2024年7月22日 (月)

バリコン式ATU mark 2

カテゴリ:オートアンテナチューナー(ATU)の製作

新マルチバンドアンテナ用に製作したLDGのKT-100をベースとした、プリセット型ATUを使用して、リレーの接触不良をだましだまし1年間使ってきました。 しかし、この場に及んで、複数のリレーが接触不良を起こし始め7MHzや18MHzが整合しなくなりました。 簡単に整合するのは21MHzだけで、それ以外のバンドは何度も再チューニングが必要となっていました。 また、FT8を運用始めた事により、ATU内のコイルのコアが発熱し、SWRが悪化する現象から、出力を50W以下に落とす必要があるバンドもありました。 このKT-100は12年前に購入したもので、使用されている中華製のリレーなら、こんなもんかと諦めざるを得ません。

この状況から、昔製作して、廃棄処分予定だったバリコン式ATUを引っ張り出し、現在使用中のプリセット型ATUに改造できないか検討を始めました。

まず最初に、コンパイラーがV2.46になったXC8との闘いです。 今までのVC式ATUはXC8のV1.32でコンパイルされていましたので、V2.0から導入された大幅なコンパイラーの仕様変更に対応しなければなりません。 そして、プログラムを詳しく読んでいくと、なぜ、このようなフローにしたのか?と疑問が続出しました。 当時のプログラム開発能力は、やっとエレキーがバグ付きながら動かせる程度のレベルで、今見たら完成度が悪いですね。

今回、mark2化に改造するに当たり、操作は全てシャックに置いたコントローラーから行う事にし、ATU本体のキーもLCDの表示も廃止し、いくつかのデバッグ用LEDのみ付けました。 コントローラーとの通信はUARTを使い4800ボーのスピードで行います。

Vcatu_inside1

Vcatu_inside2


ATUの配線図 VC_ATUmk2_main_V09.pdfをダウンロード

コントローラー配線図 VC-ATUmk2_contoroller_V09.pdfをダウンロード

以前のATUから改善したポイントは以下です。

・回転角を読み取る可変抵抗は270度回転しますが、バリコンは360度以上回転しても、実際に使用出来る範囲は180度です。 この為、モーターが暴走し、可変抵抗のストッパーに当たっても、モーターが止まらず、ギア飛びをおこしていたので、この部分の制御を一からやり直し、考えられる全ての異常動作が発生しても、可変抵抗器のストッパー超えが起こらないようにしました。(したつもり)

・従来のコイルのタップ位置はMTUの仕様にならい周波数に依存するように選択し、それから外れた時は上下の隣のTAPに移るという動作でしたが、実際のアンテナの場合、インピーダンスが低いときなど、大きくずれますので、まず最初に、SWRが最小となるTAP位置を決めてから、VCでSWRのサーチを開始する事にしました。 しかし、VC角度により、SWR最小のTAP位置は異なり、マイコンでは最適値を探す事はできませんでした。 やむなく、デフォルトのTAP位置を5と仮設定し、SWRが1.2以下にならないときはマニュアルでTAP位置を探す事にします。 この場合、SWR最小のTAPが最適とは限らず、TAPだけ切り替えて、SWRが最低となったTAP位置が7で、SWR最小値は1.6にしかならず、一つづつTAPダウンっしてSWRが1.1以下になったTAP位置は4だった事もあり、自動でディップポイントを探すのは不可能と悟った次第です。

・モーターギアのバックラッシュの為、VCの停止位置と可変抵抗の停止位置がぴったりそろわないという従来からの欠点を補う為に、VCの角度も、マニュアルで動かす事が出来るようにし、SWRが最適になったら、これもマニュアルでEEPROMにデータを記録出来るようにしました。 ハイパスT型のATUの場合、真の整合条件とは異なるVCの角度条件でもSWRのディップポイントが存在し、プログラムがこの条件に陥った場合、SWR最小値が1.5以下にならない事が発生します。 この状態に陥った場合、真のディップポイントなのか、偽のディップポイントなのかマイコンでは判断が付きません。その為、TAP位置を変えて再度ディップ条件を探し、もっと良い整合状態があるのかを確認するという動作が必要になりますので、マニュアル動作はマストです。 この様にSWR最適ポイントを探すのは、マニュアル操作を含めて、かなり時間がかかりますが、一度最適整合を見つけたら、EEPROMに記憶させておきますので、2回目からはプリセットコール一発で最適整合できます。

・このバリコン式ATUのオリジナルは、3.5MHzから28MHzがカバー範囲でしたが、1.8MHz用の約40mのロングワイヤーに対応する為1.8MHzまで拡大します。 50MHzは現在のループアンテナが対応出来ておらず、1年間の交信実績もゼロでしたので、このATUでは対応しません。

・ATUをスル―し、SWR計と周波数カウンターだけが機能するモードを設けます。

・リレー式ATUの時有った、使用周波数とアンテナの種類の間違いを防止する機能。 例えば14MHz以上はループアンテナ、1.8MHzを除く10MHz以下は垂直ダイポール、1.8MHzと3.5MHzは、ロングワイヤー、特に3.5MHzは垂直ダイポール(DX用)とロングワイヤー(国内用)のように使い分けるという条件を無視した組み合わせでの使用により、アンテナの性能が発揮されない問題の解決。 手動によるアンテナの選択機能は付いていますが、実際の運用では使用しないようにします。

最終的には、プリセットされた整合条件になるように、VC角度とTAP位置を設定しますが、VC角度はギアのバックラッシュが角度表示で1から2くらいありますので、これによる不整合の度合いが、実際のアンテナで許容できるかという事になりますので、アンテナに接続しないと、使い物になるかどうかは判らない事になってしまいました。

Vcatumk21

上の画像はバラックのコントロール回路で、最終デバッグ中のバリコン式ATUです。

ANTの負荷条件は純抵抗ですが、以下のように整合できました。

Vcmatingdata_2

上の表は、左から順にアンテナのインピーダンスが15Ω、50Ω、500Ωの時のATUの整合条件を示しています。 全てリアクタンスゼロの条件ですが、VCの角度範囲が約10から190まで有効ですので、リレー式のATUの整合範囲以上をカバーしています。

 

Vcatu_box_1

約1か月のデバッグで、ほぼソフトが完成しましたので、今上げているATUを降ろし、リレー式ATUを取り除き、バリコン式ATUに入れ換えました。 また、コントローラーも中身をそっくり入れ替えて、まずは、机上でのテストです。 とりあえず、50Ωの負荷をつないで、21MHzでの整合テストを行うと、正常に働きましたので、この状態で、デバッグを続ける事にします。

ATUの背が高くなったので、今までのBOXに収納出来るか心配でしたが、約2mmの隙間を確保して、蓋を閉める事ができました。 今まであったLやCの微調整用リレーのみは残っていますが、配線とLやCは取り外してすっきりしました。

Vcatu_box_2

Vcmtu_panel_1

上は、コントローラーと接続し、デバッグ中のVC式ATUです。

50Ωの負荷抵抗ですが、1.8MHzから28MHzまで、整合条件を確認し、かつ100WのCW送信でも問題が無い事を確認できました。 ただし、ほとんどのバンドが1.10以下のSWRに収束しましたが、18MHzのみ1.3以下に落ちませんでした。 原因は、SWRを1.5以下に追い込んだ後のモーターON時間が短く、ギアのバックラッシュ分しかモーターを回していない為、いつまでたっても収束しない状態でしたので、18MHz専用のモーターON時間を設定し、従来の2倍の時間に設定し解決しました。 後は、仮の高さのアンテナに実装して整合テストと25mの通信ケーブルとUARTの相性を確認するだけになのですが、連日39度を超える暑さの中で、しばらくは机上でのデバッグを続けます。

 さらに1週間デバッグを続け、大きなバグも見つかり修正しました。 次の日曜日、相変わらず39度の暑さが続きそうですが、昼前に、ゲリラ豪雨。 雨が止んだ直後の外気温は27度。 これはしめたと、VC式ATUを仮の高さに降ろしてあるマストに括り付け、高さはそのままで、チューニングテストを行う事ができました。 心配していた25mのコントロールケーブルと4800ボーのUART通信は全く問題なく行える事を確認できました。 そして、7MHzから28MHzまで最大SWR1.6で整合できました。 この日はフィルドデーコンテストが行われているのですが、あいにくの磁気嵐の際中で7MHzは雷のノイズだらけで聞こえるSSB局は1~2局だけ。 21MHzでも8エリアのCW局が1局だけ聞こえますが、SSBは皆無。 ゲリラ豪雨が雷を伴いながら連続して迫ってくるので、テストはここまで。 アンテナの同軸ケーブルをリグから外して、様子見です。

 

2024年8月

夏休みの初日にアンテナマストを最長に伸ばし、やっと正規の高さに上げる事ができました。 その日の晩に、1.8MHzから29.7MHzまで全バンドの整合を取り直し、EEPROMに記憶させました。3.5MHz以下のバンドでSWR1.8以下にならない現象がありましたが、FTDX101Dの内蔵SWRメーターではSWR1.2くらいになっています。

ここ3日間くらいは、SNが連日250を超えていますが、DXの入感はさっぱりです。 しばらくはATUのテストだけが続きそうです。

8月のお盆休みを利用して、再度チューニングテストをやってみました。 先日、整合OKでEEPROMに記憶したプリセットデータを呼び出しても、SWRが3を超える場面がかなりの頻度で出ます。 同じ日に記憶したデータなら、これを呼び出しても、ちゃんと整合状態が再現するのですが、数日前のデータの場合、不整合になる事が発生します。 原因を調査中です。

