« 2026年4月 | メイン | 2026年7月 »

2026年6月27日 (土)

隙間貫通用フラットタイプ同軸ケーブルの始末記

カテゴリ <アンテナ

144MHzと430MHz用Jポールの同軸ケーブルは、アルミサッシのドアとサッシ枠の隙間を経由して、テフロンケーブルでシャックへ接続していました。 毎年、冬になると、シャックの机の下が寒くてオイルヒーターを机の下に置いて暖房に使っていましたが、それでも、寒くて、膝に毛布を掛けてワッチするのがいつもの事でした。 原因は、直径約2.4mmのテフロン同軸ケーブルの為、窓が完全に閉まらいために発生する、隙間風です。 

最近、アマゾンでも、フラットタイプの同軸ケーブルが売られており、問題なく使えるという口コミ情報もありますので、本当につかえるのか、半信半疑でAliExprressで探すと、同軸コネクター付きで沢山の種類が売られています。 そこで、送料込み1000円程度のこのケーブルが、651円(送料こみ)で売られているのを見つけましたので、即発注し、約5日で届きました。

Flatcablecn_org_2

Swrflatcable_ok 

左上が、今回入手したフラットケーブルです。 右上はこのフラットケーブルの先端に50Ωのダミー抵抗を繋ぎ、145MHzでのSWRを測っているところです。 見ての通り、ケーブルのインピーダンスも50Ω品を使っているみたいで、OKの状態です。

そこで、今まで隙間貫通部分のみ使用していたテフロンケーブルを切り取り、使っている3D2Vの同軸ケーブルにオスのBNCコネクタを取り付け、2mのJポールのSWRを測ってみました。SWRが8以上を指します。 フラットケーブルのコネクター部分を動かすと、SWR1.1以下になる時もありますが、かなり不安定です。 初期確認はOKだったのに、BNCコネクターを付けたり外したりしている内に、どこかで断線したようです。

Cn_flatcable_ng_point

上の写真がその状態ですが、黄色のコメント通り、同軸の外皮とコネクターの外皮の部分を半田付けしてあるのですが、この部分の半田が割れてしまい、単に圧力だけで接触していたものでした。 この部分を半田付けして、同軸線を揺さぶると、まだSWRが急変します。 このSWRが高いとき、フラットケーブルの芯線のコネクター間を、テスターで導通テストを行うと無限大を指します。 どこかで芯線が切れています。

結局、このフラットケーブルは信頼性が疑問になり、コネクターのみを残してケーブルはとりはずし、従来使っていたテフロンケーブルを半田付けする事にしました。

Teflonc_1

左の写真がBNCメスコネクターにテフロンケーブルを接続した状態です。 ケーブルの芯線はBNCコネクターの端子に半田付けしましたが、ケーブルの外皮とBNCコネクターの外皮部分を半田付けするのは、困難でした。 オリジナルの中華製は、このBNCの外皮のエッジの部分に半田付けする構造でしたので、接触面積が小さく、屈曲テストを行うと、半田付けした部分が割れてしまい接触不良を起こしたものですから、同じ接続方法はとれません。 このコネクターの外皮部分は圧接による結合用として設計されており、同軸ケーブル側の網線をほぐし、コネクターの外皮部分を囲った状態で、その上から金属のパイプをかぶせ、このパイプごと専用の圧接ペンチで圧着するタイプで、あいにく、圧接用のパイプもペンチもありません。 そこで、3φの熱収縮チューブをかぶせて圧着しました。 そのうえで、4φの熱収縮チューブで芯線の半田付け部分ごと覆い強度を確保しました。

Swrteflon_ok

上の写真は、テフロンケーブルに変更したあと、SWRの確認を行っているもので、黒いケーブルはカットしたオリジナルのフラットケーブルです。

Pass_window

左は完成したテフロンケーブルをアルミサッシの窓の隙間に挟み込んだ状態です。外側のBNCコネクター部は雨が当たらないようにビニールテープで防水してあります。

結局、隙間風の対策は出来ませんでしたが、145MHzの交信は従来通り行う事ができます。隙間から黒の線も出ていますが、これは外気温度を検知する為の熱電対線です。

隙間風の対策は、アルミサッシの内側に目張りを行う事にします。

もし、同じように中華製のフラットケーブルを手配しようと考えていらっしゃる方の参考になれば幸いです。

INDEXに戻る

2026年6月14日 (日)

