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2021年7月 6日 (火)

DC72V AC/DCコンバーター電源(リニアアンプ用)

 <カテゴリ 電源>

200Wのリニアアンプ用として、64V7Aくらいの電源が必要になりますが、アマゾンから購入した中国製のACDC電源3台をシリーズに使い、72V 8.9AのDC電源装置としてまとめました。

Acdcfrontlcd

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上の写真は、3台のACDCコンバーターを1台の電源装置にまとめた前後パネルの写真ですが、3台のACDCコンバーターは12V30A、24V20A、36V8.9Aの定格のもので、これらをシリーズに接続し、標準で72V8.9Aの定格容量になります。 3台のACDCコンバーターを縦に積み重ねたので、そのままでは、下や中間の電圧調整半固定抵抗を回す事ができません。そこで、積み重ねるとき、少しずつ後方へずらし、長いドライバーで調整出来るようにしてあります。 実際に、200Wリニアアンプを使用するときは、64Vに設定してあり、この時の最大電流は6A程度です。 個々のACDCコンバーターは定格出力の+/-15%くらいは可変できますので、12Vの電源を12.6Vの出力に設定し、24Vと36Vの電圧を調整して、64.4Vくらいになるように設定しています。 電源からのノイズですが、少なくとも、7MHz全バンド内では全く問題なしでした。

Acdcfrontinside

左は、この電源装置の前面パネルを外した状態で、各ACDCコンバーターについているファンの効果が失われないように間隔を確保して組み込んであります。

当初、電源のみで、その出力電圧や出力電流の表示は有りませんでしたが、使っている内に不便を感じましたので、12V、12+24V、12+24+36Vの3種類の電圧と、12V電源に流れる電流を表示させることにしました。表示は、プッシュSWを押すたびにL,M,Hと切り替わります。

電圧も電流も10bitのADコンバーターで読んでいますので、小数点以下1桁の最大3桁表示しかできませんが、目安にはなります。

この表示の為にaitendoで扱っていたACS712という電流センサーを使いました。 ホール素子を使った電流センサーでAC/DC両用ですが、今回はDCしか使いません。

DCで使用する場合、センサー電源が5Vなら、その1/2の2.5Vの時が、電流ゼロとなりますので、ソフト的に、何らかの対応が必要です。

取った対応は、電流がゼロの時の、センサー出力をADCで読み込み、これをEEPROMに記憶させ、電流が流れて、センサーの出力レベルが高くなると、この時の電圧から電流ゼロの時の電圧を引き算し、その値を実際の電流値に換算させる方法をとっています。

この為、プッシュSWを押したまま電源をONすると、キャリブレーションモードになり、電流ゼロの時のセンサー電圧をEEPROMにセーブできるようにしました。

電流、電圧計の回路図とPICマイコンのソフトは以下です。

配線図 IVmeter_01.pdfをダウンロード

マイコンのソフトウェア V_A_Meter_unit.cをダウンロード

 

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2021年1月26日 (火)

中国製 ACDCスィッチング電源の修理

Acdccomp

 リニアアンプ駆動用に24V20Aという中国製のACDCスィッチング電源を購入したのですが、使い始めて2日目に誤って出力をショートしてしまい、煙を出して壊れてしまいました。 この種の電源には通常保護機能が有り、ショートが発生すると、自動的に出力OFFになる物が多いのですが、価格が安いので、そこまで対応していないようです。

物は、アマゾンで見かける左の外観をしたACDCコンバーターです。 購入金額は3580円でしたので、修理しても、修理代が高いのではと、1か月以上放置してありました。

 

最近少し、暇になりましたので、修理できないものかと、分解してみる事にしました。

   

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中を開けてみると、ファンの近くに黒焦げのFETかTRか判らない石が2石並んでおり、半田付けされた基板も黒焦げなっていました。 完全にすすけた表面を拡大鏡を使って調べるとメーカー名は不明ですが「13009」という文字が読めます。「13009」をインターネットで検索すると、「BJT 13009」という文字が検索されました。 BJTとは、バイポーラジャンクショントランジスタの事で、一般に言うトランジスターの正式名称です。 通販情報を探すと、ONセミコン製でRSでも扱っています。 400V12Aという極普通のトランジスタですが、実装されていた石は中国ブランド品みたいで、パッケージがTO-247タイプです。 ONセミコン製はTO-3Pタイプで少し形状は異なりますが、実装は可能です。  価格は1石183円、ただしMOQ=5ですから、税と送料を入れると1500円くらいになります。 

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このTR以外に壊れた部品がないか調べていくと、「茶黒金」のカラーコードのある抵抗が無限大Ωを示します。 表示から0.1Ω、形状から1Wくらいの抵抗ですが、断線しているようです。 幸い、3Wですが0.1Ωの抵抗は手持ちしていましたので、少し大きいですが、これに交換します。 それ以外の抵抗やダイオードはOKのようです。

RSからTRが届きましたので、まず基板をKURE印の接点復活剤で清掃した後、TRと抵抗を交換し、放熱板に取り付けない状態で、かつ無負荷でAC100Vを通電してみました。 グリーンのLEDが点灯し、テスターで出力電圧を当たると、24V出ていました。

Acdcafter_1_2

無負荷試験はOKでしたので、元のケースに収めますが、オリジナルは、シリコンラバーだけでTRを止めていました。 この際、シリコンラバーの裏表にシリコングリスを塗り、密着性を改善した上で、ケースインしました。