調査した結果、VC2に連動した可変抵抗器のギアが軸との間でスリップしているようです。 昼間、ATUのBOX内が多分50℃くらいになり、若干の熱膨張でスリップが発生し、バリコンは回るけど、可変抵抗器が回らないというのが原因のようです。可変抵抗器の軸を約0.3mm Dカットし、完全な周り止めを追加しました。 また、プリセットコールをON状態で周波数を切り替えた時、ターゲットのバリコン位置をオーバーランして、整合が崩れる問題は、VC2を制御するソフトのバグでした。 バグの原因は、VC2のモーターをONした後、現在のVC角をUARTで送信している内にオーバーランしてしまうもので、タイミングによりオーバーランの量も変わっていました。 対策は、プリセットデータを呼び出してVCをプリセットする時に限り、VC回転中はUART送信を禁止し、VCの回転が停止してからVC角をUART送信するようにしました。 また、回転方向によるVC角のズレを少しでも改善する為に、必ず2回連続して、VC角度を設定するようにし、2回目では、モーターの速度が上昇しきれないうちに指定角度で停止する事により停止角度の精度が上がるようにしました。

また、SWRが下がってくると、モーターのON時間を短くして、SWR最小ポイントを飛び越えないように細工していますが、温度により、この時のモーター回転量が大きく変化し、室温27度で最適に絞りこみが出来るように時間を設定した場合、夏の昼間はBOX内が50度を超えるような熱さになり、短時間のモーターONでもSWRディップポイントを飛び越えてしまい、SWRが収束するまで数倍の時間がかかっています。 室内でのシュミレーションは抵抗負荷による結果で、実際のアンテナの場合、リアクタンスを含みますので、VCの角度がもっとクリチカルになるのも影響しているようです。 この対策として、コントローラーから、モーターON時間を変更出来るようにしました。 キー操作やエンコーダー操作では変更できませんが、コントローラーのプログラムを書き換えると変更が可能になります。 いちいちATU BOXを降ろす必要がなくなりますので、夏と冬でON時間を変更することが簡単になります。

2024年9月

8月末に台風10号が広島を通過する事になり、事前にアンテナをたたんだ為、しばらくATUの検討が出来ていませんでしたが、9月の上旬最後の日に、今回仕込んだモーターON時間の変更確認を行う事ができました。 1.8MHzから28MHzまで最短でSWRが収束するON timeを設定し終わった結果、どのバンドも初期設定の半分以下に落ち着きました。 この確認は夜8時過ぎにおこないましたので、昼間の暑いときとは条件が異なるかも知れませんが、この状態で様子見です。

バンドを切り替えた時、リレー式の場合、受信ノイズが即大きくなりますが、このバリコン式の場合、3秒くらい遅れて急にノイズが大きくなり整合した事が判ります。 

VC_ATU_mk2_main_v1r00.cをダウンロード

VC_ATU-mk2_controller_v1r01.cをダウンロード

FreqRang_3.hをダウンロード

  

 

T型アンテナチューナーの欠点であるコイルのタップ位置により偽のSWRディップポイントが発生する事を解消する為、コイルのタップが無いZ-MatchアンテナチューナーのATU化にトライします。

2025年4月

Z-Match ATUが完成し、運用を始めた結果、ステッピングモーターの脱調が原因と思われる、プリセットデータの再現性が悪く、自動整合はうまくいきますが、プリセットコールで取得したモーターの位置では運用が出来ず、再度自動整合を取り直す必要が生じ、この問題を解決する為にZ-Match ATUは一旦降ろす事になりました。 代わりに、このVC式ATUを再度上げる事にしました。 この時、今まで未対応だった50MHzを追加する事と、ATUに内蔵していたインピーダンス変換トランスを廃止し、1対1のバランを全てのアンテナで使うように改造しました。

Vcatu2cnt

Vcatu2balan

上の写真が50MHzを追加したATUのコントローラーです。コイルのタップは9番TAPを使っていますが、今までステアタイトボビンの2回目のタップでしたが、これを1回目のタップにして、整合が取れるようになりました。

左は、ATU BOXの内部ですが、インピーダンス変換トランスは廃止し、1対1のバランだけ残してあります。 ATUをVC式に変更するついでに、長年使ってきたケンプロのローテーターのギアが破損して動かなくなっていましたので、YAESUのG800DXAに変更しました。 この作業を行った日は、かなり強い風が吹いており、ステーが無い状態でポールを最長状態に伸ばす作業は諦めて、翌日、風が少しおさまった午後4時ごろ最大高さまでアップしました。

追加した50MHzもSWR1.3くらいまで整合出来るのですが、コンディションが悪く、聞こえてくるのは先日QSOしたFT8の局のみで、このATUによる交信は次のチャンスまでお預けとなりました。 7MHz以上の他のバンドは14MHz以外交信出来ています。 ただし、50,28,24MHzでは100W連続送信のとき、SWRが次第に上昇する現象が見られ、これはATUの出力に設けたバランのフェライトコアの発熱によるもののようで、80Wまで出力を落とすと問題なしです。バランのコアを大きくするか、バランそのものを廃止するか検討する事にします。

21MHz以下は100W連続でも問題有りませんでした。

また、ATUとは直接関係ありませんが、ATU側の配線間違いを修正した160mバンド用のGPのインピーダンスは給電ポイントで50Ωに整合するようになりましたが、送信機の接続ポイントでのSWRが3になってしまい、160mの運用は出来ませんでした。 原因はこれから調査します。

50MHzまで対応したソフトは以下です。 50MHz対応だけでなく、その他の改善事項も含まれています。 
 

VC_ATU_mk2_main_v2r00.cをダウンロード

VC_ATU-mk2_controller_v2r00.cをダウンロード

FreqRang_v2r00.hをダウンロード

ATU本体の回路図 VC_ATUmk2_main_V200.pdfをダウンロード

 

 

Z Match ATUの製作はこちら

 

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2024年6月12日 (水)

デジタルマイクコンプレッサーの製作1

カテゴリ<SDR> [ 自作  dsPIC]

秋月で扱っている安いdsPICを使い、安いSSBジェネレーターが実現できないか実験したところ、一応SSB信号の発生には成功したものの、出来上がった信号のスプリアスレベルが大きく、SSBジェネレーターの実験は失敗してしまいました。 しかし、せっかく、試作基板を作った事も有り、何かに活用できないか、考えていたところ、デジタルマイクコンプレッサーが出来るかもしれない。そこで、目的を変更して、実験を継続する事にしました。

無線機の平均変調度を上げて、了解度を改善する手段として、RFスピーチプロッセッサーと言うのが昔から存在します。 これは、低周波のままで、音声圧縮を行うと、どうしても、歪が増加してしまうのですが、一度、高周波のDSBに変換し、この高周波の尖頭レベルをクリップした後、フィルターを通し、元の音声信号へ復調すれば、歪の少ない圧縮された音声信号が得られるというものです。

従来は、ダブルバランスミキサーでDSBを作り、片方のサイドバンドのみをメカニカルフィルターや同等のフィルターで取り出した後、これにBFOを当て、元の音声信号に戻すという構成をアナログ回路でやっていました。 今回、これを全てデジタルで行います。

Mc_block

上のブロック図が今回実験するマイクコンプレッサーの構成図です。 オールデジタルと言っても、マイク信号をデジタル処理出来るレベルまで増幅する手段や、ADCの中で発生するエイリアシングノイズ対策及び、DAC出力に現れるサンプリイング周波数の漏れを対策する為のLPFはアナログ回路で作る必要があります。

マイクのすぐ後にあるリミッターアンプはADCが飽和しないようにレベルの先頭値を規制する為のもので、通常ALCと言われるICです。その後のオーディオLPFはOPアンプやLCで構成する3KHz以下を通すLPFです。 DSPと書かれた枠内にあるブロックが今回採用するdsPIC33FJ32GP202となります。ADCで12bitのデジタルに変換された信号は、10KHzのローカルオシレターの信号と掛け算され、キャリアの無いDSB信号となります。 その信号を16bitの最大先頭値信号から24dB低いレベルで、プラス/マイナスともクリップし、それより高いレベルは全てフラットにします。 次にクリップされたDSB信号のUSBのみをBPFで取り出し、この信号と10KHzのBFO信号を掛け算し、元の音声信号を復調します。 ただし、この復調信号には多くの帯域外ノイズが含まれいますので、3KHzのLPFを通した後、DA変換して、音声信号に戻します。 

このブロック図は原理図であり、実際の回路では、マイク感度とコンプレッサーレベルの調整の為、入力部と出力部に可変抵抗が追加され、色々なトランシーバーに接続出来るようにします。

私が作るコンプレッサーは、自作の無線機で使う事だけを条件にしますので、出力レベルは自作無線機に必ず付いているAUX端子のレベルに合わせる事にしています。

マイクコンプレッサー配線図 MIC_COMP_01.pdfをダウンロード

Mc_1khz

Mc_400hz

上の波形は、入力レベルを3VppでADCに加え、DSP内部にて、-24dBのレベルでカットした信号のDAC出力です。左が1KHz、右が400Hz。 -24dB下の波形は0.3Vppより少し低いレベルになりますので、カットされた波形は、ほとんど台形波形ですが、ごらんの通り、1KHzはほぼ正弦波に戻っており、400Hzでも、完全とはいかないにしろ、高調波歪はかなり抑えられています。

実際にマイクコンプレッサーとしてまとめるには、マイクゲイン、クリップレベル、DAC出力レベル等を、無線機の仕様に合わせる為、可変抵抗が必要になります。 特に、クリップレベルは実験しながら決める必要がありそうです。

ソースファイル

MIC_complessor.cをダウンロード

TapAUDIO127_BPF_KS.hをダウンロード

TapUSB255_BPF_KS.hをダウンロード

 

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2024年6月 3日 (月)

