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2015年1月26日 (月)

160m用ロングワイヤー4

<カテゴリ:アンテナ>

全長40mのロングワイヤーは、その絶対利得が+1.47dBiと実験したアンテナの中では唯一プラスのゲインになりましたが、垂直面内の指向性がほとんど真上に集中し、近隣の局のSは強烈に上昇しましたが、DXの信号はほとんど聞こえない状態でした。 2015年CQWW 160mコンテストの2日目、ゲインはかなりダウンしますが、打ち合上げ角が31度くらいになるT型ロングワイヤーに変えて、再度トライする事にしました。

160m13t9drw

マッチングBOXの中のローディングコイルのタップ位置を選択して1.817MHzに共振させ、トランスの巻き数比を9:5とした時、 最少SWRは1.05くらいでバンド内は1.4以下に収まっています。 アンテナの推定インピーダンスは15Ωくらいです。

ゲインは-6.14dBiとかなり落ちましたが、打ち上げ角は31度となり一応DXも可能な状態になりました。  夕方になるのを待って、ワッチすると、ハワイがQSBを伴いながら599で聞こえます。QSBのピークを見計らって、コールすると「PDP?」と返ってきましたので、数回コールしましたが、結局交信不成立。 その後ワッチを続けると、アリゾナが+10dBくらいで入感します。 ただし、コールしてもQSOは出来ません。 

結果的に、2日目の晩もサハリンと交信できただけでしたが、少なくとも前日のフルサイズLWよりDX向きである事は判りました。 先端がシャックと同じ高さで、我が家の屋根より低いというアンテナでは、DXは無理と諦めることにしました。 このコンテストはJA同志のQSOも得点になりますので、CQ TESTを出すと、ちゃんと呼ばれます。 国内にはそこそこ飛んでいるようです。

160m13t9mmana

垂直面の指向性は良さそうですが、地上高が低いのがやはり致命傷ですかね。

次の日の月曜日、雨の中、アンテナの撤去を行いましたが、再度使用する事はないでしょう。

次に160mバンドにQRVする時は、160m用ロングワイヤー(LW) 1で紹介したスカイドアエレメントを使用した屋根より高いアンテナに再挑戦します。 前回は出力で共振周波数が変わるという問題で投げ出しましたが、対策を考えて再トライです。

160m垂直アンテナ へ続く。

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2015年1月24日 (土)

160m用ロングワイヤー3

<カテゴリ:アンテナ>

全長が26mのロングワイヤー(実際はショートワイヤーの呼び名に等しい)は、その高さの割にしては良く飛んでくれました。  しかし、臨時に仮設する条件であれば、最長50mのロングワイヤーを展開できる場所が有りながら、電線の重さの為、張る事が出来ず、26mで妥協していた状態でした。  最近、直径1mmのステンレスワイヤーを市場価格の半額近くで入手できましたので、1.8MHz用フルサイズロングワイヤーにトライしました。

160mlw3

相変わらず、高さは最高8mくらいしか取れませんが、全長50mのワイヤーを用意して、とりあえず張ってみましたら、アンテナの共振周波数は1.6MHz以下となっていましたので、そこからせっせと、ワイヤーをカットし、10mくらいカットしたところで1,817MHzに共振させる事に成功しました。実際のワイヤーの長さは測っていませんので、約40mくらいとしか言いようが有りません。 アンテナアナライザーで確認すると、共振周波数でのインピーダンスは48Ωくらいです。 インピーダンスが高いのはステンレスワイヤーの直流抵抗成分の性かも知れません。なぜなら、40m長のステンレスワイヤーのDC抵抗は60Ωくらいありましたので。 このDC抵抗が原因していると思いますが、アンテナの帯域が従来のアンテナに比べ大幅に広くなっています。アンテナのQがかなり小さくなった為と思われます。 

160mtrns

この状態で直列に1800PFのコンデンサを挿入すると、1.910Mhz付近で同調します。この短縮コンデンサはMMANAで計算しても1800PFと算出されていました。 調整の為、1700PFくらいのセラミックコンデンサに150PFのバリコンをパラ付けして微調整できるようにしてあります。

Qが下がっても、従来のアンテナ以上に飛ぶなら、成功と思いますので、さっそく、アンテナを仮設した晩に1.9MHzでCQを出してみました。 とりあえず5局と交信できましたが双方とも受信状態はあまり良くなかった様でした。

やはり、全長のDC抵抗が60Ωというのは、ダミー抵抗をドライブしているのに等しいと思われます。 

160madj

せっかく入手したステンレスワイヤーでしたが、アンテナワイヤーとしては無理と判りましたので、LANケーブルから取り出した、AWG24のワイヤーに取り替える事にしました。 約7mのLANケーブルがジャンク箱の中にありましたので、この外被をさき、かつツイストされた4組のワイヤーを気長にほどき、全部継ぎ足すと56m近くになりました。 このワイヤーを30mにカットし、12mの1.25SQ KIV線を継ぎ足すと、DC抵抗は3Ωになりした。  このワイヤーを池の上に展開し、1.817MHzに同調するように長さを調整した結果、インピーダンスは、アンテナアナライザーで18Ωと測定されましたので、送信機からの同軸ケーブルを10番タップに接続し、6番タップからアンテナへ接続しました。 SWRは1.05以下です。 1.8MHz帯のバンド全体でSWR1.2以下とかなり広帯域です。  LANケーブル用のワイヤーはその被覆が非常に薄く、同じAWG24でもUL1007タイプよりはるかに軽量です。被覆材料はPE(ポリエチレン)ですから高周波特性も良好です。

このアンテナはコンテストの時だけ臨時に仮設して使用するものですから、架設する度に、共振周波数がすこしアップ、ダウンします。 この微調整用として、整合BOXのすぐ近くでワイヤーを約70cmくらい折り返して束ねて置きます。 共振周波数がずれたとき、この束ねた部分を長くしたり短くしたりして、調整し、いちいちワイヤーをカットしなくて済むようにしてあります。

下に、MMANAでシュミレーションした、水平面、垂直面の指向特性を示します。 シュミレーションでは深さ5mの池の地形は想定されていませんので、これより打ち上げ角が低い事を期待したのですが、実際は期待外れでした。

このアンテナを2015年CQWW 160mコンテストで試してみました。 5エリアの局が+70dBくらいで入感します。韓国も+30dBくらいで入感しますが、いつも+40dBで聞こえるサハリンの局は+20dBくらいです。 +20dBで入感する局とは交信できましたが、それ以下のSの局を呼んでも、CQのコールが一瞬とぎれるだけで、QRZすら返ってきません。 まあ、これが普通ですから、送信能力は諦められますが、HLの局と交信している7や8エリアの局すらあまり良く聞こえません。 どうやら、打ち上げ角がシュミレーション以上に真上へ出てしまったようです。

160mmmana

結局、このアンテナは1晩で不合格の判定を行い、どう改善するか思案しておりましたら、飼い猫が走り回り、マッチングBOXを引きずった為、ワイヤーが切れてしまいました。 猫の遊び場に設置したのがいけなかったと反省しながら、午前中に撤去しました。 

160m用ロングワイヤー4 に続く

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