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2022年10月 1日 (土)

RF DA変換回路(高周波デジタルアナログ変換)& 出力合成回路

<カテゴリ AM送信機(デジタル方式) >

dsPICを使ったAD変換と、プリディストーション機能付きの回路が出来上がりましたので、次は、8bitのデジタル信号を7MHzのキャリア信号に変え、この8bitの7MHzキャリア信号を高周波のままデジタルアナログ変換を行います。 

今回のパワーアンプの基準出力は1台当たり、15Wに設定しましたので、ピーク出力は計算上は約109Wですが、ロスがありますので、目標ピーク100Wとして、 キャリア出力はその1/4の25Wとします。

構成としては、LSB側のアンプをバイナリ駆動する5台のアンプと、MSB側の3bitをデコードして、駆動する7台のアンプ、合計12台のアンプの出力を、直列電力合成を行い、この合成の過程でDA変換を実現します。 電力合成回路に残る浮遊リアクタンスを直列共振回路でキャンセルした後、7MHzのBPFを通して、アンテナへ出力させます。

デジタル回路の基本としては、8bitの信号をDA変換する為には、重みづけした電力増幅器が8台あれば良いのですが、その場合、最上位ビットの出力は、最大ピーク電力の1/2必要です。 今回、作成しているAM送信機の最大出力はピーク時100Wであり、最上位ビットは50W必要です。 50Wなら簡単に1台のアンプで実現できますが、放送局の場合、最大ピーク電力1000KWとかという数値になりますので、その1/2の出力でも、半導体によるアンプでは実現不可能であり、100Wから200Wくらいのアンプを沢山同時ドライブして作る必要がある為、わざわざデコードして、数多くのアンプをドライブする事になります。 今回のAM送信機は、あえて、小電力のアンプを並べて、高周波のままデジタルアナログ変換を行う実験と、電力合成の時に発生する非直線性を改善するプリディストーション効果を確認する事をメインにしておりますので、コストパフォーマンスは甚だ悪い物になっております。 

このように、交信を行う目的だけなら、あまりメリットは無いのですが、すでに、複数のOMさんが、この方式でON AIRされており、その受信音は、PWM方式や、プレートスクリーン同時変調の音よりも、明らかに了解度が良く、その理由を確かめる事も一つの目的となって、製作を始めたものです。

 

配線図 RFADC_AMPx12.pdfをダウンロード

8bitencorder

左は、dsPICからの8bitデジタル信号(オーディオ)をLSB側のバイナリー駆動回路で、5bitの7MHzのキャリア信号に変える回路と、MSB側、3bitのデコーダーです。 このデコード機能は、標準ロジックICのなかでは、見つける事が出来ませんでしたので、ジャンク箱に眠ていた、古い初期のPICを使い、ソフトで必要な7chのデコードを行っています。

今では標準となっている内蔵のCR発振回路は、初期のPICには内蔵されていなく、外部発振回路オンリーですので、手持ちのクリスタルを使い、最高周波数の20MHzで動作させ、デコードの時間遅れを最小にしようとしています。 7個のLEDはデコーダーのデバッグと、のちのち、RFアンプが接続された時のモニターとして使います。 ロジックICの74HC00は本来3個で良いのですが、トラブルが発生した時の為に、予備として1個追加してあります。 この予備は電源以外は接続はされておりません。

Msbdecorder_2

ひだりの真理値表は、このPICが3bitのデータをどのように変換するかを示したものです。

ソフト的には、非常に簡単で、この変換を高速で繰り返す以外、何もしないマイコンになっております。

これらのドライブ信号により、以前、完成した12台のパワーアンプを駆動し、その出力を直列合成して、DA変換する回路が下の基板になります。 一応位相関係の動作チェックは完了しております。コアサイズが2種類ありますので、青色のコアはMSB側、黒色のコアはLSB側で使います。 理由は同じタイプのコアを12個確保出来なかった為で、他意は有りません。

Powrmix

バラックの状態で動作確認ができたら、次のステップとして、送信機としての組み立てに進む事にします。

 

 デジタル方式 AM送信機の組み立てへ続く

 

 

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