ローコストSSBジェネレーターの実験

カテゴリ<SDR> [ 自作  dsPIC]

dsPICを使ってSSBジェネレーターを製作し、7MHzトランシーバーや160mバンド用SSB送信機を作成、実用しております。 秋月で取り扱うdsPICも最近の仕入れのものは、かなり価格を上昇しておりますが、昔から置いてある部品は価格据え置きで販売されております。 その中で、特に安いと思われるdsPIC33FJ32GP202というDIP 28pinのdsPICマイコンが有ります。現在の価格は180円で、本命のdsPIC33FJ64GP802と比べて大きな差があります。 機能的には、内臓16bit DACが無くなり、ROMもRAMもサイズダウンしていますが、DSPエンジンは同じものが使われています。

このGP202と外付けのDACを使い、安いSSBジェネレーターが出来ないかの実験記です。

Shema_gp202_ssb_generator

上が、今回実験に使うSSBジェネレーターの回路図です。 dsPICとDACを合わせて280円です。

仕様はLSB USB AM CWの送受信機能付きです。もちろん、送信機のみ、或いは受信機のみとしても使う事ができます。 GP802タイプのdsPICに比べてRAM容量が2KBしかなく、ジェネレーターとして必要なFIRのTAP数に大幅な制限がでますが、そこは音質(音声帯域幅)を了解度が落ちない程度に抑えて、新スプリアス対応可能なものを目指します。 この条件で設定したDSPの基本仕様は以下のようにしました。

Dsp_block2_2

RAMの容量制限対策の為、AUDIO BPF部分のTAP数は127、IF BPF部分のTAP数は255とします。いずれも専用のリングメモリーをRAM上に確保しなければなりませんが、リングメモリーとして、X data 領域及びY data 領域上に確保出来るサイズは2のn乗でなければならず、2KBのサイズの中に、ふたつのリングメモリーとそれぞれ用のTAP係数データもこのX及びY領域に配置する必要があります。 これは、DSP命令のアドレッシングモードがX,Y RAM領域しか機能しない為です。(リングメモリーのサイズは2のN乗という制限が付きますが、TAP数はこのサイズ以下の奇数なら何でも良い) Float形式のTAP係数はconst指定で、プログラム領域に読出し専用データとして、保存して置き、dsPICが立ち上がる都度必要なFloatデータを符号付整数に変換してX及びYのRAM領域にコピーする事で、RAM使用量を80%以下に抑えています。

DACが内蔵されていないので、外付けのDACが必要になりますが、ちょうど、秋月にて、16bit 2chのラダー抵抗タイプのDAC PT8211が100円で販売されており、これを採用する事にします。このDACはオーディオ用として作らており、符号付整数にて、DA変換を行いますので、便利です。

これらを踏まえた上で、とりあえず、送信モードのみ動作するプログラムを作成し、基本機能の確認を行いました。

Out_1khz_2Out_10khz_2

Out_16khz

In_16khz

40KHzのサンプリング周波数で10KHz(右上の波形)を出力していますので、理屈的には、このような波形になる事は判るのですが、オリジナルのGP802を使った時は、このような波形にはならず、少なくとも確認した12KHzの信号でもきれいな正弦波でした。

100円のDACがおかしいのかもと、Microchipの330円のDACに換えてみましたが、波形は同じです。 どうもGP802の中で使われているDACが特殊なDACなのかも知れないと調べてみると、デルタシグマ変調タイプのDACである事がわかりました。 ΔΣ変調型DACというのはかなり高次のオーバーサンプリングを行い、1bitデジタルデータに変換した後、これをフィルターで元のアナログ信号に戻しているもので、サンプリング周期内のレベル補間がスムースに行われる事が特徴であり、最近のデジタルオーディオは、ほとんどΔΣ型らしい。 今回使ったのはラダー抵抗型というもので、DACとしては、一番簡単なICです。そして、これがミキサーを通してUSBやLSB信号になったとき、どうなるかは判りません。

10KHzキャリアと1KHz信号をミキサーにかけ、後段のBPFを通った、LSBとUSBのスペクトルを見てみました。

1khzlsb

1khzusb

案の定、余計なスプリアスが出ていました。異常スプリアスと示したスペクトルがそれです。 ただし、スプリアスが有っても、許容値以内なら問題ないのですが、一番大きいもので基準より-44dBくらいしか減衰していません。 これはHFの場合、50dB以上、50MHzの場合、60dB以上低くなければならず、NGです。

オーディオ発振器をスィープさせ、それをオーディオスペアナでピークホールドしてフィルター全体のスプリアスを見てみました。

Lsb

Usb

正弦波単体の時と同じ傾向を示し、NGです。

使ったDACが100円も330円もラダー型でしたので、これでは送信機としては不適合になってしまい、免許は降りません。

これを解決する為に、ΔΣ型DACをさがすと、秋月で240円のICが見つかりますが、dsPICとのインターフェースは不可能ではないが、面倒です。 結局、870円のdsPIC33FJ64GP802の方が簡単という結論になってしまいます。

下のファイルは実験途中のもので、送信モードしか動作しません。 FIRフィルター係数のファイル名がBLとなっていますが、中身は全てKaiser窓です。

SSB_generator_CD0.cをダウンロード

TapAM255_BPF_BL.hをダウンロード

TapAUDIO127_BPF_BL.hをダウンロード

TapAUDIOCW127_BPF_BL.hをダウンロード

TapCW255_BPF_BL.hをダウンロード

TapLSB255_BPF_BL.hをダウンロード

TapUSB255_BPF_BL.hをダウンロード

 

SSBジェネレーターは諦めましたが、マイクコンプレッサーが作れるかも知れないと実験を始めました。

 

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2024年5月 6日 (月)

FIRデジタルフィルター係数 発生ソフト

dsPICを使い、FIRフィルターを自作しておりますが、長年使ってきた 石川高専の山田先生のホームページがedgeでは閲覧できなくなっており、新たにFIRフィルターを設計するのに困っていましたら、フランスのThomas Drugeon さんがオーディオ向けのフィルター係数を発生させるソフトを公開していました。 さっそくダウンロードしてテストしてみると、これはいとも簡単に係数を発生し、C言語で扱えるファイル状態で出力してくれます。 以下、その使い方を紹介します。 

rePhaseと呼ぶソフトを紹介しているページはこちらにあります。

このページから、Latest version   (v1.4.3, 2019-01-16, Windows 32/64 bit)というソフトをダウンロードし、ダウンロードされたzipファイルを解凍すると、rePhase.exeというファイルが現れますので、これをダブルクリックすると以下のようなダイアログがオープンします。

Repaseorijinal

このソフトは本来、オーディオのグラフィックイコライザーの特性をデジタルフィルターで構成する時のフィルター係数のジェネレーターですが、dsPICでSSBを発生させる為のFIRフィルターの係数を発生させることもできます。

上の画像の真ん中付近にある「Linear Phase Filter」というタグを開き、左下側にあるlinear-Phase Filterの部分に必要な記述を行います。

Rephase_linearphase_filter_2

使うのは上の2行だけです。 最初の行をhigh-passにして、2行目をLow-passに指定します。

次にshapeの列に2行とも「brikwall」を選びます。 freqの列の1行目に150Hz、2行目に2850Hzと記入します。

次に、右下のInpulse Settingの部分を記入します。

Rephase_impuls_setting_2

まず、タップ数を奇数で記入します。ここでは251としました。 次のFFT lengthはタップ数に応じて自動入力されますので、手を加えません。 conteringの部分はmiddleを選びましたが、実際に動くようになったら他の選択肢へ変更しても良いでしょう。 その下は、「use closest perfect inpulse」を選びます。 windowing(窓関数)はサイドローブが低い[blackman-harris」を選びましたが、好きな関数を選択できます。 optimizetionはデフォルトのままです。

rateはサンプリング周波数を記入します。 ここでは48KHzとしましたが、実際には、使用するdsPICのADコンバーターのサンプリング周波数を記入する事になります。 formatは発生したフィルター係数をC言語形式で出力されるようにします。 directoryはこのCファイルをどこに出力するかを指定します。

右枠の中は、デフォルトのままです。

これらを設定し終わった、目標特性グラフ付のダイアログ全体を下に示します。

Rephase_allwindow

目標のBPFの特性は上のグラフのように四角いフィルター特性ですが、タップの数を例え1001としても、このようなグラフになる事はなく、タップの数が多いほど、この理想曲線に近くなるという事だけです。 実際はハイパスフィルターのカットオフを50Hzくらいにして501タップくらいで、Hi-Fi SSB信号が出来ると言われています。

この設定で作られたFIR係数ファイルの例を以下よりダウンロードできます。 このファイルをBPFxxxx.hとリネームし、ヘッダーファイルとして読み込ませたら、dsPICのソフトが出来上がります。

BPF150-2850.cをダウンロード

実際にこのアプリを使い、dsPIC33FJ64GP802用のBPF係数を出力し、AM送信機のFIR BPFフィルターを作った例はこちらの最後の部分で紹介しています。

2024年5月末

石川高専の山田先生のページはWIndows7 Chromeの組み合わせなら、問題無く表示出来るようです。

また、  http://dsp.jpn.org/dfdesign/iir/i_bpf.shtml  このURLを検索アプリのURLランに張り付けてエンターすると表示できる場合があります。

 

その後、FIRフイルター係数の計算を英語で検索すると、特性がrePhaseよりよさそうな係数を発生出来るページが見つかりました。 現在、次の自作モデル用として、dsPICによるSSBジェネレーターを試作中ですが、この係数に使って実力を確かめ中です。

新しい、FIR係数発生ページ Digital Filter Design (arc.id.au)

このページで生成されているKaiser-Bessel窓による係数は石川高専のページでも発生させる事ができます。ただし、フィルター外のATT量がデフォルト20dBとなっていますので、60dBに変更してやると、同等のデータがえられます。

