50MHz スカイドアアンテナ(移動用)
6mの季節は終わったのですが、せっかく出来たAM送信機を車に積んで、移動運用に出かけようにも、移動で使えるアンテナがありません。 そこで、また、廃材を利用してアンテナを作る事にしました。
まずはMMANAでシュミレーションです。
上のシュミレーション結果は、スカイドアの水平、垂直面の指向性データです。 打ち上げ角11.7度で9.63dBiのゲインがあります。 約13dBiの3エレ八木には負けますが、打ち上げ角16.3度、約6.4dBiのダイポールより3.2dBのゲイン(打ち上げ角11.7度では約4dBの差)が有り、簡単軽量、かつ、釣竿アンテナの廃材で出来るという事から、スカイドアアンテナに決めました。
シュミレーションデータでは、インピーダンス整合もアンテナ共振も出来ていませんが、そこは、外付けのマニュアルアンテナチューナーで整合させます。 抵抗成分が50Ωより高く、誘導性リアクタンスなら、アンテナチューナーによるロスはかなり小さくなります。 TLWで計算させると2.2%のロスになりましたので、気にしない事にしました。
左上が構造図、右上が仮に上げたスカイドアアンテナです。
私のスカイドアやヘンテナの上部水平部エレメントは水平一直線ではなく、いつも3角屋根のような構造にし、エレメント自体をこの中心部分で吊り下げ、その下にくる水平グラスファイバーには、導線を横に張り出す為だけの力しか加わらない構造にしています。こうする事で、この上部グラスファイバーは、釣竿の先端の一番細い部分を使う事ができます。
左上はアンテナチューナーで整合させた時のSWRで、使ったアンテナチューナーは東京ハイパワー製のHFオンリーのMTUです。 そのままでは整合できませんので、右上の写真の様に28MHz用のタップを本来のコイルから外し、新たに50MHz専用コイルを追加しました。
本来はHF(30MHz以下)オンリーのチューナーなので、使用されているバリコンの容量が大きく、SWR1.0にはなかなか整合できませんが、実用上は全く問題なしです。
移動運用する場合、設営の条件が同じという事は有りませんので、アンテナチューナーは、非常に便利です。
左の写真はこのスカイドアアンテナを、呉市の野呂山、ハチマキ展望台に移動して設置した時のものです。 8mのグラスファイバー製釣竿の先端から吊り下げてあります。 そして、右上が、車の屋根に載せた東京ハイパワーのMTUでチューニングしたときのSWR特性です。 50MHzから50.8MHzくらいまで、SWR1.6以内に収まります。
この日は日曜日。 午前中は8エリアからEspo情報も出ていましたが、運用開始したのは午後の2時ごろでした。 約30分間 50.220のSSBでCQを連呼しましたが、かろうじてコールいただいたのは、同じ呉市のOMさん。 レポートは53/51。 OMさん曰く、通常は59/59で出来る場所との事。 8の字の指向性のヌルポイントだったのか、水平方向だけビームが伸びて、下方には届かなかったのか、不本意な結果に終わりました。 同じ場所からバンドを2mに切り替え、ホイップでCQを出すと、対岸の西条市と59/59で交信でき、 リグとロケーションは問題ない事を確認。 (Rigは、帰ってからダミーロードに6mで送信し、異常なしを確認)
アンテナが悪いのか? 方向が悪いのか? 呉のOMさん以外聞いている局はないのか?
いつかリベンジにトライしたいです。 (AMのQSOどころでは無かった)
2019年1月5日
スカイドアアンテナのリベンジの為、1月3日、5日と2回に渡り野呂山へ移動してきました。 今回の移動先は、前回の愛媛県に面したハチマキ展望台とは異なり、尾道、福山、岡山方面に開けた場所に、前回と同じスカイドアアンテナを設置してトライです。
結果は3日が3局、5日が1局だけでした。
しかし、この数少ないQSO実績から、アンテナやリグには異常はなく、相手局が山影になるか、垂直面の指向性がマイナスになる場合以外、59か59+で届いており、問題無い事を確認しました。
結局、山の上から呼んでも相手がいないという基本的な問題のようです。
今回、交信は出来ませんでしたが、手作りのAM送信機、VFO、受信機を持って行き、移動先で配線結合し、電波を発射できる体制を作りましたが、準備だけで30分以上かかってしまいました。 やはり、ここは、アンテナを設置したら、すぐにでもON AIR出来る体制が構築できないと、QSOどころではないという事が判りました。
また、6mのOMさんの意見として、AMで送信しても、SSBで応答される事が結構あり、AMしか受信できない受信機は無理があるとの指摘もいただきました。
これらの事から、まだ一度も自作AM送信機による交信は出来ておりませんが、実運用する為に、トランシーバー化と最低SSBとAMが復調可能な受信機の必要性を認識し、これらの改善に向けトライする事にします。