最後にDC出力端子に10Ω 10Wのセメント抵抗を接続し、通電すると、確かに24Vの電圧があり、セメント抵抗がみるみる内に変色しますので、即ACプラグを抜きました。 この試験で2.4Aの負荷でもOKでしたので、修理完了したと判断しました。

この24Vの電源と12Vの電源を直列に接続し、送信機の電源として使います。 送信機には10Aのヒューズを入れてあります。

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2020年9月21日 (月)

リチウムイオン電池充電器(16.4V) & DCDC

 <カテゴリ 電源> [自作 14.8V]

移動運用用にdsPICを使ったSDR SSB/CW/AMトランシーバーを作りましたが、これを移動運用にて使用する為、リチウムイオン電池をベースとした、DC/DCコンバーターと充電器を作成しました。

リチウムイオン電池は、魚釣りの電動リールドライブ用の14.8V仕様で、数Aの供給能力があります。この電池のフル充電時の電圧は16.4Vあります。 トランシーバーは12V仕様ですので、16.4Vは高すぎます。 これを12Vに変換するDCDCコンバーターをくっつけます。 トランシーバーの消費電流は10W出力時4A、5W出力時2.8Aです。 このため、DCDCは3Aの定格の物を調達します。

Ilion_dcdc2

DCDCは秋月で扱っている5V 3Aのユニットに半固定抵抗を追加し、12V出力に変更しました。 このDCDCは3A定格ですが、3Aで電流制限がかかる訳ではなく、4Aくらいでプロテクタが動作する仕様になっており、短時間4A流しても12V付近の電圧をキープしています。

通常、市販のリグは、13.8Vの電源で定格出力が出るようになっていますが、今回の自作のリグは12.0Vにて、10Wとか、5Wが出るように設計しましたので、16Vから12Vまで4Vの電圧差を確保する事により、市販の安いDCDCを使う事ができました。

Ilion_charger1

一方、リチウムイオン電池の充電器も付属させています。 この電池の充電条件は、かなり厳しく、鉛蓄電池の充電のようにはいきません。 そして、この条件を満足させる為に、専用のICも存在します。 しかし、ほとんどが、4.1Vの1セル用の充電ICであり、とても16.4Vはカバーしません。 

そこで、定電流充電から定電圧充電と連続し、充電電流が終止電流となったら充電回路をOFFにする回路を作る事にしました。 上の基板が完成した充電回路です。 充電中は青色のLEDと赤色のLEDが点灯し、定電圧充電モードに入ると、赤色のLEDが消灯します。 そして、充電終止電流になると、青色LEDも消灯し、充電完了となります。

出来上がった、回路は、18Vから24Vくらいの出力の外部電源を接続すると、230mAの定電流で充電を開始し、電池両端の電圧が16.4Vになったら、定電圧充電に移り、次第に充電電流が下がり23mAを切ったら、そのレベルをLM311のコンパレーターで検出し、充電回路をOFFにし、過充電を防止します。  電池の外形サイズからして、定電流値としての230mAは少し小さいかもしれませんが、当分はこの値で使ってみて、異常がなければ、300mAくらいまでアップする事にします。

この回路は、最初の起動を行う為、電源投入初期に、Q1を0.5秒くらい強制的にONします。すると、230mAの充電電流が流れ始めて、充電開始状態になります。すでに充電完了状態なら、短時間の間に、自動的にOFFとなります。

電池、DCDCそれに充電回路を100円ショップで買った透明ケースに収め、移動運用時、リュックの中に詰め込めるようにしました。

Ilion_dcdc1

Ilion_dcdc3

 

移動運用の前に、ホームでこの電池パックのみで運用してみました。 モードはAMでしたが、高知の局と交信できました。 出力は4Wくらい出ていましたが、大きな電圧降下もなく大丈夫でした。

充電せずに2週間くらい、自作のトランシーバーでワッチしたり、時々送信していましたが、なかなか電圧が落ちません。受信時12.1Vくらい、5W出力時11.7Vくらいでした。 電池の放電状態を確認する為に、電池の電圧を測ると、12.8Vになっていました。 11V以下になると過放電状態です。 まだ少し余裕はありますが、ここで放電を停止しましたが、これに使っているDCDCコンバーターの入出力電位差は、受信状態(180mA)でも0.7Vしか有りません。 仕様書では、入出力電位差3V以上とありましたので、電池電圧が15Vを切ると、次第に出力電圧も下がると思っていましたが、そうはなりませんでした。 このままでは、過放電が起こっても判らないということなので、入出力の電位差が1.8V以下になると、白色のLEDが消灯するようにインジケーターを追加しました。

Oncharge0

Discharge0

充電電流も定電流値を300mAまでアップする為R11の1Ωをショートしました。

 

配線図 lion_dcdcchager.pdfをダウンロード

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2020年3月21日 (土)

DC48V リニア安定化電源の制作

 <カテゴリ 電源>

7MHz用、100Wリニアアンプの制作途中で、壊したFETは8個。 FET破壊の原因を突き止め、安定に動作するリニアアンプを完成させるには、電圧を自由に変えられるDC電源が、どうしても必要です。 そこで、このDC電源を試行錯誤しながら作る事にしました。

今回の目標仕様は、DC48V5Aの出力が確保できる電源で、出力100Wのリニアアンプに使えるものとします。 出力電圧は48V固定ではなく、5Vから48Vまで最大電流5Aを目標とします。

