ツェップアンテナ(7MHz用)
コンディションが悪い中、国内QSOがメインとなっている7MHzで、垂直ダイポールは、飛ばない、聞こえない、台風でフルサイズに伸ばせない、など使い勝手が悪い状態でしたので、臨時に仮設でき、ホームでも移動でもつかえるツェップアンテナを製作する事にしました。
インターネットで検索すると、沢山の情報がヒットしますので、工作は簡単です。
材料は40φの塩ビパイプと、1.5φのマグネットワイヤー(PEW線)です。 マグネットワイヤーを22ターン巻いて、11.3uHのインダクタンスとなりましたので、これに、5.1KΩのダミー抵抗を付けた状態で、7100KHzに共振するように、コンデンサの値を調整します。 調整した結果は、左下の配線図のようになりました。
実際にパイプの内側に取り付けられたコンデンサは、右上の写真のようになりました。
22Pは3KV、10Pは1KV耐圧の村田製です。 この状態で最小SWRは1.3くらいでした。
このユニットを高さ8mのベランダから2mくらい横に突き出した棒の先端に吊り下げ、そこから、LANケーブルを割いて取り出したAWG24のワイヤーを約20m伸ばし、水の無い池の上に展開し、7100KHzでSWR最小になるようワイヤーをカットした結果、切りすぎて最小SWRは7150KHzで1.3くらいになりました。 7200KHzではSWR1.5くらいですが、7000KHzでは、2.5くらいになってしまいました。もう少し低い方へシフトしたいのですが、調整は次の機会にして、とりあえずこのまま使います。
このアンテナを使い、自作のトーランシーバによる1st QSOがSSB,CW,AMいずれも成功しました。
このツェップアンテナと従来の垂直ダイポールを比較すると、5エリア、6エリアや3エリアの局はツェップの方がSで20dBくらい高く受信できます。 1エリアの局は+10dBくらい、7や8エリアの局はあまり変わらない状況です。 4エリアはスキップして入感なしでした。 国内QSO用なら、垂直ダイポールは不要というのが判ります。
このアンテナは臨時仮設用ですから、平日は、片づけてしまいます。また移動運用するときは、ポールとこのアンテナを持っていく事にします。
次の週に再度架設するに当たり、給電部を10mの高さまで上げ、水平に約10m、さらに直角に折り曲げながら、斜めに約10m引き下ろし、一番端の高さが3mくらいになりました。
この際、ワイヤーの長さを前回より54cmほど長くした状態で測定したSWRは左のようになりました。
このアンテナは100W AM送信でも問題なく使えました。耐圧は400Wピークでも大丈夫でした。
コイルの防水対策として、右上の写真のように、熱収縮チューブで覆いましたが、効果はあるものの、良好とは言えませんでした。 リニアアンプを使う関係で、シャック内にあるマニュアルチューナーで、アンプと同軸とのマッチングを取ってごまかして使用しています。
このアンテナは常設ではないので、平日の夜、国内がオープンしても使う事が出来ませんでした。 そこで、常設のベントダイポールを作成する事にしました。