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2019年8月31日 (土)

ダイレクトコンバージョン式SDR(直交変調回路)

カテゴリ<SDR>

HDSDRの送信機能が動作するようになりましたので、つぎは、直交変調回路の作成です。 HDSDRで処理したI,Q信号はサウンドカードのLINE OUT端子から出力されますので、この信号と、7MHzのキャリアをMIXして、いきなり7MHz帯のLSB信号を作り出します。

と、軽く考えていましたが、調べていくほど、直交変調回路というのは、以外と難しい技術のようで、全てデジタルで処理して、早々と中間周波数を得た方が完成度は高くなるとい言う事だけは判りました。 しかし、テーマがダイレクトコンバージョンですから、先人のノウハウを学習しながら製作を進めて行く事にします。

手本にしております、Softrockは、N7VEのTayloeサンプリングミキサーをベースとしたQSEという回路構成で、この直交変調を実現していますが、その回路に使用されている抵抗は全て1%誤差のものです。 私が現在ストックしているのは、全て5%誤差の抵抗であり、1%誤差品なら、必要品種を全て新たに手配する必要があります。しかし、そのMOQ(最少オーダー数量)の為に、かなりの出費(1万円くらい)が必要です。 やむなく、私の回路は全て手持ちの5%誤差で進める事にしました。

デジタルの計算と等価になるようにアナログ回路を組むのは、かなり困難な状況なので、せめて、回路構成や使用するICは可能な限りSoftrockに合わせるということで、2G66によるスイッチング回路はオリジナルと同じく、FST3253に変更し、74LS08によるおかしな7MHzの波形は74HC74の出力波形がそのままスイッチング回路に加わるように変更します。 これは、いままでの回路を全てやり代える事を意味し、受信回路からやり直しです。

 下の回路がアナログSW 2G66をFST3253に置き換えた、チューナーです。 

Sdr_trx1_tuner_2

 チューナー部分のみ配線完了したので、受信テストをしてみました。

Fst3253qed_2

この直交復調器は、単なるスイッチングではなく、QSDと言われる回路構成で実現出来ており、HDSDR内にあるレベルと位相の補正機能をRESETした状態でも、イメージ(ミラー信号)がほとんど見えない状態です。 HDSDR内蔵の受信用IQバランス調整を根気良く行うと、USBイメージを-50dB以下に抑え込むことができます。 ここまで調整すると、サイドバンドスプラッタをまき散らしている局は簡単に判ります。 自分が送信するときは気を付けないといけません。

Sdrtrx1top

Sdrtrx1bk

左上が直交変調回路まで実装した部品挿入面、右上は、そのチップ装着面です。 74HC74は赤色の変換基板に載せていますが、載せる前に2回もICを交換しました。原因は、ICの足を折り曲げて、2.54ピッチの基板に直付けしたのですが、折り曲げのストレスで、足が折れてしまい、やや大きすぎますが、これしか変換基板が無かったので、やむなくこの状態での実装となりました。 直交変調回路はSoftrockのQSE回路を実装しています。

とりあえず、受信は快適に動いていますので、いよいよ送信モードの検討に入ります。 いくつかの配線ミスや端子間ショートがあり、7MHzのキャリアがQSEに供給されない状態を解消し、動作確認するまで、数時間かかりましたが、なんとか、LSBの信号をTS-930にて聞く事ができるようになりました。 その状態のHDSDRのショットが下です。

Sdr_tx_lsb

MICボリュームは半分よりやや下、Outputは75%くらいですが、MICに向かってしゃべると、右側のオーディオスペクトルが現れ、TS930の周波数表示が7110付近で0.3秒くらい遅れたLSBによる音声を聞く事ができました。SメーターはS9です。  ただし、ダイヤルをぐるぐる回すと、関係ない周波数でも、S9の言葉にならない信号が聞こえます。 多分イメージです。 TS930のモードをUSBにすると、はっきりと聞き取れます。 PCのサウンドカードの出力はIQ両信号とも出ていますが、QSEのICの入力にはQ信号のみが加わっています。 原因は、コンデンサの両電極間及び、IC端子間のショートでした。 また、拡大鏡を駆使してこれらの異常個所を修理し、QSE ICへI,Q信号両方が加わる事を確かめた後、再度TS930で受信すると、LSBの音声はS9までSメーターが振れますが、イメージ周波数のUSBの信号はS1しか振れません。 ただし音声は聞こえます。 ここは、完成度が上がった時点で送信時のI-Qバランス調整を行う事にします。

スペアナを多用していますが、スペアナが無くても、問題となる周波数は簡単に推測できますので、LSBの本信号を受信機で受信したとき、S9+40dBとか、+60dBをSメーターが指すようにATTや受信機のアンテナ入力への結合を調整して置けば、受信機のS メーターのみで、おおまかなレベル差を知る事ができます。 S9 から +何十dBの目盛は結構正確ですが、S ひとメモリのレベル差は言われる6dBである事は少なく4dBくらいであると思っておれば、ほぼ間違いありません。 なお、HDSDRの説明では、もう一台SDR受信機を用意して、バンドスコープを見ながら調整せよと書かれています。

