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2021年3月13日 (土)

デジタルDC電圧計

[PIC DC100V ]

200Wのリニアアンプが完成しましたが、この電源は65V 6Aくらいの容量が必要です。 そのため、12V、24Vの固定電圧電源と、48Vの可変電圧電源、計3台を直列接続して、65Vの電源を構築する必要がありました。 固定電圧電源は、問題ないのですが、可変電圧電源は、リニアアンプ以外の機器の電源として、利用する事もあり、いざ、リニアアンプを使おうとすると、毎回、電源電圧の確認をデジタルテスターで行うと言う面倒がありました。 そこで、簡単なデジタル電圧計をリニアアンプに内蔵させ、常に電圧のチェックが出来るようにする為、デジタル電圧計を作る事にします。

使用するのは、PIC12F675という8ピンの8bitマイコンと、aitendoで99円で売れられていたLCDです。 このPICはピン数が少ないだけでなく、プログラムROMも、データ用RAMも容量が少なく、電圧計を構成できるか、不安でしたが、なんとか制限容量内に収まり、完成できました。

まず、回路図です。

Vmeter150_chema

測定しようとするDC電圧を抵抗で分圧し、それを10bitのADコンバーターでデジタル化し、その電圧値をLCDに表示するだけの機能ですが、PICの電源は5Vの3端子レギュレーターから供給されますが、この電源がOFF状態で、測定しようとするDC電圧がADの入力に加わった場合、PICがラッチアップする可能性があります。 そこで、PICの電源がOFFの状態で、測定しようとするDC電圧が印加された場合、AD入力にDC電圧が印加されないようにし、Q1でAD入力をショートし、PICの電源がONになったら、Q2でQ1をOFFにして、ADに電圧が印加されるようにしてあります。

この電圧計を完成させた状態で、PIC12F675のプログラムROM使用量は61%、データRAMの使用量は73%でした。

電圧表示は小数点第1位まで表示し、58Vの電源のとき、表示誤差は手持ちのデジタルテスターに対して+/-0.1Vの誤差でした。 ADCの都合から、測定できる最大電圧は100Vですが、10V以下なら、ATTの値を変更する事により小数点以下2桁まで表示する事も出来ます。

Vmeter150_0

上は、バラック状態で約43Vの電圧を測定しているところです。

この電圧計の校正は通常印加するDC電圧を加えておき、市販のデジタルテスターで電圧を読み、同じ表示になるようにVR1を調整するだけです。

これをリニアアンプに実装したのが以下です。

Vmeter150_1

このデジタル電圧計の最大の欠点は、LCDの視野角が狭い事です。 LCDを正面から見ても、文字が良く見えません。 LCDを下から見上げるようにすると、綺麗なコントラストで文字が見えます。 従い、リニアアンプに実装した時は、かなり斜めに設置し、正面からLCDを見たとき、LCDの下側から見上げる角度になるようにしました。

PICのソースコード V_Meter_DC100V.cをダウンロード  

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