プリセット式MTU 1
TタイプのMTUをバンドの数だけ並べて、QSYする度に、使用するMTUを選択するチューナーを作ることに決めましたが、どうもバンドの数だけでは足りないようです。現用のスカイドアアンテナはその飛びという面では期待以上の成果をもたらしてくれますが、バンド幅が狭いという欠点があります。クラニシのMTUで確認しても、14MHzはCWとSSBでそれぞれ1台の計2台。 21MHzはCW、国内SSB、国内コンテストと3台。28MHzでも+/-70KHzくらいしかカバーしませんので、CWとSSBで最低2台。これに18MHzと24MHzを加えると14-28メガだけで9台も必要です。バリコンはMTU1台に2個使いですから、18個も必要となります。いくら暇とは言え、これは大変です。
まず、MTU1台の最適寸法を決めますが、それは100円ショップで売っているポリエチレン製のまな板で決めることにしました。1枚のまな板から4台分のMTUベースを板取します。 このサイズをベースにMTUを24台分収納できる防水ケースを確保し、アルミアングルで固定枠を作り、整然と並べていきます。
約1ヶ月かかり、9台のMTUを並べ終わりました。ただし、コイルは計算で出したインダクタンスになるよう巻き込んだだけですから、実装が終わったら各バンドごとにアンテナアナライザーを使ってトリミングが必要です。
コントロールはシャックに置いた、12接点のロータリーSWで行いますが、どのSWを選択したかをC-MOS ICでエンコードし、シリアル信号として、アンテナチューナーに送り、これをラッチ付きデコーダー回路でデコードし、目的のリレーをON/OFFさせるという、誰もが考え付く回路で試したところ、10W送信しただけで回路が誤動作。C-MOSがRFを拾いやすいのだろうと考え、TTLに変更したら少しは良くなったものの、50Wで誤動作。目標は100Wで安定動作ですから、TTLも却下。結局、12接点の情報を一度4ビットの2進にダイオードマトリクスで変換し、それを4本の線でアンテナチューナーに送り、ダイオードマトリクスとトランジスタだけでデコードするという、50年前のDTL回路に落ち着きました。実際の回路はこの4本の線にもう1ビット加えて合計24台をセレクトできる回路にしました。 また、必ず必要となるコモンモードチョークをコントロールケーブル側に予め内臓させました。
コモンモードチョークをキャビネット内に内臓させた場合、見た目はきれいに収まりますが、回路に近すぎて、チョークから外部へ引き出すコネクターまでの短い、経路に高周波が誘導し、チョークの効果がほとんど効かない事が後でわかりました。コモンモードチョークは不恰好でもケースの外に置いた方が良さそうです。
プリセット式MTU 2に続く