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2025年9月23日 (火)

ポータブル赤道儀 ファインダーの取り付け

カテゴリ<天体写真 ポータブル赤道儀 自作 ステッピングモーター>

手配しておりました、ファインダー用の台座が意外と早く納品されましたので、さっそく、自作の赤道儀にタップを切って取り付けました。 (前回までの記事

Finder_03

左が取り付けた台座にファインダーを固定した状態です。 ファインダーは取り付けただけでは使い物になりませんので、極軸と平行になるように調整が必要です。 その為、ウォームホイールの付いたカメラ回転用のシャフトを抜き取り、そこに6φのABSパイプを差し込みました。真鍮の6φ棒はすんなりとベアリングを貫通したのに、ABSパイプの寸法はかなりいい加減で、ベアリングに挿入できません。 仕方なく、パイプをハンドドリルにくわえさせ、高速で回転させながら表面をサンドペーパーで磨く事10分。やっとベアリングを貫通出来るようになりましたので、写真のごとく取り付けました。パイプの長さは12cm、内径は4mmです。 外光によりターゲットが見にくいのでパイプの外側に黒のビニールテープを巻き付けてあります。

 

Finder_02

まず、このABSのパイプの穴を覗き、約1.6Km先のNTTのアンテナの先端が円の中心にくるように赤道儀の向きを調整した後、ファインダーの赤ドットが円の中心にありかつNTTのアンテナ先端に合うように、台座の取り付け位置とファインダーに付属する垂直、水平の微調整ネジを回し、固定しました。 レッドドットファインダーの取り扱いを解説したインターネット情報によると、ファインダーを覗く目の位置がずれてもレッドドットの示すターゲットの位置は変わらないと説明され、その証拠の動画もあるのですが、今回入手したファインダーは目の位置を変えると、ターゲットから外れてしまいます。 という事は、覗く条件で、ターゲットに一致する方向は無数にあるという事になり、使い物になりません。 ほんとに、使い物にならないのか、色々の情報を調べていくと、どうも次の様な使い方のようです。 

まず両眼をひらいて、ターゲットを注視し、その状態で一方の目はターゲットを直接見て、もう一方の目はファインダーを通して見えるように目の位置を決め、ファインダーの青い円の中心にターゲットが見えるようにファインダーの向きを合わせ、次に円の中央のターゲット上に赤の点が見えるようにファインダーの調整ネジを調整したら良いらしい。 

そこで、この方法でファインダーを調整した後、ファインダーで別のターゲットに狙いを定めますが、ターゲットと赤のドットが青い円のセンターになるように赤道儀の向きを調整した後、ABSのパイプを覗くと、ターゲットはABSの穴のほぼ中央に見えていました。 目の位置がファインダーを調整した時とずれると赤のドットはセンターに来ない為、赤ドットがセンターに見える時のみ照準が合ったと言えるみたいです。 多少の誤差はありますが、この見え方の癖を覚えておき、実際に北極星の位置決めをする場合、スマホで得られたリアルタイムの北極星の時角(リアルタイムの時角を表示するスマホのアプリ名:StarWatchingTools)を見込んで赤道儀を固定する事になります。 どうもこの辺は、慣れと経験で繰り返し極軸設定を行ないながら、精度を上げていく事のようです。 つまり、かなりアナログ的なカットアンドトライで星が線にならない為のシャッター開放時間の改善を行うという事らしい。 それでも200mm望遠レンズクラスなら最長5分くらいとの事。(16分は無理。極軸望遠鏡を用意できない俳は諦めです。)

ファインダーを一度外し、再度取り付けると、ターゲットの位置をセンターに合わせたのに、赤のドットがかなりずれていました。 調べると、ファインダーの赤ドットを移動させる微調用のつまみがちょっと指に当たっただけで回転してしまう程軽いのが原因でした。 

対策は、つまみとボディの間にスポンジのスペーサーを挟み回転時に負荷がかかるようにしました。下の写真が実際に作ったスペーサーとそのスペーサーを実装した状態です。

Spacer1

Spacer2

Spacer3

厚みが1mmくらいあるスポンジ系の両面テープを、ほぼ正方形に2枚切り、接着面どおしをはりつけます。その状態で3mmφの穴をポンチで開けます。 穴を中心に八角形に切り、形を整えたあと、調整用つまみとファインダーのボディに挟み込み、つまみを固定するネジをしめつけました。 この措置は、ファインダーの垂直、水平両方の調整ネジに実施しました。 これで指やその他の物が当たってもつまみが回転する事はなくなりました。

