アンテナ Feed

2018年10月21日 (日)

50MHz スカイドアアンテナ(移動用)

<カテゴリ:アンテナ>

6mの季節は終わったのですが、せっかく出来たAM送信機を車に積んで、移動運用に出かけようにも、移動で使えるアンテナがありません。 そこで、また、廃材を利用してアンテナを作る事にしました。

まずはMMANAでシュミレーションです。

Mmana6mskddata 上のシュミレーション結果は、スカイドアの水平、垂直面の指向性データです。 打ち上げ角11.7度で9.63dBiのゲインがあります。 約13dBiの3エレ八木には負けますが、打ち上げ角16.3度、約6.4dBiのダイポールより3.2dBのゲイン(打ち上げ角11.7度では約4dBの差)が有り、簡単軽量、かつ、釣竿アンテナの廃材で出来るという事から、スカイドアアンテナに決めました。

シュミレーションデータでは、インピーダンス整合もアンテナ共振も出来ていませんが、そこは、外付けのマニュアルアンテナチューナーで整合させます。 抵抗成分が50Ωより高く、誘導性リアクタンスなら、アンテナチューナーによるロスはかなり小さくなります。 TLWで計算させると2.2%のロスになりましたので、気にしない事にしました。

6mskdsize

6mskdant

6mskdswr

左上が構造図、右上が仮に上げたスカイドアアンテナです。

私のスカイドアやヘンテナの上部水平部エレメントは水平一直線ではなく、いつも3角屋根のような構造にし、エレメント自体をこの中心部分で吊り下げ、その下にくる水平グラスファイバーには、導線を横に張り出す為だけの力しか加わらない構造にしています。こうする事で、この上部グラスファイバーは、釣竿の先端の一番細い部分を使う事ができます。

Mtu6kai

左上はアンテナチューナーで整合させた時のSWRで、使ったアンテナチューナーは東京ハイパワー製のHFオンリーのMTUです。 そのままでは整合できませんので、右上の写真の様に28MHz用のタップを本来のコイルから外し、新たに50MHz専用コイルを追加しました。

本来はHF(30MHz以下)オンリーのチューナーなので、使用されているバリコンの容量が大きく、SWR1.0にはなかなか整合できませんが、実用上は全く問題なしです。

移動運用する場合、設営の条件が同じという事は有りませんので、アンテナチューナーは、非常に便利です。

Noroskydoor1811

Swrskd1811

左の写真はこのスカイドアアンテナを、呉市の野呂山、ハチマキ展望台に移動して設置した時のものです。 8mのグラスファイバー製釣竿の先端から吊り下げてあります。 そして、右上が、車の屋根に載せた東京ハイパワーのMTUでチューニングしたときのSWR特性です。 50MHzから50.8MHzくらいまで、SWR1.6以内に収まります。

この日は日曜日。 午前中は8エリアからEspo情報も出ていましたが、運用開始したのは午後の2時ごろでした。 約30分間 50.220のSSBでCQを連呼しましたが、かろうじてコールいただいたのは、同じ呉市のOMさん。 レポートは53/51。 OMさん曰く、通常は59/59で出来る場所との事。 8の字の指向性のヌルポイントだったのか、水平方向だけビームが伸びて、下方には届かなかったのか、不本意な結果に終わりました。 同じ場所からバンドを2mに切り替え、ホイップでCQを出すと、対岸の西条市と59/59で交信でき、 リグとロケーションは問題ない事を確認。 (Rigは、帰ってからダミーロードに6mで送信し、異常なしを確認)

アンテナが悪いのか? 方向が悪いのか? 呉のOMさん以外聞いている局はないのか?

いつかリベンジにトライしたいです。 (AMのQSOどころでは無かった)

6mskd190105

2019年1月5日

スカイドアアンテナのリベンジの為、1月3日、5日と2回に渡り野呂山へ移動してきました。 今回の移動先は、前回の愛媛県に面したハチマキ展望台とは異なり、尾道、福山、岡山方面に開けた場所に、前回と同じスカイドアアンテナを設置してトライです。

結果は3日が3局、5日が1局だけでした。

しかし、この数少ないQSO実績から、アンテナやリグには異常はなく、相手局が山影になるか、垂直面の指向性がマイナスになる場合以外、59か59+で届いており、問題無い事を確認しました。

結局、山の上から呼んでも相手がいないという基本的な問題のようです。

今回、交信は出来ませんでしたが、手作りのAM送信機、VFO、受信機を持って行き、移動先で配線結合し、電波を発射できる体制を作りましたが、準備だけで30分以上かかってしまいました。 やはり、ここは、アンテナを設置したら、すぐにでもON AIR出来る体制が構築できないと、QSOどころではないという事が判りました。

また、6mのOMさんの意見として、AMで送信しても、SSBで応答される事が結構あり、AMしか受信できない受信機は無理があるとの指摘もいただきました。

これらの事から、まだ一度も自作AM送信機による交信は出来ておりませんが、実運用する為に、トランシーバー化と最低SSBとAMが復調可能な受信機の必要性を認識し、これらの改善に向けトライする事にします。

INDEXに戻る

2015年3月 2日 (月)

160m垂直アンテナ

<カテゴリ:アンテナ>

設置可能な環境の中で、色々と160m用アンテナの実験を行いましたが、やはり、アンテナは屋根より高くないといけないようです。 そこで、前回挑戦して挫折した、7MHz用垂直ダイポールとスカイドアエレメントを利用した垂直アンテナに再トライする事にしました。

160mv5_2

前回の失敗原因は送信出力でアンテナの共振周波数が変わるとい問題でした。  この原因は、近接平行する他のバンドのエレメントとの干渉が高周波電圧で変化し、共振周波数がずれてしまうものでしたので、逆に、近接するすべてのエレメントをショートして、垂直アンテナの頂冠としてしまえば、この問題は解決しそうです。  前回、これを実行しなかったのは、160mから他のバンドへQSYするとき、アンテナワイヤーの接続替えをやらねばならず、それが面倒な事でした。  その為、実験もせずに諦めていた訳です。

ちょうど、今晩から広島WASコンテストが始まるという日の午後、急きょ、この全アンテナエレメントショートの垂直アンテナをでっち上げて、使って見る事にしました。

 

7MHz用垂直ダイポールの下側エレメントを切り離し、上部エレメントを下の方へ延長し、例の金網のところまで降ろします。 18MHz用スカイドアのエレメントは、ベランダに置かれたプリセットMTUから外し、この7MHz垂直ダイポールの上部エレメントに接続します。 さらに6m用のヘンテナもアンテナチューナーから切り離し、これも垂直ダイポールの上部エレメントに接続しました。

160mv5box

この状態でマッチングBOX内のローディングコイルは約2μHで1.910MHzに共振します。 インピーダンス変換トランスは10:6のタップですので18Ωくらいのインピーダンスになっているようです。  アンテナアナライザーで1.910KHz付近に共振周波数がある事を確認し、実際に10Wの出力でSWR最少周波数を確認してみました。1.909KHzでSWR最少1.05となっていました。60W送信してもSWRの悪化や共振周波数のずれは有りません。

一応、使用可能になりましたので、これを2015年広島WASコンテストで使ってみました。 3時間の国内コンテストですが、20局しか交信できませんでした。 昨年のコンテストでは31局と交信していました。 アンテナの形態は昨年と同じですから、多分コンディションが良くなかったのでしょう。 

下に、MMANAによる指向性データを示します。

160mv5data

既存のDPやスカイドア、ヘンテナのワイヤーを一度MTUから切り離し、これを互いにショートした上で、地面まで引き降ろすという作業はかなり面倒です。 次の日の朝、ハイバンドのコンテストが朝8時から始まりますので、雨の中、この切り替えを元に戻す作業をしましたが、かなり手こずりました。 暖かくなったら、このワイヤーの切り替えをスイッチで行えるように切り替え器を設置する事にします。 

INDEXに戻る

2015年1月26日 (月)

160m用ロングワイヤー4

<カテゴリ:アンテナ>

全長40mのロングワイヤーは、その絶対利得が+1.47dBiと実験したアンテナの中では唯一プラスのゲインになりましたが、垂直面内の指向性がほとんど真上に集中し、近隣の局のSは強烈に上昇しましたが、DXの信号はほとんど聞こえない状態でした。 2015年CQWW 160mコンテストの2日目、ゲインはかなりダウンしますが、打ち合上げ角が31度くらいになるT型ロングワイヤーに変えて、再度トライする事にしました。

