Super Rad(スーパーラド)アンテナ
Super Radアンテナの存在を知り、160mバンドでの可能性が有りそうということで、また実験を始めました。(実験は2010年5月~6月ごろ)
上の写真は左から製作した順番に、15m、17m、40mそれに80m用です。
それぞれ、この室内設置状態で交信できています。室内と言っても木造鉄骨の3階の部屋の窓際で地上高はすでに8mあります。 交信数は全23局、内訳は
- 21MHz 6局
- 18MHz 3局
- 7MHz 10局
- 3.5MHz 4局
全て国内交信。貰ったり送ったRSリポートは全て59か599。スーパーラドアンテナを検討しようと試作始めたのは、160m用のアンテナが無いので、それを実現しようと、簡単な21MHz用から製作を始めたものです。しかし、160m用を作る前に中止してしまいました。
現用のアンテナとの差を比較していくと
- 21MHzでは、ワンエレループと比較。受信感度S2つの差。このバンドのみ相手からの受信レポートがあり、Sメーターの読みでS2つ差との事。こちらの送信出力を5Wにして、SRAではS7、ループではS9のレポートでした。
- 18MHzでもワンエレループとの比較で受信感度S2つの差。
- 7MHzは垂直ダイポールとの比較で、受信感度でS2つの差。
- 3.5MHzも7MHz用垂直ダイポールとの比較で、受信感度でS2つの差。
室内は不利だろうと、7MHzだけですが、3階のベランダから2mのポールで持ち上げて、地上高10mを実現しましたが、期待とは裏腹にダイポールとS2つの差は変りませんでした。
S2つとは約12dBのことで、このゲインがそのまま送信にも当てはまります。 また、概設の7MHz用垂直ダイポールを3.5MHzで使った時と、仮設した3.5MHz用フルサイズ逆Vを比較すると、垂直ダイポールの方が10dBから26dBくらい感度が悪い事が判りました。
仮に感度は10dBしか悪化しないとしても、スーパーラドは3.5MHzで、22dBも感度のダウンが起こり、また送信電力のロスが起こると言う事になります。1.9MHzの場合、もっとロスが大きいと考えられます。
一方、7MHz用垂直ダイポールに1.8MHzをのせたMMANAでのシュミレーションでは、 -0.5dBi くらいのゲインになり、このアンテナをNT-636で整合させたときの整合回路のロスはTLWにて99.3%と計算されます。 この状態は、スパーラドと同等か、まだましな状態と想像できます。
これが諦めた理由でした。
このアンテナは旅行カバンの中から取り出した21MHz用アンテナを高層ホテルの窓際においたり、アパートのベランダや窓際に置いて、HFの交信を楽しむには最適と思います。Sふたつの差があろうが、このサイズで交信を楽しめるのは立派ですね。
いつか、もう少し小さくして、いつも持ち歩けるものを作るつもりです。
その後、160mバンドは、7MHzの垂直ダイポールで頑張ったのですが、まだ3エンティティー。内訳は台湾、小笠原、それに日本本土。 160m用のアンテナは未だに模索中です。
2017年9月
移動運用の為、7MHz用SRAを再製作中ですが、うまくいきません。 受信感度が、7MHz垂直ダイポールと比較して30dBくらいの差があります。 過去の写真からヒントを得ようと昔のCD-ROMを再生していましたら、当時のSRAの製作メモが見つかりました。 残念ながら、21と18MHz用だけで、7MHzや3.5MHz用は見つかりませんでした。 7MHz用の写真が数枚見つかりましたので、写真を基に、再度トライしています。 以下は最初に紹介した21Mhz、18MHz用SRAの緒元です。