 

2025年10月中旬

ドリフト法により極軸合わせの練習をしていたころ、このレッドドットファインダーを使って土星をターゲットに経緯台の調整をしていた時、土星をファインダーの中央に置き、かつレッドドットと重なるようにファインダーの方向を調整したとき、目の位置をずらしても、レッドドットと土星の輝点は一緒に動く事を確認しました。ファインダーの直径の半分くらいの範囲内なら、赤の輝点と土星の位置は変わりませんでした。 これがこのファインダーの正しい使い方かも知れません。

 

さらに、エージングを続けていると、自由雲台を固定する回転テーブルとシャフトの間でスリップが起こります。イモビスをいくら締めてもスリップは止まらなくなりました。 写真撮影の前にいっぱい問題点が出てきて極軸合わせどころではなくなりました。

Imoneji_3

Handdriru_2

回転テーブルをシャフトに止めてある二つのイモネジの一方を抜き取り、2.1φのドリル刃を付けたリューターでシャフトに深さ0.5mm程度の穴をあけます。 イモネジを差し込みシャフトが動かない事を確認した後、もう一方のイモネジの部分も同じ様に処理します。 一旦回転テーブルを抜き取り、先ほどシャフトの穴を中心に深さ0.3mmくらいのDカットをヤスリで作ります。 回転テーブルを再度取り付け、イモネジを少し締め付けてテーブルがロックする位置を確かめたらイモネジをしっかりと締めておきます。 今回は回転テーブルだけがスリップしましたが、BOX内のウォームホイルも同じ事が起こる可能性がありますので、一度全部ばらして、ストーッパーのネジが当たる部分をヤスリで削り、最大で0.3mmくらいのDカットを施しました。

Finder_03

前述したように、ファインダーの微調整ネジが緩んで再調整しなければならないのですが、その為に、また極軸のシャフトを抜き取りABSパイプを差し込んで再調整するというのは、かなり面倒です。アイデアは良かったのですが、実用にはなりません。 そこで、このシャフトと平行になるような常時取り付けておける覗き穴用パイプを追加する事にしました。 ギアBOXの天板と底板をはずし、このふたつの板の四隅をビスで固定した状態で、ボール盤を使い3mmの穴を貫通させました。BOXを元通りに組み立てた後、その穴にグラスファイバー製釣り竿の先端部分をカットした長さ13cm、先端の内径が2mmくらいのパイプを差し込みこれを基準にレッドドットファインダーの調整を行う事にしました。 調整は昼間、約4.8km先の高圧鉄塔の先端を狙い行いました。 その後、実際に使用していると、赤道儀が回転する特定の角度で、パイプがアリガタプレートに引っかかる事が判明し、長さを10cmまでカットしました。
 

StarWatchingToolsについての補足(多分こうだろう。間違っていたらごめんなさい)

Porertimeangle_1_2

スマホにStarWatchingToolsをインストールして、これをOpenすると左の黒色と赤色で描かれた円弧状のグラフが現れ、白い点が表示されます。左の画像にある黄色で描かれた部分及び「北極星の位置」と「極軸の位置」の文字とそれに付随する白い矢印は表示されません。極軸に対して北極星の位置のズレをYahooで検索すると、0.6度ほどずれていると出てきます。一方満月の視角は約0.5度です。従い北極星は満月の直径の約1.2倍の半径で、極軸を中心に一日かけて一周する事になります。

リアルタイムの時角が必要なのは、極軸設定時の角度を知れば、北極星をどの方向に0.6度ずらせば良いかがすぐに判る為です。

スマホの画面に表示される像は正立と倒立が選べます。レッドドットファインダーは正立像ですので、正立像モードにしてスマホに表示された角度に北極星を配置すれば良いし、レンズ式の通常のファインダーなら倒立像モードにすれば簡単に設定できます。 満月の大きさは、満月の夜、ファインダーで月を覗けば把握できます。 今回使った一倍倍率のレッドドットファインダーで半分欠けの月を覗いてみたところ、意外と月の大きささは大きく見えました。少なくとも、赤ドットの直径の10倍くらいはありました。

極軸と北極星のずれは毎年変化するようです。0.6度は2025年の9月にインターネットから仕入れた情報です。しかし、その他にも沢山の数値が有り、どれが正しいか分かりませんでした。 国立天文台が発表しいるズレは40分(0.666度)と出ていましたが、いつの年かは記載されていませんでした。 