Sdr_tx_1khz_lsb1

左は、7110KHzのキャリアを1KHzの正弦波で変調し、RF outにスペアナをつないだ状態でのスペクトルです。 ピークは7109KHz(スペアナの表示周波数は校正なし)のLSBで、左脇にあるのはレベルの高い方がQSEのキャリアである7100KHzの漏れ、その隣がUSBの漏れです。さらに外側に何かありますが、今の所なにが原因なのかは判りませんが、最終的にはこれもスプリアス規制以下に抑え込まないと送信は出来ません。 現在、ラフなIQバランス調整のみを行った状態ですが、回路定数を変える都度、このバランスが崩れますので、調整は最後にやらねばなりません。 キャリア漏れは、HDSDRを受信状態にしても出ていますので、これはIQ信号のバランスではなく、基板内の浮遊容量や誘導を受けるレベル差により、T3のバイファイラートランスで、キャンセル出来ていないと思われます。 現在の基板内配列はIQ信号路がシンメトリィになっていませんので、これが誘導を受ける差になっているのかも知れません。  予想したような展開になってきました。

ここまでの回路図 SDR-TRX1.pdfをダウンロード

回路図の中に出てくるT1とT3のトランス緒元です。 手持ちのコアで適当に作りました。 特にT3は7MHzに共振するようなインダクタンスにしましたが、共振用のC28はゼロピコの時が最大のレベルとなっています。 

Transdata

キャリア(7100KHz)漏れの検討です。 T3の配置がIQシンメトリィに配置されていなかった事、バッファのRF outアンプのコレクタ負荷となるコイルはオープンタイプで、外部から誘導を受けやすい事、などから、T3以降の回路を大幅に変更しました。

Qseout1 まず、QSEの出力にシリーズに挿入された56Ωの抵抗は200Ωの半固定抵抗に変更しました。T3のバッファアンプは2石構成のアンプとし、出力はエミフォロで取り出します。 (後日、エミフォロは廃止しました)

Trxqsetop

Trxqseback

今まで、QSE ICの横に有ったT3はICと同一列のセンターに配置し、IC出力からT3の各巻線にシリーズに200Ωの半固定抵抗を追加しました。この半固定抵抗はチップタイプの極小品で、過去使い道が無かったのですが、やっと日の目を見ました。マイナスの時計ドライバーで回す事が出来ます。 バッファ回路の総面積も従来の1/3くらいに縮小し、他の回路から影響を受けにくくしました。

Sdr_tx_1khz_lsb2

この状態で、キャリアもれが最少になるように、半固定を調整した場合、LSBに対して-18dBくらいしか減衰していなかったものが-28dBくらいまで改善しました。 まだ不足です。 IQキャリアの位相をいじってみる為、IC9の14番ピンとGND間にバリコンを接続し、キャリア減衰が最大となるよう調整すると、44PFの時、最大となり-42dBを確保できました。 その時のスペクトルが左の状態です。 この時、USBイメージは-42dBくらいになっていますが、これはHDSDRのバランス調整でノイズレベルまで下げられる事は確認しています。 バリコンは臨時に追加したものなので、バリコンの代わりにトリーマーを追加する事にします。 

50W以下の送信機に課せられたスプリアス規制値は、LSBの3KHz帯域の中心を基準に、1.5KHzの信号で変調した、定格出力の80%の出力を基準として、±7.5KHzの範囲が、-40dB、+/-7.5KHz以上離れた領域は-50dBです。 HDSDRの解説ページでは10KHzのオフセットをデフォルトに設定しており、米国やEUの規格は全スプリアス領域で-40dBですから、このままでも使う事ができます。 日本では、HDSDRのFOとTUNEのオフセットを8KHz以下にすれば、キャリア周波数が、±7.5KHz以内に収まりますので、ここは-40dBが適用されますが、不明と書かれたスプリアスは ±7.5KHzを超えますので、-50dB以下にしないと送信できません。 詳細を調べたところ、一番左に現れるスプリアスは、変調のレベルが高すぎて、歪が生じたものである事がわかりました。 変調信号のレベルを適正値以内に押さえれば、出なくなるようです。 しかし、同時にLSBの本信号もさがりますので、今度はキャリア漏れとのレベル差を確保できなくなります。

ここまでの回路図 SDR-TRX2.pdfをダウンロード

キャリア漏れの再検討です。 Softrockのトランス情報によれば、T3の2次側は約2.4uHのインダクタに設定し、1次側は、2次の巻数の1/2のコイルをバイファイラー巻で直列に接続してあります。  その時の2次側の巻き数は30Tです。 私の手持ちのカーボニルコアの場合、9Tのとき、2.3uHのインダクタを得る事が出来ます。 巻き数比を同等にすると、1次は5Tのバイファイラ巻となりますので、このT3を下記の緒元で作り直す事にしました。