160m13t9drw

マッチングBOXの中のローディングコイルのタップ位置を選択して1.817MHzに共振させ、トランスの巻き数比を9:5とした時、 最少SWRは1.05くらいでバンド内は1.4以下に収まっています。 アンテナの推定インピーダンスは15Ωくらいです。

ゲインは-6.14dBiとかなり落ちましたが、打ち上げ角は31度となり一応DXも可能な状態になりました。  夕方になるのを待って、ワッチすると、ハワイがQSBを伴いながら599で聞こえます。QSBのピークを見計らって、コールすると「PDP?」と返ってきましたので、数回コールしましたが、結局交信不成立。 その後ワッチを続けると、アリゾナが+10dBくらいで入感します。 ただし、コールしてもQSOは出来ません。 

結果的に、2日目の晩もサハリンと交信できただけでしたが、少なくとも前日のフルサイズLWよりDX向きである事は判りました。 先端がシャックと同じ高さで、我が家の屋根より低いというアンテナでは、DXは無理と諦めることにしました。 このコンテストはJA同志のQSOも得点になりますので、CQ TESTを出すと、ちゃんと呼ばれます。 国内にはそこそこ飛んでいるようです。

160m13t9mmana

垂直面の指向性は良さそうですが、地上高が低いのがやはり致命傷ですかね。

次の日の月曜日、雨の中、アンテナの撤去を行いましたが、再度使用する事はないでしょう。

次に160mバンドにQRVする時は、160m用ロングワイヤー(LW) 1で紹介したスカイドアエレメントを使用した屋根より高いアンテナに再挑戦します。 前回は出力で共振周波数が変わるという問題で投げ出しましたが、対策を考えて再トライです。

160m垂直アンテナ へ続く。

INDEXに戻る

2015年1月24日 (土)

160m用ロングワイヤー3

<カテゴリ:アンテナ>

全長が26mのロングワイヤー(実際はショートワイヤーの呼び名に等しい)は、その高さの割にしては良く飛んでくれました。  しかし、臨時に仮設する条件であれば、最長50mのロングワイヤーを展開できる場所が有りながら、電線の重さの為、張る事が出来ず、26mで妥協していた状態でした。  最近、直径1mmのステンレスワイヤーを市場価格の半額近くで入手できましたので、1.8MHz用フルサイズロングワイヤーにトライしました。

160mlw3

相変わらず、高さは最高8mくらいしか取れませんが、全長50mのワイヤーを用意して、とりあえず張ってみましたら、アンテナの共振周波数は1.6MHz以下となっていましたので、そこからせっせと、ワイヤーをカットし、10mくらいカットしたところで1,817MHzに共振させる事に成功しました。実際のワイヤーの長さは測っていませんので、約40mくらいとしか言いようが有りません。 アンテナアナライザーで確認すると、共振周波数でのインピーダンスは48Ωくらいです。 インピーダンスが高いのはステンレスワイヤーの直流抵抗成分の性かも知れません。なぜなら、40m長のステンレスワイヤーのDC抵抗は60Ωくらいありましたので。 このDC抵抗が原因していると思いますが、アンテナの帯域が従来のアンテナに比べ大幅に広くなっています。アンテナのQがかなり小さくなった為と思われます。 

160mtrns

この状態で直列に1800PFのコンデンサを挿入すると、1.910Mhz付近で同調します。この短縮コンデンサはMMANAで計算しても1800PFと算出されていました。 調整の為、1700PFくらいのセラミックコンデンサに150PFのバリコンをパラ付けして微調整できるようにしてあります。

Qが下がっても、従来のアンテナ以上に飛ぶなら、成功と思いますので、さっそく、アンテナを仮設した晩に1.9MHzでCQを出してみました。 とりあえず5局と交信できましたが双方とも受信状態はあまり良くなかった様でした。

やはり、全長のDC抵抗が60Ωというのは、ダミー抵抗をドライブしているのに等しいと思われます。 

160madj

せっかく入手したステンレスワイヤーでしたが、アンテナワイヤーとしては無理と判りましたので、LANケーブルから取り出した、AWG24のワイヤーに取り替える事にしました。 約7mのLANケーブルがジャンク箱の中にありましたので、この外被をさき、かつツイストされた4組のワイヤーを気長にほどき、全部継ぎ足すと56m近くになりました。 このワイヤーを30mにカットし、12mの1.25SQ KIV線を継ぎ足すと、DC抵抗は3Ωになりした。  このワイヤーを池の上に展開し、1.817MHzに同調するように長さを調整した結果、インピーダンスは、アンテナアナライザーで18Ωと測定されましたので、送信機からの同軸ケーブルを10番タップに接続し、6番タップからアンテナへ接続しました。 SWRは1.05以下です。 1.8MHz帯のバンド全体でSWR1.2以下とかなり広帯域です。  LANケーブル用のワイヤーはその被覆が非常に薄く、同じAWG24でもUL1007タイプよりはるかに軽量です。被覆材料はPE(ポリエチレン)ですから高周波特性も良好です。

このアンテナはコンテストの時だけ臨時に仮設して使用するものですから、架設する度に、共振周波数がすこしアップ、ダウンします。 この微調整用として、整合BOXのすぐ近くでワイヤーを約70cmくらい折り返して束ねて置きます。 共振周波数がずれたとき、この束ねた部分を長くしたり短くしたりして、調整し、いちいちワイヤーをカットしなくて済むようにしてあります。

下に、MMANAでシュミレーションした、水平面、垂直面の指向特性を示します。 シュミレーションでは深さ5mの池の地形は想定されていませんので、これより打ち上げ角が低い事を期待したのですが、実際は期待外れでした。

このアンテナを2015年CQWW 160mコンテストで試してみました。 5エリアの局が+70dBくらいで入感します。韓国も+30dBくらいで入感しますが、いつも+40dBで聞こえるサハリンの局は+20dBくらいです。 +20dBで入感する局とは交信できましたが、それ以下のSの局を呼んでも、CQのコールが一瞬とぎれるだけで、QRZすら返ってきません。 まあ、これが普通ですから、送信能力は諦められますが、HLの局と交信している7や8エリアの局すらあまり良く聞こえません。 どうやら、打ち上げ角がシュミレーション以上に真上へ出てしまったようです。

160mmmana

結局、このアンテナは1晩で不合格の判定を行い、どう改善するか思案しておりましたら、飼い猫が走り回り、マッチングBOXを引きずった為、ワイヤーが切れてしまいました。 猫の遊び場に設置したのがいけなかったと反省しながら、午前中に撤去しました。 

160m用ロングワイヤー4 に続く

INDEXに戻る

2014年4月28日 (月)

144MHz用Jポールアンテナ

<カテゴリ:アンテナ>

アースのいらないベランダ用の垂直アンテナ、通称「Jポール」を紹介します。 普通のGPはラジアル部分が横にはみ出し、ベランダでは、これが以外と邪魔になりますが、釣竿か、物干し竿を垂直に立てた1本の竿にしか見えず、アースが不要で、設置が非常に簡単で、かつ、2段GPくらいの性能が得られるものです。

アルミパイプを使った本格的なアンテナではなく、グラスファイバー製の釣竿に導体となる1mmの銅線を添わせ、ビニールテープで巻いて固定したかなりいい加減なアンテナです。 

2mjp2

2mjp_2 

 左上が構造図、右上がMMANAによるシュミレーションデータです。

グラスファイバー釣竿を2段つないで2mのポールにした後、直径1mmの裸銅線を図のようにポールに添わせ、適当な間隔でビニールテープを巻き、固定します。給電は同軸ケーブルを直接ハンダ付けしますが、このハンダ付けの位置でインピーダンスが変わりますので、最初に、シュミレーションした寸法のままでハンダ付けし、SWR計かアンテナアナライザーを見ながら、145MHz、50Ωに合わせこみます。

149.2cmの長さを2cm長くすると約500KHz周波数が下がり、インピーダンスは約10%ダウンします。また給電部の3.3cmの所を5mm高くすると、インピーダンスが30%アップし、かつ約250KHz周波数が高くなります。 このふたつのパラメーターを頭に入れて調整するわけですが、電卓とメモ用紙を持っていても結構疲れます。 エレメントの調整はニッパでカットする方が簡単ですから、最初は少し長めにエレメントを作りますが、5cmも長くすると、もうどうなっているのかさっぱり分からなくなってしまいますので、シュミレーションで得た長さのままで作り、周波数が高すぎた場合、銅線ですから簡単にハンダ付けで延長した方が楽です。

