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2020年3月21日 (土)

DC48V リニア安定化電源の制作

7MHz用、100Wリニアアンプの制作途中で、壊したFETは8個。 FET破壊の原因を突き止め、安定に動作するリニアアンプを完成させるには、電圧を自由に変えられるDC電源が、どうしても必要です。 そこで、このDC電源を試行錯誤しながら作る事にしました。

今回の目標仕様は、DC48V5Aの出力が確保できる電源で、出力100Wのリニアアンプに使えるものとします。 出力電圧は48V固定ではなく、5Vから48Vまで最大電流5Aを目標とします。

この電源を作る為に、半年くらい前に、AC400VをAC200Vにダウンする1KWクラスの絶縁型トランスをローカルのOMより、いただいていました。 このトランスを, 100VAC電源に接続すると、AC48Vくらいが出力されます。 これを、ブリッジダイオードで整流し、10mAくらいの負荷電流を流すと、67Vの直流電圧が得られます。 これを安定化電源回路で5Vから48Vまで可変できるようにします。 トランス容量は1KWですが、その時の2次側定格電流は、5Aです。 従い、100VのAC電源に接続した場合、2次側の電流はMax 5Aですから、250W相当のトランスとなります。

回路が簡単で、そこそこの特性が得られる安定化電源として、MOS-FETによる回路が候補にあがります。 MOS-FETによる安定化電源はAM送信機のサブ電源として試作した事がありましたが、この時は、AM送信機の内部に実装した為、7MHzのRF信号がレギュレーター回路に回り込み、送信した途端、煙を噴いて終わった経過があります。 今回は、送信機とは別の筐体であること。 RFフィルターを、これでもかと言うくらい挿入し、なんとか実用化しようと言うものです。

Dcpower0_2 上の回路が標準的なFETを利用した安定化電源になります。 最初D7とC12は有りませんでした。 その状態で、可変抵抗を回すと、4.8Vから66Vまで出力電圧を可変できます。 次にC12を追加しました。 C12は負荷回路に対して電源側の低周波インピーダンスを小さくすることが目的で、SSBのように音声信号の強弱により負荷電流が変化する場合、電源として必要条件になります。 そして、このC12を実装した状態で電源ONすると、一応安定化された電圧が出力されます。 次に、この電圧を可変すべく、出力電圧を小さくした途端、パチと音がして、FETから煙がでます。 そして、出力は67Vに。

FETがDSショートで壊れ、ついでにD4もショートモードで壊れてしまいました。 原因は、急激に出力電圧を下げようと可変抵抗を回した結果、Q1のコレクタ電圧は下がったものの、Q2のソース電圧は、C12の残留電荷により、電圧はほとんど落ちず、VGSmax -20Vを超えてしまい、Q2の破壊に至ります。 また、出力電圧と入力電圧差が20Vを超えた状態から、出力電圧を急に上げると、FETのVGS最大電圧を一瞬超えますので、FETが破壊します。 一方D4は電圧を最小にする為に、VRを回すと、出力電圧がシリーズ抵抗なしでQ1のベースに加わり、この時の過大電流により壊れてしまいます。 Q1が小信号用なら、Q1も同時に壊れる事になります。

インターネットで保護対策を検索すると、FETのVGS対策として、D7を追加する事が判りました。 D4の対策は、出力電圧を最小にした場合でも、Q1のベースにシリーズに電流制限抵抗を入れる事と、C12が早く放電するように、放電抵抗R7を可能な限り小さくする事のようです。 

以上の対策を実施した回路が下になります。書き換えた為、REF No.が異なります。

Dcpower1 FETは秋月で2石で300円というPd 100W品を、D7は3.3V 0.5W品を使います。 D7の許容電流は150mAくらいですので、問題ないと思います。 D5,D6に1WクラスのZDを使おうとしましたが、FETのゲート、ソース間に保護ダイオードを内蔵している事が判りましたので、このダイオードは不要になります。 また、C12の放電抵抗は、500Ω 25W品にします。48V時、常時96mA流れますが、放電は早くなるはずです。

レギュレーター出力部に、10Aコモンモードタイプのラインフィルターを、また、レギュレーターの入力部にも、6Aクラスのコモンモードフィルターを入れます。

これらの部品を秋月やモノタロウへ発注しましたので、届き次第組み立てる事にします。

Avr48_0

部品が届きましたので、左の写真のごとく、旧50MHz AM送信機のシャーシへ組み込みました。 検討の途中なので、あっちこっちで空中配線がありますが、問題点がすべて解決した暁には、きれいに配線し直します。

