変のDSP受信機がありますので、これを親機とするクリスタルコンバーター(クリコン)をこのDSP受信機の中に内臓させる事にします。 DSP受信機は30MHzまで1KHzスパンで動作しますので、手に入る水晶振動子できりの良い32MHzを選定し、IF周波数が18MHz台となるクリコンにします。

このクリコン部分の配線図です。 50M_clicon.pdfをダウンロード

一般的にはシールドケースのかぶったインダクタンス可変式のトランスを使いますが、最近はほとんど入手不可能です。 生産はされていますがMOQ 10,000個とかの条件がつきますので、販売店もリスクが大きすぎるのでしょう。 そこで、現在量産中のチップインダクタと表面実装用トリーマーでこれを実現する事にしました。 これらの部品はRSとかDigi-keyで少量でも入手できます。

まずは、BPFの計算です。 ここで計算しました。 TKS.

50m_bpf_2

左は、チップインダクタとトリーマーで構成した50MHz用BPFです。 BPFの計算で、低いカットオフ周波数と高いカットオフ周波数を指定しますが、中心周波数がバンドの真ん中にくるように設定すると、インダクタンスの値が量産品のE12シリーズに一致しなく、かつ、全ての値のインダクタを手持ちしている訳では有りませんので、手持ちのインダクタが使えるようにこのカットオフ周波数を調整します。

手持ちのチップインダクタに1uHが有りましたので、これを使い計算した定数でBPFを作りました。

50m_bpfadj_3

アンテナアナライザをSSGの代用として、出力端にオシロをつなぎ調整する事にしました。

ところが、トリーマーを回してもピークポイントが見つかりません。 しかも挿入ロスが20dBくらいあります。 このインダクタの仕様を再確認すると、Q無管理品で、コイルのQが必要な場合、Qを管理したインダクタを使うようにとコメントがあります。

サイズが3216でかなり大きなチップインダクタでしたので、QはOKと考えたのですが、使用しているフェライトコアが50MHzまでは対応していないようです。

この1uHインダクタと同じメーカーでQがmin 30と管理されている太陽誘電製のインダクタLBM2612Tタイプを幸いにも手持ちしておりました。 手持ちしていたのは1.5uHのコイルでしたので、再度計算をやり直し、実装した結果、アンテナアナライザの周波数を可変し、その出力をオシロでみている限り、周波数特性は一応50MHzのBPFとして実用レベルであり、挿入ロスも6dB程度である事を確認できました。

IF周波数が18MHz帯ですので、このバンドのBPFも同じように作成しましたが、入出力インピーダンスの関係で直列共振回路によるBPFはうまく行かず、ミキサーの出力は18MHzのタンク回路と2次コイルによるトランス形式の回路としました。 トランスはカーボニルコアに0.28mmφのUEWを22ターン巻いて約5uHのインダクタンスを確保した後、2次側は5ターンとしてあります。

Cliconspeana

ミキサーは定番のジャンクションFET 2SK241ですが、最初、ソース抵抗の最適値と局発の出力レベルの最適値を探す為、オシロで波形をモニターしていましたが、周波数変換された18MHzのレベルが良く判りませんでした。 そこで、IF出力にスペアナを接続し、18MHzのレベルが最高になるよう定数を選定した結果が左のスペクトルです。

32MHzが局発レベル、50MHzが入力信号、18MHzがIFレベルとなります。 また、14MHzは局発の32MHzとIFの18MHzの差分で生じたイメージです。

18MHz以外の不要信号はDSPラジオの内臓フィルターで除去してもらう事にします。

Cliconpcb

左は、クリコンの全体構造です。 入力は右側の50MHz BPF側から加えられ、左側のトロイダルコアと、20Pのトリーマーで18MHzに共振させた後、18MHzのDSPラジオに繋ぎます。 中央上に32MHzの水晶発振回路、それに7MHzと50MHzを切り替えるPINダイオード回路と、マイコンからのクリコンON/OFFのコントロール信号により、全体をスイッチングする回路も実装しました。 PINダイオードは大量に手持ちしているインフィニオン製を使いましたが、ここはロームの1SSxxxでも使えると思います。

これを7MHz用AM受信機の基板上に実装した上で、PICのソフト変更を行わないと50MHzを受信しているのかも判りません。

DSPラジオの基板にこのクリコンの基板を2重構造で張り付けますが、DSPラジオの基板の裏側もクリコン基板の裏側も銅箔をべったり貼り付けてありますので、両方の銅箔を真鍮のボスとビスで導電的に結合しました。

50mrx_pcb

50mrx_inside

全体の配線図 DSP_50M_RX.pdfをダウンロード

次は、PICマイコンのソフト改造です。

一番の問題は、周波数を表示する文字フォントが大きすぎて、5ケタの数値を並べられないことです。 クリコンのハードをコントロールするソフトは簡単に改造出来るのですが、周波数を表示する為に一回り小さなフォントを作るのが最大の問題でした。

このフォントデータの生成器は以前アンテナアナライザの開発のとき、GIF画像をベースに自動生成するプログラムを作ってあったのですが、取説が有る訳でもなく、このTcl/TKのプログラムの復習からせねばなりませんでした。 操作案内は無く、作るフォントサイズやGIFデータの条件によりいちいちソースを手直ししながら操作する必要があるみたいで、GIF文字データを何度も作り代え、やっとフォントデータはできましたが、DSP受信機のプログラムで動かすと、まともに文字が出ません。 結局判った事は、フォントのX方向のピクセルは、8の倍数か8以下でなければ、うまく表示しないという、LCD表示ソフトのバグでした。

フォントコードジェネレーターにはバグは有りませんので、今回使用したソースを公開しておきます。

フォントコードジェネレーターCcord_Generator5.tclをダウンロード

コードジェネレーターがGIF画像を読み込んだ状態のPC画面を添付して置きます。 0から9まで数字の後にスペースの部分がありますが、サンプルでは見えませんね。(スペースだから見えている?)