2mjp3_3

最初は、少し長めで作った為、結局調整の方向性が判らず、3回くらい銅線の交換を行いました。次回作る時は以下の手順で行うときっとうまくいくと思います。

・MMANAのシュミレーション通りの寸法で作る。

・アンテナアナライザーで共振周波数と、共振状態のインピーダンスを知る。 インピーダンスは50Ωより高いか低いかだけをメモする。

・前述の法則をベースに145MHzでSWR1.0に追い込む。 ただし、インピーダンスは同軸ケーブルの長さにより増減が逆転する事もあるので、もし、前述の法則と逆に変化する場合、それに従う事。

今回は980円の4.5m釣竿で作りましたが、直径の異なる竿の場合、給電部分の2本の垂直銅線の幅1.2cmの部分が多分異なってくるはずです。この異なった寸法の場合、再度MMANAでシュミレーションする必要がありそうですが、どうせシュミレーションしても、現物とは合致しませんので、似たような寸法で作って、共振周波数とインピーダンスを先に把握する方が手っ取りばやいと思われます。 

このクリチカルな調整をやっても、アンテナにポールを継ぎ足し持ち上げると、SWRも共振周波数もずれてしまいますので、ずれの程度をあらかじめ確認しておき、その分だけずらして調整する事がコツです。共振周波数がバンド内にあるならSWR計だけでも判りますが、SWR最低周波数がバンド外に有る場合はアンテナアナライザーが有ると便利です。

自作してから、すでに5年経過していますので、銅線は真っ黒、ハンダは真っ白、テープははげかかっていますが、台風時も倒れずに初期の性能を維持しています。 銅線の固定の為に、1巻33円のビニールテープを使ったので、雨の時、SWRが悪化するのを心配しましたが、変化はあるものの、気になるレベルでは有りませんでした。

このアンテナは、ローカル交信が主目的ですが、10Wの出力で半径100KmくらいはOKなので、コンテスト時、マルチ獲得の為、重宝しています。このアンテナ作成のとき未使用になった先の細い竿は430MHz用の垂直ダイポールに流用されました。

---------------------------------------------------------------

2014年10月

Jp1410_2

この2m用アンテナの同軸ケーブルに3.5MHzのコモンモード電流が流れ、時々火災報知器が誤動作するという問題がありましたので、同軸ケーブルの途中に3.5MHzでも十分効果のあるコモンモードフィルターをいれました。 火災報知器の誤動作は無くなりましたが、2mで、ある特定の方向にヌルポイントが生じ、その方向がちょうどいつも交信するローカル局と重なり、今までS9であった信号がS1以下になってしましました。

この2m用Jポールから2.5m離れたところにHF用のスカイドアアンテナが有り、このスカイドアの一方のエレメントが、2m用Jポールに最接近したときこのヌルポイントが発生するようです。 最接近した時の距離は1.2mしかありません。 数か月間、2mで交信する際、スカイドアのエレメントを、Jポールから一番遠くなるように回転させていましたが、そのうち面倒になり、現在と反対側にあるベランダに、2m用Jポールを新設する事にしました。 この新しいJポールとHFのスカイドアアンテナは、8mくらい離れましたので、ヌルポイントは解消されました。 新旧ふたつのJポールを1週間くらい併用し、新Jポールが旧Jポールより受信感度が良いという事が判りましたので、旧Jポールは撤去されました。

なお、この新Jポールを作るに当たり、ポールは4.5m長の釣竿をそのまま使いました。 ポールの直径が小さくなりましたが、当初のシュミレーション通りの寸法のままで作ったら142MHz付近で共振していましたので、50.7cmの部分の上部を約8mmカットしたら、ちょうど145MHzに共振するようになりました。共振状態でのSWRは1.1くらいでしたので、これ以上トリミングする事はやめました。

このアンテナは防水していないので、雨が降るとSWR3くらいまで悪化しますが、トランシーバーにプロテクトがかからないので、そのまま使っています。

INDEXに戻る

続きを読む »

2014年4月25日 (金)

160m用ロングワイヤー(LW) 2

<カテゴリ:アンテナ>

既存の7メガ用垂直ダイポールやスカイドアのエレメントを共用した160m用LWは、出力により共振周波数が変化すると言うトラブルに遭遇し、解決策が見いだせませんでした。(パワーでSWRが変わる 参照) 仕方なく、これらの既存アンテナから数メーター離した所に独立したLWを臨時に設置し、コンテストの時だけ使う方法に変更しました。

LWの形態は8mの釣竿に電線を添わせ、そのてっぺんから18mのビニール線を2mの高さまで引き降ろしたもので、全長は26mになります。このエレメントが1.910で共振するように、ローディングコイルを調整した結果、給電点のインピーダンスは前回のアンテナよりかなり下がり12.5Ω付近になってしまいました。 整合トランスは10個目のタップに同軸を繋ぎ、5個目のタップからローディングコイルを経由してアンテナに接続されます。

160mlwtrans

160mlwbox

160mlwpole_2

8mの釣竿に沿った垂直部分のワイヤーは1.25SQのKIV線ですが、水平方向のワイヤーはUL1007タイプのAWG24サイズです。 この水平部分のワイヤーは自重の為、直線に引っ張る事ができず、10mくらいの部分で地上高3mくらいまで落ちています。 ただ、このワイヤーの下は即地面ではなく、深さ5mの水の無い池となっている事から、ワイヤーから実際の地面までは8mくらいはあります。これがどのように影響するのかは、やってみないと判らない状態です。 このアンテナを仮設してある場所は、全長40mのLWも実験できる広さがありますが、支柱が釣竿であることから、ワイヤーの重さに制限があり、軽量ワイヤーが手に入るまでは、この長さで実験する事にします。

アンテナアナライザーで、このアンテナの共振周波数を1.910MHz、SWR1.05に調整した後、実際に60W出力してSWRをチェックしても、SWR最少周波数は1.910MHzぴったりで、SWRも1.05以下となり、ずれは有りません。また、シュミレーション上のゲインも-2dBiくらいになっており、前回のLWと同等です。  ただし、前回のアンテナの打ち上げ角は30度くらいで、曲りなりにもDXは狙える状態でしたが、今回のアンテナは、高さが低くなり、かつ水平部分が増えた為、MMANAでのシュミレーションでは真上方向のヌルポイントがなくなり、かなり輻射するようになってしまいました。 多分、国内QSOしかできないと思われますが、やむなしです。

とりあえず、仮設した晩に2局と交信できましたが、2,3エリアでした。 また、従来S7くらいであったノイズがS9まで上がってしまいました。 そうこうしている内に、夏になり160mバンドの出番はなくなってしまいました。 そして、かなり時間がたった2014年CQ WWコンテストで使ってみました。最長距離はハバロスクの約2500Kmでした。 サハリンが+40dBで聞こえます。 また、CQを出しているJA局はのきなみ+40dBで聞こえます。 このコンテストでのJA局同士の交信は無得点ですから、交信しておりませんが、多分国内交信は問題ないと思われます。

MMANAでシュミレーションした結果は、水平面の指向性はいびつですが、垂直面は真上ではなく、多少打ち上げ角が下がっているようです。これが2500Kmをカバーした理由かもしれません。 ちなみにハバロスクの方向は下の水平面指向性のマイナスY(下向き)方向でした。 

160m25mmana

もう少し改善したく、全長40mのLWにトライしました。

160m用ロングワイヤー3に続く。

INDEXに戻る

続きを読む »

2014年4月21日 (月)

パワーでSWRが変わる (出力を上げるとSWRも上がる)

<カテゴリ:アンテナ>

その1

今までの160m用のアンテナは、HF用スカイドアループをエレメントとした、つぎはぎエレメントを使用し、このつぎはぎの部分にはギボシ端子を多用していました。

アンテナアナライザーでSWR1.1以下に調整した後、実際の送信機とSWR計で確認すると、共振周波数が大きくずれます。また、出力を1W、10W、40Wと変化させても、SWR値が変わります。 アンテナアナライザーとの差は良くあることなのですが、出力10WでSWR1.1に調整した後、出力を60Wまで上げると、SWRが2くらいまで跳ね上がります。出力を10Wまで下げると、またSWR1.1に戻ります。 この原因は最初、マッチングトランスのフェライトコアの問題かも知れないと、SWRが悪化するのは我慢して、トランスを外してみました。少しは改善しますが、ほとんど同じという状況でした。