この電源を作る為に、半年くらい前に、AC400VをAC200Vにダウンする1KWクラスの絶縁型トランスをローカルのOMより、いただいていました。 このトランスを, 100VAC電源に接続すると、AC48Vくらいが出力されます。 これを、ブリッジダイオードで整流し、10mAくらいの負荷電流を流すと、67Vの直流電圧が得られます。 これを安定化電源回路で5Vから48Vまで可変できるようにします。 トランス容量は1KWですが、その時の2次側定格電流は、5Aです。 従い、100VのAC電源に接続した場合、2次側の電流はMax 5Aですから、250W相当のトランスとなります。

回路が簡単で、そこそこの特性が得られる安定化電源として、MOS-FETによる回路が候補にあがります。 MOS-FETによる安定化電源はAM送信機のサブ電源として試作した事がありましたが、この時は、AM送信機の内部に実装した為、7MHzのRF信号がレギュレーター回路に回り込み、送信した途端、煙を噴いて終わった経過があります。 今回は、送信機とは別の筐体であること。 RFフィルターを、これでもかと言うくらい挿入し、なんとか実用化しようと言うものです。

Dcpower0_2 上の回路が標準的なFETを利用した安定化電源になります。 最初D7とC12は有りませんでした。 その状態で、可変抵抗を回すと、4.8Vから66Vまで出力電圧を可変できます。 次にC12を追加しました。 C12は負荷回路に対して電源側の低周波インピーダンスを小さくすることが目的で、SSBのように音声信号の強弱により負荷電流が変化する場合、電源として必要条件になります。 そして、このC12を実装した状態で電源ONすると、一応安定化された電圧が出力されます。 次に、この電圧を可変すべく、出力電圧を小さくした途端、パチと音がして、FETから煙がでます。 そして、出力は67Vに。

FETがDSショートで壊れ、ついでにD4もショートモードで壊れてしまいました。 原因は、急激に出力電圧を下げようと可変抵抗を回した結果、Q1のコレクタ電圧は下がったものの、Q2のソース電圧は、C12の残留電荷により、電圧はほとんど落ちず、VGSmax -20Vを超えてしまい、Q2の破壊に至ります。 また、出力電圧と入力電圧差が20Vを超えた状態から、出力電圧を急に上げると、FETのVGS最大電圧を一瞬超えますので、FETが破壊します。 一方D4は電圧を最小にする為に、VRを回すと、出力電圧がシリーズ抵抗なしでQ1のベースに加わり、この時の過大電流により壊れてしまいます。 Q1が小信号用なら、Q1も同時に壊れる事になります。

インターネットで保護対策を検索すると、FETのVGS対策として、D7を追加する事が判りました。 D4の対策は、出力電圧を最小にした場合でも、Q1のベースにシリーズに電流制限抵抗を入れる事と、C12が早く放電するように、放電抵抗R7を可能な限り小さくする事のようです。 

以上の対策を実施した回路が下になります。書き換えた為、REF No.が異なります。

Dcpower1 FETは秋月で2石で300円というPd 100W品を、D7は3.3V 0.5W品を使います。 D7の許容電流は150mAくらいですので、問題ないと思います。 D5,D6に1WクラスのZDを使おうとしましたが、FETのゲート、ソース間に保護ダイオードを内蔵している事が判りましたので、このダイオードは不要になります。 また、C12の放電抵抗は、500Ω 25W品にします。48V時、常時96mA流れますが、放電は早くなるはずです。

レギュレーター出力部に、10Aコモンモードタイプのラインフィルターを、また、レギュレーターの入力部にも、6Aクラスのコモンモードフィルターを入れます。

これらの部品を秋月やモノタロウへ発注しましたので、届き次第組み立てる事にします。

Avr48_0

部品が届きましたので、左の写真のごとく、旧50MHz AM送信機のシャーシへ組み込みました。 検討の途中なので、あっちこっちで空中配線がありますが、問題点がすべて解決した暁には、きれいに配線し直します。

まず、FETが発振しました。 セオリー通りFETソースからQ1のベースに1000PFを追加してあったのですが、効果なしでした。 そこで、FETのソースから、ゲートの1KΩのコモン部分に最短経路で103Zを追加したら、発振は収まりました。 しかし、まだ、出力の電圧計がフラフラと揺れます。 オシロでチェックすると、左下のようなノイズが出力端子へ出ます。このノイズは負荷が軽くても、重くても関係なしに出ます。

Avr_noise0

Avr_noise1

対策として、Q1のベースとGND間に33uFの電解コンデンサを追加してみました。 するとギザギザのノイズはなくなりましたが、大きなリップルが乗ります。 そこで、このコンデンサを次第に小さくしていくと、0.1uFの容量のとき、リップルもギザギザノイズも目立たなくなりました。 しかし、時間をおいて、しばらくエージングすると、また、再発します。 追加したコンデンサの為、高い周波数の成分は少なくなりましたが、レベルは時々2倍以上になります。 困り果て、部品をかたっぱしから交換していき、やっと判った原因は電圧調整用の可変抵抗器の接触不良でした。 オーディオの世界で言う、ガリオームの事で、これがノイズ発生源でした。 対策は、新品の巻線型可変抵抗器に交換して、完了です。 ただ、この検討の段階で、Q1の2SD1408を壊してしまい、VCEOの高い石で不動在庫になっていましたSTマイクロのMJD31Cに交換してあります。 右上がその対策後の波形です。 検討の途中で追加したC13は本来不要になったのですが、他に弊害がないので、追加したままにしてあります。

 

Avr_overview

とりあえず、実用可能な状態となりました。 実際に使っていくと、また、新たな問題が発生するかもしれませんが、その時は、その時、対策を考える事にします。 左は、完成状態の安定化電源です。 ケースが有りませんので、RFの回り込みが心配ですが、必要によりカバーを考える事にします。