 

実写テストに続く 

 

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2025年9月15日 (月)

ポータブル赤道儀 モータードライバーの製作

カテゴリ<天体写真 ポータブル赤道儀 自作 ステッピングモーター>

ポータブル赤道儀のギアBOXが完成したので、次はステッピングモーターのドライバーと、インターバルタイマーの作成です。 インターバルタイマーは前々回で完成済み。モータードライバーの基本プログラムはZマッチATUの制作で完成ずみで、1/64マイクロステップの動作が成功すれば完成になります。

まず、PICマイコンの選定ですが、32bitタイマーを使いたい為、16bit品の中からPIC24FV32KA302を選びました。 このICなら、まだ部品箱に1石有りましたので、追加で買う必要もありません。 ステッピングモータードライバーはSTSPIN220と言うSTマイクロ製のICを米国メーカーが金属基板の上にモジュールとしてマウント済みのユニットを使います。 秋月電子で扱っています。 モーターはすでに紹介した通り、17HS4023で、中華製です。 また、インターバルタイマーの機能をいれますが、これは、前々回の記事で紹介しましたユニットをそのまま、このモータードライバーに移植します。 プログラムの量のほとんどが、このインターバルタイマーの部分が占有し、モータードライバーのプログラムはほんのちょっとしかありません。

回路図 EQ_Mount_sch_1.pdfをダウンロード

Peqmount_pcb

上は出来上がった回路です。2.54ピッチのユニバーサル基板に組み込みました。 抵抗、コンデンサ(電解コンデンサは除く)は全てチップ部品で基板の裏側に半田付けしてあります。 電源は最大電圧16.4Vのリチウムイオン電池(電動リール用)に12V出力のDC/DCコンバーターを付けた10AHくらいの自作の電池を使います。 このモータードライバーは12Vの電圧供給を受けた後、それぞれの回路に必要な電圧を基板の中で作っています。 基板の中で大きく面積を占有しているのがこのDC/DCコンバーターです。 アマゾンで6台まとめて690円で売り出されていましたので、買ってあったものが役立ちました。 1台はステッピングモーターの電源用で、7Vに設定してあります。 もう一台はステッピングモーターのIC用とカメラの外部電源用の5Vをまかないます。 

カメラの外部電源用として市販されているケーブルはUSB端子付きになっており、5Vの電圧を8.3Vに昇圧してカメラに供給するようになっている為です。 2週間くらい遅れてこのケーブルは入手しました。USBコネクタに5Vの電源を接続しカメラに接続するコネクタの出力電圧を測ると5Vしか有りません。販売資料にはDCDCコンバーターと書いてありましたので、てっきりUSBコネクターから受けた5Vを8.3Vに昇圧してカメラに供給するものだと理解していたのですが、実はそうではないらしい。 テスターでこのケーブル(モデル名 AC-CU905C  D-AC50)の入出力を導通テストすると、+側も、GND側も0.5Ω以下。DCDCコンバーターなど存在せず、単にLEDと若干のLEDドライブ回路が入っているだけでした。 幸い、カメラ用として12Vから電圧を変換するDCDCコンバーターを実装していますので、5Vに設定していたこの電圧を8.3Vに変更しました。 そして、ステッピングモーターICへは5Vのシリーズレギュレーターを追加する事にしました。 一般的にUSB-Aコネクター経由で得られる電圧は5Vと決まっておりますが、USB-Cコネクターの場合、5V以上で使う事も規格化されているので、要注意です。  前記した回路図は修正済み。

PICマイコンやLCDは、この5VからLDOを使い3.3Vに落としています。 PICマイコンが3.3Vでモータードライバーが5Vの電源での動作であると、マイコンの出力電圧とドライバーの入力電圧がミスマッチになりそうですが、そこは、STマイクロが設計対応しており、H入力は1.5V以上あれば良く、マイコンの低電圧化を見越しておりますね