T3mdfi9t5tx2

 このトランスを実装してテストすると、キャリア漏れは若干改善しましたが、どうも不安定です。 不安定の原因はトランス入力にシリーズに入っている半固定みたいで、この超小型半固定抵抗が接触不良を起こしているみたいですので、これを廃止しました。

Sdrtrx2qesout

Ssb3sig

その状態が上の回路です。 この回路で、44PFのトリマーを回すと最大で-30dBくらいまでキャリアが減衰し、安定しています。 そして、今まで見る事が出来なかった2信号変調時の見慣れたSSB波形を、やっと見る事が出来ました。

ただし、この波形も良く見ると上下非対称です。DSPの処理の問題か? OPアンプを含めたハードの問題か? 

このレベルからアップすると、目に見えて上側の先頭値がつぶれます。  

インターネットで調べていくと、この歪は、OPアンプの出力ドライブ能力が原因で、決まって片方向の波形からつぶれていくものらしいという事が判りました。 要は負荷インピーダンスが小さすぎて、OPアンプの出力電流制限機能が働いて、歪んでしまうのだそうです。

よくよく考えると、T3の2次側のインダクタンス2.3uHの7MHzにおけるインピーダンスは、約100Ωで、1次側はこの半分の巻き数ですから、約25Ωくらいしかありません。 これをMCP6402という最少出力インピーダンスが200ΩくらいのICでドライブしている関係から歪んで当然でした。

じゃあ、なぜSoftrockはこんな低いインピーダンスのトランスを使ったのか、不思議でなりません。 QSE ICの前段に使われているOP AMPは、TLV2462CDという、聞きなれない品番です。 これを調べてみたら、ドライブ能力が非常に高い、高電流出力用のOP AMPでした。

その後、調べてみました。 直交ミキサーと言われるIC化されたIQ変調回路は、ギルバートセル・ミキサーと呼ばれる回路を基本として、ふたつの周波数成分を乗算するのだそうですが、この時の乗算は電圧ではなく電流で実現されているのだそうです。 今回のミキサーはICで構成されている訳ではありませんが、ミキサーとしての乗算は、低インピーダンスにしてやらないと、うまくいかないみたいです。 受信時のミキサーに於いて、OPアンプを反転入力にして、低インピーダンスで受けるのも、この理由によるもののようです。

Ssb4sig

私が、今製作中の、TRXは7MHzオンリーですので、広帯域性は要求されません。 キャリア漏れやIQバランスが理由なら、NGですが、単純に共振モードを使わないトランス(広帯域トランス)の場合、歪やキャリア漏れがどのようになるのか試してみる事にします。 これは、Softrockで使っているカーボニルコアやICが日本では簡単に手に入らない事も理由のひとつです。 左の波形は、T3を、この高インピーダンストランス(コア材はFT37-43)に変更した時のSSB2トーン変調波形で、上下ともほぼ対称で、振幅も2Vppあります。

これから、キャリア漏れやスプリアスの状況を確認しながら、見ていきます。 下は、その時のT3のトランス緒元です。

T3mdfi9t5tx3_2

このトランスの場合、2次側が135uHくらいのインダクタンスとなり、7MHzでのインピーダンスは5KΩを超えます。 この状態では、トランスの後のトランジスターアンプのベース抵抗430ΩがそのままT3の1次側へ影響しますので、1次側のI,Qそれぞれの負荷インピーダンスは約300Ωです。 まだ、過負荷に近いので、ベース抵抗を5KΩくらいまで上げたいところです。  これを確かめるため、R22を430Ωから5.6KΩに変更し、R21も68KΩに設定した上で、T3の2次側に51Ωの抵抗をGND間に追加し、実質の負荷抵抗を小さくしてみました。 その時のキャリア漏れが一番左のデータです。

51z

Highz2

Highzcore

負荷インピーダンスが下がって、キャリアのピーク値は-40dBくらいに」なりましたが、同時にLSBレベルも-14dBくらいとなり、その差は26dBです。 真ん中のデータは51Ωの負荷抵抗を無しにしたものです。当然キャリア漏れは-46dBくらいまで増えましたが、LSBの信号も-10dBまで上昇し、結果として、キャリア差は36dBまで改善しました。 さらに、真ん中の状態のままで、74HC74からFST3253までのキャリア接続ラインをねじりかつ長さ20mmのフェライトコアを入れたのが一番右側です。キャリア漏れは-46dBくらいですが、LSB信号が2dBくらいアップした為38dbまで改善しています。 しかし、一応Softrockが提示する低インピーダンストランスに比べて、あきらかにスプリアスは増加しています。(最初のスペアナデータ参照) 