 

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2024年4月13日 (土)

LCD ZJM161A PICで表示

aitendoの福袋の中に、1行16文字表示のLCD ZJM161Aが有りましたので、PICによる表示テストを行いました。

入手したLCDは左右両端の文字がコントラスト不足になっていましたが、在庫処分の福袋でしたので、しょうが無いと思っています。 正規品はお一人様2個までの条件付きで199円で売られています。この正規品はもしかしたら、コントラストのムラは無いかも知れません。 なお、正規品もLED照明は有りません。

このLCDに使われているICは一般的な1602BタイプのLCDドライブICと同等品で、秋月で扱っている8文字2行タイプの青色LCD ACM0802C-NLW-BBHと同じ構成で、私の実験では、このLCD用のプログラムでちゃんと表示できました。 ただし、秋月のLCDは2行が上下に並んでいますが、このLCDは1列8文字がふたつ1列に並べられており、文字の大きさが大きくなっています。

Zjm161a_lcddisp

表示テストは、いつも検討に使うPIC16F1939で行いました。 

回路図 LCD_ZJM161A.pdfをダウンロード

サンプルプログラム ZMJ161Atest.cをダウンロード

コントラストを調整する半固定抵抗が5KΩですが、これは手持ちが20個くらいあって使っているもので、抵抗値に他意は有りません。 今回のLCDは半固定抵抗のセンター端子の電圧は0Vで、最大のコントラストになりました。

 

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2024年4月 5日 (金)

ATUはFT8に弱い

160mのバンドコンディションが悪く、DXとのQSOが全く出来ていなかったので、今まで気嫌いしていたFT8にトライする事にしました。

ところが、160mで100Wの送信を15秒も続けると、SWRが5を超えます。 CWやSSBの場合、200W送信でもSWR1.5以下です。

Heatupatu_3

原因はATU内部のフェライトコアの発熱です。 このATUは200WのSSB送信時、同じように数秒間送信すると、SWRが大きくなるという現象があり、ATU内部のコイルに流れる電流を半分にして対策したものでしたが、さすがに100W連続送信は15秒間も耐える事が出来ず、15秒間の受信期間中にコアが冷めない為、次の15秒間でさらにSWRがあがるという事を繰り返します。 対策は、FT8の時は出力を50Wまで絞る事でした。

1.8MHzでも50WあればWの西海岸やニュージーランドとは交信できますので、問題なしです。

周波数が高くなれば、このSWRが安定している出力の許容値は上がって行き、21MHzでほぼ100Wまで改善します。ただし、この例は1.8MHzのSSBで200WまでOKのATUの場合です。

ATUをお使いの場合、リグ内蔵のSWR計の指示を注視し、次第にSWRが高くなる場合、上の写真のようになる前にパワーを絞る事です。

 

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2024年4月 1日 (月)

エレキーの製作(PIC16F1827) コンテスト用

メインのHFリグをFTDX-101Dに変更して、CWのコンテストに参加した時、送信用のキーはCTESTWINからの自動送信としていたのですが、キースピードを25WPMに設定していると、時々、早すぎて取ってくれない事があり、手動のエレキーでゆっくり打電しようとしても、リグ内蔵のキーファンクションをエレキーに切り替える必要がありました。 この切り替えがわずらわしく、自作の外付けエレキーとCTESTWINからのキー信号をパラに接続して交信していましたが、自作のエレキー回路にはキースピードの表示が無く、一度キーを打ってみて、目標のスピードになるよう調整する必要があり、非常に不便でした。

そこで、キースピードがWPM単位で表示できて、CTESTWINと共存できるエレキー回路を作る事にしました。 手元に、PIC16F1827があり、8文字、2行表示のLCDもありますので、これを使い、以前製作した、PIC12F675によるエレキー回路を改造して実現する事にします。

エレキー回路配線図 elekey4test.pdfをダウンロード

せっかく作りますので、モニターTONEも正弦波で出力させ、小さなスピーカーを鳴らせるように、PWMオーディオアンプも付けました。 モニタートーンの周波数は500Hzくらいから1500Hzくらいまで、可変出来るようにし、可変中は、モニタートーンのみ1.5秒くらい聞こえるようにしてあります。この場合、キー出力は出ませんので、いちいちトランシーバーの送信を禁止する必要は有りません。 モニター音量調整の為、470KΩの可変抵抗を使っていますが、これは100KΩの可変抵抗が最適なのですが、手持ちが無かったのでやむなく使っているものです。

また、1.2Kとか12Kの抵抗を多用していますが、本来は1Kか10Kで済ませる抵抗ですが、この値の抵抗は他の工作でも沢山使い、すぐに手持ちが無くなってしまいます。 その為、秋月で2500個単位で買いますが、工作する方の思いは同じで、2500個リール売りの1Kと10KΩの抵抗は売り切れており5000個リールしか無かった為、2500個リールの在庫が有った1.2Kと12Kを買った為です。この辺の定数は8.2から12くらいの値であれば何でも使えます。

エレキーの可変スピードの範囲は2WPMから40WPMまでとしましたが、実際に使われるのは18WPMくらいから28WPMくらいです。

従来のエレキーでは、マニュピレーターの動作を周期的にチェックする時間は16msecで、一応チャタリング対策は出来ておりましたので、今回も16msecとしました。

FTDX101Dをキーイングする信号はフォトカプラーで完全にGNDを分離し、PCやエレキーの誤動作防止としました。 PCからこのエレキーに接続するのはUSBからRS232Cに変換するアダプターを使い、PCとこのエレキーの間にフォトカプラーを入れ、PCとエレキーのGNDも絶縁してあります。

Elekey1827_1

760hz_tone

上は、出来上がったバラック状のエレキー回路です。 左は、モニタートーンの波形で、5bitのDACから出力したものです。 完全な正弦波ではありませんが、レベルゼロの位置からスタートし、レベル0の位置で終了するようにしてありますので、キークリックは全くでません。

TONE信号を作る為に、1サイクルを20分割した5bitのデータを作り、タイマー2が割り込みする間隔を指定して、TONE周波数の可変を行っています。 表示される周波数はこの割り込み周期から計算されたもので、実際の周波数とは、若干ずれている場合があります。

これをケースに入れる為、ケースを発注しましたので納品され次第、組み込むことにします。

マイコンプロブラム Elkey4ContestV102.cをダウンロード

やっとケース加工が完了しました。 以前作成した160m用SSB/CW送信機と横幅がほぼ同寸法になりましたので、シャックの中でも納まりがいいです。 FTDX101DのCW符号は、CWの設定規則通りのキータイミングでしたので、今後は、私なりのキーイングスタイルで、CWコンテンストを楽しめそうです。

Elkey4testcasein

 

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2024年2月25日 (日)

160m用受信用アンテナ

<カテゴリ:アンテナ> ループアンテナ バーアンテナ

160m用のスローパーもどきや、高さ19.5mの垂直アンテナを設置したのですが、DXはCWですら全く聞こえません。 国内向けにSSBでCQを出しても、ノイズがS9+5dBくらいあり、せっかくコール頂いてもコールサインが取れないという状態が続いていました。 そこで、なんとか受信環境を改善できないものかと、電界シールドタイプの磁界ループアンテナを仮設して、改善できるかトライする事にしました。

インターネットで調べると、プリアンプ無しで使えるのは直径1.2m以上は必要とのことで、手持ちの同軸ケーブルを物色しましたが、約5m近くの同軸ケーブルは結構重く、支持材も大げさになりそうなので、昔、はしごフィーダーのワイヤーとして利用していました、3.5SQ相当の2芯シールド線がみつかりましたので、これをエレメントにして、ループアンテナを作る事にします。 電界シールドタイプのループアンテナは同軸ケーブルで作るというのが一般的ですが、インピーダンスは無関係で、単にシールド効果があれば良いだけでしょうから、同軸ケーブルの1/4以下の重さのこのワイヤーを4.8m用意し、この2芯のうちの1芯のみをループ状にして、グラスファイバー釣り竿を支持材料とした以下のような構造のアンテナを仮設する事にしました。

160mrxant160mrxantbox

この構造のアンテナを室内で組み立て、外来ノイズがS7くらいになるように方向と場所を選び設置しました。室内と言っても、木造、鉄筋、3階建てで、すでに地上高は9mくらいあります。

マッチングBOX内のバリコンは最大330Pのポリバリコンで、390Pの固定コンデンサと合わせて、約560Pくらいの時、1.840KHzに共振し、3対7の整合トランスで50Ωに整合しており、アンテナのSWRは1.05くらいです。

夜になるのを待って、国内のQSOを聞いてみました。 残念ながら、S/Nの改善は全く見られず、従来のスローパーモドキや、垂直アンテナの方が良く聞こえます。

2日目、場所と向きを変えて外来ノイズがS5くらいになる場所を選び、SSBで再確認してみました。 前日よりは、効果があり、S/Nの改善はできましたが、それでも送信アンテナで聞いた時の方が了解度はアップします。部屋の中で、ノイズのヌルポイントを探しましたが、見つかりませんでした。 住宅街で、周りを電線に囲まれている場所では、あまり効果は期待できないと悟った次第です。

 

次に検討したのは、AM用バーアンテナを使ったアンテナです。

160mant1

左の図のように、10φ 長さ100mmのフェライトバーの中央付近にAWG24の線を巻き、インダクタンスを約104uH確保し、max 430pFのエアバリコンで1830KHzに共振させ、コアの端っこに巻いた16ターンのリンクコイルから受信信号を取り出すようにしたもので、Mコネクターから見たSWRは約2.5くらいでした。 これを受信専用端子に接続し、送信用垂直アンテナとS/Nの比較を行いました。

