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2026年2月25日 (水)

銀河撮影専用カメラ(バルクモード用リモコン)

カテゴリ<天体写真 ポータブル赤道儀 自作 ステッピングモーター アンドロメダ銀河 PETAX KS!>

PENTAX K20DのNRオフが出来ない仕様にいやけがさして、星空専用に使える中古の安いカメラがないかヤクオクをチェックしていると、KS1がレンズキット状態(18-55mmズーム,55-300mmズーム付き)で出品されていました。 このカメラはふたつのNR機能をOFFにでき、CMOSセンサーもK3に次ぐピクセル数です。 ただし、KS1は黒死病を発生する可能性が多いという口コミがありますが、どうせ、バルクモードでマニュアル操作でしか使わないので問題ないだろうと、落札しようとしたら、昼間見た時の価格より1000円値下がりしており、16000円台でそのまま落札。 よっぽど買い手がつかないみたい。

現物が届いて、オート状態でファインダーを覗いてシャッターを切ると、問題ないのですが、ライブビュー状態の場合、まさしく、黒死病の症状でした。 ただし、ライブビューの状態でも3回くらい撮影すると直っていました。 多分、内臓電池の電圧が少し下がったのが影響しているのかも知れません。 そのうち、ファインダーを覗いても最初の1枚か2枚は黒死病が発生するようになりましたが、マニュアルモードにすると、異常が無くなる事を確認出来ましたので、星空撮影専用機に向けて、準備を開始しました。

まずはレリーズですが、K20Dに有った有線でのレリーズ端子が無く、赤外線リモコンオンリーです。 自作のポータブル赤道儀コントローラーからシャッターON,OFFの切り替えが出来るように、リモコンと、赤道儀のコントローラーの改造から始めます。

アマゾンでKS1でも使えるリモコン互換機が送料無料、400円弱で売られており、これを2個購入。1個はバラして改造。もう1個はK20D用です。

インターネットで同じような事をしている人がいないか検索すると、いらっしゃいました。 外装の表示は同じでは有りませんでしたが、中を開けると、全く同じプリント基板でした。 TKS.

次に夜間に部屋の照明を全部消し、カメラのレンズを約50cm離れた壁に向け、カメラと同じ位置から壁に向かってリモコンを操作してバルクモードで約5秒間シャッターONしたときと、同じカメラ位置でシャッターボタンを直接約5秒間ONした時の撮影結果を比較してみました。

下の左側がシャッターボタンを指で押した時、右側がリモコンでシャッターをONした時の画像です。 リモコンの赤外線が回り込んで、画像に残るのではないかと心配した為、行った実験でしたが、問題無いようです。

Without_ir_remcon_op

Ir_remcon_op


リモコンの改造は、リモコンに付いているプッシュSWの代わりに、アナログSWのIC (74LVC1G3157)をつなぎ、赤道儀コントローラーから3.3Vの電源とアナログSWのON信号(3.3V)を送る3線式ケーブルを取り付けることと、余計な赤外線が乱反射しないように赤外線の出力を可能な限り絞ること、この接続用ハーネスのプラグを通電中に誤って抜き差しした時に起こる線間ショートでも赤道儀の電源回路や赤外線発光回路の故障が発生しないようにプロテクト機能を追加することです。

まず、赤外線の出力を絞る為、赤外LEDに直列に470Ωを追加し通常100mA以上の電流を約3mAまで小さくしました。

Ir_remocon

B4remocon

Afterremconpwb

分解して改造したリモコン基板にアナログSW用のICを乗せた変換基板を接着し、3pinのコネクターも基板に接着、また、LEDの角度を90度曲げて、カメラの受光窓を向く様に修正しました。 このLEDの足の部分に接着剤を流し込み、LEDに外部から力が加わっても簡単に壊れないようにしました。 使用した瞬間接着剤はセメダイン3000番。 この接着剤は60年以上前から存在するのですが、ホームセンターで発売されるようになったのは最近からですかね。 ゼリー状の為、凸凹した物どうしを接着するには好都合です。

Ir_remocon_seting

上の写真は、カメラと雲台の間に挟むようにした厚さ0.3mmのブリキの板を加工し、改造が終わったリモコン基板をアングルに括り付け、LEDがちょうどカメラの受光部に向くように調整した時のものです。

カメラの設定の変更です。 このリモコンはボタンを押し続けても、最初の一回しかコードを発射しません。 従い、カメラのCカスタムメニューでシャーターON信号を受けたら、シャッター開放し、次に同じリモコンコードを受信したらシャッターを閉じるモードに設定します。

まだ、コントローラーのプログラム変更が出来ていませんので、3.3Vの電源と押している間だけ3.3Vの電圧が発生するタクトSWが付いた簡単な回路を作り、ケーブルを接続して、動作テストを行うと、思った通りのシャッターON/OFF動作が行える事を確認できました。

