« FT-450受信感度不良 | メイン | オートアンテナチューナー(ATU) »

2012年7月 9日 (月)

アマチュア無線局 再開局

<カテゴリ:マルチバンドアンテナシステム>

2008年6月にリタイヤして、暇になりましたので、昔からの趣味ながら、仕事多忙で休止していたハム活動を再開することにしました。ハムで遊ぼうと思えば、アンテナが必要になりますが、住居は西条の住宅地。7MHzの水平ダイポールすら張れない環境で、どうしたらHFのQSOが楽しめるか試行錯誤の始まりでした。

最初に実験したのは、21MHz用マグネチックループアンテナ(MLA)。直径1.2mのアルミループと自作の高耐圧バタフライ型ポリバリコンでオンエア。

Bvc1


0.5mm厚のPPシートを絶縁に使ったバタフライ型バリコン。白色のアルミがステーター。黄色のアルミがローター。タミヤのギアBOXで駆動。

Eスポシーズンも終わりかけた8月末には、国内QSOながら、ほぼ不自由なく出来るようになり、これに味をしめて、直径1.8mの7MHz用を作成することにしました。調整も済み、7MHzのSSBで長崎の局を呼ぶと、応答があり、つい大きな声を出したところ、プッツンと音がしたような気がしたと同時にSWRが無限大に。QSOは途中で中断し、そのままQRT。100Wの出力がまともに出て、高圧バリコンが絶縁破壊されていました。一度絶縁破壊すると、もう20Wくらいの出力でも絶縁破壊するようになり、8月の日中に汗だくで作ったバリコンはあっけなくアルミくずになってしまいました。 

Img_1895_3 21deltaloop_3

MLAの失敗の後、デルタループを作成し、3階のベランダに設置。 4.5mの釣竿の先端部分を取り去り、3.5mのスプレッダーとして、上部水平部を4m確保。 波長15mに対してループ長の不足分は、ワイヤーを釣竿にコイル状に巻きつけて、21MHzでの同調をとりました。 この状態での給電部インピーダンス約78Ωを自作のトロイダルトランスで50Ωに変換すると同時に平衡/不平衡変換も行い、21MHZの全バンドをSWR1.05以下に抑えることに成功。気を良くして運用していると、家族から「かっこ悪い」とクレーム。

(デルタループのSWRの測定はDIAMONDのSX-200で行ったもので、その後、このSWRメーターが故障していた事が判りましたので、実際はもっと悪かったと思われます。  また、線材に2芯シールドとありますが、これは、廃棄されたワイヤーラッピング用シールド線を流用したもので、3.5SQ相当の銅線です。)

さすがに1辺が約3.5mの逆三角形は、外から見ると、この周辺の景色にはそぐわない。  庭から、あるいは向かいの道路から眺めてみて、上げた本人もこのクレームに同意。   結局このデルタループも1週間で降ろす羽目に。

Img_1897_6 Ant_3  

また、別のアンテナを考えねばなりませんが、3階のベランダに設置する関係で、良好なアースが確保できません。従い、検討するアンテナは、すべて非接地タイプに限定しています。

そんな中で、MMANAを駆使して見かけが良くて、なんとか使えそうなオールバンドアンテナとして登場したのが、21MHz用スカイドアアンテナと7MHz用GPの組み合わせ。 これをアンテナチューナーで強制同調して3.5から28までQRVするアイデア。  スカイドアアンテナの横幅はグラスファイバー製の伸縮釣竿を使うことにしたので、この最小長さ(1m)2本分の2mに決定。縦方向は通常3倍の6m必要とするので、三角屋根のように多少変形して、ほぼ確保。  このループを吊り下げるポールは、4mの鉄パイプの上に、5.4mのグラスファイバー製釣竿を継ぎ足し、さらに一番下に1mの塩ビパイプを継ぎ足して、鉄パイプは完全に絶縁された状態にしました。  このふたつのアンテナを20mも長さがある同調フィーダーで引っ張り、リグのそばに置いたクラニシのアンテナチューナーで整合させると言うシステム。 

Mutiantsys0_2

この同調フィーダーを20mも使用したマルチバンドアンテナシステムは2008年10月に使用開始し、2009年10月までに141エンティティーをWorked。 Lowバンドの成績が芳しくないので、同年11月に、GPを止め、7MHzの垂直ダイポールに変更しながら、2011年5月まで使われました。その間に交信できたDXCCのエンティティーは全バンドで189。 バンド別には、

Dxcc2011 

回転半径1mの簡単アンテナですが、サイクル23のどん底からサイクル24の上がりかけの時期としては、決して悪くない成績でした。

しかし、問題点もだんだん浮き彫りになってきました。TVI こそ起きませんが、3.5MHzでは、時々、ガス漏れ警報器がCWのモニターをしたり、火災報知器のベルが鳴りだしたりします。また、24MHzや28MHzで、RFのフィードバックが発生し、両バンドとも100Wフルパワー運用ができません。 さらに、受信の耳が悪いと言うか、貰うRSレポートと相手の聞こえる状態とに大きな隔たりがあります。太平洋の島からRST579を貰っても、こちらでは339くらいにしか聞こえません。 原因はいずれも同調フィーダーからの輻射とノイズのピックアップです。

これを解消するには、同調フィーダーを止め、同軸ケーブルに変更しようと考えますが、同軸ケーブルを使うと、アンテナチューナーはアンテナ直下かベランダに移す必要が生じます。マルチバンドアンテナシステムは、共振していないアンテナを無理やりチューナーで共振させることにより成り立っているわけですから、この場合、バンド切り替えする度に、ベランダに置いたチューナーをいちいち調整するか、オートアンテナチューナーで自動整合させるかしかありません。 真っ先に考えるのが、オートアンテナチューナーです。 よし、オートアンテナチューナーを作ろうと思い立つのは自然の流れでしょう。 あ!違いますね。オートアンテナチューナーを買おうというのが自然の流れで、自分で作ろうと思うところに無理がありそうな。

オートアンテナチューナー(ATU)に続く

INDEXに戻る