ギボシ端子は電流により接触抵抗が変わりやすいという情報を以前聞いていた事もあり、試しにギボシ端子を2~3回抜き差しして、再度SWRをチェックすると、SWR値と最低SWRになる周波数が変化します。単純な抜き差しで状態が変わるような不安定な接続状態になっている事は事実のようです。

そこで、このギボシ端子を全て廃止し、つぎはぎすべき場所が2か所のみになるよう、その他の接続部分はハンダ付けに変えてやりました。 そして、2か所の接続部分は丸端子とY端子をハンダ付けし、これをステンレスのビス、ナットで締め上げる構造にすると、アンテナアナライザーと10W出力の時のSWR差はかなり改善しましたが、10W時、SWRが1.1になるように再調整した後、60W出力で確認すると、依然としてSWRは2くらいです。

Giboshi

Nutt

左上は切り取ったギボシ端子。右上はビスナットに変更した接続部分。 なお、ギボシ端子の影響を確認できたのは、160mバンドのみで、80mバンド以上では影響なしでした。

10Wでは依然、SWR1.1ですから、まだ、高周波電圧の大きさで、共振周波数やSWRが変化する要因が隠れているようです。 整合回路のアース接続や、コイルのタップ切り替えにミノムシクリップを使っていますので、これが原因かも知れません。そこで、ミノムシクリップをハンダやナットによる締め付けなどの接続に変えてみましたが、あまり改善効果はありません。

この接続状態で、使っていない、7メガ用垂直エレメントの共振周波数をMTUで可変してやると、160mのアンテナの共振周波数が変わります。  普通、近接している他のバンドのエレメントとの干渉は有ります。しかし、干渉が送信出力で変化するのはあまり聞いた事がありません。そこで、160mのアンテナエレメントとして使っているHF用スカイドアのループを切り離し、短くなったエレメントが1.8MHzに同調するようローディングコイルを調整してやると、出力によって変化するSWRがかなり改善しました。60Wでも1.2以下です。 スカイドア用の同調フィーダーと7MHz用エレメントとの距離は5mmくらいで、この間の絶縁はポリ塩化ビニール(PVC)です。一応、専門書を読んでもPVCは10MHz以下なら使用可能となっていますが、この判定はPVCのtanδの変化からのみの判断であり、高周波の高電圧が加わると、誘電率が変わるのかも知れません。 そこで、LCRの共振回路を作り、このCの絶縁材料をPVCにして、出力で共振周波数が変わるかテストしてみました。出力を大きくするに従い、共振周波数は下がりますが、その差は1.8MHzで5KHzくらいで、内訳は1mWと1Wの差が4KHzで1Wと60Wの差は1KHzでした。1mWはアンテナアナライザーによるドライブですから、浮遊容量などが影響している可能性が大きいので、1Wと60Wの差だけが事実かもしれません。しかし、実際は1Wと60Wで10KHz以上のずれが発生していますので、これだけでは説明できません。

結局、原因は判らず、160m用ロングワイヤー(LW) 2に紹介の様に160m用の専用エレメントを6メーターくらい離して設置する事で解決しました。

後日、この真の原因が判りました。 その2の例でも説明していますが、絶縁ワイヤーの耐電圧の問題でした。 ビニール被覆の耐電圧以上の高周波電圧が加わると、そこでリークが発生し、電気定数が変わってしまうのが原因です。 しかも、この高周波耐電圧値は通常公表されていなく、かつ、継時変化により劣化する速度がかなり早く、屋外では1年もしない内にパワーでSWRが変化するような現象が発生するようです。

その2

1本のグラスファイバーポールにHF用スカイドアと6m用ヘンテナを架設し、それぞれ、約4mの長さの平行フィーダーで垂直に降ろし、別々のアンテナチューナーに接続していました。 この平行フィーダーの途中は束ねられ、風でフラフラしないようマストにしばりつけてありました。 建設してから2年が過ぎたころから、21MHzでパワーによりSWRが変わるという現象が出始めました。 

Multifeeder

具体的には、アンテナの4m下に置いてあるMTUのTX端子側で、アンテナアナライザーを使い、SWR1.1以下になるよう調整した後、実際に10Wの出力を出し、SWR計で測るとSWRが2付近になってしまいます。 そこで、10WのときSWRが1.1以下になるように再調整した後、アンテナアナライザ-で測るとSWRが2を超えます。 数か月悩んでいましたが、別件で6mの平行フィーダーを外したところ、このパワーでSWRが変わるという現象が起こらなくなりました。 HFと6mの平行フィーダーの結合状態がパワーで変わるという160m用アンテナのときと同じ原因でした。 建設当初からこの平行フィーダーの架設状態はあまり変化はないので、原因はワイヤーの塩化ビニールの被覆が劣化して、耐電圧が極端に劣化し、高周波電圧がこの限界を超えると絶縁破壊を起こすのが原因のようです。

対策は、左の写真のように、ふたつの平行フィーダーをマストを挟んで、MTUまで引き降ろす事にしました。 この対策で、完璧ではありませんが、10W出力でもアンテナアナライザ-でもSWR1.2以下に収まります。  恒久的には、他の方法を考えねばなりません。

送信機のパワーでSWRが大きく変わるような現象が発見されましたら、普通は最初にフェライトコアを疑いますが、ギボシ端子もかなり悪さするようです。さらに他のエレメントと極小間隔で接近している場合も互いに影響を与えるようです。同じような問題でお困りの時、参考にしていただけたら幸いです。

INDEXに戻る

続きを読む »

2014年1月23日 (木)

160m用ロングワイヤー(LW) 1

<カテゴリ:アンテナ>

ペットボトルにコイルを巻いた6m高の超短縮ホイップアンテナは、国内QSOに限れば、そのサイズ以上の成果を出してくれましたが、DX交信には無理があるようです。  MMANAによるシュミレーションでは-15.6dBiくらいのゲインでしたので、100Wの送信でも、実際は3W分くらいしか輻射されていなかったのが最大の原因のようです。

せめて6000Kmくらいの距離まで交信できるようなアンテナをMMANAを使い検討していましたら、現用の7MHz用垂直ダイポールを接地型垂直アンテナにすれば、まだマイナスゲインですが、そこそこのゲインが得られる事が判りました。 ただ、現在の垂直ダイポールをそのまま使うと全長18mくらいしかない事と、ワイヤーの張り替えがかなり面倒です。そこで、7MHz用垂直ダイポールの上部エレメントをベランダの位置で切り離し、これに新たにワイヤーを継ぎ足し、例の金網のところまで、引き降ろし、この接地部分にローディングコイルとマッチングトランスを挿入した、ロングワイヤーなのかホイップなのか判らないようなアンテナで実験する事にしました。

160mboxロングワイヤーの全長は25mくらいになり、ローディングコイルは1.9MHzで約22uHくらいになりました。この状態での給電インピーダンスをアンテナアナライザーで測定したところ、35Ωくらいでしたので、トランスで整合させることにしました。

トランスは、FT-240#43のコアに、ふた束の10本のより線を12回巻き、このふた束のコイルをパラ接続した上で、10組になったコイルをすべてシリーズに接続したもので、1.9MHzで計算通りのインピーダンス変換ができる事を確かめてあります。  巻線のサイズがAWG28でしたので、導体抵抗を小さくする目的でふた束のより線を使いましたが、 後日、インピーダンス変換トランスの実験をしましたら、コイルをパラレルで接続したトランスは広帯域性が改善される事が判りました。1組のコイルより2組のコイルを並列接続したトランスが、より正確なインピーダンス変換比を確保できるようなので、ひとり悦に入っていました。

このトランスの7個目のタップに同軸ケーブルを接続し、アンテナを6個目のタップに接続してやると、約37Ωへ変換出来ます。実際にSWRを測定すると、アンテナ共振周波数で、SWR1.05くらいになっていました。   