直交変調回路が低インピーダンスで構成されるのは、このミキサーが電流で動作している事によるものだそうです。 ICデバイスメーカーがこの直交変調回路をIC化していますが、それらのICは決まって放熱設計を重要視しています。大きな電流を必要とするみたいで、ICの消費電力が数Wというものも存在します。 上のデータで2次側の負荷抵抗を51Ωにして比較したのは、間違いで、1次側の負荷コイルに沢山の電流が流れるようにしなければなりません。 その為には、ミキサーICの出力に直接コイルをつなげば良いのですが、そうすると、負荷が余りに小さすぎてOPアンプが歪ますので、ICとコイルの間に49.9Ωを入れてあるのが、Softrockの回路となります。  当初私もSoftrockにならって56Ωのシリーズ抵抗を入れたのですが、使用しているOPアンプのドライブ能力不足(出力インピーダンス200Ω)により、歪が発生し、余計なスプリアスやキャリア漏れを招いたようです。

そんな訳で、SoftRockの回路の設計方針に戻り改善策を検討する為、部材探しを行い、まずベースバンドのバッファーアンプとしているOP AMP MCP6402をドライブ電流250mAというAD8532ARに変更しました。 さらに、T3もトロイダルコア T50-6に変更し、以下の緒元としました。

T3_190919

このトランスの2次側インダクタンスは2.4uHです。

Loztrans

そして、送信状態でのスプリアスデータが左の画像です。

センターは1KHzのLSB信号でその左がLOのキャリア漏れです。-20dBくらいしか減衰していません。 しかし、今までその左にあったUSBのイメージや、不明としてきたスプリアスもかなり小さくなり、ノイズに埋もれるまで改善しました。

やはり、OP AMPの歪がかなり影響していた模様です。 キャリア漏れを対策して、±70KHz付近のノイズをベースバンドのフィルターで対策出来れば、後は、キャリア漏れのみとなります。 誤差5%の抵抗と、蛇の目基板に組んだ回路構成では、無理が有るのは承知していますが、なにか改善アイデアを考える事にします。

  

アナデバの技術解説のなかで「笑い飛ばせないゼロIFの課題」という記事を見つけました。 この主題はIQミキサに於いて、LO(ローカルオシレター)の漏れについて解説した記事です。 この記事は、ICの中で構成されるIQ変調回路のLOの漏れを、別に設けたIQミキサーによる復調回路を使って検出し、レベルと位相の差分に相当する直流信号を、IQ変調回路のDCバイアスとして加え、自動的にLO漏れを-81dBくらい確保できるようにする技術の説明です。 LOキャンセルを自動で行う回路を蛇の目基板上にディスクリートで作る事は、まず不可能ですので、半固定抵抗で、DCバイアスを可変し、最低-40dBくらいのキャリア抑制ができないか、実験してみる事にしました。

Iqmixer1_2

 DCバイアスを可変する為に、VR1,VR2 5K-Bの半固定抵抗を追加し、そのセンター端子から10KΩの抵抗を介して、IC5の出力に相当するラインの2か所に接続します。  ふたつのVRと、44Pのトリーマー(実際は60Pのトリーマー)を交互に調整し、キャリアリークが最少となるようにします。 

10khz_offset

0khz_offset_2

左上のスペクトルは、ラフ調整ですが、LSBに対して-47dBくらいまで、キャリアを減衰できました。USBのイメージもHDSDRのキャンセル機能で、-50dB以下に抑える事ができます。 それ以外にスプリアスが見えます。 このスプリアスはHDSDRのLOとTUNEの周波数を一致させると、右上のスペクトルのように、ぴたりとなくなります。 HDSDRの解説によれば、スプリアスが無くなるのでは無く、全てのスプリアスが狭い帯域に閉じ込められるとの事。 その為、変調音に歪や周波数特性の異常が生じる可能性があるけど、スプリアス対策としては有効みたいです。 ただし、AMではセロoffsetは使えないと記述されています。

ここまでの配線図 SDR-TRX4.pdfをダウンロード

RF outのQ6エミフォロは時々発振しますので、廃止しました。

Ilol4pwb

 

直交復調と変調回路が載った基板状態です。

現在のRF出力はスペアナの表示で-8dBmくらいですが、これを3Wくらいまで増幅するリニアアンプの製作にやっと進めるようになりました。

リニアアンプが完成し、いざ、実際の交信を開始すると、キャリア漏れをアナログのキャンセル技法で対応している、QSE回路の限界が見えてきました。

SDR用 7MHz QRPリニアアンプの製作 へ続く。

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2019年8月20日 (火)

ダイレクトコンバージョン式SDR(送信機能セットアップ)

