« バリコン式ATUの自作 4 | メイン | バリコン式ATUの自作 6 (角度センサー対応アルゴリズム) »

2014年8月 9日 (土)

バリコン式ATUの自作 5 (角度センサー)

カテゴリ:オートアンテナチューナー(ATU)の製作

ATUのソフト開発中ですが、バリコンの角度センサーはマストのようです。 今回は、TS-930S内蔵用ATUに追加したバリコンの角度センサーを紹介します。

部品集めです。

Atugiar

Atugiar4

直径16mmの平ギアで3mmのシャフトに止められる物、16φで軸径が3.2mmの可変抵抗器、25mm長のM3小ネジ、内径4mm長さ15mmのスペーサー、それに可変抵抗器を保持するアルミフレーム。

平ギアと可変抵抗器は千石電商から通販で購入。小ネジとスペーサーは近くのホームセンターで購入。アルミのフレームはJW-CADでギアBOXの組み立て図を作図し、図面を作成した上で、糸ノコと電動ドリルで自作しました。

フレームの図面です。  ギアのかみ合わせの調整を何度もした結果、13.5mmの寸法は13.2mmくらいにした方がいいみたいでした。

Atugiar9

Atugiar5左は、加工済みアルミフレームと、可変抵抗器の軸に装着した平ギアです。 

この平ギアは軸径3mm用であり、可変抵抗器の軸径3.2mmと合いません。よって、3.2mmのドリルで穴を拡大するのですが、購入した4個のギアの内、1個のみ軸径2mm用が混入していました。 ちょうどこの日、台風11号が接近中で大雨となっており、屋外作業となるボール盤が使えません。やむなくハンドの電動ドリルで穴拡大の作業をおこないました。

軸径3mmのギアの穴を3.2mmに拡大するのは問題ないのですが、軸径2mmを3.2mmに拡大すると、穴の軸がほんの少し傾いてしまいました。 ギアが薄いので、かみ合わせがきわどくなってしまいましたが、とりあえず使えます。

この軸径の間違ったギアは後日、注文通りの軸径3mmの物が無償で送られてきました。(TKS)

Atugiar1

Atugiar2

バリコン駆動シャフトにも平ギアを装着しますが、シャフトがサビていて、ギアが挿入できません。ヤスリでシャフトを磨いたり、ギア側のアルミボスの穴をヤスリで削ったりして現物合わせで挿入しました。 ギアBOXはそれぞれ4個のビスでアングルに固定されますが、上側のビスを25mm長のビスに変更し、飛び出したビスに15mm長のスペーサーを差し込みます。 このスペーサーの内径は4mmで、ギアBOX固定用アングルの絞りタップを包み込んでしまいます。

アルミフレームに可変抵抗器を取り付け、ギアを仮止めした状態で、アルミフレームを25mm長のビス4本で固定します。そのままでは、可変抵抗器の本体がアングルに当たり挿入できませんので、一度、25mm長のビスを緩め、アルミフレームを差し込んだら、また元通りに締め直します。

Atugiar7

Atugiar8

バリコンは最大容量位置から半時計方向に10度くらい回した位置にしておき、可変抵抗器は半時計方向に回しきって置き、ふたつの平ギアがかみ合うように固定します。

ここまでできたら、モーターにDC電源をつなぎ、問題なく動作する事を確認します。 ギアのボスの穴径を拡大するとき、穴の軸が傾きましたので、回転すると、ふたつのギアのかみ合い部分がずれます。ずれても、かみ合いが外れない位置にギアを固定しました。

ギアがプラスチックですから、可変抵抗器のストッパーに当たると、ギアの歯が欠けてしまう可能性があります。マイコンソフト作成時十分注意が必要です。最後の保護手段として、ギアがロックされたら、モーターコントロール用ICの電源ラインにシリーズに入れた10Ωの抵抗が断線してギアを保護する事を期待したいと思います。

後日、可変抵抗器のストッパーに当たる事故が何回も発生しましたが、10Ωは断線しない代わりに、電圧降下が起こり、モーターのトルクを弱めますので、ギアも無傷で済みました。

Atugiarlist

この角度センサーに使用した部品リストを左に示します。  軸径が3mmの可変抵抗器を使えば、平ギアが傾く問題は無くなると思います。 

アルミフレームを寸法通り作るこつは、JW-CADで一度作図し、これを実寸大(拡大率100%)でインクジェットプリンターで紙に印刷します。 プリンターはキャノンでもエプソンでもOKです。 この印刷した紙をアルミ板に糊で張り付け、穴の中心にポンチで印をつけると、ハンドドリルでも大きく寸法が狂う事はありません。穴のセンターずれを押さえる為に、一度2φくらいの穴をあけ、その後で目標の穴径に拡大します。  寸法がずれている場合、4個の3.6φの穴径を3.8φとか4φに広げて調整します。 アルミ板は柔らかいので、その他の寸法誤差も吸収してくれます。         紙をアルミ板に張り付ける時は、決して両面テープは使いません。 穴あけ加工後、両面テープをはぎ取るのに苦労しましたから。 糊なら加工後に水洗いすれば、きれいに取れます。

とりあえず、角度センサーができましたので、これに対応するSWR収束のアルゴリズムを検討する事にします。

バリコン式ATUの自作 6 (角度センサー対応アルゴリズム) に続く

INDEXに戻る