ローディングコイルは、以前、アンテナチューナー検討用に作成したものを流用しました。 VU40の塩ビパイプに1mmの銅線を約0.8mmのスペースで45回巻いたもので、約45uHのインダクタンスとなっていました。 7MHzでのQは230、3.5MHzで137有りましたので、1.9MHzでも74以上は有ると思われます。 もし、Q=120のコイルならゲインが1dBくらい改善しますが、とりあえずの実験はこのQで我慢する事にしました。 このコイルのセンター付近に1ターンごとにタップを出し、ミノムシクリップでタップを選ぶ事により1.8MHzへの切り替えも行えるようにしてあります。

160mbox_1160mbox_2_2 
DX交信の前に、1.9MHzに調整して、国内QSOにトライです。 受信のS/Nは6m高の短縮ホイップより悪い感じですが、送信すると、相手の受信状態は、かなり良いようなレポートでした。 残念ながら、今回のLWと前回のホイップをスイッチで切り替えるという事はできず、簡単比較ができていませんが、飛びはかなり改善されたようです。     交信できた局は8エリアから6エリアまでカバーしました。  MMANAでのシュミレーションでは、-2.6dBiとなっていますので、6m高ホイップより13dBもゲインがアップした事になっているようです。

2014年CQ WW 160mコンテストに参加してみました。結果は、期待通りにはいきませんでした。コンディションにもよると思われますが、交信できた最長距離はサイパンとマニラの約2500Kmでした。ベトナムが599で入感していましたが、呼んでも全く反応なし。1KWの局もかなり手こずっていましたので、コンディションは良くなかったのでしょう。

6m高ホイップでは+20dB以上で入感する局と交信成立していましたが、このLWでは+10dB以上で入感する局とは交信できても、それ以下のSの場合、かすりもしないというのが実態でした。

この160m用アンテナを使用すると、40m用の垂直ダイポールが使えなくなり、夜、80mや40m、30mバンドで交信する事ができません。コンテストの時など、困りますので、上部エレメントを40m用垂直ダイポールの上部エレメントから17mバンド用のスカイドアループに変更しました。スカイドアループが同調フィーダー経由でMTUにつながっていますので、MTUから切り離し、この同調フィーダーの根本をショートした上で、160m用下部エレメントにつなぐ事にしました。 MMANAによるシュミレーションでは、ゲインが約1dB改善します。 実際に整合させると、給電インピーダンスは50Ωちょうどとなり、帯域幅も少し向上しました。

まだ、実践回数は少ないですが、2014年の広島WASコンテストで試したところ、国内QSOながら、CQを出して呼ばれる側を経験できました。また、これにより、80mバンドで垂直アンテナが使えるようになり、80mではカリフォルニアから呼ばれるというラッキーもありました。

垂直面指向性は一応DX向きの形をしているようです。

160mskdmmana

その後、このアンテナを数回使いましたが、送信機の出力でアンテナの共振周波数がずれるという問題に遭遇しました。スカイドア用ループを使った場合、1mW時の共振周波数と60W時の共振周波数の差が約30KHzくらいあります。7メガ用垂直ダイポールのエレメントを使った場合でも20KHzくらになります。 パワーでSWRが変わるで紹介の通り接近したエレメントどうしの干渉具合が出力で変わるようです。アンテナアナライザーで調整しても、実際の送信状態では、共振周波数がずれてしまう訳ですから、その内、調整作業が面倒になり、この方式のアンテナは使わなくなりました。 代わりに、独立したLWを臨時に展開して使う方法に変更しました。

 160m用ロングワイヤー(LW) 2 に続く。

 INDEXに戻る

 

続きを読む »

2013年10月 6日 (日)

160m用短縮Whip(ホイップ)アンテナ 2

<カテゴリ:アンテナ>

ペットボトルが内側へ凹み、線間ショートが発生して使えなくなった短縮ホイップアンテナを再度作り直す事にしました。  今回のペットボトルは、特売していたキリンレモン用にしましたが、中身を飲み干して、ボトルのボディ強度をチェックすると、三ツ矢サイダーより弱い感じ。 

160mwp1_2 導線は、線間ショートが発生しにくい、1.5φのマグネットワイヤー(PEW線)を1Kg手配して、これを、ゆるみが出ない程度に軽く巻く事にしました。全巻き数は112ターンとし、下側から10ターンの所にタップを作っておきます。

160mwp3160mwp2 
これに上部エレメントとして、2mの1.25SQの銅線をつなぎますが、調整が簡単にできる様に、ミノムシクリップ付とし、クリップの移動で+/-20KHzくらいの可変が出来るようにしました。

このコイルを6.3mの釣竿にくくりつけて、竿を持ち上げると、結構竿がしなります。前回はアルミ線で、重さ200gでしたので、さほど感じませんでしたが、今回は600gと、かなり重くなってしまいました。 風のある日は要注意です。

下側のエレメントのクリップで、タップの部分をつかんでおき、アンテナアナライザーをつなぎ、1.910MHzで50Ωのインピーダンスになるようにコイルの巻き数と、上部エレメントをカット&トライします。  コイルの上端から30cmのヒゲを出し、これを長さ152cmまでカットした上部エレメントのクリップでつかみ、共振周波数を微調整します。 

この状態で。下側のエレメントをタップからコイルの端部へ移すと1.817MHzに同調するようにタップから下側のコイルの巻き数を調整しました。

調整完了した時点で、1.9MHz時のコイルの巻き数は99.7ターン。1.8MHz用に巻き足した部分は9.4ターンとなり、この状態でのSWRは1.910MHzで1.0、 1.817MHzで1.1くらいに収まっています。いずれの場合でもSWR1.5の幅は+/-2.5KHz程度でかなり狭いです。

 160mwp4_2アンテナアナライザーで調整完了したので、実際の送信機で確認してみました。 10W出力では、OKなのですが、出力を40Wまで上げると、SWRが2くらいまで跳ね上がります。 出力を20Wくらいまで下げると、SWRは次第に下がり、10Wのときと同等まで変化します。

このような変化は温度に関係します。しかも、パワーを上げたら、SWRが悪化し、下げれば良くなるというのは、どこかでパワーロスしている証拠です。 しかし、アンテナを倒し、コイルを握っても温度差は感じられません。 良く見ると、上部エレメントの先端部分より上の約10cmくらいの長さの釣竿が燃えてしまい短くなっていました。 ワイヤーの塩ビ被覆のこげ具合から、スパークが起こったと思われます。  対策案もすぐには出てこないので、とりあえず、ワイヤーの先端から5cmくらいのところで折り曲げ、先端と釣竿の間に隙間を確保しました。 この状態で再度送信テストを行うと、60W連続送信では、SWRが変化しなくなりました。

夜になるのを待って、まず受信性能の比較。 ちょうど7エリアの局がCQを出していましたので、7MHz用垂直ダイポールと比較しました。 垂直ダイポールではS7でしたが、この短縮ホイップではS9です。前回のアルミ線では、これほどの差は無かったような気がします。 他のエリアの局を聞き比べても、Sひとつ以上の差がある事は確かです。 先端が、シャックより低い位置にある短縮ホイップが、7MHz垂直ダイポール+NT-636の組み合わせより、良い事だけははっきりしました。

CQ局を呼んだり、CQを出したりして、 すでに3局とQSOでき、喜んでいると、通りがかりのドライバーが、わざわざ車を止めて、短縮ホイップを見ているという話が飛び込んできました。 まさか?と思い、CQを出しながら、窓を開け、アンテナを見ると、キーイングに同期してアンテナの先端に紫色の光が見え、時々火花が散っていました。 コロナ放電です。  出力が60Wくらいでは起こりませんが、100Wにすると発生します。 SWRは1.5以下ですが、フラフラしています。 昼間は、明るくて見えませんでしたが、40Wの出力で、この現象がより激しく起こっていたのでしょう。

160hpcorona2 

JA1AEA鈴木OM著「キュービカル・クワッド」の中に出てくる、キトーの4エレ八木が火花を散らすシーンを思い出してしまいました。 ここは、標高230m。 コイルのQが上がったのか? アースが良すぎるのか? とにかく、火花は散りますが、交信はできます。 さあ、どうしようか?    対策が必要です。

とりあえず、その晩は出力を絞って、交信する事にしました。  交信できたのは全部で7局。コロナ放電以外は、好結果でした。

160hpcorona3次の日の朝、この垂直ホイップを撤収し、まず、コロナ放電対策です。上部エレメントの先端に丸型端子をカシメ、先端に丸みを持たせました。市販のホイップアンテナの先端には飾りを兼ねて、キャップが付けられていますが、あれも、コロナ放電対策ですね。