カテゴリ<SDR>

ダイレクトコンバージョンSDRチューナーが曲りなりにも動作するようになりましたので、いよいよ送信機能の検討に着手する事にします。

まず、HDSDRのホームページの中から送信に関する情報を入手します。

ここに書かれた説明は、HDSDRを完全に知り尽くした人が書いたみたいで、肝心な基本設定が良く判りません。 結局、先輩方が苦労して得た情報を元にして、なんとか構築出来たものです。 そして判った事は、ダミーでExtIO_Si570.dllは必要でしたが、PE0FKOのCFGSR.exeも、仮想COMポートも必要有りませんでした。

Bwfilter

この「送信」の説明のなかで、COMポートを使う事、サウンドカードが2台必要と書かれていますので、まず、USB接続のCOMポートを用意しました。 CTESTWINとリグを連動させる為に用意していたもので、確か秋月で1000円くらいでした。 次にサウンドカードを新規に手配しました。 AmazonでサウンドブラスターSB Play3が税込1711円で出ていましたので、これを手配。 発注した翌日には届きました。 このカードはモノラルMIC入力で、録音時のサンプリング周波数は48KHzですが、送信用に設定すれば使えるような記述がどこかにありました。 (SBはWindows95をご存じの方なら判る有名ブランドです。 しかし、このホームページではかなり悪く書かれてますね)

HDSDRのOptionsの一番下にあるTXを選び、SDR TX Supportにチェックをいれて置きます。 ライセンスがどうのこうのと出てきますが、ハムなら問題なし。

Bandwithの中にあるOutputのサンプリングレートは、左上の黄色の円で囲んだ範囲で選択します。 他のエリアの数値を選択した場合、送信時にAudio部分が動作しない事がありました。

SB Play3を、PCに接続すると、勝手にドライバーがインストールされ、デバイスマネージャーを開いて、正常にインストールされている事を確認しました。 次にHDSDRの「Soundcard」をクリックすると、下のようなダイアログが現れ、それぞれ選択しました。 この設定は、受信モードの時のみ有効で、送信状態でもダイアログは表示されますが、設定は出来ません。

Sbsection

ただし、まだTXボタンをクリックしても送信モードにはなりません。

次にTXに関する設定をおこないました。HDSDRにダミーとして、ExtIO_Si570.dllを組み込んで立ち上げた後、追加の設定を行います。

Txsetup

Optionsのボタンをクリックして、TXを開き、SDR TX SupportとEnable TX Button for CAT to HDSDR及び

mute RX audio on TXにチェックマークがつくように処理しました。

チェックがちゃんとついたかどうかは、一度ダイアログをクローズし、再度開くと判ります。

Ctssetup

CAT to HDSDRからPTT activation pinを選びCTSかDCDをチェックしておきます。

PortとBaurdrateはデバイスマネージャーでポート情報(COM10とか、9600ボーとか)を調べておき、合わせ込みます。

activatedにチェックマークを入れようとすると、最初にポートやボーレートを設定しろと怒られますので、Portを開き、COM10の先頭に黒丸があるか確認します。無い時はこのCOM10をクリックすると黒丸が現れます。 なお、COM10の10の数字はPCの状態で変わります。 USBハブを追加する前はCOM8でしたが、ハブを追加したらCOM10に変わっていました。

Hdsdr_input_set

OPTIONSの中のSelect Inputを開き、Softrock Si570に黒丸を付けておきます。

以上の設定で、PCの画面は、受信と送信モードを交互に切り替えられるようになりました。 USBサウンドカードのMIC端子にコンデンサマイクを接続し、しゃべると、右下のオーディオスペクトルのレベルが変化し、感度もMIC gainにより可変できます。

HDSDRの中には、送信時のTEST信号も内臓されています。 送信状態にして置き、CTRL+SHIFTをおしたままでGを押すと、700Hzの正弦波が送信用サウンドカードのヘッドフォーン端子から出力されます。 もう1回押すと、この700Hzの信号が約10dBアップして最大出力状態となります。 さらにもう1回押すと、700Hzと1700Hzのツートーン信号が出力されます。 この状態でさらにもう1回押すと、この2-TONE信号が最大レベルとなります。 この後、もう1回押すと3-TONEとなり同じように繰り返します。そして、最後に受信に切り替わります。

Testsig700hz

Testsig7001700hz

左上が700Hz最大出力時、右上が700+1700Hzの2-TONEでレベルの低い状態です。

送受信の切り替えは、外付けハード側から操作する必要がありますが、英文説明の通り、CTSピンをhigh(highの意味不明の為5Vを加えた)にしても送信にはなりません。 設定をDCDピンに変えて試しましたが、いずれもダメでした。 これを解決しないと、送受信の切り替え操作が、外部ハード部分とPCのマウス操作という2重操作になりますので、不便です。