まず、FETが発振しました。 セオリー通りFETソースからQ1のベースに1000PFを追加してあったのですが、効果なしでした。 そこで、FETのソースから、ゲートの1KΩのコモン部分に最短経路で103Zを追加したら、発振は収まりました。 しかし、まだ、出力の電圧計がフラフラと揺れます。 オシロでチェックすると、左下のようなノイズが出力端子へ出ます。このノイズは負荷が軽くても、重くても関係なしに出ます。

Avr_noise0

Avr_noise1

対策として、Q1のベースとGND間に33uFの電解コンデンサを追加してみました。 するとギザギザのノイズはなくなりましたが、大きなリップルが乗ります。 そこで、このコンデンサを次第に小さくしていくと、0.1uFの容量のとき、リップルもギザギザノイズも目立たなくなりました。 しかし、時間をおいて、しばらくエージングすると、また、再発します。 追加したコンデンサの為、高い周波数の成分は少なくなりましたが、レベルは時々2倍以上になります。 困り果て、部品をかたっぱしから交換していき、やっと判った原因は電圧調整用の可変抵抗器の接触不良でした。 オーディオの世界で言う、ガリオームの事で、これがノイズ発生源でした。 対策は、新品の巻線型可変抵抗器に交換して、完了です。 ただ、この検討の段階で、Q1の2SD1408を壊してしまい、VCEOの高い石で不動在庫になっていましたSTマイクロのMJD31Cに交換してあります。 右上がその対策後の波形です。 検討の途中で追加したC13は本来不要になったのですが、他に弊害がないので、追加したままにしてあります。

 

Avr_overview

とりあえず、実用可能な状態となりました。 実際に使っていくと、また、新たな問題が発生するかもしれませんが、その時は、その時、対策を考える事にします。 左は、完成状態の安定化電源です。 ケースが有りませんので、RFの回り込みが心配ですが、必要によりカバーを考える事にします。

この安定化電源は、4.6Vから50Vまで可変できますが、最大電流は5Aとし、保護はヒューズのみです。 

問題点を対策した配線図 DC_POWER_SUPPLY2.pdfをダウンロード

ファンは5V品なので、別にトランスを追加し、DC6Vを作り、抵抗で4Vまでダウンしてドライブしています。

Avr_3a49v

左は、49Vにて、3A負荷を接続した時のテスト風景です。 ノイズもなく、安定して動作しています。

心配したファンの騒音もなんとか無視できる状態で、一安心です。

これで、リニアアンプの検討へ復帰できます。

 

 

リニアアンプ検討に復帰したのですが、また、この記事に戻ってきました。 一応予想はしていたのですが、出力2.5Wの7MHzの信号がFET回路に回り込み、あっけなく、壊れてしまいました。 電源だけでなく、リニアアンプのファイナルFETも壊してしまい、がっくりです。

やはり、FET式の安定化電源は、送信機と一緒に使う事は無理でした。 その送信機の中に、48Vから12Vを作る安定化電源をトランジスターで作ってありますが、こちらは、なんら問題は有りません。 従い、この電源もトランジスターで作り直すことにしました。

手元に使えそうな石として、2SC5198 1石しかなく、本来は2石パラで作らないとコレクタ損失の許容値オーバーになりますが、追加手配できるまでは、1石で行く事にします。

トランジスターによる安定化電源 PWR-AMP100W_3.pdfをダウンロード

2SC5198のhfeはIc 5A のとき、最小35しかなく、ベース電流は最大で142mAは必要になりますので、ダーリントン接続のドライブTRも電力用の2SD2012としました。 ただ、このTRのVCEOは最大で60Vであり、出力を5Vまで絞ると、最大値を超えてしまいますので、代わりのTRを手配して置きます。

一応、48Vで3Aのテストは合格しましたので、とりあえず、この状態で、リニアアンプの検討を始めましたが、出力が3Wになった時、ダーリントン接続のトランジスターを含めてショートモードで壊れてしまいました。 どうも、回路が発振したような形跡がありました。 結局、また一からやり直しです。

電源の修理は、原因を究明してから、後でやる事にし、壊れたリニアアンプの終段のFETを交換して、再度、リニアアンプの検討へ復帰します。

  