Fontgeneratorsmpl

バグの原因が判りましたので、バグを修正し、正しく文字が表示されるようソースコードを修正しました。 文字が表示できるようになると、50MHz受信機はあっと言う間に完成してしまいました。

完成して、その感度をFT450と比較すると20dBくらい感度が悪そうです。 そこで、50MHzのBPFの後に非同調のRFプリアンプを挿入しました。 このデュアルゲートFETのゲインは約20dBくらいです。

50mhzrx1

50mrxlcd

 

左上は動作確認中の50MHz AM受信機です。 右上は、アンテナアナライザからATTを介して信号を加えた時のSメーターの振れです。 同じようにFT450へ信号を加えるとSメーターはS9+30dBくらいまで振ります。 Sメーターの感度は自作が勝りますが、実用感度はFT450の方が良さそうな感じです。

自作の送信機にダミロードをつなぎ、音楽を変調したおこぼれ信号をこの受信機で受信すると、ブツブツと小さなノイズがでます。 信号強度がS5から9くらいの時が一番大きくなります。 原因はマイコンとDSP間の通信によるノイズです。 以前FM受信時でもあったノイズでこの時の原因はSメーターのデータ転送のノイズでしたので、FM受信の時だけはSメーター駆動を止めた経緯があります。 7MHz受信時はほとんど気になりませんでしたが、50MHz帯ではFMのときより大きなノイズとなっています。 原因は、DSP基板から出ているハーネスにノイズが乗っており、これをクリコンが拾うもののようです。 ハーネスを束ねたり、ケースの底に押し込むと少し改善しました。 

スピーカーに接続される線に50MHzか18MHzの成分のノイズが乗っているようで、この線を動かすと、ノイズが増えたり、音量が変化します。 MWや7MHzでは異常は起こらないのですが、50MHzの時だけ起こります。 狭い空間にシールドなしでクリコンが同居していますので、対策としては、スピーカーケーブルを2芯シールドに変更しました。 この対策でスピーカーケーブルを動かしてもノイズや音量に変化はなくなりました。

プリアンプ付の回路図DSP_50M_RX2.pdfをダウンロード

残念ながら、完成したこの日の50MHzは実際のAM局はおろか、SSBの局すら聞こえませんでした。

ちゃんと使えるのか心配ですね。

AM_RX50MHz.cをダウンロード

fontF50.hをダウンロード

Font7.hをダウンロード

50MHzの受信が便利なように、ラスト状態をメモリーし、次に電源ONした場合、バンド、周波数、ボリュームレベル、IFバンド幅が復元するようにソフトを改造しました。  また、激しいQSBやオーバー変調の信号を聞くと、パチパチノイズが連続して、了解度が落ちるのを少しでも改善する為、DSPのAM AGCのパラメーターを少しいじっています。

以下、改善部分の関数です。

void DSPinit() {
    unsigned int Rdata;

 writeDSP(0x04,VOLUME);
 writeDSP(0x05,DSPCFGA);

 writeDSP(0x0F,RXCFG);

    writeDSP (0x2E,SOFTMUTE);
    Rdata=readDSP(0x22);
//    writeDSP(0x22,(Rdata & 0xFCFF) | 0x0200);
    writeDSP(0x22,(Rdata & 0xF0FF) | 0x0200);
    Rdata=readDSP(0x0A);
    writeDSP(0x0A,Rdata & 0x0400);
    Rdata=readDSP(0x22);
//    writeDSP(0x22,Rdata & 0xF3FF);
    writeDSP(0x22,Rdata & 0xF0DF | 0x0240);
//     Rdata=readDSP(0x23);
//    writeDSP(0x23,Rdata & 0xE3FF | 0x1C00);
    Rdata=readDSP(0x3F);
    writeDSP(0x3F,(Rdata & 0xFF88) | 0x0013);
}

全体のソフト AM_RX50MHz_lastmemory.cをダウンロード

2018年11月の日曜日にFT450にて50MHzをワッチしていると、50.53付近でAMの信号が聞こえます。 RS52くらいです。 広島市の局らしい。 これは幸いと、このDSPラジオをONして聞いてみました。 残念ながらRS31です。 ゲインがまだ足りないようですので、ゲインアップの対策を行う事にしました。 50MHzのBPFの後にFETの非同調アンプを設けていますが、これを同調アンプにして10dBくらいのゲインアップになるように改造します。 ところが、ゲインが上がり過ぎ発振してしまいますので、同調回路にQダンプの抵抗を入れ、同調した時の最大感度でも発振しないようにしました。 アンテナアナライザとATTで確認した結果では6dB以上は感度アップしているようです。

当然、この改造が終わったころには、またしてもAMもSSBも聞こえませんので、改善したかどうかは判りません。 次の機会を待つしかないですね。 

改造後の配線図です。 DSP_50M_RX2A.pdfをダウンロード

2019年1月

約10Km離れたローカル局に協力頂き、AM 2way QSOが成功しました。 相手局は40Wキャリアにて59+10dB、私の方は8Wキャリアにて57でした。 受信音は正常で、ゲインも十分という事を確認できました。

この受信機は7MHzも使用できますので、このままにしておき、50MHzトランシーバー用DSP受信機を新たに作る事にしました。 こちらをご覧下さい。

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2018年8月 4日 (土)

50MHz PWM変調方式 AM送信機 3 (完成)

カテゴリー<6m AM >

PLL方式のVFOがなんとか完成しましたので、これを送信機に接続して最終調整です。

50mtxtopview

最終調整と言っても、すでにいじる所は調整済みですので、動作確認のみになります。

左がPLL VFOを送信機に接続した状態です。送信機のドライバー段の発熱が大きいので、シールドケースの天板は取り除いてあります。

50mtx12w

無変調時の送信出力は12Wでした。 この出力は1時間くらいエージングすると10Wくらいまでダウンします。ドライバー段を扇風機で冷やすと、ゆっくりと12Wまで回復します。

