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2013年7月13日 (土)

430MHz用垂直ダイポールアンテナ

<カテゴリ:アンテナ>

6m & Downコンテストに毎年参加していますが、過去430MHzバンドはON AIRした事はなく、6mと2mのみにON AIRしていました。理由は430のリグは有りますが、アンテナが無いので諦めていた訳です。

このコンテストが始まる当日の朝、なんとか簡単なものでも出来ないものかと、物置を物色すると、昔、衛星通信用のクロス八木に使ったNとBNCコネクターが加工された同軸ケーブルが見つかりました。ケーブルはごつい8D2Vタイプでしたので、これに2mくらいの3D2Vを継ぎ足してケーブルを確保。 一番簡単なアンテナはダイポールということで、MMANAでシュミレーションしながら、実現可能なアンテナサイズを検討することにしました。

最初は単純な1/2λの長さで最適寸法を求めましたが、少しゲインがあるかも知れないという、片方の長さが5/8λになるダイポールとマッチング用スタブの付いたものを検討しましたら、ゲインが10dBiを超えるものができる事がわかりました。

430vdp1_2 430vdp2_2

全体の長さを5/4λにしておき、スタブを22cmのオープンタイプとすると、スタブのほぼ中央から給電したとき、SWRが1.1以下に収まりそうです。MMANAでシュミレーションした通りの寸法でアンテナを組み立ててみました。

430vdp4_3 材料は、物置に有り余っているグラスファイバー釣竿の未使用ロッドです。細くて使いにくいとかの理由でかなり残っていましたので、これに直径1.2mmの銅線を添わせ、ビニールテープで固定します。ビニールテープは高周波特性が悪くロスが出るといいますが、それは高周波絶縁に使った時の話。空中に持ち上げたら、絶縁は空気がになう事になりますので、無関係になります。ただし、雨が降ると、ビニールテープも絶縁の一部をになうので良くないみたいですが。

430cdp3 MMANAのシュミレーションで得られた寸法通り作成した上で、スタブの部分は後で同軸ケーブルのハンダつけ箇所を移動させる必要から、かなりの部分にハンダメッキを施し、修正が簡単にできるようにしておきます。

プラスチックのまな板から切り出したクロスマウントを2個作成し、ロックタイでくくりつけると簡単にアンテナができあがりました。これを長さ3mの釣竿の先にくくりつけベランダに立てました。アンテナはかろうじて屋根から顔を出している状態です。

さっそく、アンテナアナライザーをつなぎ、調整です。ところが、なんと433MHzでSWR1.0付近になっていました。周波数を可変すると430MHzから436MHz付近までSWR1.3以下。

過去いくつもアンテナを作ってきましたが、シュミレーション通りの寸法で一発でOKになった事は一度もなく、今回は、もうラッキーという以前に驚いてしまいました。 実際の送信機と外付けSWR計でみてもSWRは1.0です。たまにはこういう事もあるのですね。

こうやって、朝8時過ぎくらいから始めたにわかアンテナ作りは約3時間で完了。

コンテストは夜9時からですから、誰か電波を出しているだろうかとワッチしますが、全く信号なし。最近はこのバンドは誰も出ていないみたい。次の日、日曜日、やっと3局とQSOでき、ナンバー交換も終わりました。 何も聞こえないのはアンテナの性ではと心配しましたが、一安心です。 一番遠い局は、5W出力で約100Km離れた坂出市でしたので、一応ちゃんと電波は飛んでいるようです。

当地はコンテスト時以外、ほとんどON AIRする局がなく、このアンテナもコンテスト終了と同時に物置へ。

430MHzのハンディ機を持って、ベランダからQSOを楽しみたい時など、使える簡単アンテナです。かなりいいかげんに作ってもすぐに使えます。

430ではなく7MHz用垂直ダイポール関連情報はこちらにあります。

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