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2021年12月20日 (月)

160m SSB送信機 LO2の決定

カテゴリ<SDR> [1.8MHz  自作  dsPIC]

2020年に160mバンドでのSSB運用が解禁され、夜になると、ちらほらSSBの信号が聞こえます。 前回、7MHz用オールモードのトランシーバーを作成し、実用していますが、コンディションの悪化は一向に解消されす、さらにはレーダーパルスにつぶされる事が頻発して、ON AIRのチャンスが少なくなっていました。 特に夜は、ほとんど国内QSOのチャンスはありませんので、コロナでどうせ暇ですから、160mバンド用のSSBの送信機を作成する事にしました。

dsPICを使ったSSBジェネレーターはそのノウハウが判っていますので、前回のアプローチと異なる手法で送信機を構築する事にします。

まず、最初は2nd IFの周波数をクリスタルフィルターの特性を調べて決め、その周波数データを基に、dsPIcのFoscを決めるという逆のパターンで進めます。

Xtal16m_filter_2

16mhzlpf_schema_negate_2

 

 左上が、測定に使った治具。右上が治具の回路図です。

1st IF用に選んだクリスタルフィルターの周波数は16MHz。 このフィルターの並列共振周波数でイメージを抑圧出来るようにLO2の周波数を割り出せば、自動的にdsPICの中でミキシングするサブキャリアの周波数が決まります。 以下のスペアナの画面は実際に作成したクリスタル3個による実測データです。 通過帯域のリップルが大きいですが、ここをフラットにすると、イメージ信号の抑圧が-50dBくらいしか取れなくなりますので、この状態で我慢する事にします。

Sdr_160mtx_lo2_config1

クリスタルフィルターの直列共振による、ほぼフラットな部分が15994.855KHzから15997.802KHzまでの約3KHzありますので、これをベースにキャリアポイントとして15994.855KHzを選択します。 この時のSSB信号はUSBモードです。 そして、並列共振により、約-59dB以上の減衰を確保出来る周波数帯は、D3の16009.441KHzから、D2の16013.537KHとなります。 そして、イメージとなるLSBのキャリア周波数はこのD2が最高値となります。この周波数関係で成立する為の2nd ローカルOSC(以後LO2)の周波数は16004.196KHzとなります。 ここで、D2とD3の間には4.096KHzの幅がありますので、LSBのキャリア周波数は、後1KHzくらいは低くなってもOKです。 仮に1KHz低くなった場合のLO2の周波数は、500Hz低くなった、16003.696KHzまで、下げて良い事になります。 これらの条件からdsPIC内でミキシングするサブキャリアの周波数は9.341KHzから8.841KHzの範囲にあればOKとなります。 従って、dsPICのクロック条件を設定する場合、この中央値、9.091KHzをターゲットに検討する事にします。  1st IFの帯域の左端にキャリアポイントを置きましたので、AMは単側波帯、全搬送波(H3E)になります。

(注:ここでは、16MHz帯を1st IF  9KHz帯を2nd IFと呼んでいます。)

以上の周波数データからdsPICのクロックを詰めていくと、一番近い周波数の関係は以下のようになります。

160mtx_osc_config

Foscが74.4MHzですから、Fcyはこの1/2の37.2MHz。  ADCのクロックはFcyを1/1024とすると、36.328KHzとなり、サブキャリアはこの1/4ですから、9.082KHz。クリスタルフィルターの特性から導き出されたターゲット周波数は9.091KHzですから、差は9Hz。 従い、サブキャリアを9.082KHに修正し、実際のLO2は16003.937KHzとします。

このようにして作られた第1IFは可変発振器(LO1)とMIXして、送信周波数(TXFreq)へ変換されます。 これらの関係式は以下のようになります。

LO1 = LO2 - Sub Catrr + TXFreq

TXFreqが1800KHzの場合、LO1は17794.855KHzとなります。

dsPICの中でサブキャリアでミキシングしたDSB信号の内、LSB信号をBPFで選択出力し、LO2とMIXした時、USBに変わり、さらにLO1とMIXした時、LSBに戻ります。

これらの数値を使い、dsPICのソフトを開発していきますが、その中身は、前回の7MHzトランシーバーのソフトからOSC関連の数値を変える事と、受信機やその他の不要な機能を廃止する事で完成します。

dsPICの中での処理は以下のブロックが実現出来るように構成しますが、基本は7MHzのトランシーバーと同じです。

160mtx_dsp_block

 

160m SS送信機 組み立て開始へ続く。

 

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