受信出来た信号は国内のSSBでしたが、室内に置いたこのバーアンテナの方がS/Nは良く聞こえました。 ただし、受信音は垂直アンテナの方がノイズを含めて大きく聞こえます。 バーアンテナ側にプリアンプを入れると、音量が同程度で、S/Nの良い信号が聞けそうです。 ただ、この国内局が相手にしていたW6の局は聞こえませんでした。

この構成に至る前に、AMバーアンテナ用リッツ線を使ったアンテナも検討しましたが、入手した既成のコイルのDC抵抗が10Ωくらいあり、1.8MHzのQはかなり低く、受信しても何も聞こえませんでした。 

室内での受信で、かなり希望が持てる結果が得られましたので、最終的には屋外に出す予定ですが、10φ 100mmのフェライト棒を3本束にしたアンテナを作り、改善の度合いを確認する事にします。

160mbarant3

コイル部分は1φのUEWを約28ターン巻いて、約75uHのインダクタンスになりましたので、これにmax430PFのエアーバリコンを直列に入れ、1830KHzに共振させ、3対6のトランスで受信機へつなぎます。 バリコンの容量をLCメーターで確認すると、約95PFでした。 SWRは共振周波数で1.1くらいです。 

夜になるのを待って確認する事にします。

S/Nはバー1本の時と同じ様に聞こえますが、音量が足りません。 1本の時は並列共振をリンクコイルでピックアップしていましたが、3本の時は直列共振で1次側インピーダンスが12.5Ωとなていますので、Qが下がったのかも知れません。

  

160mbarant4

そこで、バー1本の時と同じように、リンクコイルを追加して、これで、受信機につないでみました。 音量は、バー1本の時と同等となり、S/Nもバー1本の時より、少しだけ改善したように思えますが、バーを3本にした時の期待値には届かないという感想です。

気になる所は、共振用のコイルの巻き数とリンクコイルの巻き数が同数という事です。 この状態でSWR1.1以下に収まっていますので、共振回路をQダンプしているに等しいのではないかと心配になります。 もう少し、改善を加えてみる事にします。

ちなみに、このバーアンテナでも、垂直アンテナでも、5W1SAのFT8信号は見えませんでした。

160mbarant5

バーアンテナの共振時のQを改善する目的で、2次コイルの巻き数を28Tから9Tに変えて、この9Tのリンクコイルを左右にスライド出来るように紙のボビンに巻いて、1830でSWR1.1以下に整合させました。

その状態で、1840KHzのFT8を受信したまま、風呂に入り、40分くらい経過した後、FT8の受信記録を見ると、AN8WAMがOP5QPIを呼ぶデータが残っていました。 モロッコの西、大西洋上のカナリー諸島からベルギーの局を呼んでいる信号です。 1.8MHzで初めてとらえたFT8のDX局がアフリカでした。 歓喜して、次の日、共振用コイルを75uHから119uHに変更し、リンクコイルはそのままで、1840KHzのSWRを1.1に整合させ、1.8MHzのFT8をワッチすると、今度はS79JZNという局が記録されました。セーシェル諸島というマダガスカルの北東約1000Km先のインド洋に浮かぶ島々からですが、表示された受信S/Nが-11dBとあまりにも良すぎます。 そこで、以前CWで交信した事のあるカナリー諸島のコールサインを調べてみました。 3局の記録が残っており、プリフィックスはEA8かEG8で、サフィックスは2文字でした。 セーシェル諸島の局とは交信した事はありませんが、過去のペディション記録から、フェイク臭いコールサインです。どうやら、UC局みたいですね。 喜んで損しました。 このアンテナの性能は、オレゴン州から-14dBから-17dBのQSBを伴いながら数十分間入感していたK7ZVの受信記録が、実力だろうと思われます。 アフリカからの信号の受信は出来ませんでしたが、室内に置いたバーアンテナでWの信号が見えましたので、屋外に設置する価値がありそうです。

屋外に設置する目的で、防水タイプのバーアンテナを作りました。とりあえずはベランダから2mくらいの高さ(地上高10m)に上げて様子をみます。

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160mbarant7

左上が、食品タッパーの中に収納したバーアンテナ、右上がその回路図です。リンクコイルの位置を左右に動かして、1840KHzにて、SWR1.1に調整してあります。

 

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2024年2月11日 (日)

160m 垂直アンテナ 2024

<カテゴリ:アンテナ>

新マルチバンドアンテナを設置して、構想が未完成でした160m用のATUを使わない垂直アンテナをやっと上げる事ができました。

160mvant2024

構造は左の通りです。整合BOXも敷地内です。 頼りにしている調整池を取り巻く全長130mの金網のフェンスまで3m離れており、最初BOXと金網の間を2φのアルミ線2本で地中を通って接続していたのですが。共振時のインピーダンスが50Ωを超える為、試験的にBOXのGNDを10cm以下の1.25SQのワイヤーで金網に接続すると、32Ωまで下がります。 そこで、また、BOXを敷地内に移し、廃棄処分予定の5C2Vの同軸ケーブルの芯線と網線をショートして、アルミ線と同じように地中を経由して接続しましたら、共振時のインピーダンスは32Ωになりました。

以前、同じような構造で、フェンスのすぐ近くに整合BOXを置き、共振状態でのインピーダンスを調べた事があり、その時は18Ωでしたので、32Ωは気になりますが、これはどうしようもありませんので、このままです。

160mv19r5m

Trans10vs8_3

Swr2024

整合BOXの等価回路は左の図のように、10:8のトランスを介して、約10.4uHのローディングコイル経由でアンテナへつなぎますが、BOXの中はトランスのみで、コイルはBOXの外に雨対策をして設置しました。

コイルを含めたアンテナのインピーダンスは32Ωで、この状態で1825KHzにSWR1.05で整合しています。 右上のSWR特性は、FTDX101Dから5Wの出力でチェックした時のリグ内蔵のSWR計で測定したデータになります。 実測したのは、1910KHzまでで、1920KHzの値は予想値です。 国内のCWバンドはSWR2を超えますので、ATUを使ったスローパーでカバーします。

左下は、整合BOXの中ですが、内蔵のコイルで1820KHzに共振するコイルのインダクタンスを調整した後、LCメーターでインダクタンスを測ると10.4uHでしたので、この内蔵のコイルは使用せずに、右下の写真のごとく、外形6cmの雨どい用パイプに3.5SQのワイヤーを18ターン巻き、線間のピッチを調整する事で、+/-0.5uHくらい可変出来るような構造とし、これをVP75塩ビパイプのキャップにぶら下げます。

Machingbox2024_3

Lordingcoil2024_3

160mbox2024

アンテナアナライザーで1820KHz付近で共振するようにコイルを調整した後、上の写真のごとく、VP75の塩ビパイプの中に収めました。キャップはパイプにかぶせているだけで、固定はしていませんが、ぴたりとかぶさり自然に脱落する事はありません。

出来上がった日の夜、1.8MHzをワッチしましたが、1エリアの局がW6と交信しているようですが、私のところでは、Wの信号は聞こえませんでした。 2日目もCQDXを出すJA局は599+で聞こえますが、DX局の入感は無しでした。

しばらく様子を見る事にします。

2024年3月になり、コンディションの低下はやむを得ないので、運用をFT8に切り替えました。とりあえず。近隣の3エンティティと交信できました。 また、受信だけですがWが-03dBで入感していました。 いつかQSOにトライです。

数日後、K7ZVと-17/-15dBでQSOできました。 -17dBが私が受信した彼の信号です。 相手は多分1KWでしょうから、私の100Wの信号を-15dBで受信したという事は、私の受信環境は、彼より12dBもノイズが多いという結論でしょうか。  その為、相手のCQを受信出来たら、ほぼ確実にQSOが可能というメリットは有りますが。

2024年6月

調整池の周辺を市が清掃するとの事で、小型のプルトーザーで、雑木を根こそぎはぎ取って行きました。その時、地中に埋めてあったアルミと同軸のグランド線も切れはしなかったものの、地表に出てしまいました。 地表に這わせたに等しい状態でしたので、やむを得ません。 アルミ線を撤去し、新たに5C2V2本を金属のイレクターパイプに通し、地中10cm下にパイプ毎埋めました。

SWRを再チェックしても異常はありませんでしたので、当分はこのGND状態で行くことにします。

 

2025年3月

ATUをZ Matchタイプに取り換えるチャンスがありました。 この160m用垂直アンテナはATUを使わないアンテナなので、ATUが変更されても関係ないはずですが、Z-ATUに変えたところ、マッチングBOX位置でのインピーダンスが50Ωになってしまいました。 以前は32Ωでしたので、GNDに問題があるのかと調べても原因は判りません。 この変更したZ-ATUには致命傷の問題があり、2週間後の次の土日でまた元のATUへ戻しました。 そこで、元のバリコン式ATUの中にあるフェライトコアのトランスが用なしになっていましたので、このトランスを取り外そうと改造にかかりました。 そして、160mのアンテナを使う時、7MHz用垂直ダイポールの上部エレメントを160mアンテナに接続するようにしたつもりでしたが配線を間違い下部エレメントに繋がっていました。 正しくは垂直DPの上部エレメントにつなぐべきと改造し、改めて性能確認をしたいのですが、DXはFT8を含めて入感なしの状態が続いています。 そして、アンテナの給電部ではSWR1.1以下なのに送信機の出口ではSWR2とか3です。 しかも、国内局すら入感なしの状態が続いています。 再度、元の間違ったエレメントにつなぎ変えてみる必要がありそう。

 

2025年5月

Z Match ATUにて、色々実験を行った結果、5Wの出力で、リレー接点間の定格耐圧1500Vをオーバーして絶縁破壊が起こるのが原因である事が判りました。 原因が判ると、このようなエレメントの途中をリレーで切り替えるようなアンテナシステムは実用できない事がはっきりしました。 過去ロシアのワイヤーアンテナで、エレメント長を切り替える為に大型のナイフスィッチをプランジャーで切り替えている写真を見た事がありましたが、ここまでやらないとダメなんですね。