PICのシステムクロックとして24.576MHzの水晶を使う事はすでに紹介しましたが、PIC24FV32KA302の場合、OSCI及びOSCOに水晶と負荷コンデンサを付けても発振しませんでした。 20MHzなら発振するのですが、24MHzは発振しません。やむなく、トランジスターでコルピッツ水晶発振回路を作り、この出力をOSCIに加えてやることにしました。発振周波数は、自作のカウンター(誤差±0.032PPM)で測定して24.576016MHz。 設定値に対して+0.65PPMくらいでした。使ったセラミックコンデンサの温度特性は全てCG(温度係数0)。冬場でも周波数の安定が見込まれます。 ちなみに、0.65PPMの誤差とは24時間の計測に対して0.056秒の誤差を意味します。  モータードライバーからモーターまではLANケーブルの中にあった長さ2mのAWG24のワイヤー4本をツイスト状態でつないでいますが、問題なしでした。 ベースギアは1時間に15度回転しますが、それを待っていられないので、MSTARTキーを押しながら電源を入れると、60倍のスピードでモーターが回転します。この状態で1分間に15度回転する事を確認しています。 もちろん、正規のスピードで2時間の運転を行い、30度の回転も確認済みです。 問題の1/64マイクロステップですが、これがいとも簡単にOKとなりました。 当初の心配はなんだったんだと思えるくらいあっさりと解決しました。

マイクロステップ駆動を行う時は、一般的に、コイル抵抗 x 定格電流で現わされる電圧の2倍くらいの電圧をかけ、電流制限を定格値の半分くらいにして使う事が多いので、今回のステッピングモーターの場合、この理屈で行けば、電圧5.6V、電流制限0.35A程度がターゲットになります。しかし、今回のモーター回転ステップは9PPSくらいの超スロー回転で、ローターの慣性は利用できませんので、トルク重視の為、この標準の25%アップくらいの設定でスタートしたところ、一発で脱調もせずにOKとなりました。最終的には、モーターの電圧は7Vにしておき、電流制限を450mAに設定しました。 この時の12V電源の消費電流は180mAくらいです。

ベースギアの回転方向はCWオンリーです。日本国内でしか使いませんのでCCWは不要です。

Peqmount_motor_test

上はモーターの回転テストを行っている状態です。1/64マイクロステップで動作しており、騒音は全くありません。ウォームギアにマジックインクで印をつけると60倍の速度では回転しているのがわかりますが、正規の回転の場合、動いているのか判りません。ウォームギアを指でつかむと、回転しているのはわかります。

とりあえあず、回転数については設計通りに仕上がりましたので、回路をケースに入れる事と、ウォームギアとホイールの遊びについて最適値を選ぶ必要がありますが、天板をかぶせた状態ではモーターの取り付け位置の調整が出来ないため、モーター位置調整の為の治具を作ります。

Peqmount_centerjig

上の写真はシャフトセンターが天板の位置と同じになるように作られたセンター出しの治具を天板の代わりに取り付けた状態です。 遊びが全くないと、シャフトが上下振動を起こし、カタカタと音をだします。しかもホイールが偏芯しているようで、回転方向のガタが大きくなる場合とシャフトが上下に振動する場合がホイール一回転の内に交互に発生します。 この偏芯の最大の原因はホイールをシャフトに固定する時、イモビスで締め付けますが、この時に生じる0.1mm以下の偏芯だとわかりました。 何度もモーター位置とホイールの高さ調整を行いガタが最小でシャフトの上下運動の起こらない位置に固定し、ホイールとウォームにsoft99ブランドのグリス(成分表示が無くモリブデン系とは書いてありませんでしたが、多分モリブデン系)を塗り、60倍速度で2時間エージングを行いました。 上下運動は無くなりましたが、1回転の1/4以下の範囲で0.2度くらいの回転方向のガタが有ります。 もうこれ以上改善できないので、ここで手を打ちました。

 

マイコンプログラム PEQ_Mount_01.cをダウンロード

フォントプログラム Font9.hをダウンロード

          Font12.hをダウンロード

いっしょに作ったインターバルタイマーは前回の仕様からマルチタイムタイマーの機能のみにしました。

回路全体が完成したので、これを外に持って行けるようにケースインします。

Peqmcontroller_1

Peqmcontroller_2

Peqmcontroller_3

前々回のインターバルタイマーは電池を内蔵する事にこだわった為、ケースが大きくなりましたが、今回は外部電源にしないと電池では持たないと考えた結果、130x90x30mmのアルミケースに押し込む事に成功しました。 内部の配線類が天板を押し上げようとしますが、そこは、しっかり上から押さえつけてビス止めしました。

雨か曇りの夜が続いており、なかなか屋外で実験が出来ません。仕方なく、部屋の中で照明を消して、赤道儀のセットアップの練習をしてみると、大きな問題が浮上しました。 赤道儀とコントローラーを結ぶモーター用のワイヤーのコネクタの極性が暗くてなかなか一致しないのです。