この安定化電源は、4.6Vから50Vまで可変できますが、最大電流は5Aとし、保護はヒューズのみです。 

問題点を対策した配線図 DC_POWER_SUPPLY2.pdfをダウンロード

ファンは5V品なので、別にトランスを追加し、DC6Vを作り、抵抗で4Vまでダウンしてドライブしています。

Avr_3a49v

左は、49Vにて、3A負荷を接続した時のテスト風景です。 ノイズもなく、安定して動作しています。

心配したファンの騒音もなんとか無視できる状態で、一安心です。

これで、リニアアンプの検討へ復帰できます。

 

 

リニアアンプ検討に復帰したのですが、また、この記事に戻ってきました。 一応予想はしていたのですが、出力2.5Wの7MHzの信号がFET回路に回り込み、あっけなく、壊れてしまいました。 電源だけでなく、リニアアンプのファイナルFETも壊してしまい、がっくりです。

やはり、FET式の安定化電源は、送信機と一緒に使う事は無理でした。 その送信機の中に、48Vから12Vを作る安定化電源をトランジスターで作ってありますが、こちらは、なんら問題は有りません。 従い、この電源もトランジスターで作り直すことにしました。

手元に使えそうな石として、2SC5198 1石しかなく、本来は2石パラで作らないとコレクタ損失の許容値オーバーになりますが、追加手配できるまでは、1石で行く事にします。

トランジスターによる安定化電源 PWR-AMP100W_3.pdfをダウンロード

2SC5198のhfeはIc 5A のとき、最小35しかなく、ベース電流は最大で142mAは必要になりますので、ダーリントン接続のドライブTRも電力用の2SD2012としました。 ただ、このTRのVCEOは最大で60Vであり、出力を5Vまで絞ると、最大値を超えてしまいますので、代わりのTRを手配して置きます。

一応、48Vで3Aのテストは合格しましたので、とりあえず、この状態で、リニアアンプの検討を始めましたが、出力が3Wになった時、ダーリントン接続のトランジスターを含めてショートモードで壊れてしまいました。 どうも、回路が発振したような形跡がありました。 結局、また一からやり直しです。

電源の修理は、原因を究明してから、後でやる事にし、壊れたリニアアンプの終段のFETを交換して、再度、リニアアンプの検討へ復帰します。

  

電源に使うトランジスターを全部壊し、仕方なく、従来の電源でリニアアンプの検討を行い、電源電圧18Vで安定動作が得られましたので、やめとけば良いのに、また30Vの電源に接続した為、アンプのFETを壊してしまいました。 結局、また、電圧を自由に変えられる電源が必要ということを悟りましたので、三度(みたび)、電源の改善検討です。

前回のトランジスターによる電源が壊れた原因を突き止めた訳ではありませんが、トランジスターでもRFが混入してTRがショートモードで壊れるということは、よっぽど、RFを拾いやすい回路になっているようです。 一番、拾いやすいのは、安定化電源の制御回路と、制御用TRの距離が遠いという事かもしれません。制御用TRと制御回路を結んでいるワイヤーの長さは、おおかた20cmはあります。 多分、これが一番の問題だろうと判断し、回路のレイアウトを大幅に変えます。 ただ、100WクラスのTRは全部壊れてしまいましたので、手元に残っている100WクラスのMOS-FETで再制作する事にしました。

下の写真が、基板の位置を大幅に変更した全体の部品配置です。

Fet_powersupply2all

配置を大幅変更した以外に取った改善策は、制御回路の入出力に70uHのチョークコイルを追加した事。 および、放熱板に固定された2石のFETのドレイン、ソースから、放熱板に0.01uFのコンデンサでいきなりGNDへ落した事です。 放熱板そのものは、GNDにビス止めされていますので、GNDとして動作しますので、そこへ最短でパスさせる事にしました。

Fet_powersupply2

上の写真は、制御回路と制御FETのアップですが、FETとの接続は最短で行いました。

動作テストは済みましたので、後は、実際にリニアアンプに繋いでみるだけとなりました。

修正した配線図 DC_POWER_SUPPLY3.pdfをダウンロード

そして、リニアアンプへつなぎ、18Vの電圧で、パワーを上げてみました。 残念ながら、5Wの出力になった時、煙が出て、電源電圧は65Vに。 電源のFETはショート状態で壊れ、ついでにリニアアンプのFETもショートモードが壊れてしまいました。

今回の壊れ方は、入力を上げた訳ではなく、1Wの出力が、数秒間の間に勝手に5Wまで上昇したもので、明らかに、リニアアンプの熱暴走です。 今まで、電源が壊れるのは、電源回路にRFが回り込み、異常状態となり、電源が壊れて、次にアンプが壊れると考えていましたが、どうも、この順序は逆で、アンプが熱暴走した場合、電源は際限なく電流を供給しようと動作した結果、両方が壊れるのではないかと、考える事にしました。 なぜなら、送信機に内蔵した12Vの安定化電源は、熱暴走しない負荷であり、かつ、なんらかの原因で負荷電流が増えても、レギュレーターの内部抵抗の為、いくらかは不明にしろ電流制限がかかります。 壊れた電源は、その帰還ループを使い、負荷が0Ωになっても出力電圧を維持しようと動作しますので、最後は壊れるしかないという事です。

そこで、電流検出を行い、設定された電流を超えそうになったら、出力電圧を下げる、保護回路を追加する事にしました。 使用する電流センサーは秋月で扱っている、NECトーキンのTHS63Fにします。 その上で、シリーズレギュレーターはダーリントン接続の2SD2390 2石にします。

この電流センサーTHS63Fを入手し、予備検討したところ、データシートにあるアナログ出力が全く変化しません。アナログ出力端子(4番ピン)に10KΩを付けようが、openにしようが、センサー部分に電流を流そうが、ゼロにしようが、アナログ出力は1.98V一定でピクッともしません。 データシートには、センサーの電流に比例した電圧が出力されるとありますが、アナログ端子の事ではないのか?