電源に使うトランジスターを全部壊し、仕方なく、従来の電源でリニアアンプの検討を行い、電源電圧18Vで安定動作が得られましたので、やめとけば良いのに、また30Vの電源に接続した為、アンプのFETを壊してしまいました。 結局、また、電圧を自由に変えられる電源が必要ということを悟りましたので、三度(みたび)、電源の改善検討です。

前回のトランジスターによる電源が壊れた原因を突き止めた訳ではありませんが、トランジスターでもRFが混入してTRがショートモードで壊れるということは、よっぽど、RFを拾いやすい回路になっているようです。 一番、拾いやすいのは、安定化電源の制御回路と、制御用TRの距離が遠いという事かもしれません。制御用TRと制御回路を結んでいるワイヤーの長さは、おおかた20cmはあります。 多分、これが一番の問題だろうと判断し、回路のレイアウトを大幅に変えます。 ただ、100WクラスのTRは全部壊れてしまいましたので、手元に残っている100WクラスのMOS-FETで再制作する事にしました。

下の写真が、基板の位置を大幅に変更した全体の部品配置です。

Fet_powersupply2all

配置を大幅変更した以外に取った改善策は、制御回路の入出力に70uHのチョークコイルを追加した事。 および、放熱板に固定された2石のFETのドレイン、ソースから、放熱板に0.01uFのコンデンサでいきなりGNDへ落した事です。 放熱板そのものは、GNDにビス止めされていますので、GNDとして動作しますので、そこへ最短でパスさせる事にしました。

Fet_powersupply2

上の写真は、制御回路と制御FETのアップですが、FETとの接続は最短で行いました。

動作テストは済みましたので、後は、実際にリニアアンプに繋いでみるだけとなりました。

修正した配線図 DC_POWER_SUPPLY3.pdfをダウンロード

そして、リニアアンプへつなぎ、18Vの電圧で、パワーを上げてみました。 残念ながら、5Wの出力になった時、煙が出て、電源電圧は65Vに。 電源のFETはショート状態で壊れ、ついでにリニアアンプのFETもショートモードが壊れてしまいました。

今回の壊れ方は、入力を上げた訳ではなく、1Wの出力が、数秒間の間に勝手に5Wまで上昇したもので、明らかに、リニアアンプの熱暴走です。 今まで、電源が壊れるのは、電源回路にRFが回り込み、異常状態となり、電源が壊れて、次にアンプが壊れると考えていましたが、どうも、この順序は逆で、アンプが熱暴走した場合、電源は際限なく電流を供給しようと動作した結果、両方が壊れるのではないかと、考える事にしました。 なぜなら、送信機に内蔵した12Vの安定化電源は、熱暴走しない負荷であり、かつ、なんらかの原因で負荷電流が増えても、レギュレーターの内部抵抗の為、いくらかは不明にしろ電流制限がかかります。 壊れた電源は、その帰還ループを使い、負荷が0Ωになっても出力電圧を維持しようと動作しますので、最後は壊れるしかないという事です。

そこで、電流検出を行い、設定された電流を超えそうになったら、出力電圧を下げる、保護回路を追加する事にしました。 使用する電流センサーは秋月で扱っている、NECトーキンのTHS63Fにします。 その上で、シリーズレギュレーターはダーリントン接続の2SD2390 2石にします。

この電流センサーTHS63Fを入手し、予備検討したところ、データシートにあるアナログ出力が全く変化しません。アナログ出力端子(4番ピン)に10KΩを付けようが、openにしようが、センサー部分に電流を流そうが、ゼロにしようが、アナログ出力は1.98V一定でピクッともしません。 データシートには、センサーの電流に比例した電圧が出力されるとありますが、アナログ端子の事ではないのか?