一応、もくろみ通り完成しましたので、リモコン基板がむき出しでは壊れる可能性が有る為、基板自体を熱収縮チューブで覆う事にします。

次に、赤道儀コントローラーの回路の改造です。 コントローラーから送信されるレリーズ信号を連続ではなく、シャッターを開閉するたびにワンパルスの信号を送信するようにプログラムを変更しますが、従来、シャッターが開放時は緑色のLEDが点灯するようにしていましたので、このLED点灯用に専用のマイコンI/Oを割り当てました。
また、プラグの抜き差しによる線間ショートの対策として、赤道儀側の3.3V電源ラインに47Ωの抵抗を直列に入れ、3.3VのLDO(3端子レギュレーター)が壊れるのを防止します。リモコン基板側はショートしても壊れる部品はありませんでした。

コントローラーの回路図 peq_mount_for_ks1.pdfをダウンロード

カメラのファームウェアのバージョンが1.00でしたので、最終版のV1.20にアップデートしました。

コントローラーのプログラムの変更です。以前、ドリフト法による極軸合わせ機能を追加したプログラムをKS1専用に改造します。 このKS1で星空を撮影できるようになりましたら、K20Dで星空を撮影する事はありませんので、問題なしです。 

リモコンのプッシュSWをどのくらいの時間ONしたら、赤外線の信号が発射されるのか調べたら、50msec以上あれば良い事が判りました。 一方、リモコンから赤外線信号が発射されてから、カメラがそのコードを認識するまでの時間遅れがありますが、その遅れる時間は判りません。 さらに、リモコンでシャッターONを認識してから、ミラーアップを行い、実際に露光開始までの時間も不明です。 これらのディレー要素を全てひっくるめてインターバルタイマーで設定した時間だけ、シャッターが開放されるよう、コントローラーから送信される、シャッターON/OFFのタイミングをカットアンドトライで見つける事にしました。 その結果、シャッターON/OFFのパルスの長さは0.1秒とし、その発射ルーチンの位置をプログラムの中で微調整した結果、インターバルタイマーが指定した時間通り、シャッターオープン時間が得られるようになりました。 実際にどれだけの時間シャッターが開放されたかは、RawTherapeeで画像を表示させると確認できます。

K20Dで問題となったインターバル時間ですが、KS1の取説や他の資料を読んでいるとき、最低のインターバル時間は1秒と記述が有ったような記憶ですが、再度読み直しても、その記述が見つかりませんでした。ここは、新しい情報が見つかるまでは、 問題の起きていない2秒のインターバルで継続します。

動作確認できたPICのプログラムは以下です。

赤道儀本体プログラム PEQ_Mount_KS1_v100.cをダウンロード

ヘッダーファイル Font9.hをダウンロード

         Font12.hをダウンロード

次の課題は外部電源です。 別売の外部電源はACアダプター式で星空の撮影には使えませんので、DCカプラーと呼ばれるダミー電池とこれに外部DC電源から規定の電圧を供給するDCDCコンバーターとそれに付随するケーブルが必要になります。 まず、外部電源からの供給電圧ですが、取説には充電器の出力電圧は記載していないので、純正の充電器からフル充電したばかりの電池の電圧を測ってみる事にしました。 KS1の場合、8.33Vでした。 ちなみに、K20Dの場合、8.35Vでした。 この満充電の状態でKS1を使うとしばらくの間はオート状態でも黒死病の発生が無いようです。

という事は、中華製の5V USB端子から、DCDCコンバーターで8.4Vに昇圧しDCカプラー経由でカメラに供給するKitが売られていますので、これを調達する事にします。 赤道儀のコントローラーには8.3VのDC出力がありますので、DCDCコンバーターは不要なのですが、ケーブルが欲しいので、DCDCコンバーター付きを手配しました。

次は、DCカプラーが届くまで待つ事にします。

 

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2026年2月24日 (火)

ハイサイドFETドライバーを使ったPWM変調器

<カテゴリ AM送信機(PWM方式)

FETドライバーの中にHigh Side FET Driver と言われるFETドライバーがあります。 これは、数十ボルトから数100ボルトの電源を直接スッィチングして出力を得るものですが、NチャンネルFETをドライブしようとすると、そのドライバーもそれなりの電位を持った状態でないと、うまくスィッチング出来ないところを、ブーストラップ回路をICの中に内蔵し、12Vくらいの電源電圧でも600Vくらいの電源から負荷に電力を供給できるようになります。