Old_4pcone

Peqm_harness1

左上が今回使った4極のコネクターですが、4極の極性を一致させるにはオス、メスそれぞれに付けられたガイドを一致させて差し込み、カバーネジを締めて接続完了するものなのですが、暗闇でLEDランプ片手ではいくら頑張ってもガイドが一致しません。むりやり挿入するとガイドを無視して挿入されてしまい、モーターは回転しません。 良く考えたら当たり前の事で、写真では白っぽく見えていますが、実際は真っ黒です。このコネクターを暗闇で抜き差しするのは無理と諦め、右上の赤い4極プラグに変更しました。 このプラグは回転方向に対して極性は無く、奥までしっかり押し込めばOKというもので、コントローラー側を含めて変更しました。 プラグの形状はヘッドホン用の3極プラグを4極にしたもので、もし、通電中に誤ってプラグを抜き差しすると端子間がショートする可能性があるのですが、そこはモータードライバーのICの中に組み込まれた電流制限機能の為、ICが壊れるという心配はありません。 また、屋外での本番に備えて頭に付けるヘッドライトを調達することにしました。中華製で送料込みで651円でした。
 

Peqmount_testing

自作赤道儀を庭に持ち出し、星が流れずに撮影できるシャッター開放最長時間を確認したいのですが、あいにく数日前から雨と曇りの天気が続いており、天気予報では3週間くらい待たねば撮影はできそうもありません。 ファインダーの台座も9月中に届くかどうか判りませんので、しばらくはエージングだけしか出来ません。

左は、極軸を34度くらいにして、天頂を撮影する角度でエージング中の画像です。 カメラと200mm望遠レンズ及び自由雲台の総重量は1.650Kgでした。 画像は、赤道儀の回転速度を60倍にして、約24分で360度回転する状態で、最大負荷を通り過ぎた状態です。 ステッピングモーターは回転速度が速くなるほどトルクが小さくなりますので、60倍のスピードで回転して問題なければ、正規の回転では余裕でOKとなります。 使っている3脚は耐荷重10kgのビデオカメラ用です。 赤道儀の重さを加えても2.45kgくらいですので、余裕でいけます。 ベースの雲台はハーフボールタイプの大型雲台で水平に保った状態でも雲台を上方向に最大70度くらいまで傾ける事が出来、水平はオイルダンパー式で360度回転可能ですので、北極星をターゲットにした極軸あわせが楽になりそうです。

数日後、ファインダーの台座を入手しました。 

 

 

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2025年9月 7日 (日)

ポータブル赤道儀の製作(機構)

カテゴリ<天体写真 ポータブル赤道儀 自作 ステッピングモーター>

まともに星の写真も撮れない内に(前回記事)、ポータブル赤道儀を自作しようと計画し、手当たり次第に部品及び材料を手配したら、自由雲台や極軸設定用ファインダーを含めて1万5千円ほどかかってしまいました。 新品の既製品が雲台なしで5~6万円であり、中古なら2万円台で手にはいりますので、自作にしては、高いものに付きます。 すでに、順次部品は宅配で届いていますので、今更、中止する訳にもいかず、土日の休日をこの製作にあてます。 すでに9月の第1周を過ぎましたが、暑い日が続いており、濡れ縁の脇に日傘をさして卓上丸鋸とボール盤を使い、とりあえず、ギアボックスの仮組み立てまでこぎつけました。

構造はWEB上に先輩方が沢山の情報を紹介していますので、それらを参考にギアBOXを作ります。ギアBOXと言っても、一段のウォームギアとステッピングモーターが入っているだけの簡単な物です。

ギアの減速比は1/60で、これを1/32のマイクロステップでドライブしようともくろみます。 もし、可能ならば、1/64マイクロステップでドライブしたいのですが、過去、実験した中華製の3Dプリンター用ステッピングモーターは1/32はなんとか実現できましたが、1/64は実現出来ていません。 今回は、最悪1/32マイクロステップとし、1/64マイクロステップは挑戦事項と位置づけて進行します。

Peqmount_draw

上がJW-CADで描いたポータブル赤道儀の組み立て図です。サイズは88x88x56mmのBOXになります。 モーターは17HS4023という17HSシリーズの中では一番小さな物になります。 コイル抵抗4Ω、定格電流0.7A、これをDC7V、0.7Aくらいで使うと1.4Kg/cmくらいのトルクが得られ200mm望遠レンズを付けた一眼レフカメラも回転出来るかも知れない。 まあ、やってダメなら、バランサーを付けたら解決するので、かなり楽天的に製作する事にしました。