ただ、OUT1はセンサーが感知する電流になると、HからLに変わります。 やむなく、このOUT1の電圧を使い、全体の電流制限回路をデザインする事にしました。

電流制限回路付きの安定化電源 DC_POWER_SUPPLY4.pdfをダウンロード

そして、このセンサーICとファンを動作させる5Vの電源を、シリーズレギュレーターで作り、今まで有った、5V電源用のトランスは廃止しました。

Tr_powersupply4a

Tr_powersupply4b

左上が、あたらしく基板を作り直したシャーシ全体、右上が、電流センサーを実装した基板です。

この回路で、制限する電流値は12接点のロータリーSWで行います。このロータリーSWでセンサー部分に直列に接続した抵抗値を可変する事により、連続ではありませんが、0.5Aくらいから5.5Aくらいまで可変できます。

リニアアンプを接続した時の、最大電流は8Aくらいが予測されますが、その時は、R1,10の0.1Ω2本パラを3本パラにすれば最大で8Aくらいを確保できます。

ただし、この電流値は、私が今回使ったTHS63Fの固有の特性であり、このハイブリッドICのロットのバラツキによっては、この制限電流値が±50%くらいはバラツクものと思われます。

この電源で、再度リニアアンプを検討する事にします。

リニアアンプへつないでみました。  20Vの電圧で、出力10Wくらいで、またも電源が壊れました。 シリーズトランジスターが全端子ショート状態で壊れてましたので、当然リニアアンプも壊れてしまいました。 電流制限は5Aに設定してあったのですが、間に合わなかったようです。

 

2020年4月末

ゴールデンウィーク前ですが、世の中は、新コロナウイルスで外出自粛の真っ最中。 せっかく追加した電流制限回路は、その応答速度の為、リニアアンプの熱暴走のスピードに間に合わず、電源が壊れた状態でした。 そんな中、OP-AMPを使ったバイアス回路がうまく動作して、26Vの電源で、安定動作するところまで、改善できましたので、電源電圧を26V以上に小刻みに上げられる安定化電源が、どうしても必要となりました。 前回、壊した為、シリーズトランジスターは1石しか残っていませんが、この1石を使い、電流制限を2重にかけた回路で、再検討する事にしました。

Psupply5 トランジスターの追加手配ができるまでは、1石で頑張ってもらいます。 電流検出用0.1Ω2本パラは1本に変更し、この両端にNPNトランジスターのベース、エミッタを接続し、BE間の電圧が0.6Vを超えると、このトランジスターがONし、電流が一定になるように電圧を下げるQ2を追加しました。 まだ、テストしていませんが、たぶん6A流れた時点で、電流は一定になるはずです。 前回追加した電流センサーによる電流制限回路も検出電流値を変更して、そのまま実装しました。 この回路で、センサーによる3Aの電流制限までは、ダミー抵抗でテスト出来ていますが、それ以上の電流では、まだ確認が出来ていません。 また、ロータリーSWの構造から、接点を切り替える途中で一瞬回路がopenになりますので、通電中の電流制限値の切り替えは厳禁です。

この電源回路を間違って出力ショートモードで電源ONしてしまいました。 4Aくらいで電流制限がかかったのですが、数秒後に、電源のLEDインジケーターが消えました。 調べてみると、トランスとブリッジダイオード間に挿入した10Aのヒューズが切れていました。 ヒューズを交換して、電源の負荷をオープンにして、再度電源をONすると、パンと音がして、出力電圧は60V以上に。

負荷がつながっていなかった為、電源以外の被害は有りませんでしたが、結局、電源は追加した電流制限回路が機能したのですが、その時のショート電流に耐え切れず、シリーズトランジスターが壊れてしまいました。 シリーズトランジスターが1石では不足だったみたいです。 2石でも不足かもしれません。 このトラブルは、リニアアンプがつながっていませんので、純然たる電源の問題です。 ショートした為、電流制限回路が機能して、電流は4Aで制限されましたが、この時の出力電圧は0Vです。しかし、安定化電源の入力DC電圧は下がったもののまだ48Vもあります。 この結果シリーズトランジスターには48V x 4Aの電力、192Wがかかってしまいました。 このFETのPdは100Wですが、それは無限大放熱板を付けた時の話で、実際の放熱板で、ファンを目いっぱい回したとしても50Wくらいが限界のはずです。 数秒でも、もったということは、「えらい」。 そして、私はそれに気づくのが遅い!

