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2020年9月27日 (日)

ツェップアンテナ(7MHz用)

<カテゴリ:アンテナ>

コンディションが悪い中、国内QSOがメインとなっている7MHzで、垂直ダイポールは、飛ばない、聞こえない、台風でフルサイズに伸ばせない、など使い勝手が悪い状態でしたので、臨時に仮設でき、ホームでも移動でもつかえるツェップアンテナを製作する事にしました。

インターネットで検索すると、沢山の情報がヒットしますので、工作は簡単です。

Zdant0

材料は40φの塩ビパイプと、1.5φのマグネットワイヤー(PEW線)です。 マグネットワイヤーを22ターン巻いて、11.3uHのインダクタンスとなりましたので、これに、5.1KΩのダミー抵抗を付けた状態で、7100KHzに共振するように、コンデンサの値を調整します。 調整した結果は、左下の配線図のようになりました。

Zdant3_3

Zdant1_2

 

実際にパイプの内側に取り付けられたコンデンサは、右上の写真のようになりました。

22Pは3KV、10Pは1KV耐圧の村田製です。 この状態で最小SWRは1.3くらいでした。

Zdant2

Zdant4

このユニットを高さ8mのベランダから2mくらい横に突き出した棒の先端に吊り下げ、そこから、LANケーブルを割いて取り出したAWG24のワイヤーを約20m伸ばし、水の無い池の上に展開し、7100KHzでSWR最小になるようワイヤーをカットした結果、切りすぎて最小SWRは7150KHzで1.3くらいになりました。 7200KHzではSWR1.5くらいですが、7000KHzでは、2.5くらいになってしまいました。もう少し低い方へシフトしたいのですが、調整は次の機会にして、とりあえずこのまま使います。 

このアンテナを使い、自作のトーランシーバによる1st QSOがSSB,CW,AMいずれも成功しました。

このツェップアンテナと従来の垂直ダイポールを比較すると、5エリア、6エリアや3エリアの局はツェップの方がSで20dBくらい高く受信できます。 1エリアの局は+10dBくらい、7や8エリアの局はあまり変わらない状況です。 4エリアはスキップして入感なしでした。 国内QSO用なら、垂直ダイポールは不要というのが判ります。

このアンテナは臨時仮設用ですから、平日は、片づけてしまいます。また移動運用するときは、ポールとこのアンテナを持っていく事にします。

次の週に再度架設するに当たり、給電部を10mの高さまで上げ、水平に約10m、さらに直角に折り曲げながら、斜めに約10m引き下ろし、一番端の高さが3mくらいになりました。

Zepp10mhight

 この際、ワイヤーの長さを前回より54cmほど長くした状態で測定したSWRは左のようになりました。 Zepp_cover

このアンテナは100W AM送信でも問題なく使えました。耐圧は400Wピークでも大丈夫でした。

コイルの防水対策として、右上の写真のように、熱収縮チューブで覆いましたが、効果はあるものの、良好とは言えませんでした。 リニアアンプを使う関係で、シャック内にあるマニュアルチューナーで、アンプと同軸とのマッチングを取ってごまかして使用しています。

このアンテナは常設ではないので、平日の夜、国内がオープンしても使う事が出来ませんでした。 そこで、常設のベントダイポールを作成する事にしました。

 

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2020年9月21日 (月)

リチウムイオン電池充電器(16.4V) & DCDC

 <カテゴリ 電源> [自作 14.8V]

移動運用用にdsPICを使ったSDR SSB/CW/AMトランシーバーを作りましたが、これを移動運用にて使用する為、リチウムイオン電池をベースとした、DC/DCコンバーターと充電器を作成しました。

リチウムイオン電池は、魚釣りの電動リールドライブ用の14.8V仕様で、数Aの供給能力があります。この電池のフル充電時の電圧は16.4Vあります。 トランシーバーは12V仕様ですので、16.4Vは高すぎます。 これを12Vに変換するDCDCコンバーターをくっつけます。 トランシーバーの消費電流は10W出力時4A、5W出力時2.8Aです。 このため、DCDCは3Aの定格の物を調達します。