PLL VFOに変更した事によるスプリアスは以下のようになりました。

50mtx1mspan

50mtx100kspan

50mtx200mspan

左上が1MHzスパンのスペクトルで、DDS VFOの時有った240KHzのスプリアスは有りません。 また、PWM変調用の210KHzキャリア漏れも60dB以下まで減衰しています。 右上は、100KHzスパンですが、DDS VFOの時有ったキャリア近傍のノイズベースのスプリアスも改善され、スペック内です。

左のスペクトルは200MHzスパンで、第3高調波までノイズに隠れて判りません。 4次以上の高調波も確認し、ノイズレベル以下でした。 これで、安心してTSSへ保障願いを出す事が出来ます。

50mtxmaxmod

左は、400Hzの最大変調状態です。PWM変調器の出力は電源電圧0Vから12Vをフルスイングしていますが、ドライバー段からの漏れが1.5Wほどありますので、写真のごとくキャリアがゼロになりません。 左の波形で、キャリアの幅が一番狭くなっている部分が1.7Wくらいの出力状態です。 この時、変調度計は98%くらいをさします。 しかし、ピーク値は無変調の1.8倍くらいですので、39Wくらいしか出ていないようです。 (13.8Vの電源ですが、変調PWM終段の内部電圧降下と、LPFによる電圧降下でRF段にかかるmax DC電圧は12Vくらいです。)

この状態で音楽を変調してエージングを続けています。 変調度計の目盛が80%くらいまで振れる範囲では、歪感はほとんど有りません。 変調度計の針が90%を超えるくらいになると、聴感上の歪が感じられますが、音声としては全く問題ないレベルです。 この歪は、変調による歪ではなく、PWM発生器に内臓されている振幅制限回路(リミッター)の応答特性によるもののようです。 振幅変化が無い連続した正弦波の場合、オシロの波形で見ても、実際に音を聞いても歪感は有りません。 また、音量もSSB信号を聞いているときと同等ですので、交信には支障はないと思われます。

FT450のSメーターは変調がかかってもその振れは変わりませんが、FT991のSメーターは完全にプラス変調の振れを示します。 変調がかかると、Sひとつ分くらい大きく振れます。

50mtxfrontview

PLL VFOの側面をシールドする必要はなさそうですが、送信機の側面に近くなるPLL基板のみはシールドケースで覆うことにし、木製キャビネットに収納する事にします。 木製キャビネットは100円ショップで見つけた物入れです。

Pllvfosheeld

50mvfo

左上はシールドで覆われたPLL基板、右上は化粧パネルを張り付けたVFOの正面です。

50mvfotrimer

エージングが2時間を過ぎたころ、突然、出力がダウンし、1W以下になってしまいました。 調べてみると、VFOの出力が極端に小さくなっています。 VFOの逓倍回路の基板に衝撃を与えると時々正常になりますが、その内、また出力小になります。 逓倍回路の20PF トリーマーを回しても、同調点が有りません。 このトリーマーを取り外して、単体の容量をLCメーターで測定すると、2PFくらいを示し変化しません。 このトリーマーはセラミックの上に電極を蒸着したものでしたが、断線したみたいです。 代わりにPICの水晶発振周波数を微調整する為に手配しておいた20PFのトリーマーに交換しました。 このトリーマーは2個使っていますので、2個とも交換です。 新しいトリーマーで同調させた時、出力が12.5Wまで上昇しました。 左上がトリーマーを交換した逓倍回路の基板です。 今までの物は何か問題のあるトリーマーだったようです。 約30個、20年くらいジャンク箱の中にストックしていた物でしたが、全部廃棄しました。

ここまでの配線図 6m_AMTX_03.pdfをダウンロード

変調の周波数特性が、400Hzで-3dBと、低域をカットし過ぎた音質となっていましたので、100Hzで-3dBとなるようコンデンサC31とC51を変更しました。

PWM生成の為のキャリア(今回は210KHz)漏れを最少にする為の対策は、作成したインダクターの巻始めと巻終わりの距離をある程度確保するのが一番有効でした。少なくともコアの1/4くらい巻線なしの部分を作ると60dBの減衰量は容易に確保できる事が判りました。 その為にはなるべく直径の大きなコアが有利です。 

最終状態のVFO配線図 PLL_VFO_50MHz_2.pdfをダウンロード

TSSへ提出したブロックダイアグラム 6mAMTXblocgdiagram.pdfをダウンロード

TSSに申請してから2週間で承認が下り、総通に変更届を提出しました。 そして1週間後に審査終了となり、交信可能になりましたが。

50m90pctmod

2018年11月

ドライバー段からのキャリア漏れの為、深い変調がかけられない問題の対策として、ファイナルだけでなく、ドライバー段にも変調をかけてみました。

左がその時の1KHz変調波形です。 キャリア出力は7Wまで下がりましたが、かなり深い変調がえられ、見た目、聞いた感じの歪もそれほど大きくなりませんでした。 実際の交信は出来ていませんが、12W 52%変調の信号と、7W 87%の変調信号、どちらが聴きやすいかを、ダミー抵抗へ出力した送信信号にて聞き比べた感じでは、後者の方に軍配があがります。

7W出力を少しでも上げる為、VFOの出力を40mWから80mWまで増加させましたが、出力は8Wどまりでした。 そこで、電圧ロスが多そうなPWMキャリアのLPFとなっているインダクターをフェライトに変え、導線の直径を2倍くらいに増やしてみました。 導線のDC抵抗は確かに減少し、出力は9Wくらいまで上昇しましたが、音の歪は見た目も聞いた感じもかなり悪くなってしまいましたので、元に戻すハメに。

変調をドライバー段までかける、この変更でLPFの負荷抵抗が約半分になってしまいましたので、LPFの再計算を行い、得られたインダクタンスは33uHでしたが、カーボニルコアに1.25SQのりード線を巻けるだけ巻いたところ、27uHしか巻けませんでした。 コイルのインダクタを固定としてPWMのキャリア漏れを60dB以下にすべく、コンデンサの値を吟味しました。

