Z Match ATU アンテナセレクター
Z Match ATU本体とコントローラーがほぼ完成しましたので、ATUとアンテナの間に設置するアンテナセレクターの製作です。
今回のZマッチのATUは、その出力が平衡タイプとなっており、これは、平衡アンテナに直接給電出来る事から、FT8の時、バランのコアが発熱して、100W連続送信ができないとか、バランの中で生じるロスが大きいとか言う問題が発生しません。 また、アンテナが不平衡タイプで有っても、そのまま給電しても、ATUとアンテナ給電ポイントまでの距離が短ければ、給電線に不平衡電流が流れても不要輻射や外来ノイズのピックアップも大きくはならないという利点があります。 不平衡アンテナの場合、ノイズも不要輻射もアンテナが原因なのか、給電線が原因なのかよく判りませんが。
Z Match MTUの内部ロスはL型MTUと同等という事がオリジナルのホームページに書かれており、極端な低インピーダンスで無い限り、大きくても数%以下と判断されます。 このロスを測定する方法は知っていますが、かなり面倒です。 このATUの場合、測定するのは止めます。
ATUからアンテナセレクターまでの3mの距離は、はしごフィーダーで給電し、3種類のアンテナに分配するアンテナセレクターをマストの給電ポイントに括り付けて対応する事にします。
コントローラーから送られるUART信号をATUで中継して、受信信号のみをアンテナセレクターまで送り、そこで、アンテナナンバーを解析して、リレーをON/OFFする事により、目的を達成します。
左の写真が、そのセレクター基板です。 マイコンは部品箱の奥から探し出した、PIC18F14K50を使います。 このマイコンのEEPROMに分割バンドとそれに対応するアンテナナンバーを記憶させる機能も入れましたので、後々、バンド分割の変更やアンテナのタイプ変更が発生しても、いちいちマストから降ろさなくても良いようにしてあります。
ところで、今頃気づいたのですが、このPICのUART信号の極性は該当bitを0にしたら「正論理」、1にしたら「負論理」と書いてありますので、その言葉通り正論理にしたら、動きませんでした。 最近のPIC18の場合、1の場合、アイドル時L、0の場合、アイドル時Hレベルと書かれております。 RS232Cの場合、アイドル時Hの状態をノーマル状態としていますので、この古いPICでは、ノーマル状態を正論理と表現したのでは? このおかげで、自作のハードとプログラムが悪いのではと3日間も悩みました。
2025年3月
3月に入ったとたん春らしくなってきました。 ANTセレクターBOXを作る為の屋外作業が出来るようになりましたので、透明BOXを購入し、アンテナセレクターを収納する防水BOXを作成しました。 適当なサイズをホームセンターで探しましたが、有ったのは透明ケースのものだけでした。 アンテナマストに括り付けた時、ほんとにリレーが切り替わっているのか確認する為に3色のLEDを追加し、ベランダから見上げて動作確認が出来るようにしました。 サイズも従来のバリコン式ATUの1/4くらいに収まりました。
左上が防水の為の蓋をかぶせた状態、右上が蓋を開けた状態です。 高周波が通るワイヤーがふらつくとアンテナの整合条件が変わりますので、動かないように錫メッキ銅線で配線してあります。 内部の特性インピーダンスは無視です。 これは、アンテナのインピーダンスと合成された状態でATUが整合させてしまうので、極端なインピーダンスにならない限り問題ありません。
ATU本体と接続する電源と通信線3本は、自転車の電装品間を配線する防水コネクターで接続します。
このBOXの背面にはマストにステンレススチールベルトで縛り付けられる様なアルミ板で出来たホルダーも作ってあります。 ATUとこのアンテナセレクターを平行フィーダーと電源線で結び、アンテナ端子に50Ωのダミー抵抗をつないだ状態で、28MHzの100W CW運用でも問題が発生しない事は確認できました。 あとはマストに括り付けて実働テストをするのみとなりました。
実働テストはATU本体の防水BOXが完成してからとなりますので、4月ごろを予定して置きます。
配線図 Z-Match-ANT_selector.pdfをダウンロード
プログラム Z_Match_ATU_ANT_selector_0.cをダウンロード