ただ、OUT1はセンサーが感知する電流になると、HからLに変わります。 やむなく、このOUT1の電圧を使い、全体の電流制限回路をデザインする事にしました。

電流制限回路付きの安定化電源 DC_POWER_SUPPLY4.pdfをダウンロード

そして、このセンサーICとファンを動作させる5Vの電源を、シリーズレギュレーターで作り、今まで有った、5V電源用のトランスは廃止しました。

Tr_powersupply4a

Tr_powersupply4b

左上が、あたらしく基板を作り直したシャーシ全体、右上が、電流センサーを実装した基板です。

この回路で、制限する電流値は12接点のロータリーSWで行います。このロータリーSWでセンサー部分に直列に接続した抵抗値を可変する事により、連続ではありませんが、0.5Aくらいから5.5Aくらいまで可変できます。

リニアアンプを接続した時の、最大電流は8Aくらいが予測されますが、その時は、R1,10の0.1Ω2本パラを3本パラにすれば最大で8Aくらいを確保できます。

ただし、この電流値は、私が今回使ったTHS63Fの固有の特性であり、このハイブリッドICのロットのバラツキによっては、この制限電流値が±50%くらいはバラツクものと思われます。

この電源で、再度リニアアンプを検討する事にします。

リニアアンプへつないでみました。  20Vの電圧で、出力10Wくらいで、またも電源が壊れました。 シリーズトランジスターが全端子ショート状態で壊れてましたので、当然リニアアンプも壊れてしまいました。 電流制限は5Aに設定してあったのですが、間に合わなかったようです。

 

2020年4月末

ゴールデンウィーク前ですが、世の中は、新コロナウイルスで外出自粛の真っ最中。 せっかく追加した電流制限回路は、その応答速度の為、リニアアンプの熱暴走のスピードに間に合わず、電源が壊れた状態でした。 そんな中、OP-AMPを使ったバイアス回路がうまく動作して、26Vの電源で、安定動作するところまで、改善できましたので、電源電圧を26V以上に小刻みに上げられる安定化電源が、どうしても必要となりました。 前回、壊した為、シリーズトランジスターは1石しか残っていませんが、この1石を使い、電流制限を2重にかけた回路で、再検討する事にしました。

Psupply5 トランジスターの追加手配ができるまでは、1石で頑張ってもらいます。 電流検出用0.1Ω2本パラは1本に変更し、この両端にNPNトランジスターのベース、エミッタを接続し、BE間の電圧が0.6Vを超えると、このトランジスターがONし、電流が一定になるように電圧を下げるQ2を追加しました。 まだ、テストしていませんが、たぶん6A流れた時点で、電流は一定になるはずです。 前回追加した電流センサーによる電流制限回路も検出電流値を変更して、そのまま実装しました。 この回路で、センサーによる3Aの電流制限までは、ダミー抵抗でテスト出来ていますが、それ以上の電流では、まだ確認が出来ていません。 また、ロータリーSWの構造から、接点を切り替える途中で一瞬回路がopenになりますので、通電中の電流制限値の切り替えは厳禁です。

この電源回路を間違って出力ショートモードで電源ONしてしまいました。 4Aくらいで電流制限がかかったのですが、数秒後に、電源のLEDインジケーターが消えました。 調べてみると、トランスとブリッジダイオード間に挿入した10Aのヒューズが切れていました。 ヒューズを交換して、電源の負荷をオープンにして、再度電源をONすると、パンと音がして、出力電圧は60V以上に。

負荷がつながっていなかった為、電源以外の被害は有りませんでしたが、結局、電源は追加した電流制限回路が機能したのですが、その時のショート電流に耐え切れず、シリーズトランジスターが壊れてしまいました。 シリーズトランジスターが1石では不足だったみたいです。 2石でも不足かもしれません。 このトラブルは、リニアアンプがつながっていませんので、純然たる電源の問題です。 ショートした為、電流制限回路が機能して、電流は4Aで制限されましたが、この時の出力電圧は0Vです。しかし、安定化電源の入力DC電圧は下がったもののまだ48Vもあります。 この結果シリーズトランジスターには48V x 4Aの電力、192Wがかかってしまいました。 このFETのPdは100Wですが、それは無限大放熱板を付けた時の話で、実際の放熱板で、ファンを目いっぱい回したとしても50Wくらいが限界のはずです。 数秒でも、もったということは、「えらい」。 そして、私はそれに気づくのが遅い!