吟味した結果、2段目のコイルの出力端に設けるコンデンサ容量は手持ちの関係で、7.7uFになりました。

Newlpf1r6_2

Lpfjissou

そして、左上のスペクトルのごとく210KHzのキャリアもれは-70dBくらいまで対策できました。 この対策の為に追加した3.3uFのマイラーコンデンサは取り付ける場所が無く、終段のシールドケースに貼り付けてあります。

最終的な無変調キャリア出力は、1.25SQワイヤーのLPFが効いて、13.8Vの電源で9.5Wとなりましたが、実際の移動運用で、電源電圧が常時13.8Vという事はありえず、良くて13Vくらいですから、実際の運用状態での出力は8.5Wくらいです。

目標とした10Wキャリア出力には若干不足しますが、これを元の12Wに戻す為には、ドライバーやファイナルのFETの選定からやり直す必要がありそうという事が判ってきました。 この送信機に使っているMOS-FETはIRFI510ですが、これより新しいFETが無いかRSで探しましたが、コストパーフォーマンスの良いFETは見つかりませんでした。 従い、現時点では、ここで、目標達成とする事にしました。 将来、入力容量が小さく応答速度が20nsec以下のFETが出るまで待つ事にします。  ちなみに、1石、40円のFET FKI10531はTonとToffの合計の応答速度は16.7nsecで私が見つけたMOS-FETの中で最高のコストパーフォーマンスを有しておりますが、入力容量Cissが1530PFも有り、50MHzでは使えませんでした。

6mamtx

ドライバー段にも変調を掛けたことで、発熱量が減り、当初の予定通りシールドの天板も付ける事が出来るようになりました。 また、2時間くらいエージングしても出力の増減は有りません。

サンワサプライのマイクは中高域が全く伸びず、トランシーバー向きではない事が判りましたので、YAESUの無線機用のマイクに変更しました。 このマイクは、PTTスィッチ付でしたので、その機能を含めて回路変更を実施しています。 また、サンワサプライのマイクの中高域を伸ばす定数変更も実施していましたが、マイクを変更した後も、この定数変更はそのままにしてあります。

最終配線図 6m_AMTX_05.pdfをダウンロード

この送信機が完成しても、交信相手はいないのでは?という心配は現実になりそうです。 この送信機を製作し始めてから、度々6mをワッチしていますが、AMどころかSSBの局も聞こえません。 当地ではコンテスト以外の日に局を見つけるのは無理かも知れません。

平地では信号は聞こえませんので、いざこの送信機を持って山の上にでも移動するとき、受信用にFT450を持っていっても自作の意味が有りません。 そこでDC12Vで動作する、50MHzのAM専用受信機を作る事にしました。

ついでに移動用のアンテナも作りました。

2019年1月

念願のAM 2way 1st QSOが実現しました。 約10Km離れたローカル局で、途中に山が有り、見通し距離では有りませんが、相手が59+、当局の信号は57で届いているとの事。 Sの差はキャリア出力の差です。 了解度が確保できていますので、やっと交信成功となりました。

このバンドで、セパレート式リグは使いにくい事を実感しましたので、この送信機と別に作成したDSPラジオ+クリコンによるトランシーバー化へトライする事にします。

50MHz AMトランシーバー(PLL VFO)へ続く。

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2018年7月25日 (水)

TH77 外部スピーカーマイク

Th77

購入してからすでに25年以上経過しておりますが、完璧に動作しているTH77があります。 最近車で走行中に交信をする必要が生じ、マグネット吸着式のノンラジアル2-Bandアンテナをこれに接続し、本体を持って交信しておりました。 ご存じの通り、このトランシーバーをカーバッテリーの13Vくらいで動作させると、その内、本体を握っていられなくなるくらい発熱し、最後にはプレストークSWを押す事さえできなくなります。

そこで、取説を読み直すと、外部スピーカーマイクで、本体を握らなくても送信できる事が判りましたので、この外部スピーカーマイクを手配する事にしました。

TH77の取説にはSMC31,SMC32,SMC33と言うスピーカーマイクのオプションがある事を説明していますが、さすがに25年以上前の商品ですので、ヤフオクで中古品を見つけるか、中古店で該当品を探すしかありません。しかし、ヤフオクはいつでもある訳はなく、常時販売している中古ショップでは4000円以上の価格がついています。 一方、中国製でKENWOODトランシーバー用のセカンドソースも通販で出回っており、こちらは新品ですが送料込で1280円とかの値付けです。 ただし、SMC32互換とは書いてありますが、実際は?です。

カスターマーレビューを頼りにダメモトで購入しました。 SMC32互換と書いてあるスピーカーマイクです。

さっそくTH77に挿入したのですが、送信モードにはなりますが、変調がかかりません。 また、時々送信も出来なくなります。 さっそく、マイクの裏ブタ止めてあるネジ3個を外して、怪しい所をチェックしました。

Micinside_2

線の半田付けの品質が悪いというレポートがありましたので、詳細調べると、矢印で示した黒色のGND線の半田がおかしく、カバーしてあったホットメルトを剥がすと、ハンダがポロリ。 時々送信にならないのはこのハンダ不良(イモハンダ)が原因。

シメシメと確実にハンダし直し、時々送信にならないという現象は出なくなりましたが、変調がかからない症状は改善されません。

動作確認済みのコンデンサマイク単体をTH77のMICジャックに差し込むと、ちゃんと変調がかかります。

Micinng

Micplugng

Micinok

マイクを差し込んだ状態で、マイクプラグの根本を押し込むと時々変調がかかります。 しかし、指を離すと変調がかからなくなります。 プラグのモールド部分のサイズが大きすぎるのではと、カッターナイフで削ってみた状態が左上の写真です。

このようにマイクプラグが完全に挿入されず、少し浮いています。 ちなみに、3.5φのマイクプラグのみ差し込むとちゃんと奥まで挿入され、マイクによる変調がかかります。 ただし、この場合、マイクのPTTスイッチは効きません。

