« ダイレクトコンバージョン式SDRチューナー | メイン | ダイレクトコンバージョン式SDR(直交変調回路) »

2019年8月20日 (火)

ダイレクトコンバージョン式SDR(送信機能セットアップ)

カテゴリ<SDR>

ダイレクトコンバージョンSDRチューナーが曲りなりにも動作するようになりましたので、いよいよ送信機能の検討に着手する事にします。

まず、HDSDRのホームページの中から送信に関する情報を入手します。

ここに書かれた説明は、HDSDRを完全に知り尽くした人が書いたみたいで、肝心な基本設定が良く判りません。 結局、先輩方が苦労して得た情報を元にして、なんとか構築出来たものです。 そして判った事は、ダミーでExtIO_Si570.dllは必要でしたが、PE0FKOのCFGSR.exeも、仮想COMポートも必要有りませんでした。

Bwfilter

この「送信」の説明のなかで、COMポートを使う事、サウンドカードが2台必要と書かれていますので、まず、USB接続のCOMポートを用意しました。 CTESTWINとリグを連動させる為に用意していたもので、確か秋月で1000円くらいでした。 次にサウンドカードを新規に手配しました。 AmazonでサウンドブラスターSB Play3が税込1711円で出ていましたので、これを手配。 発注した翌日には届きました。 このカードはモノラルMIC入力で、録音時のサンプリング周波数は48KHzですが、送信用に設定すれば使えるような記述がどこかにありました。 (SBはWindows95をご存じの方なら判る有名ブランドです。 しかし、このホームページではかなり悪く書かれてますね)

HDSDRのOptionsの一番下にあるTXを選び、SDR TX Supportにチェックをいれて置きます。 ライセンスがどうのこうのと出てきますが、ハムなら問題なし。

Bandwithの中にあるOutputのサンプリングレートは、左上の黄色の円で囲んだ範囲で選択します。 他のエリアの数値を選択した場合、送信時にAudio部分が動作しない事がありました。

SB Play3を、PCに接続すると、勝手にドライバーがインストールされ、デバイスマネージャーを開いて、正常にインストールされている事を確認しました。 次にHDSDRの「Soundcard」をクリックすると、下のようなダイアログが現れ、それぞれ選択しました。 この設定は、受信モードの時のみ有効で、送信状態でもダイアログは表示されますが、設定は出来ません。

Sbsection

ただし、まだTXボタンをクリックしても送信モードにはなりません。

次にTXに関する設定をおこないました。HDSDRにダミーとして、ExtIO_Si570.dllを組み込んで立ち上げた後、追加の設定を行います。

Txsetup

Optionsのボタンをクリックして、TXを開き、SDR TX SupportとEnable TX Button for CAT to HDSDR及び

mute RX audio on TXにチェックマークがつくように処理しました。

チェックがちゃんとついたかどうかは、一度ダイアログをクローズし、再度開くと判ります。

Ctssetup

CAT to HDSDRからPTT activation pinを選びCTSかDCDをチェックしておきます。

PortとBaurdrateはデバイスマネージャーでポート情報(COM10とか、9600ボーとか)を調べておき、合わせ込みます。

activatedにチェックマークを入れようとすると、最初にポートやボーレートを設定しろと怒られますので、Portを開き、COM10の先頭に黒丸があるか確認します。無い時はこのCOM10をクリックすると黒丸が現れます。 なお、COM10の10の数字はPCの状態で変わります。 USBハブを追加する前はCOM8でしたが、ハブを追加したらCOM10に変わっていました。

Hdsdr_input_set

OPTIONSの中のSelect Inputを開き、Softrock Si570に黒丸を付けておきます。

以上の設定で、PCの画面は、受信と送信モードを交互に切り替えられるようになりました。 USBサウンドカードのMIC端子にコンデンサマイクを接続し、しゃべると、右下のオーディオスペクトルのレベルが変化し、感度もMIC gainにより可変できます。

HDSDRの中には、送信時のTEST信号も内臓されています。 送信状態にして置き、CTRL+SHIFTをおしたままでGを押すと、700Hzの正弦波が送信用サウンドカードのヘッドフォーン端子から出力されます。 もう1回押すと、この700Hzの信号が約10dBアップして最大出力状態となります。 さらにもう1回押すと、700Hzと1700Hzのツートーン信号が出力されます。 この状態でさらにもう1回押すと、この2-TONE信号が最大レベルとなります。 この後、もう1回押すと3-TONEとなり同じように繰り返します。そして、最後に受信に切り替わります。

Testsig700hz

Testsig7001700hz

左上が700Hz最大出力時、右上が700+1700Hzの2-TONEでレベルの低い状態です。

送受信の切り替えは、外付けハード側から操作する必要がありますが、英文説明の通り、CTSピンをhigh(highの意味不明の為5Vを加えた)にしても送信にはなりません。 設定をDCDピンに変えて試しましたが、いずれもダメでした。 これを解決しないと、送受信の切り替え操作が、外部ハード部分とPCのマウス操作という2重操作になりますので、不便です。

Ptt_sw

3日くらい悩んでいたPTT SWが解決しました。

原因は、D-Sub9ピンを取り付ける試作用の両面基板の裏表を間違い、ピン番号のガイドが反対になっていました。 さらに、対象ピンに5Vを加えるのではなく、4番ピンと接続するかしないかでTX/RXが切り替わるのだそうです。 それが判って、最初、4番pinと8番pin(CTS)間にPTT SWを挿入したのですが、PTT ONにすると、1秒くらいの周期で送信と受信を繰り返します。 4番pinと1番pin(DCD)間にPTT SWを入れると、正常に動作するようになりました。  ただし、困った事が一つ、 HDSDRをクローズしてもwindowが閉じません。 何かを待っている感じ。 HDSDRに関連するUSBを全て引き抜くと閉じます。

何はともあれ、これでトランシーバーの検討を進める事が出来るようになりました。

先輩方のレポートの中に、HDSDRの送信信号のスプリアスはかなり厳しいような説明が有りましたので、気になります。

ダイレクトコンバージョン式SDR(直交変調回路) へ続く。

 

2020年5月追記

HDSDR V2.80がリリースされましたので、試しにインストールしてみました。送信時のIQバランス調整が機能しません。 また、このIQバランスのデフォルト状態でも、一方のサイドバンドの抑圧は10dBしかなく、完全なバグ状態です。 また、元のV2.76aに戻しました。

V2.76がリリースされ、一年後にV2.76aが出てバグフィックスされたように、しばらく待つ必要がありそうです。

INDEXに戻る