このコロナ放電対策は有効に機能し、100WのCW送信でもSWRは安定しています。  やっと、フルパワーで運用出来るようになりました。

また、上部エレメントをミノムシクリップでくわえて長さを調整できるようにしていましたが、釣竿を立てたり、倒したりしている内に、外れる事が多く、ワイヤークリップタイプに変更しました。 ワイヤークリップのビスをプラスチックのノブ付に変えましたので、簡単にワイヤーの長さの変更が可能になりました。 この部分を1cmスライドさせると、周波数は約5KHz変わります。

160mhp10_2160mhp11_2 

暗くなってから、再度コロナ放電を確認しましたが、OKのようです。 この日の晩に交信できた局は8エリアから6エリアまで全9局。途中、従来の7MHz用垂直ダイポールに切り替えたりして比較しましたが、受信時の信号強度差がそのまま送信でも現れているようでした。 

後日、実際のアンテナとMMANAのシュミレーション状態を比較してみました。 残念ながら、一致しているとは言えませんでした。多分、コイルのインダクタンスとQがシュミレーションより大きいのではないかと思われます。また、ポールの高さを8m品に変えると、共振周波数やインピーダンスがずれますが、シュミレーション値との差が大きくなる事もわかりました。 多分、地上高が高くなった分、地面の影響より周囲の影響を強く受けるようになったと思われます。 MMANAでのシュミレーションはあくまでも、傾向を知る程度にしておくべきでしょう。


このアンテナの性能を確認するために、2013年のCQ WWコンテストに参加してみました。受信はモスクワ、北京、北米などがS9くらいで聞こえますが、応答しても、QRZすら返ってきませんでした。+20dBで入感していた、ソウルとサハリンと交信でき一応ポイントは計上できましたが、このホイップアンテナは1600Kmくらいが限界かも知れません。ちなみに、このバンドでCQを出しているJA局は、のきなみ+20~+40dBで入感していました。

送信能力を上げるには、QROするか、アンテナの効率アップしか方法はありません。QROは街の真ん中ですのであきらめ、効率アップが期待できるロングワイヤーアンテナを検討する事にします。

INDEXに戻る

2013年9月28日 (土)

160m用短縮Whip(ホイップ)アンテナ 1

<カテゴリ:アンテナ>

160mバンドで、S9のCQに応答しても、全く無視される事が多い、7MHz用垂直ダイポール+T型アンテナチューナーより、少しは応答率が上がるかも知れないという、移動用の超短縮型Whip(ホイップ)アンテナを実験しました。

160hoip6原型は、CQ誌で紹介されたり、インターネット上でも製作例が多い、大型コイルを使った全長6.3mのホイップアンテナです。 なぜ、アースが重要になるWhipを選んだかと言うと、家の敷地の隣に40m四方の調整池があり、その周りを金網の塀でしっかり取り囲んでいます。この金網の接地抵抗を以前ブリッジ法で測った事があり、正確では有りませんが、40Ω以下でした。 直流抵抗が40Ωでも全長160mの金網は大地に対して、大きな静電容量が期待できます。 この金網をアースとして使えば、FBなアンテナが出来そうですが、北側や西側には土手が有り、東側には我が家があり、唯一、南側だけが開けているという立地条件で、適当なアンテナの構想が無く利用していませんでした。

今回、移動用160mアンテナを実験するに際し、この金網をアースとして使えるかを含め実験する事にしました。

実験するのは、全長6.3mの釣竿に、ペットボトルに巻いたコイルを吊り下げた超短縮型ホイップアンテナです。  竿の先端は、7MHz用垂直ダイポールの給電点より低いというこのアンテナを、MMANAでシュミレーションし、そこそこの特性が得られましたので、実際に製作にかかりました。

コイルの導線は園芸用に安く売られているコーティングされた1.5φのアルミ線を使います。 また、ボビンは定番の三ツ矢サイダー用ペットボトルとしました。

160hoip1160hoip2 

コイルは、シュミレーションでは100ターンで検討しましたが、後でほどいて調整できるように巻けるだけ巻いた結果、117ターンになりました。

160hoip3

160hoip9_2このアンテナの特性はMMANAでのシュミレーションで以下のような要領で調整してゆけば良い事が判りました。

・ コイルのインダクタンスと上部エレメントの長さを調整し、希望の周波数に共振させますが、最初は、仮に巻いたコイルのままで、1.25SQのKIV線で2mくらいの長さのワイヤーを取り付け、希望周波数近くになるよう、少しづつカットします。この仮のコイルのままで、周波数を合わせ込むと、カットし過ぎになりますので、要領が判るまで、上部エレメントは何回か作り替える覚悟が必要です。

・ 小さいインダクタンスと長いワイヤーでも、大きいインダクタンスと短いワイヤーでも同じ共振周波数を得る事が出来ますが、上部エレメントを長くすると、共振時のインピーダンスが下がってきます。 共振状態でのインピーダンスをアンテナアナライザーでチェックする事により、コイルとワイヤーをどうすれば良いかすぐに判断が出来ます。 シュミレーション状態より多くの巻き数で作ってある場合、インピーダンスは50Ωより高めに出ますので、せっせと、コイルをほどく事になります。

・ 上部エレメントの直径を太くすると、共振周波数が下がります。コイルをほどきすぎた場合、共振時のインピーダンスをあまり変化させる事無く、周波数を下げる事ができます。 具体的には、1.25SQのワイヤーを3C2Vの芯線と外被をショートした同軸に変えると、ほどきすぎたコイルをそのまま使う事ができます。 長さと共振周波数の関係はかなりクリチカルで、ニッパで切断する場合、5mm間隔くらいで慎重に切断していきます。

・ コイルのQを上げると、インピーダンスが下がり、ゲインはアップします。高いQのコイルを使用できる場合、上部エレメントを短くして、コイルのインダクタンスを上げれば、整合できます。 もっと高さのあるポールを使える場合、下部エレメントを長くするだけで、ゲインは上がります。 しかし、よりゲインを上げたければ、コイルの位置を下の方へ下げ、最大ゲインにした状態で、20~30Ωになったインピーダンスに整合するトランスを使った方が良いみたいです。

・ コイルから下のエレメントはかなりブロードで、下側のエレメントを変更して、特性を調整するような事は無理です。 たるんだ、ワイヤーを地面に這わせてもあまり変化しませんでした。

・ コイルのインダクタンスを微調整する為に、良く使われる、アルミのショートリングを近づけると、共振周波数の変化以上にインピーダンスの変化が大きく、調整不能になりますので、コイルは面倒でも、ほどいたり、巻き足す方法でカットアンドトライします。

 初日は、SWR 1.0で、とりあえず1.817MHzに同調しておりましたので、次の日、1.910MHzに同調するよう、タップを設け、タップを切り替えながら、ふたつの周波数が使えるように、完成度を上げる事にしました。

ところが、いざ、確認すると、昨日まで、1.817MHzで50Ωであったのに、共振周波数が上へずれて、かつ、インピーダンスが、200Ωくらいになっており、当然SWRも4くらいを示します。半日かけて判った原因はコイルの線間ショートでした。使っている、アルミ線は表面がコーティングされ、一応テスターで当たる限り絶縁されていますが、UEW線みたいに絶縁強度のスペックがある訳もなく、ちょっとした擦り傷で絶縁が壊れ、ショートしてしまいます。

電線をUEWかPEWに変える事を考えましたが、うまくいくかどうかも判らないアンテナに数千円のマグネットワイヤーは無理と、100円ショップで入手した9号サイズのテグスを、線と線の間に巻き込むことにしました。

 

160hoip5160hoip4 

左は手芸用品売り場で見つけた100円のテグス。9号サイズ30mと書いてありましたが、実際は38mくらいありました。 右は、そのテグスをアルミ線の隙間に巻き込んだ状態。もともと、完全な密巻きではなかったので、横幅の広がりもなく線間距離を確保できるようになりました。

このアンテナの アースは2個のミノムシクリップで金網を挟む事にし、設置や撤去がすぐにできるようにしています。 また、1.8MHzと1.9MHzの切り替えは、コイルのタップをミノムシクリップでくわえる方法です。 1.910で約55Ωくらい、1.817で約45Ωくらいのインピーダンスになりました。  コイルの巻き数は1.9のとき100Tくらい、1.8のとき110Tくらいになりましたが、最後はカット&トライしましたので、正確には数えていません。 防水は考慮してませんので、雨が降ったら、多分使用できないでしょう。