Peqmount_temp

上の写真が3mm厚のアルミ板に、JW-CADで作った実寸大の部品図を両面テープで張り付け、加工完了したギアBOXと、この赤道儀用に手配した自由雲台、それに雲台取り付け用のアリガタプレートの台座を取り付ける回転台です。 回転台は以前、製作したATU(自動調整アンテナチューナー)用でしたが、外形が大き過ぎて使う事が出来なかった、タイミングプーリーです。 BOXの穴あけは基準穴以外全て現物合わせで開けましたので、6枚のアルミ板の位置は、全て固定されており、間違いを防ぐ為に内側に印となる記号をマジックで書きこんであります。

Peqmount_inside_temp

左は、ギアBOXの天板をはがした内部状態です。モーターとウォームギヤしか入っていません。 実際の構造は、ベアリングやシャフトカラーなどが付きますので、まだシャフトの長さはトリミングしていません。 モーターのドライバーは前回製作したインターバルタイマーの中に、組み込みますが、実際は、全部作り直しとなります。

この日までにシャフトカラーが納品されていなく、また、極軸設定の為のファインダーも納入されていませんので、それらが手に入り次第、正規組み立てを行う予定です。

Peqm_data_3上の表は1/32マイクロステップ時の設計データです。一応600mm望遠レンズの時でも星は流れない事になっています。 もし、1/64マイクロステップが実現できると、1200mmの望遠レンズでも星は流れないはずです。 ただし、実際に使うのは、フィルムカメラ用の200mm望遠レンズで、これをデジタルカメラに使った場合、視野角の関係から300mm相当の望遠レンズとなりますが。

表の上から4行目の「ベースギア必要回転角/秒」は星空が1日かけて360度回転する恒星時から1秒間に何度回転するかを計算したものです。 また、下から6行目の「ベースギア回転角/秒」はステッピングモーターのマイクロステップ角度から、1秒間にベースギアが回転する角度を逆算したものです。 両者の数値が一致していますので、計算は正しいと考えています。

PICマイコンでステッピングモーターを制御しますが、この時、PICのクロックは24.576MHzの水晶発振子を使用します。 中途半端な周波数に見えますが、この値は2のN乗の数値で割り算した時、ちょうど割り切れる数値で、市販の水晶発振子の中に存在するものです。

Shaftx

Shafty

左上が、X方向でのシャフトの垂直度を、右上がY方向でのシャフトの垂直度を見たものです。X,Y方向ともほぼ垂直です。 例え、真の垂直でなくても、極軸ファインダーを微調整して合わせることができますので、検査合格とします。

シャフトカラーを入手できました。下の写真はシャフトカラーを装着して、底部分にスラストベアリングを、天板の軸穴には、横揺れ防止を兼ねてベアリングを挿入して、ギアBOXの内部は完成です。 ただし、これから何度も分解する事になりますので、まだ仮止め状態です。

Peqm_giar

Peqm_undai_2

Peqm_mouttest

左上がギアBOXの回転台に雲台を固定する為のアリガタプレート用台座を固定した状態です。 右上はこれらの機材を使って、実際の3脚に赤道儀を乗せ、200mm望遠レンズを装着したカメラを取り付けた状態を確認したものです。 写真では赤道儀の極軸は水平になっていますが、実際は北極星を向く事になります。 まだ、モーターのドライブ回路が出来ていないので、動かす事はできませんが、機械的な強度を確認して見ても、異常は見られませんでしたので、とりあえず安心しました。

ファインダーを赤道儀に固定する台座(サドル)の寸法が判らなかったので、ファインダーの到着を待っていたのですが、到着して実測したら、雲台を固定する台座と同じ寸法でした。雲台用の台座は販売キャンペーンが終了し、現在は1000円を超えていますので、アマゾン経由で600円台がありましたので、それを注文しましたが、納期が9月末との事です。 

下の写真はレッドドットファインダースコープと呼ばれる天体望遠鏡用のファインダーです。 拡大率が1:1なので、北極星だけをターゲットにするなら使いやすいかも知れないと選定したものです。 北極星は2等星なので、肉眼で見えない夜は写真撮影すら出来ないでしょうから、大きな拡大率は不要と思います。

Peqm_finder

そこで、ギアBOXはここまでにしておき、モータードライバーとインターバルタイマーを新規に作る事にします。

 

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