 

2020年のゴールデンウィークに突入しました。 ただし、今年は、新型コロナウィルスで、いつもの年とは大きく異なります。 外出自粛により、検討が進みそうです。

リニアアンプの熱暴走が起こった場合、この出力端子ショートに近い状態です。 いくら、電流制限を設けても、リニアアンプが正常動作する範囲の電流制限では、電源は壊れて当たり前ということが理解できました。

ここまで、悟るのに2週間かかりましたが、負荷がショートした時は、出力電圧をゼロにする、イワユル フの字特性の電源が必要なのです。

Avr12v1a

20V 1Aという容量で、フの字特性を有する安定化電源を常用しております。 左がその電源ですが、この電源は、昭和46年くらいに作ったものです。 すでに50年程経過しておりますが、壊れる事無く、いろいろな実験に重宝しております。 今、要求されるているのはこのような電源だろうと、フの字特性の電源に作り変える事にしました。

フの字特性付きの電源 DC_POWER_SUPPLY6.pdfをダウンロード

Pnp3tr

Ipwrspl6

この電源ではPNPの大電力トランジスターを使います。 採用したのは、2SB554というPc150WのCANタイプトランジスターで、それを3石パラにします。 最大450Wの許容損失ですが、実際の回路では、雲母の絶縁にシリコングリス塗布、さらにファンで強制空冷した上で、200W位いがMAXとなります。 この回路で、負荷ショート時、フの字特性が威力を発揮し、出力電圧、電流ともに0となります。 ただし、この特性がアダとなり、コンデンサ負荷(特に電解コンデンサ)時に、負荷ショート状態でスタートしますので、電源が立ち上がらないと言う問題に遭遇します。 この解決方法として、負荷がゼロΩでもいくばかの電流が流れるようにする事。及び、無負荷状態を作らず、邪魔にならない程度に常時電流を流しておくことが重要です。

この対策として、シリーズトランジスターのベースから、かなり高い抵抗で、コレクターに接続し、常時負荷へ電流が流れるようにする回路が例示されますが、この場合、トランジスターのhFEの関係で、一律に抵抗値が決められません。 特に、ダーリントントランジスターの場合、hFEが10,000を超える場合があり、挿入する抵抗は2MΩで小さすぎ、10MΩ以上が必要だったりしますので、シリーズトランジスタのエミッタ-コレクタ間に、kΩオーダーの抵抗を付け、負荷ゼロでも起動する最大の値を探る方が確実です。

この回路でも、最初、R2を10KΩとして、問題なく動作していましたが、ダミーとして、R7の500Ωを繋いだら、起動しなくなり、5.6kΩまで小さくした経緯があります。 そして、電源ONと出力ONは、必ず独立したSWにします。 特定のリグの専用電源なら、その負荷で常時起動する回路定数にすれば良いのですが、汎用電源の場合、負荷状態が不定ですので、出力ON/OFFスイッチはマストです。 

電源の耐性を上げる方策は、入力となる直流電圧をぎりぎり下げることです。 30V 6Aの負荷に対して、60VのDC入力は、それだけで180Wの損失が安定化電源にかかる事になります。 30V 6Aの安定化電源を得るには、6Aで32V以上の電圧があれば良いわけで、もし、この時の入力電圧が32Vなら、12Wの損失を安定化電源が背負えばよい訳です。しかし、そのような都合の良いAC電源を用意するには、スライダックスがマストです。 残念ながらスライダックスが有りませんので、無負荷時67Vのトランスを使用せざるを得ません。

ちなみに、電圧を半分にした時の最大出力可能な条件は25V 5Aでした。 30V 6Aにトライしたところ、フの字特性が働いて出力ゼロとなりました。 このフの字特性が働くのは、入力DC電圧と出力電圧の差が2Vくらいになった場合のようです。

Avr40v7a

上のグラフは今回の安定化電源(AVR)に5Ωの負荷を接続した時の電圧と、AVR自身が請け負う許容電力をシュミレーションしたものです。 5Aまでは実測データを使っています。

負荷抵抗が5Ωの場合、最大39V、7A負荷でフの字特性が現れることを示しています。 この状態でリニアアンプをドライブしてみる事にします。

リニアアンプの動作試験を行い、120Wの出力でも、RFの回り込みはなく、リニアアンプのFETがショートモードで壊れた時も、フの字のプロテクターが機能し、電源は無傷でした。

Avr_protecotorstart

この安定化電源のフの字保護回路が動作する負荷条件は、出力電圧でことなりますが、トランスのレギュレーションから推定した負荷電流は左の通りです。

2020年8月

出力電圧を12Vにして、出力ONすると、時々、出力ONのLEDがポカポカしたり消えたりします。 夏になって温度が上昇した為、Q7のゲート電圧が上がらず、Q7をON仕切らない事が原因でした。 対策として、R13を120Kから22Kに変更しました。

 

2020年11月

リニアアンプをパワーアップしようにも、現在の電源のトランス容量は250Wです。 100Wのリニアは持ちこたえても、200Wのリニアアンプは不可能です。 そこで、トランスを再検討する事にしました。

Trans2

今まで使っていたトランスは左上の大きなトランスです。容量的には1KVAですが、400V/200Vのトランスで2次側の定格電流は5Aです。これを1次側100Vで使う関係で、出力は5Aが優先され、約250Wしか無かったものでした。 一方、右上のトランスは、左のトランスを提供いただいたOMから、さらに頂いた、ステレオアンプ用のトランスです。

オーディオアンプは、定格出力が100Wx2ch=200Wで有ってても、連続で出力を保証しているのは、1/3の66W以下です。200Wはせいぜい5分くらい出せたら良いというスペックですから、SSB送信機のように定格出力の70%を連続出力する能力は有りません。 しかし、それは、トランスの温度上昇からくる限界で、内部の温度が110度くらいの時です。 一方、トランスの内部に設けられた温度ヒューズは150度くらいの物が多く使われており、実際は、定格出力の30%以上でも、使う事が出来ます。 大体の目安ですが定格出力100Wx2chのアンプを100Wx2chでエージングすると、早いもので15分、遅くとも30分で温度ヒューズが飛びます。 これらの事から、SSB 200Wのリニアアンプに使った場合、70%の出力で30分間くらいは耐えるかも知れないと、淡い期待もありますので、このステレオアンプ用のとトランスへ乗せ換える事にしました。