160hoip7160hoip8 

夜になるのを待って、ワッチしてみました。3エリアからのCQが聞こえます。受信能力は7MHz用垂直ダイポールより少しS/Nが良いというレベルですが、送信すると、垂直ダイポールではQRZすら返ってこないのに、この短縮ホイップでは、コールバックがあり交信成立。 この日のコンディションはあまり良く有りませんでしたが、とりあえず、CQを出してみました。さらに2局ほどとQSOできました。

飛びという面では、7MHz用垂直ダイポールよりはるかに優秀です。

気を良くしてCQを出していると、突然、SWRが無限大になりました。外に出て、アンテナ直下のSWRを確認しましたが、同じく、無限大。アナライザーで確認すると、共振周波数が2.2MHzくらいまで上昇し、インピーダンスも200Ω以上になっています。線間ショートが起こった時の症状です。

160hoip10_2翌朝、釣竿を縮めて、コイルに手が届く位置にして、SWRを確認してみると、コイルがバラバラになりかけており、コイルにちょっと触れただけで、あっちこっちで線間ショートが起こっていました。この原因は、コイルとテグスをきつく締めすぎた為、ペットボトルが内側につぶれてしまったものでした。たぶん、巻線の途中で一部凹みが出来てしまい、それが、長時間の間に耐えられなくなり全体に広がり、つぶれてしまったのでしょう。

10分足らずの交信テストでしたが、国内交信なら、7MHz用垂直ダイポール+アンテナチューナーより可能性が大きい事が判りました。

これは、作り直しの価値があります。 また、三ツ矢サイダーを買いに行く事にします。

160m用短縮Whip(ホイップ)アンテナ 2 に続く。

INDEXに戻る

 

 

 

2013年7月13日 (土)

430MHz用垂直ダイポールアンテナ

<カテゴリ:アンテナ>

6m & Downコンテストに毎年参加していますが、過去430MHzバンドはON AIRした事はなく、6mと2mのみにON AIRしていました。理由は430のリグは有りますが、アンテナが無いので諦めていた訳です。

このコンテストが始まる当日の朝、なんとか簡単なものでも出来ないものかと、物置を物色すると、昔、衛星通信用のクロス八木に使ったNとBNCコネクターが加工された同軸ケーブルが見つかりました。ケーブルはごつい8D2Vタイプでしたので、これに2mくらいの3D2Vを継ぎ足してケーブルを確保。 一番簡単なアンテナはダイポールということで、MMANAでシュミレーションしながら、実現可能なアンテナサイズを検討することにしました。

最初は単純な1/2λの長さで最適寸法を求めましたが、少しゲインがあるかも知れないという、片方の長さが5/8λになるダイポールとマッチング用スタブの付いたものを検討しましたら、ゲインが10dBiを超えるものができる事がわかりました。

430vdp1_2 430vdp2_2

全体の長さを5/4λにしておき、スタブを22cmのオープンタイプとすると、スタブのほぼ中央から給電したとき、SWRが1.1以下に収まりそうです。MMANAでシュミレーションした通りの寸法でアンテナを組み立ててみました。

430vdp4_3 材料は、物置に有り余っているグラスファイバー釣竿の未使用ロッドです。細くて使いにくいとかの理由でかなり残っていましたので、これに直径1.2mmの銅線を添わせ、ビニールテープで固定します。ビニールテープは高周波特性が悪くロスが出るといいますが、それは高周波絶縁に使った時の話。空中に持ち上げたら、絶縁は空気がになう事になりますので、無関係になります。ただし、雨が降ると、ビニールテープも絶縁の一部をになうので良くないみたいですが。

430cdp3 MMANAのシュミレーションで得られた寸法通り作成した上で、スタブの部分は後で同軸ケーブルのハンダつけ箇所を移動させる必要から、かなりの部分にハンダメッキを施し、修正が簡単にできるようにしておきます。

プラスチックのまな板から切り出したクロスマウントを2個作成し、ロックタイでくくりつけると簡単にアンテナができあがりました。これを長さ3mの釣竿の先にくくりつけベランダに立てました。アンテナはかろうじて屋根から顔を出している状態です。

さっそく、アンテナアナライザーをつなぎ、調整です。ところが、なんと433MHzでSWR1.0付近になっていました。周波数を可変すると430MHzから436MHz付近までSWR1.3以下。

過去いくつもアンテナを作ってきましたが、シュミレーション通りの寸法で一発でOKになった事は一度もなく、今回は、もうラッキーという以前に驚いてしまいました。 実際の送信機と外付けSWR計でみてもSWRは1.0です。たまにはこういう事もあるのですね。

こうやって、朝8時過ぎくらいから始めたにわかアンテナ作りは約3時間で完了。

コンテストは夜9時からですから、誰か電波を出しているだろうかとワッチしますが、全く信号なし。最近はこのバンドは誰も出ていないみたい。次の日、日曜日、やっと3局とQSOでき、ナンバー交換も終わりました。 何も聞こえないのはアンテナの性ではと心配しましたが、一安心です。 一番遠い局は、5W出力で約100Km離れた坂出市でしたので、一応ちゃんと電波は飛んでいるようです。

当地はコンテスト時以外、ほとんどON AIRする局がなく、このアンテナもコンテスト終了と同時に物置へ。

430MHzのハンディ機を持って、ベランダからQSOを楽しみたい時など、使える簡単アンテナです。かなりいいかげんに作ってもすぐに使えます。

430ではなく7MHz用垂直ダイポール関連情報はこちらにあります。

INDEXに戻る

続きを読む »

2012年10月21日 (日)

7MHz用逆Vアンテナ(国内用)

<カテゴリ:アンテナ>

7メガ用逆Vアンテナと垂直ダイポールを比較しました。使用する目的により優越が異なります。両方設置したほうが良いという話です。

高さが十分に取れない為、下側のエレメントは折り返して設置した、かなりいい加減な7MHz用垂直ダイポールですが、給電方式を最適化するにつれ、打ち上げ角が下がり、国内QSOが非常にやりにくいアンテナになっていきました。と言って、すでに、7MHzで82、10MHzで100エンティティーもwork済みのこのアンテナを、元の状態に戻す気はありませんので、国内QSO用に打ち上げ角の高いアンテナが欲しくなってきました。 私の家は狭い敷地で7メガ用の水平ダイポールすら張れないところです。 そんな環境で給電点の高さが屋根より低く、家の壁に近接平行した逆Vアンテナなら、常設しない限り設置できそうです。MMANAでシュミレーションしながら、寸法を決め、国内コンテストのときだけ仮設する逆Vアンテナを使ってみました。

給電点の高さは7m。左右のエレメントは一方が8m、もう片方が12mのオフセット給電の逆Vで、両端は高さ1.8mくらいまで下ろしています。 長さがラフなのは、給電点のすぐ近くにMTUがあるので、適当で良いのです。

Mmanavdp_2 Mmanainv_2

左が垂直ダイポール、右は逆Vの垂直面指向性シュミレーションデータです。

MMANAによるシュミレーションでは、 真上方向のゲインは、 垂直ダイポールが-12.5dBiで有るのに対して、逆Vは+5.3dBiとなりその差は18dB近くも有ります。 両方のアンテナをスイッチで切り替え比較すると、4エリアや5エリアの局はTS-850のSメーターで最大で20dBくらいの差がついて逆Vが有利です。1エリアはどちらに切り替えてもあまり変らず、7エリア以遠は垂直ダイポールが有利というシュミレーション通りの結果が得られます。ただし、近隣以遠の局では、コンディションにより状態が逆転することもあります。  また、逆Vによる受信信号は、垂直ダイポールよりS/Nが良く、昔から、垂直系はノイズが多いと言われる通りに聞こえます。  これは、打ち上げ角に関係しているのでしょう。   昔、衛星通信を行ったとき、衛星が天頂になるほど、ノイズが減ったのを思い出しました。

送信もこの受信の差と同等の差があるようで、パイルを受けている4エリアや5エリアの局を垂直ダイポールで呼ぶと、パイルも終わってCQを出していた事もありましたが、逆Vで呼ぶと、一発で応答があり、その差は歴然です。