ポータブル赤道儀とカメラの干渉対策

カテゴリ<天体写真 ポータブル赤道儀 自作 ステッピングモーター アンドロメダ銀河 PENTAX KS1>

ボーデの銀河を撮影しようとトライしましたが、カメラと赤道儀が干渉して、思った方向にカメラが向けられず、撮影を諦めた経緯があり、梅雨明けに再度ボーデの銀河を狙うにしても、この干渉問題を解決する必要がありました。

色々検討した結果、赤道儀の極軸が約34度傾いているので、この傾きをキャンセル出来るような「くの字」のアリガタプレートがあれば解決しそうですが、残念ながらそのようなプレートを見つける事は出来ませんでした。34度の傾きは無理としても90度のプレートなら存在するものの、私のアリガタプレート用サドルの寸法に合致した商品はみつかりません。 そこで、このアリガタプレート用のサドルをホームセンターの建材売り場に持ち込んで、L型アングルをサドルに固定出来るか現物確認を行った結果、厚さ3.2mm、幅30mmのLアングルがぴたりと固定出来る事を発見。 市販のアリガタプレートより鋼性が劣りますが、500円台のこのアングルを購入して、赤道儀に実装してみる事にしました。

Langle

上の写真がLアングルを赤道儀の回転軸に固定されたサドルにくわえさせ、その90度曲がった部分に雲台とカメラを固定した状態です。 雲台を固定する位置には滑り止めの為、ビニールテープを張り付けてあります。 また、雲台に付属の1/4インチビスでは長さが足りなくなるので、別手配したネジ部が約15mmの物に変更してあります。 90度の角度が不要な状況では、雲台の底部分に固定された赤色のアリガタプレートを赤道儀のサドルにくわえさせればOKですので、夜間に変更する場合も楽ちんです。 

H_max_load2

Balance2


さらに、カメラの重みとバランスをとる為に、このLアングルに直径5mm、長さ25cmの真鍮棒をカメラと反対方向に取り付け、その棒の先端付近には125grのフェライトコアによる錘をつけました。 赤道儀の回転軸に対してカメラと錘が完全にバランスする必要はなく、ステッピングモーターの回転が止まらない程度にバランスしていたら良いので、この状態で最大負荷状態でも問題なく回転します。 上の写真ではカメラの望遠レンズ先端は北極星の方向付近に向いていますが、真鍮棒と同一線上で反対方向に望遠レンズを向けても、360度の回転は問題なしでした。

90度のLアングルが不要の時、バランス用のロッドも90度振る必要がありますが、ロッドは指で簡単に抜き差して位置を変える事が出来ます。

そして、左の写真のごとく、北極星にカメラを向けても赤道儀と干渉する事もなくなりました。ファインダーが邪魔になる場合、ファインダーを外します。

ボーデの銀河の撮影が出来る条件がそろいましたので、梅雨が明けるのを待つだけです。

7月中旬になりました。梅雨開けは宣言されていませんが、雨の降らない日が続いており、2時間くらいなら、北斗七星が見えます。 しかし、ボーデの銀河の存在する付近には、高層マンションがすぐ近くにあり、かつ電線が通っています。 夏場はベランダからの撮影は無理と判りましたので、夜中に遠征するか来年の春まで待つしかないようです。

 

系外銀河は置いといて、夏の風物詩である天の川の撮影にトライしました。

 

INDEXに戻る

2026年6月 7日 (日)

PWM AM 送信機 作り替え

<カテゴリ AM送信機(PWM方式)

ハイサイドFETドライバーが失敗したので、又、フローティング方式のPWM変調器に戻す事にしました。 同時に、出力がPICマイコンに回り込み、変調のピークでキャリアが止まるという問題と、周波数表示が真っ白になって電源を切るまで直らないという問題を対策する為に、約1か月掛けて設計変更を行い、なんとか実用になりましたので、紹介する事にします。

DDS VFO (SI5351A)をVXOに作り替え

PICマイコンに出力が回り込んで発振が停止するという問題の対策として、過去から実績のあるVXOに変更する事にしました。 VFOをDDSに変更する前の組み立て済みVXO基板が残っていましたので、これをシールドBOXに収納します。

VXOの回路図 7mhz_vxo_2026.pdfをダウンロード

Vxo202_0

上の写真がシールドケースに収納したVXO回路です。クリスタルが2個並んでいますが、実際は1個のみ配線されています。7.2MHzのクリスタルを7.197MHzから7.175MHzくらいまで可変できます。 シャシーに実装する時はこのケースに蓋をかぶせて完全シールドとします。

