FT-450 ヘッドフォーン出力 レベル小
中古のFT-450で、ほとんど使用実績のない初期のものを格安で買いました。
私の場合、CW運用が多いので、CWのモニター音量を設定していましたら、スピーカーの場合よりヘッドフォーン出力のときのモニター音がかなり小さい事に気づきました。
改めて、スピーカーとヘッドフォーンの音量や音質の比較を行うと、ヘッドフォーンの音質が格段に悪くなります。高域がカットされている音質です。このためもあり、CWのモニター音はとても聞くに堪えないキークリックだらけの音です。
配線図を追いかけると、ヘッドフォーンはスピーカー出力から120Ωの抵抗をシリーズに介して接続されますが、なんと、この抵抗の出力端が22μFの電解コンデンサでショートされているではありませんか。22μFのコンデンサの1KHzのリアクタンスは約7Ωですので、8Ωのヘッドフォーンを使った場合、2KHzで6dB以上もカットされます。もし30Ωのヘッドフォーンなら完全なハイカットになってしまいます。
配線図だけの問題で実際は違うかもしれないとサービスマニュアルにある基板図をチェックすると、ちゃんと正しく、配線図通り、電解コンデンサでショートしていました。
高周波の回り込み対策として0.1μFくらいのコンデンサは必要でしょうから、この電解コンデンサを交換することにしました。この電解コンは表面実装タイプです。昔から、このタイプのコンデンサを剥ぎ取るのは苦労します。半田コテを2本持って両方の電極のハンダを溶かそうとしますが、コンデンサの本体に阻まれて、半田コテの先が電極をうまく暖めません。そのうち、コンデンサ本体や周辺のプラスティックを溶かしながらも、無理やり剥ぎ取りました。
その結果、銅箔パターンまで一緒に剥ぎ取られ、スピーカーの音が出なくなってしまい大慌て。 とりあえず、ジャンパー線で剥ぎ取られたパターンをつないで、事なきを得ました。
良く考えると、これは完全に設計ミスですね。最近FT-450Dを購入したローカル局に、この話をしても、問題ないとのこと。”D”の前のモデルがそうなのかも知れません。
一度貴方のFT-450の配線図を確かめてみてはいかがですか?