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2019年11月17日 (日)

ダイレクトコンバージョンSDR(組み立て)

カテゴリ<SDR>

DDS VFOを含め、主要な各ブロックができましたので、これを、使用可能なトランシーバーにまとめる作業です。 ケースは、ヤフオクで落札したパナソニックの周波数カウンターで、その中身を取り去り、新にSDRのトランシーバーを組み込みます。 

まずは、ケースを採寸し、JWCADで図面化し、改造内容や、新に作る部材を検討します。

Sdrtrx_frontjw 元が周波数カウンターでしたので、周波数を表示するLEDが8個並んだ表示部がありました。 ここにLCDの窓が収まるようにデザインを決め、右端の入力端子エリアはスピーカーを取り付ける為、穴をいっぱい開け、付属していたレベルメーターは、目盛板を書き換えて、電源の電流計に変更します。

今回は電源を内臓させます。 受信用は3端子レギュレーターによる12V、送信側はDC/DCコンバーターによる14Vとして、新規に作りました。 基板はエッチングではなく、アクリルカッターで銅箔を切り出した手作りです。

Sdrtrx_power_pcb_back

Sdrtrx_power_pcb_top

結構高密度ですが、50mm x 144mmの基板に収まりました。

パワーアンプ部は、ちょうど、アルミの仕切り板がありましたので、その板をシールド板として、LPFやアンテナリレーを組み込みました。 アンプはオープン状態ですが、回り込み等が発生するようなら、シールドを考える事にします。

Sdr_trx_poweramp

一応、全部のユニットをまとめたものが下のショットで、送信用のサウンドカードやUSBハブも内臓させます。

 

Sdrtrx_top0

Sdrtrx_front

Sdr_40m_trx2

パネルも、プリンターで印刷したクラフト紙を張り付けて、なんとかサマになりました。 

各ユニットの結線を行うに際し、一部コネクターの変更を実施し、以下の回路図のごとく修正しました。

直交変調回路 SDR-TRX5.pdfをダウンロード

DDS VFO SDR-TRX_VFO1.pdfをダウンロード

電源 & スピーカーアンプ SDR-TRX_POWER1.pdfをダウンロード

この電源は、送信用DC/DCが動作せず、次の記事で回路変更を実施しました。

リニアアンプ SDR-TRX_RF_POWER1.pdfをダウンロード

Usb_c_x

とりあえず、受信部の動作確認ができました。 DDS VFO側からHDSDR側のTUNEやLO周波数を可変できるのですが、周波数を可変すると、一瞬ミューティングがかかり、今どの周波数を可変しているのか判らなくなります。 通常のトランシーバーのように、SSBの音調が連続的に変化して、ゼロインできる感覚が有りません。 慣れたらOKなのか、しばらく様子を見る事にします。  配線が入り乱れていましたので、線処理をしていたところ、FT234XにマウントされているUSBソケットが銅箔ごとはぎ取られてしまいました。 SMT部品は、こういう機械的な強度を全く考慮していなく、気を付けないと、あっと言う間に壊れてしまいます。 やっとの事で、組み立てを完して、さあ、これから、送信機能を実用レベルになるように調整しようと、考えていましたが、ガックリです。 ソケットを元の状態に戻すのは不可能でしたので、USBコネクターの各端子にUSBケーブルを直付けする事にしました。 端子間ピッチが0.5mmですので、そこにケーブルをハンダ付するのは、大変で、10倍ルーぺで何度も確認しながら約2時間の作業で、なんとか動作するようになりました。 

Trx_vr1_2

LO漏れをキャンセルする半固定抵抗はクリチカル過ぎて、なかなか最適値に調整する事が出来ませんでしたので、同じ5KΩの多回転タイプに変更しました。 これで、キャリア漏れを最少にする為の調整が楽になる事を期待したいと思います。

トランシーバー化するに当たり、追加したRIT機能や、10MHzを送信モードにして10MHz標準電波でゼロビートを取り、DDSの発振周波数を校正する機能も追加しました。 もちろん、校正したデータはEEPROMに記憶されます。 バグがあるかも知れませんが、とりあえずはソフトも完成です。

7MHz_TRX_for_HDSDR-1.cをダウンロード

Offset周波数がゼロ以外のとき、送信から受信に切り替えると、HDSDRの周波数が変わってしまうというバグが見つかり、上のファイルは修正済みです。

使っているPCが8年前のモデルで、スイッチON後、なかなかアプリが動作する状態になりません。特に、OSの更新が行われる度に遅くなるような気がします。 電源ONしてからHDSDRが動作するようになるまで5分かかっていました。 そこで、年末ぎりぎりでしたが、PCをwindows  10に変更しましたので、快適に操作できるようになりました。 ロータリーエンコーダーのチャタリングにより、周波数可変が数ステップ飛ぶというバグがありましたので、対策を実施しました。 対策と言っても、エンコーダーからの割り込みが有り、処理を完了した後、2ミリ秒間次の割り込みを禁止したものですが、問題なく動作しています。 PCをWindows 10に変えたと同時にMPLABX IDEやXC8,XC16も最新バージョンをインストールしました。おかげで、トラブルは全くなしです。

Handasuitori_ng電源基板を組み立てる時、ハンダのタッチ部分を修復する為に、ハンダ吸い取り編線を部品箱から探しだし、いざ使おうとすると、フラックスが全くしみこんでいない、ただの編線でした。 2個買ったのに、2個とも同じです。 どこから買ったのか忘れましたが、多分、何に使うか判らない業者が、コピー品を作り、安く売り込んだのでしょうが、それを、売っている販売会社も使い方をしらないのでしょうね。 仕方がないので、フラックスのビンの中に編線を押し込み、フラックスをしみこませた後、半日、日光で乾燥させて自作しました。

 

さあ、次はいよいよ、送信部の調整です。 ダイレクトコンバージョン式SDR完成(送信部)へ続く。

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