原因はスピーカー用の2.5φプラグの長さが規格より長く、これがJackの底に当たり、これ以上挿入出来ていない事がわかりました。 対策はこの2.5φプラグの先端をヤスリで削り、約1mm低くしたところ、左の写真のごとく、MICプラグが奥まで差し込めるようになり、変調がかからないという問題は解決しました。

いざ、交信に使ってみると、本体の内臓スピーカーよりこのマイクスピーカーのスピーカー音質は悪く良く聞き取れません。 これは、もう少しまともなスピーカーに変更し、マイクとPTTスイッチのみを利用した方がよさそうです。 ただし、マイクとスピーカーをセパレートすると、GNDとPTTスイッチが接続されなくなり、送信できませんので、このスピーカーマイク側についているいるイヤホーン用の3.5φJackに別のスピーカーをつなぐ事になります。

一応、走行中でも交信できるトランシーバーシステムが出来ました。 私の車の中で2mトランシーバーは常時使用する事はなく、1年の内に数回しかその可能性は有りませんので、本格的なカートランシーバーシステムを装備する気はなく、この程度で十分です。

ちなみに、このTH77は新スプリアス非対応品でしたので、6mのAM送信機をTSSで保証認定してもらうついでに、新スプリアス認定処理(一度廃止して新たに追加)をやってもらいました。 料金はAM送信機と合わせて3000円でした。

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2018年7月21日 (土)

50MHz PWM変調方式 AM送信機 2 (PLL VFO)

カテゴリー<6m AM >

50MHz AM送信機用のVFOの製作です。

以前、7MHz用に原発振周波数が14MHzのPLL VFOを作りましたが、200Wの出力がPLL回路に回り込み、PLLがロックしないという初歩的なトラブルで採用を諦め、ジャンク箱行となっていたユニットを探し出し、25MHzのVFOに再トライします。 25MHzを2逓倍して50MHzのVFOに仕上げるアイデアです。 25MHzは1KHzスパンで可変できますので、50MHzでは2KHzステップの周波数アップダウンですが、AMですので、不自由はないでしょう。 前回の失敗を繰り返さない為に、今度は送信機とはセパレートしたケースに収納し、シールドを確実にする事にします。

このPLLに使われているICは東芝のTC9256Pで、40MHzまで1KHzスパンで発振できます。 14MHzの周波数を25MHzに変更し、まずは、そのスペクトルを確認する事にしました。

25MHz用の回路図 PLL_VFO_25MHz.pdfをダウンロード

この回路による25MHzの信号スペクトルを確認しました。

25mvfo100mspan

25mvfo10mspan

左上が、スパン100MHzのスペクトルで左から25MHz基本波、真ん中が50MHzの第2高調波、右が75MHzの第3高調波です。 この出力の後で、2逓倍しますので、第3高調波はもう少し減衰させて置く必要がありそうです。 右上は10MHzスパンのスペクトルで余計なスプリアスは見えません。

25mvfo1mspan_2

25mvfo100kspan

左上が1MHzスパンのスペクトルで、DDSやPLL ICに有ったスプリアスは有りません。 右上は100KHzスパンで、隣接スプリアスも問題有りません。 原発振回路は純粋なクラップ発振回路で有り、チップインダクタのQは35くらい、バリキャップのQも100以上ありますので、余計なスプリアスは全くありません。

2multi_schema

PLL VFOの出力には、基本波より約10dB低い50MHzの第2高調波が含まれていますので、次の段でいきなり2逓倍し、50MHzを得る事にします。

左がこの逓倍回路です。ただし、50MHzのみを選択し、25MHzや75MHzの成分を抑圧する為には、タンク回路のQを確保してやる必要が有ります。

コイルはタップ付のインダクタンス可変式のケースに収まったトランスタイプがベストなのですが、残念ながら入手は無理ですので、カーボニルコア(型番不明)で作る事にしました。50MHzに共振させるLCは1uHと10PFくらいですから、1次側として13ターン巻くと1.02uHとなりましたので、電源側から2ターンのところにタップを出し、これをコレクタに接続しました。この回路の出力インピーダンスは370Ωくらいです。 出力は2ターンのリンクコイルからとりだしますので、出力インピーダンスも370Ωくらいです。

50mhzout1

50mhzout1sp

左上がトランスの2次側の50MHz波形。右上がそのスペクトルです。 50MHz以外のスプリアスで、送信機のLPFでは除去が困難な25MHzと75MHzが-30dB程度まで抑制出来ましたが、まだ不十分ですので、この二つの周波数成分だけは、送信機に送り込む前に対策が必要です。

対策として、この逓倍回路の後段に50MHzのみを増幅するバッファアンプを挿入します。

まずは、最高のQが得られる無負荷状態で、このバッファアンプの出力のスペクトルを見てみる事にします。 これがNGなら根本的な再検討が必要です。

Pllvfoout

Pllvfooutsp

Multi2

左上がVFO出力で少し歪んでいますが、10Vppあります。 右上はそのスペクトルで、25MHzの低調波はノイズに埋もれて見えません。 問題の75MHzは、-58dBくらいまで減衰しました。 この後のアンプでいくつかのタンク回路を通りますので、さらに10dB以上の減衰は容易です。 それ以上の高次のスプリアスは送信機終段に挿入されるLPFで除去されますので、問題なしです。

左の基板はこの逓倍回路の実装状態です。コイルとコイルの間に見える半固定抵抗は50MHzバッファー段の動作バイアスを調整して、75MHzレベルが最少になるように調整するものです。

PLL VFOの全体の回路図 PLL_VFO_50MHz.pdfをダウンロード

一応、PLL VFOとしての基本動作はOKとなりましたので、 これを送信機に接続した時の実負荷をシュミレーションし、かつ送信機が送信状態になっても、回り込みによる障害が起こらないようにシールドケースを検討する事にします。

