TS-930 MODEスイッチ破損
メイン機として使用していました、TS-930Sのモードが突然切り替わらなくなりました。 モードSWはロータリーノブですが、スイッチ部分はスライドSWになっており、ロータリーノブを回転させると、それを水平移動に変換し、薄いステンレスの板でスライドSWまで伝達する構造です。 このステンレスの板が折れてしまい、シャフトの回転がスライドSWへ伝わらないというのが故障の全容でした。
アマチュアが修理する場合、一番困るのが、こういう電気機構部品といいますか、メカニカルな部品の故障です。しかも、今回は30年前くらいに流行したロータリーSWをプリント基板に実装できると、設計者の間で人気が出たリモートシャフトと呼ばれるスイッチです。商品を開発する上で、非常に便利で、デザイナーがデザインしたパネル配置と電気屋が設計する基板とのマッチングがフリーに出来、アルプス電気や松下電子部品(現パナソニック)が商品化したものです。 TS-930には松下電子部品製が使われていました。 ところが時代が過ぎ、どんなに安い家電製品にもマイコンが搭載されるようになると、回路の切替はIC化され、メカニカルSWの出る幕はなくなっていき、いつの間にか廃番部品となり、市場から姿を消しました。
KENWOODにメールでKENWOODのサービスパーツナンバーで在庫を問い合わせしましたが、予想通り在庫なし。近くのハムショップにジャンク品の問い合わせをしましたが、これも無し。 ヤフオクでこのSWが売りに出されるのを3ヶ月間待ちましたが、さすがにモードSWのみの出品はなく、やむなく、完成品をゲットすることに。もちろん、故障品です。
やっと、MODEスイッチのリモートシャフトのみを交換して、TS-930Sは、またメインに返り咲きました。
同じようなトラブルに遭遇されたとき、安全にリモートシャフトをスライドSWから取り外す方法を紹介します。むやみに引っ張ってロック用のツメが壊れたら、おしまいです。壊さないようにうまく取り外して下さい。