Ptt_sw

3日くらい悩んでいたPTT SWが解決しました。

原因は、D-Sub9ピンを取り付ける試作用の両面基板の裏表を間違い、ピン番号のガイドが反対になっていました。 さらに、対象ピンに5Vを加えるのではなく、4番ピンと接続するかしないかでTX/RXが切り替わるのだそうです。 それが判って、最初、4番pinと8番pin(CTS)間にPTT SWを挿入したのですが、PTT ONにすると、1秒くらいの周期で送信と受信を繰り返します。 4番pinと1番pin(DCD)間にPTT SWを入れると、正常に動作するようになりました。  ただし、困った事が一つ、 HDSDRをクローズしてもwindowが閉じません。 何かを待っている感じ。 HDSDRに関連するUSBを全て引き抜くと閉じます。

何はともあれ、これでトランシーバーの検討を進める事が出来るようになりました。

先輩方のレポートの中に、HDSDRの送信信号のスプリアスはかなり厳しいような説明が有りましたので、気になります。

ダイレクトコンバージョン式SDR(直交変調回路) へ続く。

 

2020年5月追記

HDSDR V2.80がリリースされましたので、試しにインストールしてみました。送信時のIQバランス調整が機能しません。 また、このIQバランスのデフォルト状態でも、一方のサイドバンドの抑圧は10dBしかなく、完全なバグ状態です。 また、元のV2.76aに戻しました。

V2.76がリリースされ、一年後にV2.76aが出てバグフィックスされたように、しばらく待つ必要がありそうです。

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2019年8月 4日 (日)

ダイレクトコンバージョン式SDRチューナー

カテゴリ<SDR>

RTL-SDRチューナーを改造して、フリーSDRソフトであるHDSDRを使用したVHF帯の受信機は実現しました。 このチューナーでHFを聞くにはアップコンバーターを追加したり、RTL-SDRチューナーをダイレクトコンバージョンチューナーに改造する必要があります。 ただし、コンバーターの追加や改造をやっても、このチューナーは受信オンリーで送信する事が出来ません。 そこで、RTL-SDRは卒業して、送信可能なトランシーバーのベースを一から作る事にしました。

直交復調を行う上で、位相が90度ずれたIキャリアとQキャリアを作るところから始めます。

7100khziqosc

左の波形は、7100KHzのIキャリア(上)とQキャリア(下)をデジタルオシロで見た状態です。 (後日、これは逆である事がわかりました。 上がQで、下がIでした。) 

これを作り出す為には14.2MHzの方形波を用意し、この方形波をフリップフロップで1/2分周する訳ですが、14MHzの方形波の立ち上がりで、次のフリップフロップをドライブしたのが上の波形で、方形波の立下りでフリップフロップをドライブしたのが下の波形になります。 ただし、一般に使用されるFF(フリッププロップ)の74HC74は入力の立ち上がりでしか、1/2分周動作はしませんので、14MHzの位相が180度異なる信号を使い、いずれも方形波の立ち上がりでFFを動作させます。 このように考えると、7MHzで90度位相差を有する、二つのキャリアを作る為には14MHzのキャリアがあれば良い事になりますが、この場合、14MHzの方形波は完全な50%デューティである事が要求されます。波形整形で50%デューティの方形波を作るのは至難の業です。 そこで、28MHzのキャリアをFFで1/2分周した14MHzキャリアを作ってやります。 FFで1/2分周した方形波は確実に50%のデューティを確保する事ができます。 そして、FFの出力はQと/Q(Qの反転出力)が即得られます。 これが、90度位相差のI,Q信号を作る為には、欲しいキャリアの4倍の周波数が必要な理由です。

インターネットで紹介されているSDRチューナー用のキャリアはSi570などのDDSをUSBを介してPCからコントロールする例が多いのですが、今回は、以前作成したAD9833によるDDSと逓倍ICで作成した28MHzの信号を使います。

Sdr_dc_tunner_2

上のJPGの配線図がみにくい場合はSDR_DC01.pdfをダウンロード

IC11の3番ピンに28.4MHzを加えたDDSの周波数が左下。、12番ピンの出力を周波数カウンターで見たのが右下です。

Dds28400khz

7100khzcounter

このチューナーはノーマルスイッチング周波数、数MHzのMC14066BというONセミコンのアナログスイッチで直交復調を行っているだけで、入力側の高周波増幅やBPFはなく、また、復調で得られたI及びQ信号も簡単なLCによるLPFを通った後、増幅もフィルターもなしでPCのサウンドカードへ出力されます。 通常、このアナログスイッチは74HC4066など、もう少し高周波的に余裕のあるICを使いますが、ちゃんと復調しているかは不明です。

Directconvertionpcb

Directconvertionpcbback

左上がその基板のチップ装着面。右上がその裏側です。 アンテナ入力からマッチングトランスまでの間に今後BPFとRFアンプを追加するスペースを確保し、直交復調器からPCのMIC端子へ出力するコネクター間には、ポストアンプや送信モード時の直交変調回路を置くスペースを確保してあります。

