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2017年6月17日 (土)

7MHz D級アンプ QRO計画 6 (140W)

<カテゴリ AM送信機(PWM方式)

100Wエージングで、ダミーロードがアッチッチになり、途絶えていた200W出力に向けたテストをやっと再開できるようになりました。 しかし、現在の電源は最大で140Wのキャリア出力しか出せませんので、まずは、140Wでのエージングとしました。

Amtx200w0

シャーシも200W対応に改造しました。

200W対応配線図 AMTX_100W_5.pdfをダウンロード

Dummy2501_2

Dummy2502

6年前に自作したダミーロードはDC-2GHzで250WというRF抵抗を使用していました。 作りが雑なので、145MHzでSWR1.5くらいの性能しか有りませんでしたが、HFで使う分には十分です。 今回これに通風孔を開け、スペアナでモニターできるように出力端子を追加しました。 そして、臨時にファンも付けられるようにし改造しました。

このダミーロードで200Wの連続運転が出来るかは、これからです。 このRF抵抗はすでに生産中止になっており、焼けたらおしまいです。

さっそく100Wでエージング開始です。 音楽を変調し、最大90%くらいの変調度にした途端、抵抗の焼ける匂いです。 送信機本体ではなく、ダミー抵抗のほうから煙が出ています。放熱穴からのぞくと、モニター端子へ設けた2.2KΩの抵抗が焼けて黒くなっています。 この抵抗は1/4Wタイプ。 改めてこの抵抗の電力を計算すると、100W時約2.2Wの電力になり、焼けて当然。 ジャンク箱をひっくり返して、2KΩ 2Wという抵抗を見つけ交換しました。

100Wでエージング中に煙を出したクラニシの電力計を開けてみましたら、まさしく焼けたのは、このモニター端子用ATT抵抗でした。しかも、誰かが追加した1/4Wの抵抗でしたので、これを同じように2KΩ 2Wに変更して、また使う事にします。

Amtx140wmaxmod

Amtx140wout

左上は140W出力時の最大変調度波形、右上はその時の電力計の指示です。

しばらくエージングを続けていると、突然出力が100Wくらいに落ちました。さらに続けると、変調のピークでジーという音と共にどこかが明るくなります。しばらく観察していると、最終段のバリコンVC1の羽根から青白い光が出て放電しているのが見えました。 電源をOFFして放電したところを観察すると、ステーターの羽根が変形し、ギャップが狭くなっている所でした。これを、正常の位置に修正し、全てのギャップが約0.5mmになるようにし、再度トライです。

しかし、今度は、正常なギャップで放電します。放電は変調のピークで発生し、一度発生すると、かなりの時間継続します。 この直列共振回路は思った以上に高電圧を発生させるようです。 対策は、コイルのインダクタを小さくし、バリコンの容量を増やしQを下げるか、もっと耐圧のあるバリコンに変えるか。 

Q3coil

高耐圧のバリコンに変える案は、実現性がありませんので、コイルのインダクタを下げ、Qを下げて発生する電圧の波高値を押さえる案でトライしました。

現在のQは計算で5.9くらい。これを3.4まで下げました。 バリコンは当初75PFくらいでしたが、これを130PFくらいまでアップすると、バリコン両端の電圧は約58%に下がった事になりました。 この状態で140W連続出力でエージングしていますが、異常なしです。

Amtx100wonly1lpf

約1時間くらいクラニシの電力計でエージングしていると、今度はクラニシの内部から塗装の焼ける匂いがしてきます。 200W 3分の仕様では140W1時間はやはりきついみたいです。 ダイアモンドの電力計は、50Wのときクラニシとほぼ指示値は合いますが、クラニシで140Wのときダイアモンドは180Wと指示します。 (ダイアモンドのSX-200は一度ダイオードをオリジナル品から別の物に交換しており、多分これがオリジナルと同じリニアリティを確保できない原因と思われ、私の持っているSX-200だけの問題です) 物置に有ったコメットのCMX-200を持ってきてつなぎかえると、クラニシと指示値は一致しましたので、今後はコメットのCMX-200と自作のダミーでエージングを続けます。

上は100W出力時のスプリアス特性です。 内臓の7次LPFだけの状態で、第2高調波が-50dBギリギリです。 実際に使う時は、外付けの6次LPFを通す予定です。

Amtx140wcur

現在の電源電圧は30V。さすがにTS-930S用の電源は350WくらいがMAXのようで、140Wキャリア出力時のピーク電力520Wは出ません。 オシロをモニターしていても約350Wが最大値となっています。 これから、200Wにパワーアップするには計算上36Vの電圧が必要ですが、合わせて800Wの容量が必要となります。 

とりあえず、この段階では、ここまでです。

TSSには余裕をみて40Vで200Wとして保障認定を申請しました。

ブロックダイアグラム 5.pdfをダウンロード

下は、140Wにて音楽ソースを変調しながら連続エージング風景です。昔からエージングテストは何十回もやってました。 開始してから30分で温度はほぼ飽和状態になり、その後1時間で温度カーブは横一直線となります。この間に、問題が起こらなければ、規定の4時間は達成できます。 現在は趣味の範疇ですので、目標2時間。 2時間OKなら良しとします。

Amtx140wasing_2

2時間のエージングが終了しました。ケース天板は触っていられないほど熱くなっています。 強制空冷の方法を再検討必要です。

幸い、2時間経過した時点でのRF出力は130Wで、140W一定が理想ですが、130Wまで下がったという事は、熱暴走は問題ないという結論です。

次の日、再度エージングテストをすべく、100Wの出力を自作のダミー抵抗へ加えたところ、スパークが起こり、煙を出して、抵抗が断線してしまいました。 いくら定格250Wとは言え、その条件は無限大放熱板の場合ですから、140W連続動作はきつかったのでしょう。 もうこの抵抗は有りませんので、ダミー抵抗も手配しなければならなくなりました。

200Wのエージングに向け、200W連続負荷に耐えるダミー抵抗、強制空冷そして800Wの電源をどうするかが課題となりました。

7MHz D級アンプ QRO計画 7 (200W) へ続く

 

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