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2012年7月18日 (水)

TS-930S 送信不能(ファイナルユニット不良)

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930pwrunit_4送信不能の原因は、ファイナルアンプのドライバー付近のスルーホールが、熱でひび割れし導通不能となっていることです。これは、初回の修理で判っており、疑わしいスルーホールのハンダを再度熔かして修理してきました。その後3年以上経過する内に、ここ1年くらいの間で、たまに送信不良が発生し、フルパワー送信を行うと直ってしまうという状態でした。しかし、最近送信不能の発生の頻度が増えてきましたので、スルーホールを銅線で結んでしまおうと、ファイナルユニットの分解修理をする事にしました。

サービスマニュアルの基板図に、部品の足が貫通せずに、ハンダだけで両面を結んでいるところを見つけ、印を付け、スルーホールの穴のハンダを熔かしながら、銅線を貫通させ両面で再ハンダしていきます。

この作業を始めていたら、ドライバートランジスターQ2,Q3のコレクターからファイナルまでの大電流が流れるスルーホールには、すでにワイヤーが埋め込まれており、両面の銅箔パターンに、ワイヤーがハンダ付けされている事が判りました。設計的に予め対応したのか、修理の途中で誰かが処理したのかは不明ですが、ハンダだけでなく、銅線でも両面をつなぐという処置は有効なようです。なぜなら、発熱はこれら銅線入りスルーホールの方が大きいのですが、ここでの導通不良は一度もありません。

930pwrunit2_3 930pwrunit3_2 

過去何回となく、送信不能となり、その都度、Q2とQ3のコレクタ、ベース、エミッタの各ハンダ付け部分を、再ハンダして対応した訳が判りました。このQ2とQ3のコレクタ側はワイヤーで両面をつないでいますが、ベースとエミッタはハンダだけでつながっています。設計的にはここの穴にトランジスタの足を貫通させて、両面でハンダ付けするつもりだったかも知れませんが、実際のセットではトランジスタの足を短く切り、貫通させていません。今回この部分の穴にワイヤーを貫通させ、両面で結びました。もちろん、その他のハンダだけのスルーホールにもワイヤーを貫通させて修理完了。

この状態で様子をみようと思います。

3年経過しましたが、問題の再発はありません。

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