Ilion_dcdc2

DCDCは秋月で扱っている5V 3Aのユニットに半固定抵抗を追加し、12V出力に変更しました。 このDCDCは3A定格ですが、3Aで電流制限がかかる訳ではなく、4Aくらいでプロテクタが動作する仕様になっており、短時間4A流しても12V付近の電圧をキープしています。

通常、市販のリグは、13.8Vの電源で定格出力が出るようになっていますが、今回の自作のリグは12.0Vにて、10Wとか、5Wが出るように設計しましたので、16Vから12Vまで4Vの電圧差を確保する事により、市販の安いDCDCを使う事ができました。

Ilion_charger1

一方、リチウムイオン電池の充電器も付属させています。 この電池の充電条件は、かなり厳しく、鉛蓄電池の充電のようにはいきません。 そして、この条件を満足させる為に、専用のICも存在します。 しかし、ほとんどが、4.1Vの1セル用の充電ICであり、とても16.4Vはカバーしません。 

そこで、定電流充電から定電圧充電と連続し、充電電流が終止電流となったら充電回路をOFFにする回路を作る事にしました。 上の基板が完成した充電回路です。 充電中は青色のLEDと赤色のLEDが点灯し、定電圧充電モードに入ると、赤色のLEDが消灯します。 そして、充電終止電流になると、青色LEDも消灯し、充電完了となります。

出来上がった、回路は、18Vから24Vくらいの出力の外部電源を接続すると、230mAの定電流で充電を開始し、電池両端の電圧が16.4Vになったら、定電圧充電に移り、次第に充電電流が下がり23mAを切ったら、そのレベルをLM311のコンパレーターで検出し、充電回路をOFFにし、過充電を防止します。  電池の外形サイズからして、定電流値としての230mAは少し小さいかもしれませんが、当分はこの値で使ってみて、異常がなければ、600mAくらいまでアップする事にします。

この回路は、最初の起動を行う為、電源投入初期に、Q1を0.5秒くらい強制的にONします。すると、230mAの充電電流が流れ始めて、充電開始状態になります。すでに充電完了状態なら、短時間の間に、自動的にOFFとなります。

電池、DCDCそれに充電回路を100円ショップで買った透明ケースに収め、移動運用時、リュックの中に詰め込めるようにしました。

Ilion_dcdc1

Ilion_dcdc3

 

移動運用の前に、ホームでこの電池パックのみで運用してみました。 モードはAMでしたが、高知の局と交信できました。 出力は4Wくらい出ていましたが、大きな電圧降下もなく大丈夫でした。

充電せずに2週間くらい、自作のトランシーバーでワッチしたり、時々送信していましたが、なかなか電圧が落ちません。受信時12.1Vくらい、5W出力時11.7Vくらいでした。 電池の放電状態を確認する為に、電池の電圧を測ると、12.8Vになっていました。 11V以下になると過放電状態です。 まだ少し余裕はありますが、ここで放電を停止しましたが、これに使っているDCDCコンバーターの入出力電位差は、受信状態(180mA)でも0.7Vしか有りません。 仕様書では、入出力電位差3V以上とありましたので、電池電圧が15Vを切ると、次第に出力電圧も下がると思っていましたが、そうはなりませんでした。 このままでは、過放電が起こっても判らないということなので、入出力の電位差が1.8V以下になると、白色のLEDが消灯するようにインジケーターを追加しました。

Oncharge0

Discharge0

充電時間は約7時間でしたが、早くするためにR11をショートして0Ωに、R6に4.7Ωをパラ付けして2.35Ωとし、定電流値を600mAまでアップしました。(配線図は未修正)

 

配線図 lion_dcdcchager.pdfをダウンロード

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