Transreguration

上のグラフはこの二つのトランスのレギュレーションを示します。 赤のラインが1KWの従来のトランス、青のラインがステレオ用のトランスです。 レギュレーションは明らかにステレオ用が良く、40Vの電圧を維持できる負荷電流は、1KWのトランスの場合、7.2Aくらいで、288Wですが、ステレオ用は約10Aで、400Wです。 リニアアンプの効率が50%なら、200W出力できる事を意味します。

これらの事から、すでに出来上がったリニア電源にトランスを内蔵させ、かつ、電力容量をアップした安定化電源に作り替える事にしました。 トランスの巻線がセンタータップタイプでしたので、ブリッジダイオードの半分は使わない事にしました。

このステレオアンプ用トランスはパワーアンプ用の主巻線とは別に、12V電源用のサブ巻線を持っていますので、5Vのファン用電源は、このサブ巻線からシリーズレギュレーターを通して作る事にします。

400wdcpowrsupply1

400wdcpowrsupply2

左上がトランスを収納し、レイアウトを変更した内部です。右上は、このシャーシに木製のカバーをかぶせ、強度的に補強を行ったものです。左右の側面に換気用の穴を開けてあります。 35V5Aくらいでは、ほんのりと温まるだけで、問題は有りません。 また、5V定格のファンも2.5Vでドライブしていますので、騒音はほとんど感じません。

Newavr_protect

左の表は、トランス交換後のフの字特性動作開始推定電流です。

電力的には、30V出力の時、450Wの供給能力があります。 

次は、200Wリニアアンプへトライしますが、電源電圧35Vのままで、200Wを出せるような回路構成にする必要がありそうです。 ただし、上の表は、基板内や配線経路中にロスが無いとした時の数値で、実際は無負荷電圧35Vであっても、10A負荷電流で3V以上の電圧降下があります。 

最終状態の回路図:DC_POWER_SUPPLY8.pdfをダウンロード

2020年11月

200Wリニアアンプ対応の為、電流計のレンジをmax10Aからmax15Aに変更しました。

この電源を使って200Wリニアアンプの検討を始めましたが、上の表の電流でプロテクタがかかり、最大出力は140W止まりでした。  200Wリニアアンプの記事はこちら

200Wリニアアンプを検討中にファイナルのFETのドレアイン、ソース間がショート状態になり、かつ、電源の2SB554がショート状態で壊れてしまいました。

壊れたのは東芝の純正ではなく、台湾製の2ndソースでした。 ベース抵抗を4.7Ωまで小さくした事により、フノ字のプロテクタが働く電流値が上昇し、耐えられなくなって、弱いトランジスタが壊れたようです。 ベース抵抗を、2倍の10Ωに代えてトライする事にしました。 ところが、出力電圧50V、リニアアンプの電源OFFの状態で、何回か出力SWをON/OFFを繰り返すと、また2SB554がショートモードで壊れてしまいました。 何が原因か判らず、再度修理し、慎重に見守ると、リニアアンプの電源SWより電源入力端子側にある50V18000uFの電解コンデンサへのラッシュ電流で壊れる事が判りました。 壊れるのは、決まって、秋月で手配したMOSPEC製の2SB554です。 Specを調べてみました。 東芝純正の2SB554の最大ピーク電流は30Aですが、MOSPECのそれは、18Aです。 最後にリニアアンプのFETが壊れたのは、このMOSPECの2SB554がショートモードで壊れ、57VくらいのDC電圧が急に加わり熱破壊した事の様です。

このMOSPECの2SB554は予備を含めて後2石残っていますが、もう使えません。 やむなく、東芝の2SA1943(2SB554と同等Spec)に変更する事にします。

トランジスターと放熱板を絶縁する為にシリコンラバーを使いますが、このシリコンラバーだけで絶縁したものと、シリコングリスを塗ったマイカ板で絶縁したものを併用した場合、決まって、シリコンラバーで絶縁したトランジスタが先に壊れるという経験は私だけでしょうかね。 色々な解説では、シリコンラバーの熱伝導率はマイカよりはるかに良いと言われていますが?

 2021年2月

この電源を弄り回してすでに1年くらい経ちますが、その間に壊して交換した部品代はユウに5000円を超えました。 結局400Wくらいの電源を用意しようと思ったら、360Wくらいの中華製ACDCスィッチング電源と300Wくらいの連続可変可能な自作電源をシリーズにして使うのが一番良いみたいです。 そんな訳で、当電源は最大40V10Aとし、40Vでショートテストをしてもフの字特性が動作するのを確認した上で、24V20Aのスィッチング電源とシリーズにして実験に使う事にしました。 もっと電圧が必要な時は、36V10Aのスィッチング電源を買い足す事にします。

1s1652r

その対応の為、この電源がOFF状態の時、出力端子へ負の電圧がかからないようにマイナス側からプラス方向へ電流がバイパスするようにダイオードを追加しました。追加したダイオードは1S1652Rという品番のナット止め仕様のダイオードです。 定格は不明ですが見るからに大電流を流せるような格好をしています。 左がその写真です。 20Aくらいあるのかな?