 

周波数カウンターの製作

発信源がクリスタルとなりましたので、周波数カウンターを追加します。

周波数カウンター回路図 VXO_Counter2026.pdfをダウンロード

従来、終段の高周波が回り込んで送信状態では誤動作していましたので、以前のカウンター基板とLCDを一体構造としたユニットにまとめ、誤動作を防止します。 LCDがTFTに変わりましたので、PICのソフトは変更して有ります。

Fc2026_0

Fc2026_1

Fc2026_2

VXOと周波数カウンターを実装しました。

Amtx2026_0


Amtx_lcd

VXOと周波数カウンターの動作確認状態です。DC36Vの電源に接続していますが、表示は35.7Vとなっています。この時の消費電流は0.3A以下ですので、表示された電圧が正しい値と考えられます。

一応、VXOとカウンターが完成しましたので、次は、PWM変調段を従来のフロート方式に変更します。

PWM AM TX 回路図 AMTX_100W_V4.pdfをダウンロード

変調回路を従来のフロート方式に変更する際、変調終段のFETはハイサイドドライバーの時使ったIPP530N15のままで進行する事にしました。 また、RF終段の2次側巻線は3ターンから2ターンに変更し、終段の負荷が軽くなるようにしてあります。 この状態で無変調状態で最大70W出ます。 心配していました、周波数カウンターへの影響は無く、70W出力中でもVXOの周波数を変えると、カウンターも追従します。シールド対策が成功しました。

次に、630Hzの正弦波で変調をかけると、変調段が異常発振を起こします。 この異常発振の原因が判らず、変調回路への回り込み対策を強化するなど2週間くらい、ああでもない、こうでもないと検討を続けた結果、原因は変調段のゲートドライブ回路のリンギングでした。 

70w100pctmod_2

従来、FKI10531といサンケンのFETを使っていましたが、この入力容量は1500PFを超えていました。しかも4石パラでした。一方、IPP530N15の入力容量は600PF台で、かつ2石使いです。 この為、FETドライバーの性能が良すぎて、発振に近いリンギングを起こしているものでした。

リンギング対策の為、変調終段のゲート回路に抵抗をシリーズに入れて解決しました。 最初抵抗値を10Ωにしたのですが、対策出来ず、22Ωでやっと止まりました。左上の波形は、対策後の70W出力100%変調状態のダミー抵抗両端の波形です。

下のフロントパネルの写真は70W出力で音楽を変調してエージングしているところです。

Amtx2026_1_2

約2時間のエージングが終わり、異常なしでしたので、次は電源電圧を65Vまで上げて確認します。

35Vのとき、33Wくらいの出力になるように、RF出力を調整しておき、電圧を65Vまで上げました。130Wくらい出ています。 630Hzの信号で100%変調し、OKでしたので、すぐにソースを音楽に切り替え、エージングをスタートさせました。1分も経たない内に、送信機のヒューズが飛びました。ヒューズの切れた原因は、RF終段、変調終段のドレイン、ソース間のショートでした。 RF終段の2次巻線を2ターンにしたので、RF終段の負荷インピーダンスは12.5Ωになっており、3ターンの時の5.6Ωの2倍以上の電圧が発生した為、RF終段の耐圧250Vを超えたみたいです。 この終段のFETはすでに7年くらい前に生産中止となり、もう手に入りません。 

そんな訳で、修理する気も失せ、このAM TXは故障したまま御蔵入りとなりました。

 

しかし、まだ諦めきれず、もしかしたら中華製のセカンドソースがあるかも知れないと探すと有りました。 送料込みで10石まとめて1380円くらい。 これを発注した後、変調段のFETを交換する際、元のサンケンのFKI10531に変更しました。 ただ、変調段のFETの数は放熱板の関係から2石となりました。中華製のRF終段用FETは、1週間で到着しました。 さっそく、NGになっていた1石を交換すると、電源電圧34Vにて最大出力は130Wにしかなりませんでしたが、あっさり直ってしまいました。  これで当初の構成に全て戻した事になりましたが、パワーだけ下がった事になってしまいました。 2時間のエージング動作も問題ありませんのでこの状態で改造は終了する事にします。

Pwmtxmk2_0

変更した最終配線図 AMTX_100W_V5.pdfをダウンロード

 

INDEXに戻る