結局、この160mバンド用垂直アンテナはマルチバンドアンテナシステムより分離して独立したアンテナに変更するしか無い様です。 Z Match ATU用のアンテナセレクターを改造し、これに付いていたD端子を無効にしました。

 

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2023年11月22日 (水)

ADCの動作が時々おかしい

PIC18F47K42を使いATUを作成しましたが、SWRを計算する為に内蔵ADCで、CM結合器から取り出した進行波電圧と反射波電圧を読みだしています。 しかし、この読出し値が時々大きく狂う現象が有りました。 その原因が判らず5か月以上ああでもない、こうでもないと、悩んでいたのですが、やっとその原因が判明しました。 判ってしまえば当たり前の事なのですが、PICを使ったソフト開発を10年以上続けてきた後だけに、過去のADCを使った製作も全て間違っていたという事が判り、がっくりです。

今回問題が発生したのは、CM結合器から漏れる高周波がマイコンに混入しないようにCM結合器とマイコンのAD入力端子との間にバッファアンプやCRによるLPFを設けたのですが、このCRによるLPFのコンデンサがAD入力端子とGNDの間に直接接続され、かつその容量が0.1uFで有った事でした。

下のブロック図はPIC18F47K42のADC入力回路の原理図ですが、AD変換する為に必要なサンプルホールドコンデンサが入力端子に直接接続されています。

Pic19fadc

このPICの中に内蔵されたコンデンサの容量は5PFで、設定により最大31PFの容量を追加できますので、最大36PFの容量のときでも、正確なAD変換が行われるよう、クロックで必要なタイミングを確保していました。 この状態で、このADCの入力端子とGND間に36PFよりはるかに大きい0.1uF(100,000PF)のコンデンサを追加した事により、ADCがPICの仕様通り動作しなかったものです。

これが判った時点で、上のブロック図のごとくRs=1.2KΩのみにしたところ、今まで頻繁に起こっていた誤変換がぴたりと無くなりました。

常に誤変換するなら、調べようも有ったのでしょうが、時々誤変換する事と、他にバグが有ったりして、なかなか発見出来なかったのが実情でした。 また、この入力端子に0.01uFを追加した過去の事例も有ったのですが、ADCの動作頻度がATUの1/10か1/100くらいしかなく、実害が無かったのではと推測されます。

今、思い出せば、昔作成したバリコン式のATUがなかなか収束しない事が時々発生していましたが、その原因もこれでは無かったのかと推測します。 (この昔のATUはすでにお役御免でジャンク箱行きとなっています)

この事に気づいて、ADC入力とGND間にコンデンサを接続しているSSBジェネレーターはなぜうまく変換しているのかと、改めてデータシートを見てみると、下のブロック図のごとく、サンプルホールドコンデンサと入力端の間に、バッファアンプがあり、サンプルホールドコンデンサの容量が外付け部品で影響しないようになっていました。

Dspicadc

今後ADCを使う時は、注意する事にします。

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2023年11月13日 (月)

マルチバンドアンテナ 運用実績

<マルチバンドアンテナシステム2>

2024年5月

新マルチバンドアンテナをアップして1年運用してきました。50MHzは打ち上げ角の関係で、国内もDXもダメになってしまいました。 また、ワイヤーの経時変化で24MHz以上のバンドでATUのSWRが収束しにくくなりました。 もう少し様子を見て、状況が悪化するようなら、対策を考える必要がありそうです。 原因は、ループアンテナのエレメントに使用しているアルミ線の曲がり癖が直り、ループ長が長くなったのではないかと考えられます。

 

2024年12月

自作のATUのリレーの接触不良が多発しており、このLDGベースのATUをあきらめて、バリコン式のATUを製作し、これが完成しましたので、2024年8月に、LDGのKT-100ベースのATUと交換を行いました。  ただし、このバリコン式のATUもコイルのタップ位置により偽のSWRディップポイントが存在し、完全なATUとしては無理なようです。 真のSWRディップポイントを見つける為には最初、マニュアルでコイルのタップ位置とふたつのバリコンの角度を探してやり、その後で自動でディップポイントを探すという動作が必要でした。

その時期にたまたま高耐圧のMTUのバリコンを4個入手出来ましたので、これを使ってZマッチのATUを検討する事にしました。 その為、またON AIRのチャンスが少なくなってしまいDXCCのエンティティは全く増えません。

2025年3月

そのZ Match ATUは問題だらけで全バンド運用できませんが、50MHzのみマニュアル整合で運用し、DXCCが7になりました。 内訳はSSBが1、FT8が6、 SSBはベトナムでお互いに59/59でした。 ただし、まだ国内QSOは出来ていません。

  

2025年5月中旬

Z Match ATUがほぼ完成した事で、このマルチバンドアンテナシステムの給電条件を変更しました。 今までは、11mの高さにATU内蔵のアンテナセレクタやアンテナセレクタ単体があり、3種類のアンテナエレメントはこの高さで全部切り替えていましたが、アンテナセレクタ内のリレーの耐圧問題よりZMatch ATUの場合、絶縁破壊が起こりました。 この対策として、アンテナセレクタをZATUの本体に収納し、ベランダに置いたこのZATUへ各エレメントは直接つなぐ事になりました。スカイドアループだけはラダーフィーダー経由です。

この状態でのアンテナの各データをとりましたので、後々の参照データとして残しておきます。

Nbant1

Nbant2

測定は、それぞれのエレメントがZATUの接続するワイヤーをZATUからとりはずし、使用する各バンドの代表周波数で抵抗分とリアクタンス分をCAA-500MK2で測定したもので、リアクタンスの極性は判りません。 また、抵抗やリアクタンスが500Ωを超えると測定できませんでした。

上の、各エレメントのSWRディップ周波数は、エレメントの共振周波数に近い周波数となり、500Ω以上のバンドの抵抗やリアクタンスは大体予想ができます。 

 

2025年6月 ZATUに変更してからの交信数も含まれた最新交信記録は以下です。

Dxccentity

 

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2023年9月14日 (木)

ATUにバグ有り(プリセットデータを時々間違う)

<マルチバンドアンテナシステム2>ATU 自作 ループアンテナ

160mバンドで200W運用が可能になって、2023年の9月に入り、DXシーズンを楽しむぞ!と期待していたら、ATUのプリセットデータを呼び出してもSWRが10を超える事が時々起こります。 特にバンド毎に傾向があり、7MHz以上ではあまり発生しませんが、3.5MHzや1.8MHzで頻度が高くなります。

ATUを降ろし、机上でダミー負荷をつないで試験しても同様に起こります。 どうもプログラムのバグ臭いです。 小手先の対策を行いましたが、異常の頻度は減少するものの、完全には無くなりません。 かくして、今一度原点に戻り、ソースファイルをじっくり見直す事にしました。

見直した結果、以下のバグが発見され、対策しました。

・リレーの駆動は、最初、これからセットしようとするリレー以外をリセットし、次に必要なリレーのみセットする方式になっていましたが、最初、全リレーをリセットし、次に必要なリレーをセットするように変更しました。 また、このリレーの仕様書を入手できたので、リレー駆動時間を仕様書通りの4.5msecに修正しました。 基本的には何も変わらないはずですが、変更後のリレー動作音に大きな差が生じましたので、以前の状態になにかバグが有った可能性があります。

・SWRのディップポイントを探す前に、LとCのリレー番号をゼロから粗いピッチで増加させ、おおまかな整合ポイントを探しにいきますが、このときSWRのリミット値以下を見つけても、粗いサーチ時の限度値(SWR20)以下が見つかったと言うリターン信号しか返していなく、次のルーチンでまた最初からディップポイントを探しており、外付けのSWR計がSWR1.5以下を示すのにサーチが停止しない原因となっていました。

・SWRのディップポイントを探す時、限度値を変更出来るようにしていましたが、一部のルーチンへこの変更された限度値が渡されていなく、常に一番厳しい限度値で判定し、なかなか整合OKになりません。 外付けのSWR計の値が一瞬SWR1.5以下になるのに、整合OKにならない原因のひとつになっていました。

・コントローラー側で6mのラストデータを誤って記憶し、リセットをかけると、データNGで1.8MHzの初期値に戻っていました。

・周波数からEEPROMのアドレスを検索する時利用する周波数スパンリストと周波数センターリストの一部が間違っていました。 一度整合OKで記憶したデータの読出しを周波数を切り替えた時、間違い、電源OFF/ONでラスト周波数を呼び出した時はOKになる原因がこれでした。

これらの対策済みATUをやっと正規の高さまで上げ、チューニングテストをすると、従来よりかなり早くSWR1.5以下に収束するようになりました。 まだ、バグがあるかも知れませんが、当分はこの状態で運用します。 ATUメインユニットの配線図にも誤りがありました。 

Heatupatu_2

10月に入ってもATUの調子が思うようにいかず、オリジナルのKT-100の基板をチェックする必要が生じ、なかを見えるように開けてみると、写真のごとくフェライトコアに巻き付けた電線ごと、黒焦げのコアが見つかりました。 多分200Wのリニアアンプにより損傷を受けたとおもわれますが、200W対策をした前の結果なのか、後の結果なのか判りません。 見ての通りコアも銅線も黒焦げですが、ちゃんと正常に動作しています。 ATUの調子が悪いのは、オリジナルのマイコンソケットに差し込んだコネクターの接触不良でした。 接点復活剤とグラグラのコネクター固定ネジをちゃんと閉めたら解決しました。

 

2023年11月

ATUとアンテナの調子を見る為に、JIDX Phoneに参加してみました。 BAND切り替えを行った時、どのBANDでもATUが最適整合状態にならず、一度電源OFF/ONのリセットでOKになる事が頻発しました。 また、プリセットコール要求OFFの状態で、たまたま、SWR1.05になっている時、TUNEを開始すると、即SWR90となり延々とATUが整合ポイントを探し出すという現象が数回発生しました。 結局、従来からのバグはまだ完全に収束していなく、この対応に悩む事になります。 次の CQ WW CWまでに解決出来るだろうか?