 

2020年のゴールデンウィークに突入しました。 ただし、今年は、新型コロナウィルスで、いつもの年とは大きく異なります。 外出自粛により、検討が進みそうです。

リニアアンプの熱暴走が起こった場合、この出力端子ショートに近い状態です。 いくら、電流制限を設けても、リニアアンプが正常動作する範囲の電流制限では、電源は壊れて当たり前ということが理解できました。

ここまで、悟るのに2週間かかりましたが、負荷がショートした時は、出力電圧をゼロにする、イワユル フの字特性の電源が必要なのです。

Avr12v1a

20V 1Aという容量で、フの字特性を有する安定化電源を常用しております。 左がその電源ですが、この電源は、昭和46年くらいに作ったものです。 すでに50年程経過しておりますが、壊れる事無く、いろいろな実験に重宝しております。 今、要求されるているのはこのような電源だろうと、フの字特性の電源に作り変える事にしました。

フの字特性付きの電源 DC_POWER_SUPPLY6.pdfをダウンロード

Pnp3tr

Ipwrspl6

この電源ではPNPの大電力トランジスターを使います。 採用したのは、2SB554というPc150WのCANタイプトランジスターで、それを3石パラにします。 最大450Wの許容損失ですが、実際の回路では、雲母の絶縁にシリコングリス塗布、さらにファンで強制空冷した上で、200W位いがMAXとなります。 この回路で、負荷ショート時、フの字特性が威力を発揮し、出力電圧、電流ともに0となります。 ただし、この特性がアダとなり、コンデンサ負荷(特に電解コンデンサ)時に、負荷ショート状態でスタートしますので、電源が立ち上がらないと言う問題に遭遇します。 この解決方法として、負荷がゼロΩでもいくばかの電流が流れるようにする事。及び、無負荷状態を作らず、邪魔にならない程度に常時電流を流しておくことが重要です。

この対策として、シリーズトランジスターのベースから、かなり高い抵抗で、コレクターに接続し、常時負荷へ電流が流れるようにする回路が例示されますが、この場合、トランジスターのhFEの関係で、一律に抵抗値が決められません。 特に、ダーリントントランジスターの場合、hFEが10,000を超える場合があり、挿入する抵抗は2MΩで小さすぎ、10MΩ以上が必要だったりしますので、シリーズトランジスタのエミッタ-コレクタ間に、kΩオーダーの抵抗を付け、負荷ゼロでも起動する最大の値を探る方が確実です。

この回路でも、最初、R2を10KΩとして、問題なく動作していましたが、ダミーとして、R7の500Ωを繋いだら、起動しなくなり、5.6kΩまで小さくした経緯があります。 そして、電源ONと出力ONは、必ず独立したSWにします。 特定のリグの専用電源なら、その負荷で常時起動する回路定数にすれば良いのですが、汎用電源の場合、負荷状態が不定ですので、出力ON/OFFスイッチはマストです。 

電源の耐性を上げる方策は、入力となる直流電圧をぎりぎり下げることです。 30V 6Aの負荷に対して、60VのDC入力は、それだけで180Wの損失が安定化電源にかかる事になります。 30V 6Aの安定化電源を得るには、6Aで32V以上の電圧があれば良いわけで、もし、この時の入力電圧が32Vなら、12Wの損失を安定化電源が背負えばよい訳です。しかし、そのような都合の良いAC電源を用意するには、スライダックスがマストです。 残念ながらスライダックスが有りませんので、無負荷時67Vのトランスを使用せざるを得ません。

ちなみに、電圧を半分にした時の最大出力可能な条件は25V 5Aでした。 30V 6Aにトライしたところ、フの字特性が働いて出力ゼロとなりました。 このフの字特性が働くのは、入力DC電圧と出力電圧の差が2Vくらいになった場合のようです。

Avr40v7a

上のグラフは今回の安定化電源(AVR)に5Ωの負荷を接続した時の電圧と、AVR自身が請け負う許容電力をシュミレーションしたものです。 5Aまでは実測データを使っています。

負荷抵抗が5Ωの場合、最大39V、7A負荷でフの字特性が現れることを示しています。 この状態でリニアアンプをドライブしてみる事にします。

リニアアンプの動作試験を行い、120Wの出力でも、RFの回り込みはなく、リニアアンプのFETがショートモードで壊れた時も、フの字のプロテクターが機能し、電源は無傷でした。

Avr_protecotorstart

この安定化電源のフの字保護回路が動作する負荷条件は、出力電圧でことなりますが、トランスのレギュレーションから推定した負荷電流は左の通りです。

2020年8月

出力電圧を12Vにして、出力ONすると、時々、出力ONのLEDがポカポカしたり消えたりします。 夏になって温度が上昇した為、Q7のゲート電圧が上がらず、Q7をON仕切らない事が原因でした。 対策として、R13を120Kから22Kに変更しました。

 

 

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