Pllunit25mhz

Pcbx2multi

50mhzvfocasing

左上が、25MHz PLL unit、真ん中が2逓倍回路、右上がこれらをケースの中に収納し、最終的には側面をシールド板で囲めるような構造にする予定です。

50cfofront

50mhzvfocabin

PLL VFOのフロントパネル部分と木製のキャビネットに収納した状態です。 フロントパネルは基板の銅箔面がむき出しですので、完成した暁には化粧パネルを張り付ける事にします。

この完成状態での出力は以下のようになりました。 実際の送信機を負荷として接続すると、出力段のQも下がり、出力レベルもダウンしますので、エミフォロのバッファー段を追加し、かつ出力インピーダンスも50Ωとしました。 下はその状態で50Ωの入力インピーダンスであるスペアナに接続した時のスペクトルです。

Vfo2100mspan

Vfo210mhzspan

Vfo21mspan

Vfo2100kspan

100KHzスパンの中の+/-15KHz付近が多少騒がしくなっていますが、一応スペック内です。

ここまでの配線図 PLL_VFO_50MHz_2.pdfをダウンロード 

ここまでの特性を得る為に、まずトランジスタの変更を行いました。 最初2SC3110というftが4GHzくらいの石を使いましたが、50MHzでのゲインが若干不足しているようで、2逓倍回路や次段の緩衝増幅の安定度がイマイチでした。 そこで、手持ちのNXP製のPBR951(ftが8GHzくらいで50MHzでのゲインは20dB)に変更した上で、緩衝増幅の動作安定の為、エミッタのパスコンを廃止し、かつ抵抗も微調しました。

さらに、この緩衝増幅回路のバイアス電流調整回路に加え、入力レベルも可変できるように1KΩの半固定抵抗を設け、25MHzと75MHz最少状態を調整できるようにしました。

また、アッセンブリ過程で、LCD駆動ノイズがロータリーエンコーダーの入力ラインや基板間のRF信号ラインに乗り、マイコンの誤動作やスペクトルの悪化を引き起こしていましたので、LCDドライブのハーネスは他の回路からなるべく隔離するような線処理を行っています。

PLL VFOのソースファイルPLL_VFO_50MHz.cをダウンロード

機能的には、50MHzから54MHzまでを2KHzスパンでカバーします。受信時に、回路をOFFする事も実験しましたが、送信開始時にタイムラグがどうしても出るので、受信時は表示周波数に200KHzプラスした周波数へシフトする事にしました。 出力が40mWくらいありますので、アンテナが接続されていなくても受信機(FT450)のSメーターはS9まで振ってしまいますので、その対策です。

これから、実際の送信機に接続して微調する事にします。

50MHz PWM変調方式 AM送信機 3 (完成)   へ続く

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2018年7月 8日 (日)

50MHz PWM変調方式 AM送信機 1

カテゴリー<6m AM >

ブロック毎に作成してきた6m AM送信機ですが、一応ファイナルのLPF以外、全て出そろいましたので、これを移動でも使える送信機に仕上げる事にします。

6mamtx01

左上はMAX40W出力のPWM変調器、その右はPWM LPFで2個のカーボニルコアで構成されます。 この下に横たわるシールドBOX内の回路がDDS VFOの出力を10Wまで増幅するドライバー。 右側の放熱板を含むユニットがキャリア出力10W、最大ピーク電力40Wの50MHzアンプです。 その他に、コモンモード電源フィルター、50MHz LPF、スタンバイコントロール回路などがありますが、これらを一つのシャーシの上に組み立てていく事にします。

6mamtx_1

以前、7MHz用50W AM送信機に使ったシャーシの中に、50Wのパワーアンプだけが取り付けられた状態で物置に放置してありましたので、これから、50WのRFアンプを取り去り、今回の50MHzユニットを実装する事にしました。

実装した各ユニットは単体では、動作確認出来ていますが、結合状態での確認はこれからです。

シャーシのサイズが先に決まっていますので、この中に納まるように、現物による配置検討を行い、外気温37度の屋外で汗だくで加工を行い、やっと完成しました。

6mamtx_2

6mamtx_3

左上は、フロントパネル面ですが、電流計と変調度計は100uAの電流計をベースに目盛板を自作しました。 50MHz ドライバーやファイナルステージがかなり大きくなり、シャーシの中にうまく収まりません。 この為、電源入力部分に挿入した5Aのコモンモードフィルターの上に、送受信切り替えのリレー基板を載せなんとか、全部を収納しましたが、50MHz LPFは後日、そのサイズを含めて検討する事にします。

まだ、アンテナにはつなぎませんので、ダミー抵抗を接続して、変調の状態を調べる事にしました。

6mtx_400hz

6mtx_10w

6mtx_music

左上が400Hzの信号で変調した時の波形です。 この時の出力は10.6Wくらいを指しています。 この状態が最大変調度の状態で、 PWM ICのリミッターが効いて、いくら入力を上げても変調はこれ以上深くなりません。 波形的には、物足りない感じがしますが、実際に音楽を変調すると、受信機(FT-450)からは、SSBの時と同等の音量で聞こえますので、実用上の問題は有りません。 左が音楽信号による変調波形です。 一応リミッターが効いており、これ以上、変調度は深くなりません。

この送信機のファイナルの電源電圧を0Vにして、送信状態にすると、出力が1.5Wくらい出ます。 ドライバー段の10W出力がファイナルをスルーして漏れてくるもので、変調波形の最小値がこれ以上小さくならない原因にもなっています。 ただし、波形を見ている限り、大きな歪はなく、実際に音楽を変調した場合でも歪感はありません。

6mtx_vfo

6mtx_asing_2

左上は、この送信機の外部VFO、右上は、電源電流とエージング中の変調度です。 電流計は当初MAX15Aの目盛でしたが、実際の消費電流は13.8Vの電圧の時4Aくらいですので、MAX10Aの目盛に変更しました。 このアンプの計算上の効率はかなり悪いです。 その最大の原因はドライバー段が常時10Wで動作している事のようです。 現実に、ファイナルより、ドライバー段の発熱が大きくなっています。 この為、ドライバー段のシールドケースの天板は廃止しました。