CQ WW CWの二日前の祭日になんとか対策出来ました。 時々SWRが大きくずれる原因はPICの端子からリレー駆動FETへの配線の半田付け不良でした。また、SWRが即90になるのは、マイコンのADC入力端子に接続したLPFのコンデンサでした。 このコンデンサが悪さしていた問題は、こちらで説明しています。

また、ATUのSWR限度値をTUNNING開始する度にランクを下げるようにソフトを組んでいましたが、一番厳しいSWR1.2以下が何度やっても適用されないバグもありました。 さらにCM結合器のバランスの問題で、1.8Mhzや3.5MHzが50Ωのダミー抵抗でもVrefがゼロにならない現象が有りましたので、これはソフトで補正しました。

この日はアンテナを2回も上げ下げし、ATUのソフトを7回も書き換えました。

ATUのデバッグをしながら24MHzで東チモールとソロモン島からのDXペディションをゲット。

CQ WW CWコンテストの当日、1.8MHzから28MHzまでオールバンドで運用しましたが、全部で141局。 その間、バンド切り替えの最初のメモリーデータが間違うという問題は解決していませんでした。 

2023年12月

12月に入っても、周波数変更後に呼び出されたプリセットデータが間違っており、ATUの電源をOFF/ONすると正常になるという問題がでていました。 この問題はバンドや周波数に関係なく出ますが、 ATUとコントローラーの通信の時、ATUが決定したEEPROMのアドレスをコントローラー側で確認できるようにしてみましたが、アドレスに間違いがありません。 プログラムを何度もチェックし、間違いは無いのですが。

もう、疑うところは、プリセットデータをEEPROMに記録する関数と、指定のEEPROMアドレスからデータを読み出す関数が正常に動作していないとしか思えません。

いままでのトラブルの中で、関数が受け取った仮引数に関数内での演算の結果を代入すると、動作がおかしくなる場合と異常が発生しない場合とがあり、私の作る関数では、このような演算結果を仮引数の変数に代入しないようにしていましたが、今回の関数では、この仮引数と整数を加算した結果をそのまま次の関数への実引数として与えていました。

例えば次のような記述です。

CTUN = eepdata_read(ead3 + 1);

次の関数呼び出しの実引数である(ead3 + 1)のead3は、この関数が受け取る仮引数そのものです。 このような記述はPIC16FやPIC24F用のプログラムでは多用していましたが、今回のPIC18Fではダメなのかも知れません。 そこで、この引数を一度ead30という変数に代入し、ead31=ead30+1;でead31という変数を作り

CTUN = eepdata_read(ead31);

とりあえず、2日間のデバッグで一度も間違いが起こらなかったので、安心していたのですが、年末年始の休みに入ってしばらくすると、また、同じ現象が起こり始めました。 そこで、あぶなそうなソフトの手直しとXC8とPacksのバージョンアップを行い、様子見です。

XC8 V2.45   Packs PIC18F-K_DFP1.13.292

しかし、変更した2日目にまた同じ現象が発生しました。 ただし、発生頻度はかなり減少していました。 そして、原因がハードかも知れないと思っても、その対策が面倒なので、ここ数か月間はソフトで改善できないかとやってきた事を諦め、ハードのどの部分で発生しているのか、ATUを降ろし、机上で再現テストをすると、ATU本体のリレーの接触不良が原因であるとの証拠をつかみました。 ただ、16個あるリレーのどれがNGなのかは判りません。 どのリレーがNGかは判らないものの、2回連続してリレーをセットすると、99%くらいの確率でOKになります。 今まで、電源OFF/ONでOKになっていたのは、ATU本体の電源立ち上がり時にラストデータを使い、一度リレーをセットした後、約350m秒後に、コントローラーから同じくラストデータが送信され、再度リレーをセットしていましたので、この連続2度セットが接触不良を解消していたことも判りました。 そこで、ATUのリレーをプリセットデータから再セットする時だけ、回数と再セットの時間間隔をコントローラーから指定できるようにプログラムを変更しました。

とりあえずは、リレーは3回連続してセットし、その間隔は200m秒として様子を見る事にします。

2024年1月

対策できたと思ったのは3日間だけ、電源OFF/ONの時とほぼ同じタイミングとなる、間隔360msecでリレーを2回駆動してみましたが、やはり駄目。 接触不良が起こったら、電源をOFF/ONして手動で回復するので、あきらめムードになり、すでに3週間過ぎましたが、最近あまり発生しなくなりました。

以下のファイルは最終状態です。

 

 

ATU本体回路図 NB-ATU_main9.pdfをダウンロード

コントローラー配線図 NB-ATU_contoroller6.pdfをダウンロード

ATU本体  NB-ATU-main_10.cをダウンロード

ATUコントローラー NB-ATU-controller_9.cをダウンロード

本体ヘッダーファイル FREQ_Span8.hをダウンロード

コントローラーヘッダーファイル FREQ_Center8.hをダウンロード

 

2024年5月

アンテナを上げて1年が経過しました。最近、24MHzと28MHzがSWR3以下に収束しなくなりました。 ループエレメントであるアルミ線が伸びてしまい、ループ長が少し長くなったのが原因のようです。 そこで、アンテナに直列に入るコンデンサを150Pから22Pに変更しました。 24MHzはOKになりましたが、28MHzはSWR2.9くらいがベストです。 アンテナエレメントを少しカットする必要があるかも知れません。

 

2024年6月

最近、リレーの接触不良と思われる不整合が続発するようになりました。 この現象は特定のバンドに集中し、特に18MHzや7MHzで頻繁に起こるようになり、安心して送信できるのは21MHzのみとなってしまいました。 対策を考えねば。

  

その後の運用実績はこちら

 

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2023年8月23日 (水)

ATUの挿入位置とケーブルロス

<カテゴリ:アンテナ>

最近のSSBトランシーバーには、ほとんどATUが内蔵され、リニアアンプ等を接続する場合、なくてはならない装置になっておりますが、このATUとは別に外付けの、アンテナ直下に接続する屋外用ATUも多数商品化されております。 本来のATUは共振状態にないアンテナを共振状態にして、かつインピーダンスマッチングを行う事を目的としており、1本のワイヤーアンテナやループアンテナを多バンドで使用したい時、重宝する事になります。 しかし、トランシーバー内蔵のATUの先に同軸ケーブルを接続し、そのケーブルの先にミスマッチのアンテナを接続してON AIRされている方も一部見られます。

OMさん方がATUはアンテナの給電点に接続するもので、送信機と同軸ケーブルの間につなぐものでは無いと言っても、なかなか信じてもらえないのが実情です。

そこで、送信機-ATU-同軸ケーブル-アンテナと接続した時の送信出力のロスを計算する機会がありましたので、いかに損失が大きいか紹介する事にします。

このデータはTLWというARRL監修のアンテナチューナーの解析アプリで計算しただけのもので、トランシーバー内蔵のATUだけでマッチングを取った時に起こるその他の問題点は加味していません。 また、TLWの中に5D2Vのデータが無かったので、RG規格の似たような同軸ケーブルのデータを使い近似しました。

TLWの紹介資料 tlw.pdfをダウンロード

21mhzap_comp

比較を簡単にするために21MHz用寸足らずのダイポールを地上高10mに上げ、アンテナエレメントの中央に接続したバランと5D2Vの同軸ケーブル経由で送信機に接続した状態で、ATUを送信機の根元にいれた場合とアンテナの給電点に入れた場合の、ケーブルロスとATUのロスを計算比較しました。 また、参考として、アンテナの長さを調整して、ほぼ共振状態にした時のロスも計算してみました。

Cableloss_2

アンテナの長さが5mのデータは、長さが寸足らずの結果です。 送信機出力100Wのとき、アンテナ直下のATUの場合、アンテナに供給される電力は80.3Wほどですが、トランシーバー内蔵ATUの場合、34.3Wしか供給されません。

アンテナの長さが6.8mの場合、ほぼアンテナ単体で共振していますので、ATUの目的は、66Ωの抵抗分を同軸や送信機の50Ωに合わせることのみに利用されます。 アンテナ直下のATUが有利である事は変わりませんが、トランシーバー内蔵のATUの場合でも大きな差は無くなっています。 ただし、この状態は、シングルバンドの時だけの話で、バンドを18MHzや24MHzと兼用した場合、21MHz以外は大きくロスが増える事になります。

この記事ではATUとして説明しましたが、外付けのMTUを送信機のすく横に置き、MTUから同軸ケーブルでアンテナに接続した場合も同じ事が起こります。

次に7MHzで良く使われる5mの釣り竿アンテナを計算してみました。釣り竿アンテナをhoipとして使う場合、条件の設定が難しいので、全長10mの釣り竿(5mの竿を2本用意し、水平に張ったアンテナ)で計算してみました。 この条件なら、5m釣り竿によるアンテナとしては最高の効率が得られますので、5mの釣り竿とカウンターポイズや住宅の鉄筋にアースを取ったアンテナの場合、この数値より良くなる事はないでしょう。