このハイサイドドライブ用IC IR2110Pが秋月で販売されており、それを買ったのが、6年くらい前で、いまだに実際の回路として検討した事がありませんでした。

最近、これと同じ品番のICを使ったフローティング不要のPWM送信機の製作記事を見つけましたので、さっそく試作してみました。

Highsidedrive_pwm_mod_00_3

回路図 AMTX_200W_V3.pdfをダウンロード

そして、電圧20Vの電源に繋ぎ、実際に動かしてみました。 ところが、7MHzの出力が12Wくらいしか出ません。 その時の全消費電流は3.5Aくらい。無変調時、高周波のファイナルに加わっている電圧は6Vくらいです。 本来は10Vの電圧でなければならないのが40%もダウンしています。 この原因はハイサイドのFETのインピーダンスが、ことのほか大きく、電圧ロスが発生しているのが原因です。 オリジナルのVKの配線図でしめされる送信機は1.8MHz帯で200Wの出力。この変調段に使われているFETのRdsは53mΩ品、私のFETは75mΩと1.4倍近くありますが、それでも、あまりにも効率が悪すぎます。 ただ、入力容量がオリジナルはMax 887PFに対して、私のはティピカルで2159PFもある事。 そして、決定的な相違点として、RF終段の負荷抵抗がオリジナルは10~16Ωに対して、私の回路は1.4Ωである事でした。

ハイサイドドライバーの品種は限られており、低インピーダンス負荷では使いにくいもので有る事が判りました。 元のフローティング方式に戻そうにも、すでに基板は分解されていますので、当分の間、PWM送信機は無しとします。

7MHzのAMにオンエアしたいときは、SDRの60W機を使う事にします。

 

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2026年2月 8日 (日)

サブ電源の改善

リニアアンプの主電源は200Wの出力を確保する為65Vくらいの電源を使用しますが、アンプの送受信切り替えや2バンド運用の切り替え、さらにアイドル電流を管理する為に12Vの低圧安定化電源を必要とします。 この12Vの安定化電源を主電源の65Vから作るには、3端子レギュレーターでは耐圧がNGで有る事、放熱がほとんど不可能という理由から、12V位の安定化電源を作る為、65Vの主電源とは別に14Vくらいのサブ電源が必要でした。 最近、車載機器用で72Vを12Vに降圧するスィッチング電源が安価に手に入るようになりましたので、これを手配し、12Vの安定化電源も65Vの主電源より自前で作る事が出来る様に変更する事にしました。

手配したのは入力電圧15V-80Vを12V3Aまで降圧する中華製のDCDCコンバーターです。

8012vdcdcc

左がそのDCDCコンバーターの類似品で、12V2A出力ですが現在送料無料で570円で販売されています。リニアアンプの内部で使いますので、トランシーバーの受信部とは筐体が独立しており、ノイズの心配はほとんど有りません。 一応、入力電圧の範囲は15Vから80Vとなっており、私のリニアアンプ用DC電源の72V±10%をカバーします。

しかし、80VまでカバーするDCDCコンバーターは3年くらい前まで3000円以上していたのに、びっくりですね。ヨーロッパのEV仕様の車が48vの電源を使うようになったおかげでしょうか?

いずれにしても。リニアアンプ自作派にとっては好都合です。

8012vdcdcc2

実際に使ったDCDCコンバーターは1年くらい前に750円で買ったものですが、仕様はほとんど同じです。 この改造と同時に、デジタルDC電圧計も変更し、かつ、切り貼り状態のフロントパネルも、この際作り替えました。 JWCADで作図と着色を行い、100均で買った画用紙にインクジェットプリンターで印刷しました。印刷サイズがA4であり、パネル全幅長をカバーしないので、右側のメーターの端っこでつぎ足してあります。

Renew_poweramp2026

今年は、160mと40mのラグチューが楽しめそう。

回路図 160m_40m_PWR-AMP200W.pdfをダウンロード

 

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デジタル電圧計2

200Wリニアアンプの電源電圧監視の為、99円のLCDにて、デジタル表示していた電圧計ですが、時々表示されない事が有りました。 そこで、この電圧計を取り出して修理しようと、いじっている間に、いつの間にか直ってしまい、異常状態が再現しません。 仕方ないので、またリニアアンプに戻し半年くらい経つと、また表示が消える不具合が発生します。 これを数年の内に数回繰り返してきたのですが、200W PWM変調のAM送信機の周波数表示に使っているLCDも同じ症状が出て、TFT FETに変更した経過もありますので、このリニアアンプ用の電圧計もTFT LCDに変更する事にしました。

基板は、以前、星の撮影用のインターバルタイマーの基板がマイコンが付いた状態でジャンク箱に転がっていましたので、これを拾い上げ、ADコンバーターとLCDドライブだけのデジタル電圧計を作る事にしました。

Vmeter_tftlcd

この電圧計を作る為に、新たにフォントまで作る羽目になりましたが、上の写真はたちまち、動作確認の為、適当な電圧を表示させている状態です。

配線図 VMater1_200W_Power_AMP.pdfをダウンロード

マイコンプログラム VMeter_SPI_LCD_2.cをダウンロード

フォントファイル Font9.hをダウンロード

         Font16.hをダウンロード

Font9.hは大文字のVを表示するだけです。 使ったPICが16F1938でしたので、メモリーに余裕がありました。 また、Foscを水晶発振で作成していますが、元の基板に実装済みでしたので、そのまま使いました。他意はありません。

 

この電圧計を実装したついでに12V用サブ電源を作り変えたリニアアンプの記事はこちら

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