Ex40l

このフルサイズの逆Vのインピーダンス整合の為、TタイプのMTUを使っていますが、Tタイプの一方のバリコンは890PFの固定コンデンサにして、限りなくL型に近くなるようにしました。TLWによるシュミレーションではMTU内のロスが1%以下に収まっています。

アンテナは通常、いかに打ち上げ角を下げるかがひとつのポイントになりますが、事、国内QSOに限れば、いかに打ち上げ角を高くして、かつゲインを高くするかが勝負となります。アンテナは高ければ高いほど良いという説は国内QSOには通用しませんでした。MMANAでシュミレーションすると、地上高をどんどん低くするに従い、真上へのゲインはどんどん上がっていきます。地上高1mでゲインは10dBiを越えます。しかし、同時にインピーダンスもどんどん下がっていきます。インピーダンスが下がると、整合回路や、エレメント自身によるロスも増えますので、どこかに最適地上高がありそうです。どうも1/8λ付近の高さが一番良さそうだというのはシュミレーションで判りましたが、実際に1/8λの高さに張ったダイポールは、それほどの効果は出してくれませんでした。(隣の空き地に臨時に仮設したもので、実験終了後撤去) 地面の電気的特性や周囲の建物などが影響してシュミレーション通りにはいかないみたいです。 こういう事が判ってくると、また、次のコンテストまでに、なにがしか改良出来ないかと、課題が出てきました。 同時に垂直系アンテナは、国内QSO向けではないという事もはっきりしました。未交信のJCCやJCGは中国、四国地方に集中しているのがアンテナの特性を物語っています。

良く、初心者向けに、マルチバンド対応GPなどの宣伝を見かけますが、少なくとも垂直に設置したGPは国内QSOには向かず、例え同じ短縮率でも、地上高の低い水平系のアンテナの方が国内QSOは楽しめそうです。小型マルチバンドGPでDX QSOも出来ますよ!と言うのは間違いで、DX QSOしか出来ませんョ、と言うのが正しいのかも知れません。 しかし、アンテナの短縮率以上に効率がダウンし、DXも聞こえないというのが実態ですが。

この逆Vは、もっぱら、国内コンテストだけに使用しておりますが、沖縄から北海道までの距離なら、これ1本でも十分ですね。 ただし、常設しない条件で、設置していますので、コンテストの始まる前に展開し、終わったら、さっさと片付けしまいます。設営に10分、撤去は15分です。

比較しました、垂直ダイポールについては、カテゴリ「マルチバンドアンテナシステム」の中で紹介しています。

コンテストに使う臨時逆Vは、7MHzだけでなく、3.5MHz用も用意しています。   このフルサイズ逆Vも、片方が12m、もう一方が27mのオフセット給電で、給電点の高さは7mしかありませんが、7MHz用垂直ダイポールを、アンテナチューナーで強制同調させた時と、臨時逆Vとの真上方向のゲイン差は、MMANAとTLWのシュミレーションによると約26dBの差があります。実際にTS-930SのSメーターで確認すると、国内の信号は30dBくらいのレベル差がついて逆Vが有利です。 しかし、逆Vでは、DX信号は全く聞こえません。 

Ex80l 

このフルサイズ逆Vにも上のようなパイ型MTUを使用しています。このMTUも限りなくL型に近づけましたので、MTUの内部ロスは1.2%以下です。

一方、7MHz用垂直ダイポールをMTUで3.5MHzに強制同調させた場合、最近、DX信号が聞こえるようになりました。そして、初めてヨーロッパとも交信できました。 他のバンド用の同軸ケーブルやMTU、ローテーターのコントロールケーブルを整理した結果、3.5MHzの打ち上げ角が下がったみたいです。 しかし、まだシュミレーション通りの打ち上げ角にならない原因がありそうです。

アンテナから垂直に引き下ろした、同軸ケーブルは地中を通ってリグにつながるというのが理想のようですね。  しかし私のアンテナは地上高8m付近を水平に伸びていますので、せっせとコモンモードフィルターを追加するくらいが唯一の改善策です。 その介もあってか、垂直ダイポールによるDXCCのエンティティは

3.5MHzで34、 7MHzで94、 10MHzで108

まで増えました。(2017年12月)

 -

国内QSOを存分に楽しみたいなら、最大地上高7mくらいの逆Vが一番というのが私の結論です。 2016年になってから、7MHzのAMを始めましたが、出力18WのAM送信機で運用する時は、朝から臨時逆Vを仮設して楽しんでいます。 AMの周波数は夜になると、放送局の側波帯による混信で使えなくなりますので、夕方には逆Vを撤去しています、

 

INDEXに戻る

続きを読む »

2012年7月12日 (木)

Super Rad(スーパーラド)アンテナ

<カテゴリ:アンテナ>

Super Radアンテナの存在を知り、160mバンドでの可能性が有りそうということで、また実験を始めました。(実験は2010年5月~6月ごろ)

Sra

上の写真は左から製作した順番に、15m、17m、40mそれに80m用です。

それぞれ、この室内設置状態で交信できています。室内と言っても木造鉄骨の3階の部屋の窓際で地上高はすでに8mあります。 交信数は全23局、内訳は

  • 21MHz 6局
  • 18MHz 3局
  • 7MHz  10局
  • 3.5MHz 4局

全て国内交信。貰ったり送ったRSリポートは全て59か599。スーパーラドアンテナを検討しようと試作始めたのは、160m用のアンテナが無いので、それを実現しようと、簡単な21MHz用から製作を始めたものです。しかし、160m用を作る前に中止してしまいました。

現用のアンテナとの差を比較していくと

  • 21MHzでは、ワンエレループと比較。受信感度S2つの差。このバンドのみ相手からの受信レポートがあり、Sメーターの読みでS2つ差との事。こちらの送信出力を5Wにして、SRAではS7、ループではS9のレポートでした。
  • 18MHzでもワンエレループとの比較で受信感度S2つの差。
  • 7MHzは垂直ダイポールとの比較で、受信感度でS2つの差。
  • 3.5MHzも7MHz用垂直ダイポールとの比較で、受信感度でS2つの差。

Img_2560 室内は不利だろうと、7MHzだけですが、3階のベランダから2mのポールで持ち上げて、地上高10mを実現しましたが、期待とは裏腹にダイポールとS2つの差は変りませんでした。

S2つとは約12dBのことで、このゲインがそのまま送信にも当てはまります。 また、概設の7MHz用垂直ダイポールを3.5MHzで使った時と、仮設した3.5MHz用フルサイズ逆Vを比較すると、垂直ダイポールの方が10dBから26dBくらい感度が悪い事が判りました。

仮に感度は10dBしか悪化しないとしても、スーパーラドは3.5MHzで、22dBも感度のダウンが起こり、また送信電力のロスが起こると言う事になります。1.9MHzの場合、もっとロスが大きいと考えられます。

一方、7MHz用垂直ダイポールに1.8MHzをのせたMMANAでのシュミレーションでは、  -0.5dBi くらいのゲインになり、このアンテナをNT-636で整合させたときの整合回路のロスはTLWにて99.3%と計算されます。 この状態は、スパーラドと同等か、まだましな状態と想像できます。

これが諦めた理由でした。

このアンテナは旅行カバンの中から取り出した21MHz用アンテナを高層ホテルの窓際においたり、アパートのベランダや窓際に置いて、HFの交信を楽しむには最適と思います。Sふたつの差があろうが、このサイズで交信を楽しめるのは立派ですね。

いつか、もう少し小さくして、いつも持ち歩けるものを作るつもりです。

その後、160mバンドは、7MHzの垂直ダイポールで頑張ったのですが、まだ3エンティティー。内訳は台湾、小笠原、それに日本本土。 160m用のアンテナは未だに模索中です。

2017年9月

移動運用の為、7MHz用SRAを再製作中ですが、うまくいきません。 受信感度が、7MHz垂直ダイポールと比較して30dBくらいの差があります。 過去の写真からヒントを得ようと昔のCD-ROMを再生していましたら、当時のSRAの製作メモが見つかりました。 残念ながら、21と18MHz用だけで、7MHzや3.5MHz用は見つかりませんでした。 7MHz用の写真が数枚見つかりましたので、写真を基に、再度トライしています。 以下は最初に紹介した21Mhz、18MHz用SRAの緒元です。

Sra1518m_memo

INDEXに戻る