Cableloss7mhz

結果は上のようになりました。ATUがリグ内蔵だけの場合、多分相手は拾ってくれないと思われます。

21mhzap_comp3

どうしても、内臓ATUだけでしかON AIR出来ない場合、はしごフィーダーとバランの組み合わせで対応する事が出来ます。

左の図3のように同軸ケーブルを600Ωのはしごフィーダー(ラダーライン)に変更し、従来、ダイポールの給電部に有ったバランはATUの出力側に移動します。

この時、ラダーラインはなるべく建物や金属と平行して設置するのを避け、壁や窓枠を貫通する場合、金属の支持物を避けてATU(MTUも同じ)の出力端子に接続したバランの平衡出力に接続します。 理想的には壁に2個穴を開け、そこに貫通碍子を通し、ラインを部屋の中に引き込みますが、他にも方法がありますので、調べてみてください。

600Ωのラダーラインは市販されていなく、自作するしかありません。昔は割りばしをテンプラにして、防水対策しましたが、今では、プラスチックの棒がホームセンターで手にはいりますし、導線をプラスチック棒に縛るのも、ロックタイを使えば簡単にできます。

下のデータは自由空間に置かれた600Ωのラダーラインを使い21MHzで計算したものです。

Cableloss3

600Ωのラダーラインの場合、ケーブルロスが0.8dBですが、市販の450Ωのラダーラインの場合、ケーブルロスは1.03dBとなります。 また、市販のUHF TV用200Ωリボンフィーダーの場合、残念ながらデータが有りませんが、推定で2dB以内に収まるかも知れません。

リボンフィーダーの場合、昔のUHFテレビを考えると、その取扱いが簡単ですから、同軸ケーブルよりロスがかなり少なく、利用価値はあると考えられます。

ラダーラインを使った場合、ATUやMTUがそのインピーダンスをカバー出来る限り、マルチバンドで使えます。

TLWのソフトは「Arrl Antenna Book」という本の中に付録として挟まっているCD-ROMの中に収録されており、アマゾンでも買う事が出来ます。 

TLWで計算していると、ATUやMTUは使わなくて済むなら、それが一番だと判りますが、結局ATUやMTU頼みになってしまいますね。

そのATUのソフトを一から書いて自作した記事はこちらにあります。

    

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2023年8月 6日 (日)

160mバンド 200W対応

<マルチバンドアンテナシステム2>ATU ループアンテナ 電界強度計算

新マルチバンドアンテナシステムが順調に運用できるようになりましたが、コンディションは最悪で、DX局はFT8しか聞こえないという日々が続いています。 この状況で唯一夜中に交信が楽しめるのは160mのみとなっていましたが、あいにく、ATUの基本性能がMAX150Wに制限されていることから、せっかくの200Wリニアアンプの出番は有りませんでした。 (前々回の記事)

ちょうど、台風6号が向きを変えて当地へ近づきつつあり、上げたばかりのアンテナを壊されないように降ろす事にしました。 そのついでに、ATUを200W対応に改造しようともくろみます。

改造方法は、ATUの中にあるコイルに流れる電流を減らして、その反対に電圧は上がりますが、コイルのコアが発熱するのを抑えようとするものです。 この電流を減らす方法は、現在使われているスカイドアアンテナ用の9対4のインピーダンス変換トランスを160mバンドのアンテナでも使う様にする事で実現できます。 このトランスは不平衡/不平衡変換トランス(UNUN)ですので、160mバンド用のスローパーモドキでも問題有りません。 

Newunun230816

5r5p

左上が巻き数比3:2のUNUNの挿入場所を変更した改造後のATUの内部です。 右上は、今までTUNEの微調の為に付けていました2.5PFのコンデンサを5.5PFに変更したものです。 このコンデンサの容量はATUの内部コンデンサの最小容量の半分でなければなりませんが、この最小容量を5PFと勘違いしていたものでした。 改めて現物を見ると、ATUの最小容量は10PFでした。 そこで22PFのコンデンサを4個直列に繋ぎ、12KV5.5PFを作り交換しました。 今まで、このコンデンサのON/OFFでの差がそれなりの効果を示さないと思っていましたので、これで多少は改善する事を期待する事にします。

台風6号が西へそれ通過した後、今度は台風7号が初期の予想に反して、西寄りに進んでくるため、改造の終わったATUを乗せたアンテナを上げられない状態が続いていましたが、10日過ぎて、やっと上げる事ができました。 そして、1.8MHzのSSB 200Wによる20分間のQSOも終始SWR1.02という状態で成功しました。

改造したATUの配線図 NB-ATU_main8.pdfをダウンロード

15年間使ってきたTS-930Sの故障が連続する事から、売り払って、新たにFTDX-101Dを導入しました。 せっかく、新規導入したのに、DXはまださっぱりです。 FTDX101Dの入荷待ちの間に、移動運用用50WのFT-991の21MHz CWモードで、この新マルチバンドアンテナを使い、DXCC NEWエンティティ(4U1)をゲットしたのですが、この新しいリグではまだです。 サイクル25のピークに期待する事にします。

 

このFTDX-101Dを使えるように総通へリグの取り換え申請をしましたが、今年の4月以降、固定運用の局は電界強度の計算書を一緒に提出する必要がありました。 (リンクした「総務省電波利用ホームページ」の中の参考3,4,5をダウンロード。実際に提出したのは参考5のエクセルと自宅周辺半径50mの平面図、アンテナと周辺建物の位置関係を示す南北方向及び東西方向のpdf図面)

自宅のアンテナ位置を中心に半径50mの地図と、自宅の境界地点に於けるアンテナワイヤーからの最短距離が判る図面を添付し、総通からダウンロードした参考5のエクセルに必要事項を記入していくと、許容値以内なら〇印が、NGならX印が自動的に付くもので、もちろん全バンド〇でなければなりません。 この記入に当たって、アンテナのゲインをMMANAを使い、リアルグランド条件で算出し、同時に得られる給電点インピーダンス(R+JX)を使い、ATUの内部ロスをTLW(ARRL)で計算し、提出しましたら、ノーコメントで審査終了になりました。 メーカー製のビームアンテナなら、ゲインが公表されていますので、簡単に記入できますが、ワイヤーアンテナアの場合、標準寸法のダイポール以外、ゲインが判りませんので、MMANAで計算させた数値を使うのが一番良いようです。 MMANAで出力されるゲインの単位はdBiですから、そのままエクセルに記入できます。 また、ATUやMTUを使う場合、この内部ロスを加味して、同軸の減衰量に加算してやれば、〇になる確率が上がります。 例えば、1.8MHzの場合、ATUの内部ロスが3.3dBくらいになりますので、200Wの送信機で空中線やカウンターポイズとの距離が2mしか無いときでも結果は〇になりました。

さらに、リアルグランドで計算した場合、大地反射波を考慮済みのゲインですので、エクセルの中にある、大地反射波の有無の項目は無しにしておけばOKです。(大地反射波を考慮するとした場合、電界強度が自動的に2倍に設定されますので、これを避ける必要が有ります)

これらの条件をエクセルの表の下側の注釈の欄に追記して提出しました。 この変更は「届け」の処理ですが、審査終了まで1週間かかっていました。 多分、総通も内部で検証作業をしたのだと思われます。

エクセルには同軸ケーブルのロスを記入する箇所がありますが、同軸ケーブルメーカーが発表するロスのデータはハムバンドをカバーしていませんので、実際のハムバンドでいくらのロスになるかは推測するしかありませんでした。 そこで、フジクラが公表している1,10,30,200MHzのデータを使い周波数補間法で各ハムバンドに於ける1m当たりの減衰量を推定しました。 誤差は+/-5%くらいに収まっていると思っています。 ベランダアンテナの固定局の場合、同軸ケーブルをサイズダウンしたらOKになるかも知れません。

私の申請時はこのデータが無かったので、同軸ケーブルロスはゼロ、ATUのロスのみ記入して提出しました。 また、この規定の中に出てくる「一般の人」は免許人や家族以外の人と解釈して資料を提出しましたが、コメントはありませんでした。  また、背の高さが2mの人とアンテナの距離を求めますが、アンテナの位置は給電点ではなく、アンテナエレメントやカウンターポイズのワイヤーと一番近い距離になります。 私のアンテナでは、垂直ダイポールの先端が地上高1mとなていますが、この位置は、隣家と自宅の境界となる石垣の上にあり、隣家の土地から3.2mの高さにあります。

TLWの紹介資料 tlw.pdfをダウンロード

TLWのソフトは「Arrl Antenna Book」という本の中に付録として挟まっているCD-ROMの中に収録されており、アマゾンでも買う事が出来ます。

Coaxlatt

Newrig230816

ATUに致命的なバグが発見されました。 ここで対策を紹介しています。

 

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2023年7月16日 (日)

とうとう売却処分になりました。

<カテゴリー:TS-930S>

1週間前、T-F SET機能がNGとなったのを修理したばかりでしたが、今度は、CWのブレークインが動作した後、自動的に受信に戻らないという問題に遭遇しました。 どこが怪しいのかと、配線図を頼りにコネクター周りを追いかけていると、コネクターに触れただけで、ワイヤーの断線が発生します。 切れたワイヤーをコネクターのコンタクトに半田付けして、さらに調査をつづけると、今度は別のコネクタのワイヤーが断線します。 結局、ブレークインの原因を対策出来るどころか、さらにいろいろな症状が現れ、いたちごっこになってしまいました。

このTS-930Sを修理しながら15年間も使ってきましたが、今回の故障で、修理を諦めました。 ただ、CWのブレークインだけがNGでSSB運用は全く問題ありませんので、中古無線機を買い取っている店に相談し、買い取り価格ゼロ円で引き取ってもらいました。 (実際は送料約2000円を着払いで処理頂いたので、実質買取価格は2000円)

これでメイン機が無くなりましたので、TS-850Sをメインに代えようと思いましたが、こちらも古いリグですので、最新のリグに買い替える事にします。 それまでは、移動運用に用意しているFT-991で50W運用です。

 

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