マッチングトランスは手元に有った#43材のフェライトコアに0.26φのUEWを1次:3ターン、2次21ターン巻いた物です。

このチューナーから出力されたI,Q信号をデジタル処理してSSBやCWが聞けるようにするのはHDSDRのソフトを使います。 HDSDRのソフトをダイレクトコンバージョンに設定する為に、ExtIO_Si570.dllのファイルをダミーで読み込ませています。 受信周波数は0Hzにしたまま、ソフトの入力をサウンドカードのアナログ入力、すなわちMIC端子に設定する事もできます。 受信周波数は、AD9833のキャリアで、LOを決定し、TUNE周波数はHDSDRのカーソルを動かして操作ができます。  入力および出力の帯域幅を色々調整した結果、LSBの受信が出来るようになりました。下の画像が7MHzのSSB信号を受信している時のスナップです。

7mhzssb

TS930にてS9+40dBの信号ですが、HDSDRではS9+25dBくらいをSメーターは指しています。 この時のLOの周波数(AD9833の1/4の周波数)は7100KHzでした。 さすがに+40dBのLSBの復調音はちゃんと聞けるもので、当然了解度も5ですが、TS930にてS9+10dBくらいのLSBの了解度は4くらいです。 無信号時のSはTS930ではS7くらい。 このHDSDRではS9ですから、トランシーバーとして、実用するには7MHzのBPFや復調後に20-30dBくらいのポストアンプを入れる必要がありそうです。 

8月9日

そこで、復調後のI,Q信号をオシロで見てみたところ、これがホワイトノイズのみで、さっぱり信号としては認識できません。 レベルが小さすぎます。 ここは、ポストアンプが必要です。 現在のPCのサンプリング周波数は48KHz程度で、ポストアンプの帯域は20KHz程度でも良いのですが、 将来、192KHzのサウンドカードを使う事を考えるとフラットの範囲が100KHzくらいは必要です。

Mcp6402_freq_responce

Opa1678_freqresponce

ポストアンプは片電源5Vで動作するオペアンプが必要になります。 左上がft(利得帯域幅積(GB積))1MHzのMCP6402の負帰還なしゲイン周波数特性です。 100KHzまでフラットにするにはゲイン20dBが限界です。 一方右上のグラフはftが20MHzのOPA1678の特性で、同じく100KHzまでフラットに出来るゲインは42dBくらいを確保できます。 従い、ポストアンプは秋月で扱っているOPA1678にし、ゲインは40dBとする事にしました。 

また、しばらく受信を続けていると、その内、復調不能になります。 7MHzのキャリアが変動するのか?とオシロでチェックしました。 すると、DDSの周波数を変更した途端、周波数が大幅にずれます。ひどい時は50MHzくらいになる事があります。 どうもDDSが安定して信号を発生しないようです。 これはSDRとは関係ない問題ですので、DDSを再検討必要です。 

Dds_sdr

原因はDDSの後段に接続されたPLLのアンロックでした。 対策の詳細はこちらにあります。 DDSのソフト変更をしたついでにSDR用のモードを追加しました。 左が、追加したDDSのSDRモードで、実際の発振周波数は28.4MHzですが、表示はその1/4の7.1MHzを表示しています。 HDSDRのLOの周波数を7.1MHzにセットすると、受信周波数をカーソルで直接読み取る事ができます。

さらにチェックすると、アナログSWの入出力でDCレベルが違います。 5Vの1/2のDCバイアスがかかっており、これを7MHzでスイッチングしていますので、少しは電圧降下があると、思われますが、IとQでそのDC電圧が異なります。 これは、14066のアナログSWがまともにスイッチングしていないのではと、改めてデータシートを見ると、正確なスイッチング周波数の値は判りませんが、製品バラツキのセンター付近でも5MHzくらいがベストで、最悪2MHzくらいが限界ではないかと思われるようなスイッチング波形が表示されています。 海外のKITでこのICとして使われているのは高速マルチプレクサと言われるバススイッチが大半で、少なくとも4066レベルを使っている回路はありませんでした。  対策として、このアナログSWを高速タイプに変更します。 選んだ高速アナログSWはSN74LVC2G66というデータシート上でのスイッチング周波数が195MHzのTiのICですが、RSの海外在庫との事で、納期が1週間くらいかかりそうです。 MOQ=10で1個40円弱ですが、送料が450円ですから、1個85円くらいになりました。 

このICが手に入るまでの間に、ポストアンプとRFアンプを追加して様子を見る事にします。

Rf_amp_coil

Rf_amp_postamp

左上がアンテナ入力段に追加した7MHzの同調コイルです。最初、複同調回路にしたのですが、マッチングが悪く20dBも減衰しますので単同調にしてあります。右上は追加したデュアルゲートFETによるRFアンプと40dBゲインのポストアンプです。 