ファイナルとアンテナ端子の間に挿入する50MHz用LPFを作成します。 いつものURLで計算した定数は次のようになりました。

50mhzlpf この計算結果から、両面基板を切り出して作成したLPFが以下になります。

6mlpfin

コイル毎に両面基板によるシールド板で個室化し、三つの部屋にそれぞれコイルを置きます。 各壁を貫通する導体とケースグランドの間の静電容量は平均して2.7PFくらいでしたので、入力と出力端の壁には約22PFのコンデンサを付け、真ん中のコイルの両端には100PFのコンデンサを接続しています。 

6mlpfout

50mlpfswr

当初、50.5MHzに於けるSWRは1.5くらいでした。 コンデンサはそのままで、コイルを伸ばしたり縮めたりして、SWR最少状態にカットアンドトライしました。 一応50MHz用のLPFですが、50MHz以下の周波数帯でのSWRは制限が有りませんので、とにかく50.5MHzでSWR最少になるよう調整します。 結果、SWR最少値が1.23となり、その時の真ん中のコイルは写真のごとくかなり小さいインダクタとなりました。 この状態でLPFのケースに蓋をかぶせ、導電糊の付いた銅箔テープで密閉しました。 この状態でのSWRは1.22となっていましたが、LPF無しの時のSWRが1.2くらいでしたので、ロスは少ないと思われます。 実際、LPF無のときの出力は10.5Wでしたが、このLPFを通すと、12Wになります。 多分、LPF無しのときの歪が上下非対称で、半端整流でレベルを検知していますので、上下非対称が改善された結果、真の出力を表示するようになったのでしょう。

6mlpfjissoujpg_3

6mlpfoutput_2

完成したLPFをファイナルとアンテナリレーの間に実装しました。 ファイナルのタンク回路のバリコンのすぐ横に縦に配置しましたが、その間にには気持だけの銅板によるシールド板を取り付けてあります。 その状態でのアンテナ出力の高調波レベルが右側になります。 第2高調波は-63dBくらいに収まり、3次は-58dBくらい、4次以上の高調波は-65dB以上の減衰となっております。 これは、LPFのケースやファイナルのケースのアースを検討し、全ての高調波が-60dB以下になるようにします。

次にPWM変調のキャリア漏れを確認しました。

Sprias1m

Vfoout

左上はアンテナ出力におけるPWMキャリア漏れです。 配線図通りの定数ですが、LPFの効果があまり出ていません。 それに、210KHzと240Khz付近に2本のスプリアスが有るのが気になります。 PWM変調回路のコイルとコンデンサを吟味したところ、RF段の電源インピーダンスが3.5Ωではなく5.5Ωである事がわかりましたので、コイルを少し大きくする必要が生じましたが、面倒なので、3次のLPFを4次LPFに変更したところ、右側のスプリアス特性となりました。 210KHzと420KHz付近の2本のスプリアスは無くなりましたが、240KHz付近のスプリアスは、しつこく残っています。 また、キャリア近傍の+/-15KHz付近もかなりのレベルのスプリアスが残り、明らかにスペックアウトです。

変調回路のGNDやパスコンを色々いじりましたが、この240KHz付近のスプリアスは一向に改善しません。

困り果てて、スプリアスがどこで発生しているか、終段から前段に向かってスペアナを接続替えしていくと、なんとDDS VFOの出力で、この240KHzのスプリアスが出ておいるではありませんか。

以前、DDS VFOのスプリアス検討を行いOKを出していましたが、240KHz付近と15KHz付近のスプリアスは未確認でした。

6mの送信機は多分OKレベルですが、DDS VFOがまだNGである事が判った次第です。

とりあえず6m送信機はこのままで、再度50MHz用DDS VFOを検討する事にします。

Dds7mhzout

左は、その再検討の初日に、見つけた7MHz付近の周波数をDDSが出力したスペクトルです。 約240KHzのスプリアスはPLL ICによるものとばかり考えていましたが、実は、DDSでも発生していました。 左の画像では+/-300KHz付近にスプリアスが見えますが、周波数を変えると、この300KHzの周波数もランダムに変化し、最もキャリアに隣接した場合200KHzを切る周波数で現れ、そのレベルはいつもキャリアのピークに対して-40dBくらいです。 この200-300KHz離れたスプリアスはDDSとPLLが原因していますが、キャリア近傍のスプリアスはPLL ICだけの原因のようです。 このようなスプリアスに対して、その技術力が信用できるアナログデバイス(アナデバ)の技術資料からも、PLL ICのキャリア近傍のスプリアスを-60dB以下に抑制するのは、かなり困難である事が、うかがえます。 

かくして、AD9833による送信機用原発振器は実用不可との結論に至りました。 送信機は出来ましたがVFOがNGとなりましたので、クリスタルOSCか手作りのPLL VFOを開発できるまで、オンエアどころか、TSSへの申請もお預けとなりました。

ここまでの配線図です。 6m_AMTX_02.pdfをダウンロード 

50MHz PWM変調方式 AM送信機 2 (PLL VFO) へ続く。

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2018年6月30日 (土)

6m AM用変調回路(PWM方式)

カテゴリー<6m AM >

6m AM送信機用のPWM方式変調回路を一から作ります。 7MHz用で最大ピーク出力800Wの変調回路を一度作っていますので、今回はピーク40Wであり、7MHz用をスケールダウンして作る事にします。 

PWM変調ICは秋月で購入したPAM8012というICを使います。 このICは以前、AMラジオのパワーアンプとして利用した事がありました。 7MHz用で使用したTPA2006との違いは、基板の占有面積が小さいというメリット以外に、内部に振幅制限回路が内臓されており、リミッターアンプのTA2011が不要になる事です。 ゲイン配分を最適化すると、かなりの範囲のレベルでPWMアンプの出力端の波形のクリップは起こらない回路が実現できそうです。 実際の予備検討でも、PWMアンプの前段がクリップするくらいの大入力でもPWM出力はクリップしませんでした。