この状態での最新配線図です。

48v_dc_power_supply9.pdfをダウンロード

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2017年8月15日 (火)

12V→19V DC/DCコンバーター(車内PC用電源)

 <カテゴリ 電源>

車で移動運用する時、車内でPCを使う為に車用12V電源からノートPC用の19V電源を作る為の昇圧型DCDCコンバーターの製作です。

車内でPCを使う時は一般的にDC12VからAC100Vを作るインバーターを利用しますが、このインバーターの出力は疑似正弦波と真正弦波の2種類があり、真正弦波を利用できるインバーターは高価です。 安価な疑似正弦波の波形は矩形波で、ノイズだらけです。 ノートPCに限れば、このノイズだらけの矩形波でも動作します。 しかし、車内でPCを使う目的がHF交信ですので、かなりの周波数で、このノイズが受信され、使用可能な周波数範囲が狭くなります。

一方、DC12VからいきなりDC19Vを作る昇圧型DC/DCコンバーターはその回路構成は実に簡単で、コンパクトに作れば、インバーターよりはるかに少ないノイズで回路の効率もインバーターより良いのですが、この場合の最大のネックは各PCのDC Jackに合致するDC Plugの入手です。 最近のPCは軒並みサイズの大きなDC JackとPlugを使っており、これに合うPlugの入手はかなり難しいのが現状です。

そんな中、昔のXPが走るノートPCを調べたら、秋月でも入手できる内径2.5mmのPlugを使える事が判り、これは幸いと、ジャンク箱をかき回して、昇圧型DC/DCのICを見つけましたので、さっそく作って見る事にしました。

配線図を以下に示します。

Dcdc1219v

ICはトレックスのXC9103Dと言う品番で1.8Vから10Vの電源で、1.5Vから30Vまで出力を設定できます。 1.8Vから10VというスペックはICの電源電圧の範囲で、昇圧する入力電源電圧とは無関係です。 従い、12V電源を3端子レギュレーターを使い、5Vに落とし、これでICの電源をまかない、12Vのバッテリーから19Vを作る回路のFETゲートをドライブするだけです。 

スィッチングのFETはAM送信機の試作の中でPWM変調に使ったFKI10531です。 ダイオードもAM送信機のPWM変調回路に使ったあまりを使いました。

この回路の中で手作りした部品はL3の24uHのコイルのみです。そこらへんに転がっていたコアにAWG24のリード線を巻きつけ、22uHを目指して巻きましたが、ぴったしのインダクタンスにはなりませんでしたので、やや多めの24uHとしました。 この時、自作のLCメーターが大活躍です。 また、このICは電流センス用に0.1Ωくらいの抵抗を要求しますが、この抵抗値の両端の電圧が250mVになると電流制限がかかります。 0.1Ωの場合2.5Aで電流制限がかかりますが、私のPCは最大で3.5Aも流れますので、そのままではNGです。 よって、この0.1Ωを2個パラ付して、5Aで電流制限がかかるようにしました。

Dcdctop

Dcdcbck

左上は部品挿入面、黄色の線で巻いたコイルが24uHで、両脇にあるコイルが80uHです。最初、放熱板無しでしたが、さすがにPCを接続すると熱くなりますので、放熱板を取り付けました。 右上は基板のチップ面です。 トレックスのICは米粒みたいな大きさですので、これを実装できるパターンを別の基板から切り出し、それをユニバーサル基板に載せてあります。

19Vの電圧設定はR4とR5の比率で変わります。 回路図の定数で19Vに設定されますが、無負荷時19.7V、PCの電池充電中で19.0V、PC動作時18Vとなりました。

電源の入出力に80uHのコイルを挿入してありますが、これは、送信機のRFがDC/DCに混入しないように予防として入れてあるもので、これも、ジャンク箱から拾ってきたものです。100uHくらいで5Aくらい流せるコイルならなんでも良いと思います。 なければ、送信機をSENDにした途端、DC/DCが火を噴いたことがありましたので、必ず挿入する事にしています。

Dcdccase

左の写真は出来上がった基板をケースの中に入れたもので、一応基板の保護だけが目的です。 ただ、放熱板がほんのりと熱くなりますので、後日、プラスチック加工用の電気コテで通気孔を開ける事にします。

入力側の電流は、PC OFFで内臓電池を充電中の場合0.9Aくらい。 Windows XPが立ち上がり完了してHamlogを使用している間は、HDDが動くと3.25Aくらいまで増えますが、何も操作が無ければ2.7Aくらいで、平均して3Aくらいになっています。

AmazonでPC用DCプラグを検索すると、沢山のプラグの広告が見つかります。 その中で、LENOVO用も含まれるaceyconというブランド名か商品名か判らない34種のプラグをセットにしている製品がありました。 失敗しても止む無しで、これを購入しました。 結果はGoodでした。 私のPCはSHARP Mebius, SONY VAIO, LENOVOと3台のノートタイプですが、全て対応していました。

Dc_plag_1

Dc_plag_2

これで、移動運用時のノイズ問題が改善できます。

Dcdccase

2019年1月

50MHzのSSBモードで移動運用を行った結果、S/Nが極端に悪化する事が判りました。 7MHzや144MHzではほとんど気にならなかったのですが、PCが電池で動作している場合、RS51の信号も、このDCDCからPCへ電源を供給した途端、RS33になってしまいます。 対策は、プラスチックケースを金属ケースにする事、電源の入出力にコモンモードチョークを追加しました。 ケースは100円ショップで見つけた鉛筆立てです。

出力ケーブルに括り付けられているフェライトコアはNECトーキンのESD-R-16Cという100MHz用で、これに4ターン巻いてあります。

これらの対策で、PCが電池動作でも、このDCDC電源動作でもノイズは変化なしとなりました。

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