TS-930 ノイズブランカー動作せず
修理して使い始めてすでに4年経過していますが、最近、ノイズブランカーSWをON/OFFしてもノイズに変化が無い事に気づきました。
サブ機のTS-850では、ちゃんとノイズに差がでますので、ノイズブランカーで低減できるノイズは存在しているようです。サービスマニュアルを頼りに修理する事にしました。
SWをON/OFFしても全く変化が無いことから、フロントパネル裏のSW基板を疑いましたが、おかしな部分はありません。サービスマニュアルにある、ノイズブランカーの動作原理の説明を読みながら、オシロスコープで各トランジスターのDC電圧とノイズ波形をチェックしていきますが、ここでも、おかしいと思われる症状はみつかりません。ただし、マニュアルでは70dBのゲインがあると書かれているノイズアンプの出力波形がいやに綺麗です。70dBも増幅した後の波形は、例え入力が無くても、それなりのノイズがあるものなのですが、それが見えません。たぶんゲインが70dB無いのでしょう。一番最初に疑ったのは、ふたつの同調回路です。経時変化で同調がずれている可能性があります。
ノイズアンプの出力になるD51のカソードにオシロのプローグを接続し、波形を見てみると、この日一番ノイズの大きかった24MHzを受信しても1Vpp以下です。そこで、同調コイルL80とL81を回して見る事にしました。D51のノイズ出力レベルが最大となるように、ふたつのコアを交互に調整しました。
調整完了した結果、D51のノイズレベルは2Vppまで上昇しました。
NB1もNB2も動作するようになりました。原因は単純に同調回路の同調ずれで、ゲインが8dBくらいダウンしたため、ノイズをブランクする、しきいち電圧までノイズレベルが達していなかったと言うものでした。
ノイズブランカーの効きが悪いとか、効かなくなった場合、NB1をONして、NB LEVELを最大にした状態で、Sメーターがノイズで振れるバンドを選び、Sメーターの振れが最少になるよう、L80とL81を回してみて下さい。この方法ならオシロは必要ありません。