もうひとつ、フォトカプラ―のICを高耐圧品に変える事です。 7MHz用で使ったTLP552のVCCは5Vで、変調終段をフロートする回路内に5Vの電源が必要でしたので、8Vの3端子レギュレーターとLEDでかろうじて5Vの電源を実現出来ていましたが、この5V電源回路を廃止するのが目的です。

H11l2

選んだフォトカプラーはH11L2という品番で1MHzのクロックでも動作します。 そして、正弦波の1KHzを加えた状態では、オーディオ信号がクリップしない限り綺麗な波形をしていますが、一旦クリップすると、左の波形のごとく、かなりのスプリアスをまき散らす結果になりそうです。 原因は、ターンオンやタ-ンオフ時間が最大で4uSecもあり、これが為に、波形がクリップする状態での急激な変化に追い付いていけない事のようです。 フォトカプラ―を選定する時は、オーディオ信号がクリップする時のスプラッタを見ておかないとヤバイ事になります。 ところで、TLP552はすでに生産中止になっていますが、東芝は代替えとして、TLPN137を推奨しています。この代替え品の方がより高速です。 RSでバラ売りされています。

結局、H11L2は使えなくなりましたので、まだ手持ちしていたTLP552に戻し、5Vの3端子レギュレーターを追加しました。 FETドライバーはTC4422のままですが、このICの耐圧は16Vあり、変調終段のFKI10531のゲートソース間耐圧は+/-20Vありますので、安定化電源は5Vのみとして、従来あった8Vの3端子レギュレーターは廃止しました。

この変調回路の基板内に変調度計の回路も入れ込みましたので、回路図は一見複雑になった様に見えます。 6mAMTX_MOD180630.pdfをダウンロード

6mam_mod_top

6mam_mod_back

左上が変調回路全体の部品挿入面です。 右上がその裏側です。 小信号の部分は0.05mm厚の銅箔でGNDを結んでいますが、変調終段の大電流回路はGNDもホットも0.3mm厚の銅板を敷いて、回路が不安定にならないようにしています。

PWM出力のLPFですが、RFアンプの計算上のインピーダンスは3.45Ωとなりましたので、このインピーダンスで3次LPFを計算すると、以下のようになりました。

6mpwm_lpf

このLPFは計算通りに行かないと言う事は7MHzのAM送信機にて、経験済みですが、最初の取り掛かりが、どのくらいのインダクタンスが最良なのか判りませんので、まずは計算で得られた定数でコイルを作り、その後、聴感で決めていく事にします。

6mtx_pwmmodlpf_4

左は、計算通りに作成した2個の55uHのインダクターです。 LANケーブルから取り出したAWG24のツイスト線を、2重のままカーボニルコアに巻いたものです。 ほどけないようにビニールテープで巻いてありますが、実装段階では、もう少し綺麗に処理します。

計算上のコンデンサの値は9.2uFでしたが、手持ちの2.2uFマイラーコンデンサ4個をパラレルに接続し、8.8uFのコンデンサを実装しました。 RF回路が動作確認できるようになったら、LCの定数を吟味する事にします。

6mpwm_lpf_block

変調回路の周波数特性です。

Audio_f_responce_4

赤がRF段につながるLPFの出力端に於ける周波数特性です。 青色は変調度計の周波数応答特性です。 1KHzをピークとして、300Hzから3KHzまでお椀型の特性をしており、音楽の音質には向きませんが、音声の了解度は電話機並みの特性をしております。

現状の配線図6m_AMTX_01.pdfをダウンロード  (RF部は動作未確認)

今回、移動にも使えるという目標で、この送信機を設計していますので、ホームで使うダイナミックマイクは使えません。 そこで、携帯トランシーバー用のPTT付マイクをさがしましたが、これが以外と高価です。 インターネットショップを検索していると、サンワサプライのコンデンマイクで、MM-MC1というPC用のスタンドマイクが見つかりました。 価格は送料込で600円弱。 マイク出力に負荷抵抗となる2.2KΩ越しにDC4.5Vを加えると動作します。 感度は普通のダイナミックマイクと同じくらいですが、無指向性ですから、マイクボリュームを絞り気味にして使う事にします。 オシロをモニターとして、マイクから20cmくらいの距離から普通にしゃべって変調度計が80-90%くらいを指示するようにOPアンプのゲインを調整しました。

Mic_2

左は、この記事の中で紹介したサンワサプライのコンデンサマイクMM-MC1です。 このマイクは無線通信には向かないという事が判りましたので、レポートする事にします。

インターネットや単純に録音する高S/N環境で使う場合、周囲の高音域のノイズが邪魔になる為、高域カットを行うと了解度が向上する事は知られており、このマイクの周波数特性は、これを意識したもので、1KHz以上ではかなり高域カットを行っているようです。 ところが、この送信機では、3KHz以上の変調を極力抑える為に、3KHzのLPFを内臓させている事に加え、受信機のIFフィルターで高域をばっさりカットしていますので、マイク単体の高域カットと合わせて、了解度を著しく損なう音質になっています。 この為、S/Nの悪い無線環境では、かなり音量を上げないと、なに言っているのか良く判りません。 回路的に中高域を増強する手段をマイクアンプに追加して見ましたが、 この了解度の改善は不可能でした。 マイクを手で握りしめ、音響特性が変わるような細工をすると、中高域が出力されるようになるので、このマイクは構造的に中高域が減衰するような特性に設計されているようです。

以上のことから、このマイクは送信機用には不向きと判りましたので、YAESUのトランシーバー用に設計されたハンドマイクに変更しました。 このYAESUのマイクもコンデンサマイクですが、音質は、トランシバーで使用したとき、最適な音質になるよう設計されています。 

変調器も出来ましたので、電源や、スタンバイ回路、50MHz LPFなどを実装する為に、シャーシ加工に取り掛かります。 50MHz PWM変調方式 AM送信機 1 へ続く。

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