RFアンプとポストアンプを追加した配線図SDR_DC03.pdfをダウンロード

この配線図はアナログSWを高速タイプに変えてありますが、まだICを入手していないので、14066のままです。 また、ミラー信号が表示されます。

8月13日

HDSDRをインストールしたノートPCのサウンドカードの詳細を調べていましたら、現在の録音モードのサンプリング周波数は44.1KHzに設定されていました。 そして、96KHzに設定変更する事が出来る事が判りました。 再生時のサンプリング周波数は最大で192KHzまで設定できますが、録音と同じく96KHzに設定しました。 その結果、バンドスコープの幅が±48KHzのほぼ90KHzまで拡大したのが、下のウォーターフォールのショットです。

7mhz_mirrar

LOの周波数を7.13MHzとして、7086KHzから7174KHzくらいまで表示し、実際に受信出来ています。 しかし、この画面では7130KHzを中心としたミラー信号も同時に表示されており、ミラー信号に同調させると、LSBでは復調できませんが、USBモードなら復調できます。 直交復調がまともに働いておればミラー信号は出てこないはずですが、IとQの信号のバランスが崩れているようです。 

8月15日

高速アナログSWは到着しましたが、変換基板を間違って手配してしまい、今度は変換基板到着待ちになりました。

その間に、海外KITの回路例を調べていました。 Softrockの回路では、直交復調以降のOPアンプの回路構成が、私の回路と違う事が判りました。 私のOPアンプ動作は非反転増幅で、OPアンプは高インピーダンスで受けていますが、このKITは反転増幅回路で低インピーダンスで受けています。また、OPアンプの前にLCのフィルターも無く、OPアンプの負帰還抵抗にパラに入れたコンデンサ1個でLPFを構成しています。  何が違うのか、このKITの回路のように変更して見ました。 すると、ミラー信号がほぼ消えて7MHzの90KHzの帯域で表示されるウォーターフォールは全てUSBになりました。 クロックのIとQが逆になっているようです。 これを入れ替えたら、全てLSBになりました。

7mhz_notmirrar_2

なぜ、OPアンプが反転増幅でなければならないのかは判りませんが、ミラー表示の問題は解決してしまいました。 修正した回路図は以下です。 まだ、高速アナログSWは実装されていません。

SDR_DC04.pdfをダウンロード

8月20日

やっと、0.5mmピッチの変換基板が届きました。 さっそく、拡大鏡を駆使してICの半田付けです。

Iqmix2g66

Iqmixdemo

左上が、VSSOP(8)と言われるパッケージをDIPに変換した基板です。 右上は、その裏側です。  高速アナログSWに交換した結果は、あまり変わらなかったというのが、率直な感想ですが、SWの出力側に接続されたC4とC5がミラー信号に大きく関係している事が判りました。 14066の場合、0.01uFの容量でしたが、ICを2G66に変更した後は、そのままでは、ミラー信号が弱く出てくるので、このC4、C5いずれも廃止しています。 これから、TX回路を組み込んだりすると、ICの周囲の状況や線処理が変化しますので、回路が完成した時点で再度、最適容量を探る事にします。

 

送信モードをこのチューナーの配線図に追加しようとしたら、送信受信の切り替え回路が必要であり、その回路で、直交検波回路に供給する7MHzのクロックを送信時OFFする必要がある事に気付きました。 このクロックOFF機能は、受信時には直交変調回路のクロックもOFFする必要があります。 このON/OFF回路が必要な為、海外KITはFST3253のようなSWingが可能なバススィッチを採用しているという事を遅まきながら判った次第です。 しかし、私の回路は、すでに2G66というスイッチ無しのICで配線されていますので、74HC74と2G66の間に別のスイッチングICを挿入する必要があります。 そこで、手持ちの74LS08(ANDゲート)を追加する事にしました。

Sdr_trx0_rx

上の回路がクロックをON/OFFする為にANDゲートを追加した回路の受信部だけの抜粋です。

74ls08out

そして、ANDゲート通した後の2G66に加えられるクロックの波形が左の波形です。 74LS08の応答特性の関係で上下非対称、かつリンギングがかなり少なくなった、丸みを帯びた波形です。

この状態で7MHzを受信した場合、従来からノイズレベルが10dBくらい下がった以外、ミラー信号が強くなる訳でもなく、正常に受信出来ています。 ただし、送信時も同じ波形で変調をする事になりますので、要注意です。 受信時でも、強入力があると、ミラー信号が現れますが、 ANDゲートを追加する前も有りました。

以下は、このAND回路を追加した後の7MHzスペクトルです。

7mhz0824_2

次はいよいよ送信回路の検討です。 この送信回路の検討の過程で、アナログ回路の精度の問題(使用抵抗の誤差)に遭遇し、2G66による直交ミキサーで実用になるのか不安になり、回路構成をSoftrockに変更する事になりました。

ダイレクトコンバージョン式SDR(送信機能セットアップ) へ続く。

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